守護龍として造られたらしいけど、特に護る義理はないので好きに生きます 作:シェリーザ
…黒の奴め、竜乳を大量消費していた事を黙ってたな…絶対許さん。…それはそうとまたこの空間か………だがこれはこれで良い、例のあの少女に会えれば黒の制御方法も聞ける…まあ最近はある程度の制御ができているが。…しかしやけに此処は白いな。まるで壁が全て蛍光灯で出来てるかのようだ…実際そうだと言われても何の違和感も無い…
「…ハア!?ナンデ此処ニ白ガイヤガル!?」
………はぁ!?何で此処に黒が居る…!?いや、俺が入ってきたの方が正しいのかこれは…それよりまずは…お前を1発ぶん殴る!!
「グヘェ!?テメェ白、何シヤガル…!!」
お前、眠った後に気づいたがあのジンオウガの時より竜乳を使いやがって…!お陰で数日寝てるだけだろうと思えば、年単位になっただろうが…!!今までの分の怒り、ここで晴らす…!!
「白ガソノ気ナラ、コッチモヤッテヤラァ!!」
ぐふっ!?流石は黒…俺と同じ身体だからな、そりゃ力も強いよな…だがそんなの関係ない…!!右フック、左フック、右ストレート…!!
「チッ!?テメェ此処ゾトバカリニ殴ッテ来ヤガッテ!!」
ふっ、俺の知識を参考に戦うお前と違って俺はこの身体独自の体術も修めているからな…お前程度の攻撃、回避に受け流しなど容易い…!
「ハァ!?ナンダソリャ!?知ラネェヨ!!」
今まであやふやにしか会話できなかったからな、全部知れるわけじゃないんだよ…それに今までの事もある、今回は少々激情に身を委ねさせてもらうぞ!!
「ハッ、俺ニ呑マレテル時ナラマダシモ護龍トシテノ姿ヲシテル今ノオ前ガ!!ソンナ単純ナ理由デ激情ニ身ヲ任セテモ、良イッテカ!?アァ!!」
…そんな事知った事じゃない!それに、俺はとうの昔に護龍の役目など…
「ジャア何故!オ前ハアノ女医ヲ
………俺が護るものの優先順位を決めてる…だと?…そんな訳が…
「オオット、目ノ前ノ馬鹿に隙アリィィィ!!」
…っ!?口撃からの飛び膝蹴りか…やってくれるな、黒…!…さっきの蹴りは響いたが、まだ戦える…!
「…興醒メダ興醒メ…ソノ程度デソコマデ動揺サレチャァ何モ面白クネェシ、弄リ甲斐モクソモネェ…」
……そう、か…だがそうだとしても、何故俺が無意識に優先順位を決めていると思った?
「見リャ分カル、オメェハアノ女医以外ニ対シテノ興味ヤ感情ガ薄過ギル。コンナクソミテェナ俺デスラ分カルゾ」
…そんなつもりはなかったのだが、お前からそこまで言われると言う事は否定しようのない事実…か。
「…殴リ合イガ終ワリナラ、チット話ヲシヨウジャネエカ…白、テメェハ俺ノ事ヲドウ思ッテル?」
…黒の事か。…お前の事は…っ!?くそっ、またあの時みたいに意識が揺らいできた…!!
「…ドウヤラ此処マデラシイナ。…今回ノ質問ハ忘レロ、俺ハ結局、白ニハ良ク思ワレテネェダロウカラナ…」
っ…、そんな事は…ない!とにかく、また会った時その答えを言ってやる!だから待っていろ、黒…!!
「…白、俺ハオ前ノ事ガ羨マシイゼ…壊ス・殺ス事シカ出来ナイ俺ト違ッテ、オ前ハ………ハハッ!…コンナ弱音吐クノハ、俺ラシクネエナ…仕方ネェ、白ガマタ頼ッテキタ時力ヲ貸シテヤルカ…」
「…いつもいい所で戻らされるな…」
…にしてもどう言う事だ?あの空間に何故黒がいた…まさか黒=少女…な訳ないか。…仮にそうだったと仮定しても接点や共通点が少なすぎる…それにあの質問…黒は俺に、何を求めているんだ?…それはまた会った時にでも話すか。
「…さて、永遠亭に戻るか…」
っと、龍の姿から戻って…よし、身体に変化はないな。毎回眠る事に何かあったからな、何も起きなくて良かった…さてと、第二の拠点に帰るとしよう。
241:名無しの白熾龍
はあ、また数十年以上寝てしまったな…
242:このすばでいいですとも!
>>241
最近顔を見せないと思えばそう言う事だったか
243:第八世界存在いーすん
お帰りなさいです
244:星々見渡す破滅因子殿
此処のイッチが長期間顔を見せてない時は大抵戦いをしてるか休息してるかの二択だからな、慣れたものだ
245:引き換えチケット
>>244
言われてみれば確かにそうね
246:ひとつなぎの魔神さん
古龍との戦いの消費がそれほど激しかった訳ですね(ランゴスタからは目を逸らして)
247:呪霊喰いの神モドキ
ま、まあランゴスタ戦は話聞く限り幽香(とエスピナス)の独壇場っぽかったし…
248:星々巡る不死鳥
ナス「我が昼寝の邪魔をする者は許さぁぁぁん!!」
249:ワンピ世界の国背負いの蛇神龍
>>248
大体合ってるのがなぁ…
250:廻る呪いの赤い霧
ナルハタを討伐して喜んでいるところ悪いが、まだ問題は残ってるぞイッチ
251:マガニャン
あ、そうだイブシマキヒコ…!
252:メタルの神in神喰い
百竜夜行の元凶はナルハタだけではないんだよなこれが
253:不運の男
まあ暫くイッチは休めるとは思うがな…他の古龍がいなければ
254:名無しの白熾龍
まあ、俺がナルハタ討伐の前にも天狗の様な竜やら、翁の様な髭を持つ竜やらなんやらを被害が明確に確認されれば撃退・討伐して来たからな…古龍連中が出ない限りは休める
255:蒼の月光
フラグ臭いな〜…
256:引き換えチケット
>>255
そんな事を言うから本当に古龍が日本に出てくるのよ
257:ワンピ世界の国背負いの蛇神龍
フラグは無闇矢鱈に建てないもんなんだよね
258:一高教師の❾=熾天使
それと気になったけどな…イッチの世界は東方世界だ、古龍以外にも様々な問題が起きるぞ
259:星々巡る不死鳥
…西行妖に嫦娥問題、他にも吸血鬼異変に白蓮達や聖徳王にユイマン達と、あらゆる問題が多いからな…
260:星々見渡す破滅因子殿
>>259
流石妹紅ニキ、経験者故に東方の事となればすぐにそれに関する知識がすぐに出てくるな
261:ひとつなぎの魔神さん
こう言う時の妹紅ニキは頼れるんですけどねぇ…
262:マガニャン
いつもの動向のせいでね…頼れるけど頼りたくない感じなんだよね
263:星々巡る不死鳥
ちなみに今俺の事を頼っても世界間移動できないからねー
264:このすばでいいですとも!
ほら、すぐにこうなる
265:名無しの白熾龍
…まぁ、永琳達が危険に晒されなければ特に問題はないがな…妹紅ニキの言ってくれた問題も、いつの時代に何処で起きるかが分からんから動けん
266:第八世界存在いーすん
前から思ってたのですが…イッチさんって、永琳さん以外への興味が薄過ぎませんか?
267:一高教師の❾=熾天使
そうか?
268:旅する金属生命体(分体)
>>266
あ、僕もいーすんネキと似た様な事を思ってました。実際僕も、記憶を取り戻すまでは無感情だったんで
269:歌の魔王withシェム・ハ
実際にそう言う過去を持つELSニキが言うと説得力が半端ない
270:蒼の月光
そこんところどうなんだ、イッチ?
271:名無しの白熾龍
……そんなつもりはないんだがな…一応俺は、俺が護れる範囲の人間は絶対に護る…が、俺はかつて、護ると誓った命を護れなかった…それの影響があると思う
272:星々巡る不死鳥
………そうか、でもこれだけは言っとく…あんま1人で背負いすぎるなよ、イッチ
273:名無しの白熾龍
…了解した
274:【システム】
名無しの白熾龍が退出しました
275:不運の男
所で今のはどう言う意味だ、妹紅ニキ?
276:星々巡る不死鳥
…俺の少し雑な推測だが…多分イッチは、自分以外の護竜を皆殺しにしている。護竜が古代都市の脅威になったから殺した、の可能性はあるが…だとしても普通皆殺しにまでするか?
277:引き換えチケット
…それはそうね、永琳達を襲って来た護竜を討伐するならまだしも、他の護竜を皆殺しにしようとまでは普通行かないわね
278:幸運と不幸の死霊術師
書類作業終わった〜………ヤベェ、めちゃくちゃ重いタイミングで入ったかもしれん
279:ワンピ世界の国背負いの蛇神龍
それに護竜は造られた生物…自然を冒涜する造られた生命としての罪・業を全て…無意識かもしれんがイッチが背負ってる可能性がある
280:星々見渡す破滅因子殿
…私はイッチの事を観察していたが…イッチの行動を見ている限り、妹紅ニキやいーすんネキの推察通り…八意永琳以外への興味・感情が薄く、そして過去に都市を攻めてきた護竜の全てを焼き払っている
281:マガニャン
妹紅ニキってこう言う観察眼は鋭いからなぁ…そこだけは本当尊敬するよ
282:旅する金属生命体(分体)
僕の時も、パラレルワールドのELSが攻めてきた時の彼等の正体をほぼノーヒントに近い状況で見事当ててましたからね
283:ひとつなぎの魔神さん
この人そう言う方面でやばくない…?
284:廻る呪いの赤い霧
妹紅ニキって割と知識範囲が広いからなぁ…まあほぼマイナー寄りで、
「…永琳にどやされるだろうな…数十年近く眠ってたんだ、怒ってないはずがないよな…」
ナルハタとの死闘、花畑での一悶着を終え永遠亭に帰還。そして龍灯で眠りに就きたった今起きた龍護。彼は眠る時に龍の姿になってたらしく龍の姿から人間の姿に戻り、龍灯から出て永遠亭へ繋がる穴へ進んでいく。予想していたよりも眠りに就いていた時間が長かった様で永琳に怒られるのでは…と思っている龍護。少々後ろめたさを感じながら進んでいたが、移動速度が速い為すぐに永遠亭に着く。
「…謝罪の言葉でも考えながら進むか…戸を開けて…っと」
此処で永遠亭から龍灯に繋がる通路だが、永遠亭の倉庫部屋的な所に造られている。出入口の見た目は現代で言う落とし戸みたいな感じなのだが…何が言いたいか、それは…
「………」
「…え?」
彼が出入口となる戸を開け、永遠亭内に上がろうとしたわけだが…その時偶々、出入口の戸の近くにウサ耳の女子高生の様な服装をする紫髪の少女と目が合って(?)しまった。2人は唐突なことに固まってしまい数秒間沈黙が流れたが…
「きゃあああああ!!?」
少女が悲鳴に近い叫びを離れ、彼からドタバタと離れていく。彼はその様子を暫く眺めていたが、特に動ずることなく部屋の床へと上がり、戸を閉める。そう言うことするから、お前は永琳以外に興味・感情が薄過ぎるって言われるんだよ。
それはそうと戸の近くに立てかけられていた太刀、弓、矢筒、棍と猟虫、壊れた笛を見てちゃんと保管してくれてた事に安堵する。それで流れるままに翼脚で矢筒を背負って太刀を背中に挿し、弓と棍、猟虫を翼脚で持つ。
「…そのお面って………!?すみません驚いてしまって…!白崎龍護さん、ですよね?わ、私は鈴仙・優曇華院・イナバ、永琳師匠の弟子です!」
「…気にするな、突然出てきて怖がらせたのはこっちだからな…永琳の弟子か、よろしく頼もう…」
少女は最初龍護を不審者の様な目で見ていたが、彼の付けている面に見覚えがあったのか少しマジマジと見つめていたのだが…彼女は何かを思い出したのか、彼の名を言った後自分の名を言う。少女…鈴仙は龍護に驚いてしまった事を土下座とまでは行かなくてもそれでも勢い良くお辞儀をして謝罪する。龍護はそれを気にするなと言って、そうだと思い出す様に首を振った後、彼女に尋ねる。
「…そうだ、永琳は何処にいる…?」
「師匠ですか?師匠は…現在、応接室で妖怪の賢者という方とお話しされていますね。…あ、そういえば忘れてました…龍護さん、師匠が『もし龍護さんが目覚めたら私のところに連れてきて』と言ってました。ですのでちょっとついてきてください」
「…了解した」
どうやら龍護はこの日に目覚めた時、永琳の元へ連れていく様に言われてたらしく鈴仙が彼を彼女の元に連れていくと言って自分の後を追う様に彼に言う。彼は永琳のお願いであると分かると特に否定することなく鈴仙についていく。
「…鈴仙と言ったな、お前からは永琳と少々似た気配がするが…お前は地上の妖怪ではないな?」
「ご推察通りです、龍護さん。私は地上ではなく月に住まう兎…玉兎です」
「…ほう、月…か。と言う事は都市の関係者か?」
「はい。…まあ、いつか起きるかもしれない戦争が怖くて逃げ出した臆病者ですけどね」
応接室へ案内されている道中、龍護は自分が鈴仙から感じた気配について彼女に尋ねると、彼女はその問いにしっかりと答えてくれる。どうやら彼女は元々月の兎だったらしくしかしいつか行われるかもしれない戦争に怯えた結果、地上へ逃げ込んだらしい。それを恐らく永琳が引き取り弟子にしたんだろうな、と龍護の中で多少断定部分があるがそう結論づける。まあ間違ってはないな。そうして話しているとどうやら応接室の前についた様で、鈴仙が足を止めるのと同時に彼も足を止める。
「此処でお師匠様が賢者さんと話しています、それでは私はこれで失礼しますね」
「…道案内助かった、鈴仙」
「どういたしましてです」
龍護は自分を此処まで連れてきてくれた鈴仙に礼を述べ、鈴仙はそれを笑顔で受け取りそのまま立ち去る。…遠くで彼女の悲鳴が再び響いたが、彼はそれを無視して応接室の戸を開けた。するとそこにいたのは…
「あら。お寝坊さんですね、龍護さん」
「………龍護!!?」
「…すまん、目醒めるのが遅くなった……それで…」
彼に笑顔で、ただ幽香などと違いちゃんと目が笑っている笑顔で接してくる永琳…と。恐らく鈴仙が賢者と呼んでいたであろう導師服と現代で呼ばれている服を着る女性が、彼を見て驚愕の表情を浮かべていた。彼は永琳に対して軽く頭を下げた後、女性に(やってるかは分からないが)視線を合わせる…も。
「…何処の誰だ?」
女性が誰か分からず首を傾げる…その様子に永琳はあらあら、と言った様子で眺めており女性の方はと言うと龍護の態度が頭に来たらしい。彼に対して怒りを露わにしていた。
「はあ!?貴方は私とあの場所で会ったでしょ…!!紫よ、八雲紫!!あの時私の裸を見たわよね!!」
「………あぁ、思い出した。鍛奈殿に締め上げられていた紫か」
「よりによってそこを思い出すな!!」
…紫さんや、その言い方だと痴女だと思われる可能性があるぞ。それはさておき紫の存在を思い出した様で、彼女の顔を見て頷く龍護。しかし思い出したシーンが紫が彼女の友人、赫匠鍛奈に締め上げられていた所で紫もこれには抗議の声を上げた。しかしながらその言葉を受けても龍護は何処吹く風と受け流していた。紫はそんな彼を少々憎たらしそうに見ていたが、自分が話してる途中であったのを思い出し冷静な表情に戻る。
「……話を戻しましょう。私は人間と妖怪と竜の楽園、幻想郷を作るのですが…その際にこの迷いの竹林…いえ、永遠亭も取り込んでもよろしいでしょうか?無論、竹林の管理者である因幡、竹林の住人である藤原さん、そしてこの永遠亭の姫君から許可を頂いています。…どうでしょうか?」
「そうですね…てゐや妹紅さん、姫様が許可を出しているなら私は文句ありません。一応聞いておくとすると…龍護さん、先程の話を貴方はどう思いますか?」
紫の『輝夜が永遠亭を巻き込んでも構わない』と許可を出した事を聞き反対はしない永琳。しかし彼女は少し懸念がある表情をしており、それは誰に対してか…彼女の後ろに立つ男、龍護に対してだった。彼は簡単にしか聞いてないのでなんとも言え無さそうな様子だったが、言葉を捻り出していく。
「…俺も永琳が文句なしであれば問題ない、それと一つ聞いておく…紫、その幻想郷と言うのは竜にとっても楽園、と言うわけだな?」
「ええ、そうよ」
「…お前の理想は恐らくその世界で3、いや多種族が共存する事…人間と妖怪は良いとして、お前の思惑から外れる竜はどうするつもりだ?奴等の大半はそこら辺の妖怪を上回る力を持っている…萃香や勇儀はあの雷神竜と太刀打ち出来ていたが全ての妖がそう言うわけではない…その部分はどう考えている?」
「…無論、幻想郷に入れる竜種は選別しますが…それでも好き勝手に暴れて人間・妖怪を食い殺す竜は私達直々に始末します。私の力は貴方と会った時よりも成長していますし、私の意思についてきてくれる者も居ます。それに私は…端的に見ても成立不可能な世界を作ろうとしてるのよ。それぐらいしなければ面目も何も立たないわ」
彼も特に問題ないらしいが1つ疑問があった様だ。それが竜の処遇について、だ。自分も護龍な訳だが彼は基本的に規則を守るのでそこら辺は心配していないのだが他の竜について、どう言う対処をするかだったが…幻想郷に入れる竜種は選別するらしい。主に無駄な虐殺を起こそうとしない竜…即ち高度な知能を持つ竜のみをその世界に入れるとのこと。
ただどれだけ彼女が頑張って選別してもいずれは漏れは出てしまう、そこの始末についても自分達がする様で彼は黙って話を聞いていたが彼女の意思を聞いた後口を開き始める。
「…私達、と言っても…各地で暴動を起こされれば制圧の手が足りんだろう」
「うっ…そこは…」
「……永琳、前にこの病院に運び込んだ黒竜を覚えているな?」
「ええ、あの子ね。あの子なら確かに高度な知能を持ってる筈だわ」
竜達の各地での暴動、それについて尋ねると口を閉ざした紫に彼は永琳に視線を移しとある事を尋ねる。永琳はその意図を読み取った後微笑みながら返答しその返答を受け取った彼は紫に再び向き合う。
「…今はどこにいるか分からぬが…俺以外にも高度な知能を持ち、人間達と共存の意思を掲げる竜は他にも居る…お前達だけで背負い込もうとするな、他の者達も頼れ」
「…頼っても良いの?」
「…問題ない、永琳……や、姫達に危害が及ぶ事は俺が許さんからな」
「………ありがとうございます!!」
龍護の『他者を頼れ』、即ち自分達もその世界の掟を破る竜の討伐に協力するという言葉に涙を流す紫。彼女がどうしても作りたいと言う世界、それははっきり言って名の通り幻想に近い訳だがそれを彼は面白い、とでも思ったのだろう。協力をする事になり話は終わった様だった。
「ああそれと。私、さっき従者が出来たって言ったわよね?」
「…ああ、言ってたな。…正直言って少し見直した、前は落ち着きのない小娘だと思ってたが…」
「ほぼほぼ貴方の所為なのよ!!…おほん、それはさておき紹介するわ。藍、蒼焔、入ってきなさい」
紫の言葉と同時に2人の男女が応接室の戸を開けて入ってくる。男女共に紫に似た導師服を着用しており、女は金髪で二つの尖りがあるドアキャップの様な帽子を被り、男は白髪に青のメッシュが入り青と白が基調で狐の耳を想起させる造形の冠を被っている。そして何よりも女には9本の金色の尻尾、男には一本の藍色っぽい尻尾が生えていた。
「此方、私の式神…妖怪の一種ね。式神になってくれた九尾の藍と、狐竜の蒼焔よ」
「初めまして御二方。私は八雲藍、紫様の忠実なる式神です」
「同じく紫様の忠実なる式神の八雲蒼焔です、今後ともよろしくお願いします」
「…白崎龍護だ、よろしく頼む」
「あらご丁寧に…私は八意永琳よ、よろしくお願いしますね。…蒼焔君、だったかしら?貴方…その目、見えてないのでは?」
男女…女が藍で、男が蒼焔だ。2人の自己紹介を終えた後自分達もと流れで名前を言う龍護と永琳。…しかし此処で永琳が蒼焔の顔を暫く眺めてきたのだが、彼に『目が見えてないのでは?』と問いかける。龍護はその言葉に少し驚いた様で、彼の隣人である紫と藍は非常に驚いていた。
「え!?本当なの、蒼焔!?」
「実はなんですけど…僕は生まれつき、目が見えてないんですよね」
「そうなのか蒼焔!?…それに竜の時から目が見えてなかったって…!」
「藍さんに伝えようとは思いましたけど、あの時の僕に意思疎通の手段がなくてですね…ただ完全に見えてない訳ではないんですよね」
紫が本人に確認を取ると蒼焔本人はその事を認めている。いるのだが…蒼焔がその事を容認すると藍の表情が暗くなる。と言うのも彼女と彼は紫の式神になる前から共に行動していたのだ、しかしそれなりに長い時間を彼と過ごしたにも関わらず自分は彼の目が見えない事に気づけなかった…その考えが顔に表れていたが、そんな彼女を落ち着かせる様に話し始める。
「…ただ完全に見えてない訳じゃありません、竜の時から紫様や藍さんが僕がこの姿に化ける時に教えてくれた妖力…他にも生き物の持つ力や生命エネルギー、それ等に関連する力
「…ああ、そう言う事ね。蒼焔について少し謎があったのだけどそれが解けたわ」
「…どう言う事だ?」
どうやら妖怪達が扱う妖力、それ以外にも生物が持つ力や生命エネルギー…それ等を目視する事ができるそうだ。それを教えられた4人の内、紫は1人勝手に納得しておりそれについて龍護が尋ねる。普段は(割と)頭のいい龍護が自分に答えを請いにきたのだ、紫は自慢気に…
「ふふん、つま「つまりは目が見えない状態であるにも関わらず今まで生きていけたのはその力があったから、他の竜や妖怪を狩って生きていた。と言う訳ですよ龍護さん」………そうかぁぁぁ!!私が思いついた事全部言われたぁ!!」
「ぐふっ!?懐に飛び込まないでください紫様!?」
説明しようとした刹那、永琳にその説明を全て掻っ攫われてしまい少しだけ残ってた威厳を直ぐに崩壊させていた。彼女は自分よりも背が高い蒼焔の懐に飛び込んでおり、彼の鳩尾にクリーンヒットさせている筈なのだがそこは竜であるからだろう、しっかりと自分の主人である紫を受け止めて倒れなかった。
「………」
「あら?どうしましたか藍さん」
「…いえ。その…よく紫様が蒼焔に飛び込むのを見るのですが、それを見ると…なんでか胸の奥が苦しい感じがするんですよね」
「…成程ね、そう言う時は…早めに自分で気づくべき、かしら。それと、貴女は見た感じ独占欲や嫉妬が強そうね。その感情は1人で抱え込まない様にしなさい」
「は、はあ…」
こんな会話を交わす薬師と九尾の式神が居たとか居なかったとか…果たして何が起きるのやら。因みにこの時の護龍は何をしていたかと言うと…
「…蒼焔、お前は狐の竜らしいな…だが俺の知る狐竜とは少し色が違う気がするのだが…」
「体毛とかの色ですか?…実はこっちも目と同じく生まれつき蒼くてですね、他にも僕が出す泡があるのですが、それが同族は普通に弾けるのに対して僕のは焔の海へと変えてしまう…群れの仲間達はそんな異端な僕の事を、人間達に悟られない様に守ってくれてましたが…守られたままではいつか独り立ちした時に戦う事が出来ない、だから群れから離れました」
「…そうか」
蒼焔に自分の疑問をぶつけていた。まあそりゃそうだ、彼が知る狐竜…タマミツネは通常種であるのに対し、蒼焔はタマミツネはタマミツネでも希少種のタマミツネなのである。攻撃方法や体色が変わってても不思議ではない。兎も角2人は人の形を取れる竜(龍)という共通点で少し仲が良くなった。そして…
「……あれ?この展開前にもあった気が…」
気のせいだと思うよ。
と言うわけで八雲家2名、天眼タマミツネ希少種(一応見えてる)の蒼焔君が登場。ぶっ壊れじゃねぇか!!この子が何故生体反応や力の流れが見えているかについては後々明かすこととなります。今回はヒントなしです。
それとこの世界の室町、戦国時代について。当時代では百竜夜行の影響というか、反動によって竜の数が激減しているので人間同士の戦いが日本では起きちゃったりしてます。まあそれでもクルルヤックやらドスフロギィやらアオアシラなどの少し弱めのモンスターは居ますが。外国はというとナルハタを狩った龍護を人間だと思っているイブシマキヒコが、龍護の寿命が尽きるまで在中している為被害がそっちで広がってたり、地下に例の悪魔やイカやらが居るせいでゆっくり出来ていません。尚本作でイカは登場しません(確定)。
もこたん♂の旅道中を、おまけか前作の番外編として書こうか悩んでるこの頃の作者。「短編に投稿すれば良いんじゃね?」と思う方はいらっしゃるとは思いますが、もこたん♂の短編に投稿したくないんですよね(拘りスカーフ)。
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