初めての他者視点也
乱文誤字脱字ご注意されたし
ヨーロッパの本を借りてきたけど見る時間がねぇ…
坊ちゃまがなんというかその、赤子にしては何か
このようなことを思ってはならないとは思うのですが、
何か、妙だなと思うことは時折…いえ、気遣い無用でしたね。ええ、はい。 認めれば多々ありました。
私、ソフィアは家中にて幼少から面倒を見ていました
その日、坊ちゃまがお生まれなさった日には、
私は恐れながら、産婆役を務めさせていただいていました
私個人としても子を産んだことがあったものですから、
是非とご夫妻から役を賜りまして、ええ。
もちろん緊張などは致しましたが、役目を全うしようと
全力は尽くしました。
奥様が臨月を迎えなさり、その時分は晩夏で、
坊ちゃまがお生まれなさりました
奥様は素早く、するりとお産みなられました。
私と、その他に数人侍っておりました産婆役などは
自らの経験と比べましても、あまりにそれは異なことで、呆気ないことでしたので大いに動揺しました。
私共も恐れながら先達として、産む時分に起きうる痛みなどについてご夫妻様方に聞かれる限りお話してあり、また大いに勇気づけたものでありましたので、奥様自身も驚いておられるようでした。
数秒経ち、最も先に私が、ええ私が気づきました。
坊ちゃまは 泣いておられませんでした。
赤子は泣いて初めてこの世に生まれ落ちるとも申しますので大いにあわて、私はその他まだ呆気にとられている
者どもより抜け出て、坊ちゃまをその、
軽くはたきました。
不敬に当たろうともご夫人のご子息を、
待ち望まれた第一子を生かさんとしてのものです
最初の妙なるはそこでした。
坊ちゃまはそれは大きな声でお泣きになりました。
動揺して泣き始めたのちも数瞬叩いていましたが、
すぐ落ち着いて寝台へと横たわらせてあげましたよ
でも坊ちゃまはあの時、泣く前に私の顔を見ていたのです
赤子は目が見えないのです。そのはずなのです。
確かにこちらを覗いておられました。
顔を改めようとしていたのでしょうね。
それが何となく妙でして、記憶に残っております
次に気づいたのは「歯」ですね。
坊ちゃまには歯が生えておられました。
前歯が上と下に4つづつ綺麗に並んでおりましたよ、あれは確か「魔歯」と言いますよね、ええ。
生まれつきの歯なんてものは時折聞くことがありまして、
私も以前、息子に生えておったと親類が言っておりました。
何でも、魔歯が生えていると息子が乳を吸うときに、噛み付くことがあり痛くて仕方がないとのことで、奥様にお伝えして差し出がましくも匙をつかって乳を与えてみてはどうかとお伝えしてもみました。 奥様は愛情深い方でおられましたので、「一度でも直接与えてあげたい」と仰られておりました。
奥様が傷を負いになさるかもと恐ろしくもありましたが、
奥様の愛情と、何より奥様が決められたことですので
反対することもないと思い、立ち会いを頼み込んで、
見届けさせてもらいました。奥様もやはり、
いえ、ほんの少しだけ不安なご様子でした。
しかし坊ちゃま私と奥様の不安に反して、上手にお乳を
飲まれておりました。奥様のお体にも傷1つなくって、
匙も何度か使いましたがそのほとんどは奥様が直接に
与えて上げていましたよ。
これを妙だと思うのも失敬な話かもしれませんが、
私には何か、生まれたての赤ん坊が母親に気を使っているような感じがして、それが気にかかりましたね。
その他にも例えば、お漏らしをなされたときに赤ん坊は
普通、何が起こったのかがわからないがとにかく不機嫌というふうにおしめを変えてもずっと泣いたままなのです。
坊ちゃまは違いましたね、ええ。
坊ちゃまは泣くのでは泣くなんというかこう、そう
叫ばれるのです。ただ呼びつけるためだけのように。
大声をあげて叫んではおられるのですが、
泣いてはいませんでした。おしめを交換した後は
こちらを労うように笑いかけてもくれましたよ。
それがまた天使のように可愛くて…んんっ!
とにかく!時折変と言うまでは無い、
妙な行動がありましたが。
1年ほど過ぎた頃には目立たなくもなって
おしめを変えても泣き叫んだりするように、
私の知る普通の赤ん坊になっていたと思います。
後はそうですね、普段は普通なのですが、つかまり立ちを初めて見た時には、いたずらがバレたように驚いておりましたよ、坊ちゃまは、ええ。
その他にも普段は普通なのですが、アルバートから聞くには、「顔立ちが何か大人びることがあり、そういうときは泣かずに物を頼む」と。
これは私にも覚えがありました。
私ども使用人に言うことを聞かせようとする時、平時の坊っちゃまなら決まって大声でお泣きになります。
しかし時折、赤ん坊の出すにしてはあまりに具体的な目的や指示がある時には、坊っちゃまは目に力がこもり大人とも変わらぬ、ともすればこちらを射抜くかのような目で見つめることがあるのです。
赤子特有の声量を制御できないと言うような大声ではなく、囁くように、言いつけるように喃語で喋りかけて来なさるのです。それが特に、特に妙で、私は少し、ほんの少しだけ、
恐ろしかったです。
人が変わってしまったんじゃないかと。
私が負って歩いているこの坊ちゃまは一体、誰なのかと。
まあですが直に慣れました。使用人一同も
『そういうこともある』ということで。
ご夫妻には誰も言いつけませんでした。
暗黙の了解、というものですね。
後はそうですねぇ、部屋の彫刻をや絵画なんかを見て、
可愛い笑顔を見せることが多々ありました。
私どもにとっては街にもある見慣れたものでしたが、坊ちゃまにとっては無論そうではありません。
その笑う様子なんかはとてもとても可愛らしくてもう!
奥様も旦那様も、もちろん私たちも、彫刻に夢中の坊ちゃまに夢中でしたよ!!
ソフィアさんは四十代前半の若いおばさまです