コレでもっと学ぶなりよ…!
うらすじ
二人(俺と弟)で金工室に入る
↓
弟くん気に入る
↓
物色する
↓
鉄が無い?!なぜ?!?!?
↓
絶対妖精のせいじゃん…←イマココ
嘘でしょ…鉄が、無い??
まあ予想できたことだ。
俺が生まれてから金属は飽きるほど見たが、鉄だけは
最初の彫金金具の釘に使われてたぐらいだった。
それに鉄がないとなれば今までの不整合に納得いく
気がささくれているのは真鍮なんかのノミで削るから
ヤスリが荒いのも柔らかな金属で強い力を込めるから
深い傷が素材に刻み込まれるのだ。
何故こんな事が起こったのか。予想をする。
大体見当はついてるが。
無論妖精だ。
真鍮なんかで堅木は削れない、普通は。
鉄が無いのに宝石なんか加工できない。普通は。
銅器の金床に金属を打ち付けても凹む。普通は。
俺が今考えた普通は前世世界の物だ。
此処には人智の埒外の、神秘宿りし妖精が居る
例えば紋様を刻むだけで傷を癒し、熱は逃さず
風を吹かす。どこからとも無く炎を吹かせる。
そういう物理法則を侵すような芸当が出来る無法が
存在する。
然らばまたこの金床に、この金槌に、このタガネに
刻まれた紋様にも、そういった役割があるのだろう
鉄の代替になるほどの強度、しなり、耐熱。
これを補完するもの。
だが完璧でもないのだろう。
その証明はするまでも無く散々に見た。
いわばこの世界は、歪にスキルツリーが成長した状態だ。
例えるなら、カレーをルーだけで作ったような
ある程度成立はするだろう。しかし発展は無い。
どんなに精密な火加減でも、どんなに美しい配合でも
だって具が無いのだから。しようがない。
手の加えどころがほとんど無い
なんでカレーに例えたかは自分でも不思議だが兎も角、
この世界では初期、金銀銅や鉛を使っていた時代に
妖精技術が生まれた、いや生まれてしまったと予想する
前の世界では
鉄は鉄器文明になる以前より存在が確認されていた。
古いものでは紀元前3000年、メソポタミアや
エジプトの文明でも利用が見られた。
しかし当時の金属器は金、銀、銅ならびに青銅が主流であった。
当時鉄は隕鉄、隕石の鉄によるものであり希少性が高く
また鉄の融点は青銅等と比べると非常に高く、加工技術が存在しなかったのだ。
しかし時は経ち、世界は変わる
いつかの時間で、最も有力な説では紀元前14世紀頃、
ヒッタイトが文明が鉄器文明の魁となった。
鉄の精錬の発見 鋼の誕生である。
これによりヒッタイト文明は大きな躍進を遂げ、
古代ローマから東、オリエントの一帯に於いて大国として
君臨する。
そりゃあそうである。
鉄は強い。青銅の剣を弾くほど。
鉄は強い。剣ならば相手の銅兜なぞ切り裂けよう。
鉄は強い。青銅の四分の一ほどの厚みで同じ強度を産む
また、鉄は加工が容易である。
融点こそ高いものの、それ以外の面では当時の青銅と
似て金属としての特色が少なく、いわば素直だったのだ
そして更なるダメ押しに、鉄は銅より数多い。
銅は偏在だが、鉄は遍在する。
無論これらの利点に気づいていたヒッタイトは
これを国家の秘伝とし外に漏らさぬことで鉄技術を
独占し、強力に君臨していた。
しかし紀元前11〜12世紀頃ことは起こった
ヒッタイトの滅亡である
これにより秘めおしき鉄器の技術は世界の知る所となり、
青銅器は素早く駆逐され、祭具としてのほそぼそとした
使用に留まった。
さて、今一度思考する。
鉄器の利点とは。
一つ 遍在
二つ 強度
三つ 利便
ならばもし、これらの利点が、
青銅に劣らぬものであるとしたら?
利便性は無視する。
青銅と鉄とは加工難度の点に於いてほぼ変わらないからだ
遍在は保留する。この世界の鉱石の総量については、
未だ知るところでは無いから。
強度 これがもし、使い慣れた青銅と新技術の鉄とで
比肩する、或いは初期の未だ熟さぬ製鉄では及ばぬもの
であったなら?
使う理由が無くなるのだ。
輝きにおいて銀に劣る 不変において金に劣る
強度において青銅に劣る
ならば何を持ち得る?なぜ使う必要がある?
誰だって見限るだろう。この様な使い所の無いものは。
まあここまで考えておいて、これはただの予想に、
いや烏滸がましいな、勘と言うまでのものに過ぎない
しかし、俺の悪勘はよく当たる。
俺は目を閉じて神仏に祈る。
どうか愛する鋼の包丁研ぎを、また続けられますように
と。
もっとファンタジー出したいなぁ!!