モン娘の嫁が欲しい転生テイマー冒険記   作:唯のかえる

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第4話

 

 さて、転生したという認識から一週間ほどたった。

 

 転生自認後の変化と言えば、進化させたタガヤシ丸は今日も元気!

 

 兵隊アーリーの進化前であるデカントの時は言ってしまうとギャザラー系、いわゆる採取系スキルに寄った性質だったのが、完全に戦闘用のモンスターへ変化したのだ。

 今までもこのあたりのモンスタ―に対して長年の経験値でレベル差無双していたのに、戦闘寄りになったせいでさらなる八面六臂の無双状態になった。

 僕の父であるダリルは長年連れ添ったモンスターの変化に最初は戸惑っていたが、すぐに切り替えたのか一緒に森側の開拓場で現れるモンスターたちを同じようにちぎっては投げているようだ。

 

 タガヤシ丸の進化により、村にかかっていた土地成長バフ(微)がなくなったのが少々問題になった。

 しかし、父と村長の相談により早馬で、開拓地を含む場所を収めているタマランチ王国の辺境伯である土地の主に伝達が言った様子。

 それで何か問題があったかと言えば、特になんてこともなくことは進んだ。

 

 平民に与えているテイムモンスターが、時折予想しない方向の進化を行うことは王国としてもたまにある事らしい。

 特に低級モンスターは進化条件を満たし、進化の意志があれば進化してしまう。

 

 今回はつつがなく報告が行われたことにより、査察官が開拓村に訪れ、たまたま進化させてしまった(ということになっている)ダリルが新たな土地成長ボーナスを持つモンスターの使役することで解決となるようだ。

 

 ただ、与えられるモンスターが虫系のワームモンスターであることでダリルは完全にこの開拓村に根を下ろすことになるだろう。

 何故ならワーム系の移動は基本地面を潜りながら進む。

 定置して住まわせれば豊かな大地を約束するが、これが放浪するとなると通行のため固まった道を掘り返すことになる。

 ちなみにこの村に持ってくる方法は、進化Ⅰの一番小さいサイズで馬車で運ばれてくるそうだ。

 

 父のダリルは元々この開拓村を発展させることに夢を持っていたので、根を張ることに異論はなく僕が凹んで謝りに行ったとき笑って許してくれた。新しいモンスターもテイムできるし儲けもんだとはっきり言いきれる父の背中はデカかった。

 

 

 そういえば、新たなモンスターで思い出した。

 僕のテイマーになりたいという希望。

 

 ダリルはタガヤシ丸の件から真面目に話を聞いてくれるようになったが、問題があるために先送りになりそうなのだ……。

 

 

 ◇

 

 

「マース、お前の言っていた夢の事を少し信じよう」

「本当!? さすがとーちゃん!」

「ただし、俺の知ってる事をしっかり覚えてほしい」

 

 真剣な顔をしたダリルに、マースは説明を受ける。

 まず、このタマランチ王国ではテイマーというJOBは徹底して管理されているということ。

 理由は東の国のあるエッドという場所で、百鬼夜行として賊のテイマーが暴れた事が理由。

 さらに言えば、モンスターの進化の情報は王国の特権階級。いわゆる貴族が独占しており、在野の平民が情報を持っていることは絶対に良しとならないということ。

 今回の件は、十数年デカントのまま進化できなかったモンスターが偶然の出来事で進化したで片が付くだろうが、同じ場所で同じような偶然の進化が起きれば絶対におかしく感じられる。

 よって次回来るワーム系のモンスターには知識があってもそれを語ることを禁ずる。

 

「要は自衛だな。あー、自分の身を守るために、俺たち家族を守るためにそれを他所で言ってはいけない」

「……もしかして、僕がテイマーになって勝手に進化させても不味いってコト?」

「ああ、そうだ。ちなみにワーム系の進化は夢で見たのか?」

「ワームも知らない事の方が少ないかな……。モンゴリアンデススターワーム娘の話する? それはもうすごいよ」

「よし、仕事行くかぁ……。娘ってなんだ……なんだ……」

「それはもうすごいんだよ? あ、ちょっと!!」

 

 遠い目をしながらダリルは話を打ち切り、歩き去っていった。

 残された僕はダリルの背中に手を伸ばしつつ、モンゴリアンデススターワーム娘の事を深く思い出す……。

 

 ……語ってもよろしいですかな?

 

 ──ヒャァッ! 我慢できねぇ!

 

 説明しよう!!

 

 モンゴリアンデススターワーム娘とは、某宇宙SFからパロディネタが多く使われており、暗黒面で騎士の対局だけど騎士っぽくてよく闇落ちしてる子だ。ゲーム的に標準な人型アバターサイズしかなかったが、設定的には巨大怪獣化できたりサイズがハチャメチャだったりする。I am your fatherネタをこすってきたり、呼吸音が特徴的なマスクをつけているが、マスク脱いだら銀髪赤目美少女面しているのもとてもいい。とんでもねぇボンキュボンで暗黒騎士スタイルの赤黒くピカピカ光る謎ピッチリ鎧着ていて見た目も良し。戦闘に関しては完全ダメージディーラー寄りで近距離遠距離何でもござれ、高倍率クソデガビームやぶぉんぶぉんなる光るソードだったり見た目ネタの中身ガチな強いモン娘だった。なお、耐久は紙である。これも原作再現か?ところでワーム要素とは? まぁモン娘突き詰めるとその要素どっか行くのはよくある事なのでさもありなん。ちなみに砂漠地形だと速度バフがかかるし、サブストーリーでは食事は丸のみ描写が入る(早口)

 

 よし、楽しく語れたな。

 

 ◇

 

 

「さて現実逃避から帰ってきたぞ。……僕がテイマーになるには問題なくモンスターを進化させても問題ない立場や状況状態にならないといけないわけだ」

 

 家の庭で雑草をつまみながら、僕はぼやく。ちなみに一人だ。

 他の兄姉は各自各々の仕事をしたり恋人と逢瀬を楽しんだりしている。

 体を動かしながら軽く思考するが、いい案は思い浮かばない。

 体が成長して子供から大人になれば選択肢は増えるだろうが……。

 待てますか? 待てませんか? 巻いていきます。

 

「貴族が独占してるってことは貴族になれば自由かなと思うけれど、言うは易しだしそもそも封権制なめんなって話」

 

 絶対的な立場であるから貴いのだ。

 血は青く、下を支配する。それが貴族である。

 

 平民の中には見初められて血の一員とされる場合もあるがなぁ……。

 自分の土だらけになったちんまいお手てを見る。

 最低限、これが土じゃなくてインクで汚れてないと無理かもなぁ。

 

「さて、後は異世界テンプレのごとく力で成り上がるパターンだが……」

 

 こっちのほうが希望はあるが、冷静に考えて感じたことがある。

 進化が行われた辺境の開拓地に速攻で査察官が贈られる環境を。

 このあたりを治めているという辺境伯様は、めっちゃ仕事するタイプの有能領主な気がするんだ。

 

 あと、父のダリルもそうだがモンスターと常に戦っている最前線の開拓地ですら国を恐れている感覚があった。

 あんだけ森のモンスターたちに囲まれてもバッタバッタと薙ぎ倒す村人たちがだ。

 

「これ絶対に上と下の力のバランス取れてるよね。テイマー管理の話も割と徹底的だし」

 

 ゲームのC3ってこんなにディストピアチックな異世界だったかなぁ。

 特にこの国はもっと自由でおおらかなお国柄だった気がするんだよね。

 東の大陸と言えば、ストーリー上初期スポーンの位置だし……。

 いや、逆に考えるとこのくらい統制しないと、ストーリーの後ろで追加された南や西の大陸の国々と対等になれない環境なのか……? しかも開拓村の場所というか地理も聞き覚えのないし! タマランチ王国なんて初耳だよ!

 でも東の島国のエッドはゲーム時代にも存在したしなぁ。確実にゲーム世界だとは思うんだよ。

 この辺ももう少し詳しく調べたいが、僕は開拓村のただのクソガキである。

 ダリルにもっと質問したりしたいが、父は普通に忙しい。

 行商人とかも寄る時期があるみたいだからその辺で調べてみたいところ。

 

 エッド……。

 和モチーフだったし妖怪娘の実装最高だったな……。

 い、いかん! これ以上考えると語りたくなってしまう。

 

 大きくため息。

 手と膝についた土とパンパンと払って伸びをする。

 

「やめやめ! 情報が足りない今考えても無駄無駄! どのみちJOBレベル上げるにはその職業についてからの戦闘しかないし、今は体を鍛えるしかねぇ! 戦闘技術も一朝一夕に完成するモンでもないし地道にやってくぞぉー! おー!」

 

 体が資本なのはゲームでも現実でも変わらないのだ。

 ゲームで一番大事なのはまずレベルとステータス。

 その次にプレイスキル、そして知識だ。

 大体レベルがあれば何でもできる。

 そしてレベルを手に入れるには体を鍛えればいい。知識はゲーム時代の物を精査しないといけないし、やることがいっぱいだ。

 モン娘マスターへの道は遠いぜ!

 

 しかし経験値ってシステムのある世界って素晴らしいね! ステータスオープンとかできないから良く分かんねぇけど!

 

「うおおお、待ってろよ未来のモン娘嫁! 僕は絶対にあきらめないからな!」

 

 この後、滅茶苦茶走り回ったり筋トレしたり受け身の練習しまくった。

 汗だく泥だらけになったせいで家に上がる前に、ダリルからげんこつ落とされることをまだ僕は知らないのだった。

 




皆もモン娘TDやろう
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