12区の裏路地…
生まれ故郷ではあるが俺はあんまりこの辺を知らない。
あの日に全てを奪われ連れて行かれてからだから…俺の今の年齢が15だとして(合ってるかは分からないが)大体…12?年位は此処に居なかったからな。
そのせいで大分駆けずり回ったよ…
だけど、俺の記憶がある場所までは来れた。
だけど…予想していたが建物とかがボロボロだな…
煙戦争のせいで人もほとんど居ねぇし。
その中でも比較的にマシな建物が…俺の家がある。
漸く…俺の家に帰って来れた…
――――――自宅――――――
「何だよ、ボロボロじゃねぇか。」
中のあんまりな荒れ具合に思わずボヤいてしまった。
まぁ確かに12年近く誰も居なかったんだ、荒らされても当然か…
「……」
親父の部屋…俺の記憶が確かなら…
「…クソッ…」
クソッタレ、やっぱり荒らされてる…
親父の…一度だけしか見た事のない、クローゼットの中身が…
「クソ…」
リビングのバネだの何だのでボロボロのソファに座って頭を抱えた。
これからどうすりゃいい?
このまま12区に居るのは危険だ…
戦争は終わってねぇし、キャンディランドの連中もうろつき始めるかもしれない。
かと言って、他の裏路地に行くにしても行ける場所があるのか?
同じ牢屋に居た物知り爺さんは23区だけは辞めとけと言ったが…
「本当に、どうすりゃいいんだ…」
俺がそうやって頭を抱えていると…
ワーギャー…
ワーギャー…
「あ?何だ?」
外が何やら騒がしくなって来た…
何だ?一体…
「はぁ…クソッ…」
ほっときゃ良いんだろうが…
どうにも気になって外の様子を見る事にした。
――――――12区裏路地――――――
「ったく…一体何なんだ?」
外の様子を見る為に家から出たが家の近くでは無いらしい。
一体何処で騒いでるのか…
「全く…一体何処に…」
ギャーギャー
お?あの辺か?
――――――騒動の現場――――――
「おい、テメェ!ハァハァ…待ちやがれってんだ…」
「ヒィィ…一体…何なんだ、お前らは!」
「うるせぇ!巣に住んでるボンボンが…裏路地顔負けのスピードで逃げやがって…ゼェゼェ…」
「ああだが…もう逃げられねぇぞ…ハァハァ…」
「おい、サッサと連れて行っちまおうぜ…コイツの護衛がここまで追い掛けていないのは、他の仲間達が数であの野郎を足止めしてるからだ…何時仲間達を始末して追いかけて来るか分からねぇ…サッサとやる事やるぞ…」
「ああ…そうだな…ヘッヘッヘ…安心しろよ…ちょいと身代金と、売れそうな臓器をちょっとばかし売るだけさ…」
「ヒィ、ヒィィ…だ、誰か助けてくれぇぇ…」
ハァ…巣のボンボンか…こんな時に裏路地でウロついてるとは…
アイツはもう死んだも同然だな…
まぁ、こんな時に裏路地観光してたヤツが悪い…ご愁傷さまってヤツだな?
「ハァ…」
クソ…分かってるだろうが…助けるメリットも無ければ、助けた所で何にもねぇ…最悪後からやって来たコイツの護衛とかって言うヤツに手柄の揉め事で殺されるのは分かってるだろうが…クソが…
分かって居るだろうに、気付いたら俺はそのネズミ共に声を掛けていた。
「近所迷惑だぞネズミ共…」
「あ?何だテメェ…ガキが何の用だ?」
「何の用も何も近所迷惑だって言ってんだ、痴話喧嘩なら他所でやってくれ。」
俺がそう言うと一回り大きい野郎が声を荒らげる。
「ああ!?調子づいてんじゃねぇ!ガキが!」
「そうだそうだ!ガキは大人しく家で縮こまってろ!」
「おいおい、ちょっと待てお前ら…このガキ…中々良いもの着てるじゃねぇか?どうだ?お前が持ってるもの全部寄越したら見逃してやろう…悪くねぇ提案だろう?」
「なるほどそいつぁ良い!おいガキ!全部置いてけよ!ギャハハハ!」
ハァ…会話が出来ねぇな…
このボケ共は俺が身ぐるみ全部置いてくまで見逃してはくれないだろうな…となると…
「断る…って言ったらどうする?」
「そりゃあお前…ぶっ殺しててめぇから売れるもん根こそぎ持ってくだけだろうが!」
「オラァ!大人しくしな!」
ゴミ共が意気揚々と吠えながら、取り囲み始める。
仕方ない…
「俺は今日色々あったんだ…だから…俺の憂さ晴らしに付き合ってくれ。」
服から剣を取り出して構える。
「舐めてんじゃねぇぞガキが!」
一回り大きい野郎が鈍器を振り回し襲いかかって来る。
俺もそれに合わせ野郎に向かって駆け出していく。
「ふっ!」
「がああっ!」
すれ違いざまに野郎の片脚を斬り捨ててやった。
それを見ていた他のネズミ共がキレて襲いかかって来る。
「このガキ!」
「良くもアニキを!」
二人がかりで襲って来るが、問題ない。
一人の腹を切り裂いて、もう一人の武器を弾いた。
「ぎゃああ!」
「ぐあっ!このガキ!」
武器を弾かれて、ガラ空きになった胴体を斜めに斬り捨てた。
襲いかかって来た二人の傷はどっちも致命傷になり、裏路地の汚ぇ地面に崩れ落ちた。
「ボブ…!マク…!この…クズ野郎…!」
「はぁ?何被害者面してんだネズミ野郎。」
俺は呆れたように剣を振り上げ…
「恨むなら、自分らの馬鹿さ加減を恨めよ。」
戯言を抜かしたネズミの心臓に突き刺した。
「あ、あの人数を一人で…」
「あ?嗚呼アンタまだ居たのか…サッサとどっかに逃げたらどうだ?」
そう言われたボンボンはオドオドしながら気まずそうに言った。
「い、いや私には護衛が居るから…その護衛と合流しないといけないからここで待ってるよ…」
あぁそんな事も言ってたっけか?
「そうか?じゃあ気を付けろよ。」
「あ、あぁ…ありがとう…所で君は一体…?」
「あ?俺は別に…「あぁー!!!!!!居た!!!!!」」
は?何だ?
「いやーお客さん!探しましたよ!急に居なくなるからびっくりしましたよ!」
手甲を着けた女がコッチに指を指して騒ぎながらやって来た。
「す、すまない…余りにも恐ろしくて…」
「いやーでも良かったですよお客さん!ウチの社員がたまたま非番でこの辺に居たので…お客さんが無事で良かったです!」
は?何?何言ってんだこの女?
「非番の…通りで…」
は?は?は?
「いや…何言って…「いやー新人君!まだ試験もまだだったのに悪いね!でもこれならウチに入社しても大丈夫カナ!」」
「……。」
ボンボンに見えないようにしながら、謎の女は泣きそうな顔をしながらこっちを見てる…その顔からは言葉にならない懇願が見える…ハァ…
「うん…まぁ…はい…余裕…うん…ですよ…」
「いやー頼もしいね!うん!」
「いや…大分気まずそうに…」「気のせいですよ!」
「いや…でも…」「気のせいですよ!!!」
「気のせい…うーん…そうか…何はともあれありがとう、助かったよ。」
「いやいや、これぐらいなんて事ないですよ!我が事務所のまたのご利用を!ってやつですよ!ささ!早くこの裏路地から脱出をしましょう!新人君、君もついでに一緒に来たまえ!」
――はぁ……正直ついて行きたくは無いが…
もし断った場合、更にめんどくさい事になるのは確実だ…
仕方ない……ここにはやる事はもう無い…行くか…
――――――その後――――――
こうして、何処ぞのフィクサーの女と一緒に12区の裏路地を出て行くことになる…
道中はさっきのバカども以外は居なかったのか安全に出られた。
そして目的地までボンボンを送ってやり、此処でお別れかと思ったら…
「いやー少年!さっきは助かったよ!ありがとう!」
「はぁ、そうか。」
「ところでね、少年…実は…本当に頼みにくいんだけど…お願いがあってね?」
――嫌な予感がする…
「少年には私の事務所でフィクサーになって欲しいんだよね!」
「はぁ?何で!?」
「いやーさっきキミを新人君って言ったじゃない?口から出任せとはいえ、コレがバレたら私も私でヤバいんだよね……!だから、私の事務所のフィクサーって事にすれば丸く収まるんだお願い!お願いします!キミの実力は申し分ない!新人と言う言い訳も立つ!フィクサーとしても教えられるし、住む場所も提供しよう!だからお願い!一生のお願い!お願いお願い……」
学名ロクデナシフィクサーはそれからずっとお願いと言い続けた…まぁ、俺もこれからどうすれば良いか悩んでいたからマシなのか?とは思うが…コイツに頼るのか…
……だが他にあてもツテも無い俺には蜘蛛の糸の様なものだ、断る事は出来ないな…
「はぁ…分かった、分かったよ…アンタんところに世話になるよ…」
「ホントかい!?よっしゃぁぁ!!!」
ロクデナシは色良い返事を聞いた瞬間飛び上がりガッツポーズをして喜びまくっていた…
「と言う訳で少年!これから事務所の仲間だから自己紹介しよう!私は『鉄血事務所』のマリヤ・ペトロワ!少年!キミの名前は?」
「俺は…アカーキ・カーキウィッチ…カークで良い。」
そうして…俺は故郷を後にして、新しい人生を初めて行くことになる…ただ、フィクサーか…面倒事が永遠と起こりそうだが…まぁ、野垂れ死ぬよりかはマシか。
続きは未定でございますが思いついたら書いていきます。
不定期投稿でございますがごゆるりとお楽しみお待ち下さいませ。