ご了承して戴く!!
象嵌とかの解説はあとがきにて行います
有識者諸兄は間違いあったら指摘してね♡
数週経って、母の乳をしゃぶりながら考える
ここはきっと異世界なのだと。
だってなんか色々おかしいんだもん!!
例えばこの母上の隣にあるさっきまで俺が居たベビーベッドの木彫刻 洋風唐草紋様に女神?の彫り物とか 隅にあしらわれた鈍色の金属部にも
繊細な渡り鳥 これは…雁かな?とか鴨の彫金が施されている
「(うおっ、金象嵌まで施されてんじゃん!!名のある品に違いねえですぜコリャあ! ヘッヘッヘ…!
この金属、このテカり方、そしてこの裾を上げた乙女が恥じらうが如き微かで淑やかな使われ方
これは銀だな、間違いねぇ(確信)
よく見れば四隅に小さくカシメで打ち付けてある
この部分は鉄だ。錆び方が違うね しかし見事な彫金だなぁ。カシメ(リベット)なんか割れやすいはずなのにそこにまで唐草が彫り込んであるぞ 木彫り部にも木象嵌で本体の茶色と調和の取れた
深い紫の蝶が…)」
いかんいかん熱くなっては
とにかくだ 多分異世界であろうと思う
例えば先の彫刻、本題を言えば妙な物が目についたのだ
見たことのない女神風女の絵画や知らない文字、
そして随所に彫られた創作動物や化生の類
その執念深く刻まれた彫り物が特に引っかかったのだ
『子の安寧』を祈るための女神や、
『子孫繁栄』を表す蝶、唐草
『夫婦愛』や『子宝』を意味する鴨、
『団結』『長寿』を祈る雁をあしらうのは、まぁ分かる。
金さえあれば彫ってもおかしくはないだろう。子を思う
親心は限り無いものだからだ。
だがその量が理解できない。
これらは皆全て、執拗に掘り込まれている。
例えば何か、実際にこれが実利を得る為にあるかの如く
母の話す言葉も妙だ 英語では無し ドイツフランス、
その他ヨーロッパ諸国と比較して考えても
聞き覚えのない異言葉
服などもそうだ。現代にしては明らかに浮くであろう、
しかしヨーロッパの古今でもそのような物は見ない編み込みの施された服。
何といえばいいか、服の素材や作りに於いて、
些か文明レベルの低いものの、麻や綿の古着のようなので
中近世辺りのヨーロッパのものと比べても(造形はあまり深くないが)ある一点を除いては特に違いは無いだろう。
その一点というのが、これまた彫刻、いや刺繍なのだ
明らかに布の質に見合わない、金糸や五色の糸で縫い付けられた蛇のような竜 北欧バイキングのリヴァイアサンや
見たことのない角の生えたネズミ、この世のどれとも付かない果実 また女神
それらがありありと描かれているのだ。
まるでその場で見取って書いた様に。
いや、『こんな事を突然気にするか普通?』と思われるかもしれない もっと別の考え事とかあるだろと思われるかもしれない。
飯とか うんことかオムツとか
いや赤ん坊かよww 赤ん坊だったわ…
しかし違う、違うのだ!!
俺が本当に言いたいのは、何というかこう迫力とは別に、
いや迫力も物凄くあるが!
そう、現実感があるのだ!!
実地で見た事のある動物を特別事細かに描いたかのやうな
実感がこれには籠もっているのだ。
えっえっ?じゃあ竜とか飛んでるってこと?
怖いよ。赤ちゃんに優しくないよ。優しくしよ?
そして極め付けはこれ。
取っておきの異世界なのであろう証拠
ピカピカと、そして淡く薄く光りながら
空を舞うこれはそう!!精霊である!!
なぜってそう言ってたから 本人(本精?)に聞いたもん
言葉を話した訳ではないけど何となく『こういう者だよ』と心に別の誰かから答えを差し込まれた感覚があったので
きっと答えてくれたんだと思っている。
自分が地球の影も形もない場所へ来てしまったかと思うと
ほんの少しだけ遣る瀬無いものを感じた
嘘だ、目茶苦茶に感じている
マジか いやマジかコレ
せっかく生きてきたのに全部パァ?
彼女とかはできた事とか無かったけどさぁ、
仲いい友達だって充実した趣味だって優しい両親だって恵まれてたのにさぁ、勉強とかもまぁた一からやり直しかよぉ…
数学とかはまあ大丈夫だろ 四則演算使えれば文明レベル的に行けそうだろうし。
問題は言語だ
言葉わかんねえの不味いよ!!今から新言語を覚えんの
キチィ〜!
文化も違うだろうなぁ…便所とかさ、飯とかさ、
風呂も入りてぇけど無理だろうなぁ〜
シェイクスピアとかイキって唐突に引用してみたりしても通じないでしょ。もし間違えて前世の教養(笑)
ネタとかかましちゃったら赤っ恥じゃん 赤子だけにってか? 喧しいわ
職とか大丈夫かなぁあ… 家業を継ぐとかなら困んない(内容によるが)なんだけど
実家太そうだしいけそうではあるな
まあ仕事は追々ねっ まだ家業どころか言葉も常識とか諸々何も知らねぇし
しかしまあいいふうに考えるなら俺、異世界に生まれた中ではいいところに生まれてるんじゃないかコレ
木製(ウォールナットかマホガニー辺りかな?分からん)
の無垢材
角は丁寧に落とされているし目も詰まって割れや節の見当たらない上質な木材(ちょっとヤスリがけは甘いけれど)
更に手摺りにまで施された木象嵌と宗教的な彫り物や銀製金具、果てはさっき見えた米粒ほどの大きさの宝石(緑とか紫)などがふんだんにあしらわれている。コレ赤子用のだぜ!?
使用人であろう人たちが俺に向かって使う玩具、彼らの着る衣類や俺の部屋にある調度品の数々
部屋の壁中央で支えている大きな石柱や、
幅木(壁の一番下にある壁下部を保護するための部材)
にまで施された洋風唐草紋様…
赤子の弱視力で床を確認してみれば 冬でも暖かく足元を保護してくれるであろう分厚いペルシャのような絨毯
白を基調としながらもとりどりの色糸で彩られたヤツ これまた見事に刺繍が編み込まれている
赤子視力でも見えるほど大胆に大きくね つぼ、ドラゴン 洋風
唐草、謎言語 花
金糸でまとめられたフリンジ(魔法の絨毯にあるような紐)!!
しかもコレ多分手織だろ!!そりゃそうだわ機械織なんかあるわけえねや 電灯も見てねぇんだぞこっちは
お陰で夜は真っ暗だ、寒気が止まらん(恐怖)
ふつくしい…羊毛と職人の手先が文字通りに織りなす奇跡が此処に在るんだぞ!! 嗚呼、早く2足で歩きたい
あの絨毯を我が足にて踏みしめればどれほど良き心地が伝わるだろうか!!
もし絨毯が本物ならそれは凄まじいことだ
何故かって?
世界三大財産って知ってる?
金 宝石 最後がペルシャ絨毯なんだって
俺が巻かれているオシメとおくるみだってそうだ!!
この光沢、そして俺が粗相をかましてもいつも優しく包んで吸い込んでくれ、俺のケツが汗で湿ってもかぶれぬように湿気を吸い取る。
更には赤子の柔い尻肌を優しく防護する紳士で有り淑女でも有るが如きこの繊細な肌触りこそは…! 間違ない、絹だこの布は!!!シルクで出来てるよ!!
真っ白にして艷やかに光を弾く白い布を基調として、装飾の大胆なサイズでの赤糸織りなす縁取りの幾何学模様と、ほんの少しの金糸縫い付けた家紋であろう隅の模様は、
大胆なる豪華さと薄く香る香の様な上品さで素晴らしく清潔な印象を呼び起こす
こういうのはたった一つだけじゃダメなんだ。
全ては調和にある、
例えば分譲マンションの一室にこの俺が仰向けになっているベビーベッドがあればそれは浮くだろう それほどまでの豪華さをこの家具は、ただのベビーベットの癖に単体で持ちうるからだ。
例えば普通の現代日本の民家にこの豪華絢爛なるペルシャ絨毯は浮いてしまい、魔法の絨毯となるだろう
もはや絨毯なれど踏みつけられぬ程の威容が、職人芸と魂とともに宿っているからだ。
例えばこのオシメですら普通であれば持て余すだろう
帯にも襷にするにも余りに上品すぎるからだ かと言って裂くことは叶わない それを躊躇わせるだけの神聖さが宿っているからだ
普通これらの有る種傲慢と言える、美術品としての価値すら備えた程のこれら美しい品は他の平凡な品とは分かり合えず分かち合えず、
彼ら他の調度品が持つ味わいや雰囲気を台無しにして場の空気を食ろうてしまうだろう。
しかしこの部屋は違う!! 細部に施された彫刻が!
普通なら過剰に金銭が掛け過ぎであると思われる、
部屋中全ての豪華な品々の一つ一つが! 板張りの木々が醸し出す古く新しい上質な雰囲気が!
いや、部屋の造り、果ては外より刺す西日すらもが、
天秤の上で計算されて送り出されたが如き美しさ豪華さの釣り合いだ。
それらがものの見事に触れ合い、混ざり合い、昇華し合って
完成された雰囲気の『美術』といえる美しさを生んでいるのだ
前世幼少の頃、テレビで『モナ・リザ』を生まれて始めてみた時に、心でも脳でも本能でも
『あぁ、コレを書いた某は紛れもなく天才で、コレは誰かが生み出した奇跡なのだろうな』、と思ったような納得感がそこには有った。
つまり何が言いたいか、
「(この部屋の物品は普段遣いとしては高過ぎる!!!)」
絹のオムツ家紋入り?
どんな富豪だよ
ここまでこだわるにはとんでもない金額がかかるだろう。
あと単純に部屋が赤ん坊用にしてはデカすぎる。なんか嬉しいけど。
まあってことはこいつらかなり稼いでるね…!コレはデカい家でしょ 期待が持てますなぁ…!
父母は何言ってっか相変わらずわっかんねぇけど
ニコニコしてるし家族仲も良好そうだし良かった
この景色なら一年は見ても飽きないだろうし、
両親の顔もいいしで将来は取り敢えず安泰っぽいな
にしてもこれほどまでの金の融通から察するに、農民賤民なわけはないから 大商家とか偉え所のお貴族様とかでしょうかな?
取り敢えず今のところの不自由は殆ど無い。
マジで痒いところが掻けないのと(赤子ハンズ)
あと大小便が勝手に漏れ出して
お手伝いの人たちや渋い父さんや美人の母さんにお世話してオシメ変えてもらうしか無いところぐらいしか無いな。
いちいちそのためだけに全力で泣き叫ぶのはちょっと気不味いし申し訳ないけど
「(赤ちゃんだからね仕方ないね。
そろそろ乳も吸い終えて腹も満たされたし眠くなってきちゃったな。)」
授乳の為に子供部屋を訪れた母と、それにいちゃつく父を
尻目に、俺は眠りにつくとしようかね いや赤ちゃんの面倒みろよいちゃつくなや。まあいい休憩か、…? ?!
あっやべっ、この感覚は…
く、来る…
うおぉぉぉ! うおっ おおぉおお…!!
ハァハァッ、あーあ…
お二人さんちょっと子供も落ち着いてきまして久々の夫婦団欒の所
申し訳ないんですけど、あの、その、おしめ変えてもらうこととかってできますでしょうか? あっ、(聞いて)ない…、ふ〜ん そうですか…
仕方ない…父の前で使うのは初めてだが…!
出るか…赤ん坊様御得意の…!
「ほんぎゃあ〜っ!!ほんぎゃあ〜!!」
「■■■■■■?!■■■■■■■■■■■!」
「■■■、■■■■■■■ 」
父上慌てふためいててワロタ
母上流石です
ごめんね
うんち漏らしちゃった
象嵌 木や金属にわずかな窪みや穴をを彫って
そこに別種の金属や木材等を嵌め込む方法
世界各地に伝わっており、
世界的にはスペインのトレド、
日本では繊細華麗な京の布地象嵌、
嵌め込んだ素材が下地と平面になる平象嵌の加賀
堅牢実直にして肉厚、素朴な
魅力のある肥後などの象嵌が有名である。
地金(絵で言う所のキャンバス)
に金や銀を切り取った模様を打ち込んで嵌める
ので溶接とかではない
始まりは諸説あるが、アラビアのシリア辺りで
『象牙』を使い、初まったので
『象』(牙)を『嵌』(はめる)
から象嵌という字を当てるらしい
誰かルビの振り方教えて下さい
よろしくお願いします!!
↑解決しました!ありがとうございます!!