守護龍として造られたらしいけど、特に護る義理はないので好きに生きます 作:シェリーザ
龍護「…なん…だと…」
この幕間のメインモンスターはメル・ゼナさんです。
数多の竜に襲われるも、それを幾度も退けてきた日本。今回はそんな日本が江戸時代へと入り、竜の脅威が少ない数少ない時代の時での…現代では西欧と呼ばれる諸外国での話である。
「………」
現代でルーマニアと呼ばれている国の何処か…かつては王城が存在したその地だったが、今は瓦礫の山へと扮しておりその山の頂点に1匹の龍が佇まっていた。
まるで骸骨の仮面を被っているようで、全体的に白…いや、白銀と言った方が良いだろう。全身が白銀の鱗と首、甲殻に包まれておりまさに中世の貴族なような風貌をしている。また両前脚に紅い体毛が生えており、立派な翼の内側は体毛とか同じ色合いの紅みを持ち、龍の角、爪、翼の鉤爪、尻尾の先端が金色で構成されている…そんな龍の中でも特に高貴な見た目と振る舞いをするかの龍の名はメル・ゼナ。爵銀の名を持つ古龍である。
「……」
メルゼナの目線は城跡の近くにある大穴に向けられているが、その穴は深すぎて何がいるかわからない。しかし彼は全く動じもせずその穴を見つめており、まるで
そんな彼の周囲には蝶と蛭が合体したような紅い生物、キュリアが飛び交っている。キュリアとは簡単に言えば蚊と似たような生態を持っており、吸血対象のエネルギーを吸う。しかしそれだけでは自分が潰されて終わりだ、そこでこの古龍メルゼナと彼に力を貸し、また自分達もメルゼナの狩りに協力すると言う共生関係を築く事により生存する事に成功している生物である。
「…!…!」
「…QUA?」
それはさておきキュリアの内、メルゼナに向かい飛んできた1匹がメルゼナの耳元辺りまで飛翔、何やら彼に耳打ちするように話している。メルゼナは最初少々不思議そうな感じで話を聞いていたが…
「……!!」
「…QUAO、…QOO!」
「…!」
キュリアの話を聞いているうちにその様子は変化していき、それは大事だな、という風に首を縦に振った後彼自分の周囲を飛び回っていたキュリアを全員呼び寄せ、その話をしていたキュリアを先頭にして何処かへ飛び立つのだった。
さあそんな城跡の近く…と言っても、直線距離では数十キロはゆうに離れているが、兎に角城跡の近くに見るだけでも目を痛めるような紅い館があった。館の名は紅魔館、中世に猛威を振るったと言う吸血鬼の中でも、特に高貴な一族である『スカーレット家』の拠点だ。そんな紅魔館は現在…
「WAOOOOOOON!!!」
「GUOOOOOOOO!!!」
「氷狼竜と剛纏獣が来てるぞー!!なんとしてでも此処を死守するぞ!!」
「CYAOOOO!!!」
「GUOOOOO!!!」
「雷竜と棘竜も攻めてきている!誰か氷の能力者か、氷の力を秘めている武器を持つ奴をこっちに…ぐわぁ!!?」
「そんな!?くっ、当主様、奥様、御二人共娘さんと共にお逃げください…!!」
「いや、お前達を置いて逃げるつもりはない!!お前達と…あの竜殿が居なければ、我々はそもそも生きてすらいなかった!!」
「それに私達が退けば、この竜達の侵攻は止まらず進んでいきます!そうなれば私達以外の同胞達も巻き込まれる…此処で食い止めるのよ!!」
多種多様の竜が混合する群に襲われている真っ最中であった。見た目自体は完全に四足歩行の狼なのに、気付けば全身に氷を纏い後脚二足で立ち上がり前脚の深い朱色の爪で己の敵と狩猟対象を薙ぎ払う残虐な狩人ルナガロン。右前脚に溶けた岩石、左前脚に水が溢れ出る苔を纏い自らが殴りつけた箇所を爆破し、水浸しにするかなりの巨体の牙獣ガランゴルム。全体的に黒緑で構成されており、まるで蝶のような美しい翼と頭の黒い一本角が特徴的な雷竜ライゼクス。全身が緑色だが、今は怒っているからだろうか鱗や甲殻が紅潮している棘の竜エスピナス。
とある護龍が居る日本と比べてかなり異なる竜達が、
「東の国にあると言う、大型弩があれば良いのだがなぁ…!」
「ないものねだりをするな、それに奴等は我々のようには戦えぬから頼ってるだけだ。相手や地形に合わせて装備を変更して自ら戦える我等の方が有利だ」
「しかしあの岩竜達は面倒でしかありませんよ!?銃槍使いの吸血鬼は少ないと言うのに…!!」
「なら…「GYAOOO…!!?」甲殻の隙間に刺して、中を切り裂いてあげれば良いじゃない!!」
『それが出来るのは御二人だけなんですよ…』
特に厄介なのが平安京砦に攻めてきた岩竜、バサルモスとその成体であるグラビモスなどの肉質が硬い竜達であり、彼等の場合発熱してる部位でなければどれだけ磨かれた武器であっても腹などの特定の部位以外には刃を通すことすら難しいのである。なお奥様と呼ばれた吸血鬼はグラビモスの脚の関節に自分が持つと思われる片手剣を刺し、捻ってグラビモスを立たせないようにしていた。
「…しかしどう言う事だ?今まで竜が攻めてくることは何度かあったが、こんな突然、それもこの大群で攻めてくるなんてことは…」
「普段は縄張りを争う竜であっても、何故か協力して此処を攻めてきている…何かありそうね」
さてそんな吸血鬼達だが日本と違い設備がない分、人員が優秀であり非戦闘員を除けば殆どの吸血鬼達が戦える。特に当主、奥様と呼ばれた夫婦の吸血鬼だが彼等が持つ夫の方は紅い宝石が嵌めれた白い盾と黄金の刃を持つ突撃槍と、妻の方は片手で取り扱える剣と盾…と思いきや、その2つが合体して巨大な斧へと変化している。その二人の戦闘は異常の一言で終わる。夫が竜達の敵視を引いている隙に、妻が片手剣の状態で猛攻を仕掛けた後斧へと変形させ強大な一撃を叩き込む、と言うかなり単純な戦闘方法だがそれを1匹や2匹の竜ではなく、4匹以上の竜を相手取りその上で自分達が相手した竜を全て撃退・討伐しているのである。
2人は戦闘中、そんなことを呟き違和感を覚える。確かに本来は出会った瞬間に縄張りを起こすルナガロンとガランゴルムやティガレックスとアンジャナフが何故か協力してるし、例え縄張り意識がない竜同士であってもお互い攻撃し合うことは全然ある。なのに今この場にいる竜達は全員粗が多いが協力しあっておりその様子に2人は疑問を抱いた。だがそんな疑問は頭に留める程度にしておき、目の前の竜達に集中し直す。そして吸血鬼達の奮闘あってか…
「で、ですがもし御二人が竜に殺されでもすれば、スカーレット家は存亡の危機に陥りますよ!?」
「私達の心配ありがとう、だが此処で退いたところで奴等は足を止めないし、なんなら私達を追いかけてくる可能性がある。だから退くわけにはいかないのさ」
「それに少しずつ竜の数も減ってます、もう少しの辛抱です!」
竜達の死骸が転がり、今も翼がやられてたり脚が捥がれたりしてる竜が居たりするがそれでも此処を明確に攻撃してくる竜の頭数を減らせておりあとは目で数えれる数になった。
「残ってるのは…怪鳥と、鎖刃竜と… 刺花蜘蛛か」
「なら余裕ね、強いて言うなら…鎖刃竜と刺花蜘蛛を要警戒と言ったところかしら」
残る3匹はエリマキトカゲに翼が生えたような頭部は黄、全身は赤い体色の鳥竜イャンクック。そしてかつてとある護龍に根絶やしにされたと思われる種族の末裔…だろう。今は護竜ではなく、1匹の自然に生きる竜となっている全身真っ白の竜アルシュベルト。そして赤い花を背負っているように見える白い蜘蛛、ラバラバリナ。この3匹だけがこの戦場に残っていた。
妻がアルシュベルト、ラバラバリナを要警戒と言った理由としてはアルシュベルトは属性の力を封じる属性である龍属性を、ラバラバリナは赤い花のように見えるもの…実際は腹毛らしくその腹毛を綿毛のようにして彼女は撒き散らす訳だがその綿毛には麻痺毒が含まれており、それに対しての警戒、と言う訳だろう。兎に角2人の言葉を聞いた他の吸血鬼達が3匹を狩り始める。
「御二方、此処は我々に任せて今のうちに休息を取っておいてください。いつ奴等がまた来るか分かりませんから」
「良いのか?お前達でもあの鎖刃竜は強いと思うが…」
「問題ないです、私もすぐに…って、出番がなくなりましたね」
3匹の竜(1匹は虫)は各々の力を振るうも、相手はただの人間ではなく吸血鬼。ラバラバリナの麻痺毒やアルシュベルトの龍属性は刺さったものも吸血鬼達の数による暴力、更には其々も一定以上の強さを持つ為ラバラバリナ、イャンクック、最後にアルシュベルトの順で討伐された。アルシュベルトの討伐が最後になった理由は単純に強かったからである。
「…それにしても静かになったな…久々と言うわけでもないのに懐かしい感じがする…」
「別に長い間戦ってた訳じゃないのにね」
「…ですが空が晴れませんね…今日の夜は天気が良くなると、占星術に長けてる者がお嬢様の力を借りた上で言ってたのですが…」
それはさておき竜達を全て撃退・討伐し終えた吸血鬼達は勝利の喜びからか、近くにいる仲間達と握手したり、その喜びを分かち合っている。現に当主と呼ばれた男も武器をおいて座り込んでおり、奥様と呼ばれた女も武器をおいて当主の横に座り込んでいる。…しかし彼等の付き添いである吸血鬼が不穏な言葉を漏らした。
その内容は占星術を扱える吸血鬼が今夜は晴れる、との内容。現在の空模様は月が見えない曇りでありこのままでは全くの嘘っぱちである。だが此処で重要なのがお嬢様、と言う人物。恐らく少女か女性だろう、此処では一度少女としてそのお嬢様の力を借りて晴れだと言ったらしい。因みに何故天気を占ったかについては吸血鬼は流水にも弱いからである。なのであの嵐龍がこの地にすると壊滅的な被害を受けていた。
「…なに?レミリアの力を借りて晴れと言った…だと?」
「…あの子の力は確実、と言う訳じゃないけど…それでもかなり当たるわ」
「…それじゃあ…まさか…!?」
その付き添いの男が空が晴れない理由について察しがついたその刹那。
『CYUOOOOOOOO!!!』
何処かから咆哮が放たれ、それが戦場に響き渡る…のと同時に。風によって作られた数多の龍属性弾、気龍弾が上空から放たれそれが戦場に着弾し辺りにいた吸血鬼達を吹き飛ばす。吸血鬼は敵襲と気付き、慌てて武器を取り臨戦態勢に入る。無論先程まで話していた3人も例外でなく…
「っ…!どうした、何が起きた!?」
「…!!御二方、今すぐ此処から避難してください!!」
「どう言うこと!?」
「未知の竜が攻めて…!!」
攻めてくる、その言葉が紡がれる前に3人の前に気龍弾の一つが着弾し、3人を吹き飛ばす。夫婦の吸血鬼は意識外からの攻撃に夫の方は右腕、妻の方は左腕を負傷する思わぬ痛手を負うが、特に気にするようなダメージではなかった…のだが。彼等と話していた吸血鬼は当たりどころが悪かったらしく、今は地面に寝転がされており息絶え絶えの状態で赤黒い閃光が全身を駆け巡っていた。
「…がはっ…!これ、は…」
「この赤黒い稲妻…まさか恐暴竜と同じ力を持つ竜だと!?」
「なら今すぐ打ち消しの実を…!」
「すみ、ません、御二方…ですが、お逃げ、ください…竜が…来ています…!!」
その言葉と同時に、3人の前に姿を現す竜…いや、龍。全身が蒼く何処となくナルハタタヒメに似た姿をしており、彼女同様翼や風を受ける皮膜がないにも関わらず空を浮遊している。風神龍イブシマキヒコ、彼の対となる雷神龍がとある護龍に大損害を負わされた為、彼の追跡を恐れたイブシはこの異国の地に逃げ込み、現在に至るのだった。イブシは3人をその瞳にとらえた後、突如として右前脚を振り上げる。それから繰り出されよう行動に気づいた瀕死の吸血鬼は最後の力を振り絞り2人を突き飛ばした…その瞬間。
「お許、し、ください…御二、方…」
瀕死の吸血鬼の元に右前脚が叩きつけられ、そこに血溜まりが大きく広がる。その直後その地点から突風が吹き上がり、吸血鬼だったものと血を吹き上げていた。それを見た2人はと言うと、その吸血鬼を救えなかった自分達の無力さに自分達と龍への激しい怒りに囚われた。
「CUOO?CYUOOO!!!」
「…よくも私の友を…!!」
「我が同胞を弄んだ罪、その身で償え…!!」
無事生き残った吸血鬼達が武器を取り続々と集う中、2人は真っ先にイブシへと挑みかかった。夫は突撃槍をまだまともに動く左手で持って突撃し、妻もまだまともに動く右手で片手剣を振るう。イブシは2人を死んでないと視認するや否や、周辺の岩を浮上させた後弾幕の如く解き放つ。
この岩を命中させられて吹き飛んだり、或いは足を止める吸血鬼が出る中2人は冷静にバックステップや後転回避で岩を回避し、突撃と連撃を放ってイブシに刃を当てる。
「COO…!!」
「このまま畳み掛ける、絶対に討伐するぞ!!」
『はいッ!!』
「CUU…CYUOOOOOON!!!」
自分の攻撃を三度も躱されたからか、またはかなりの数の吸血鬼をうざったく思ったのかは不明だがイブシは仕切り直しと言わんばかりの咆哮を上げた後に吸血鬼の群衆に接近した刹那、尻尾を振り回し吸血鬼達を薙ぎ払っていく。まずは数の力を削ごうとしてるのだろう、まだ立ち直ってなかったり回復しきってない吸血鬼達を付け狙い赤黒い稲妻を走らせる風のブレスと先ほど放った気龍弾を撒き散らす。
「かなり知能の高い竜だな、数を減らすことを最優先に動いている…!!」
「防御できる武器の者達は負傷者の避難の援護を!避難が完了次第戦線復帰をお願いします!銃手の者は弾薬を気にせず撃ちなさい!!剣士の者達は私達に続け!!」
負傷者への攻撃を受け止めつつ、指令を出す夫婦。イブシはそんな2人の言葉を理解したのか、自分を遠方から見る吸血鬼達…日本の弓とは異なるどこにも刃が付いていなさそうな武器…軽弩と重弩と呼ばれるボウガンを構えている吸血鬼達に今度は定め、ナルハタに似たレーザーの様なブレスを吐く。
「CYUAAA!!!」
「ぐわぁぁ!!?」
「ブレスが通った後も爆発するのかよ…!」
回避が間に合わず直撃を受けたり、更にはブレスが通った後の爆発を受けて重症を追う吸血鬼達。普通の人間であれば死んでいたが、彼等の種族としての頑丈さが功を奏した…が、ブレスを受けた全員が漏れなく龍属性やられ状態になっていた為吸血鬼の再生能力が大幅に封じられていた。そして更に…
「CUOOOOOOOO!!!」
「GYAOOOOOOON!!!」
「GOAAAAAAA!!!」
「CYUOAAAAAA!!!」
「っ!?増援を呼んだ…!!それも爆鱗竜に砕竜、斬竜か…!!」
その言葉と共に現れるのは毎度お馴染み爆撃機のバゼルギウスと、全身が深い藍色で古龍種含めた竜全体で見ても前脚が発達してる非常に珍しく、その前脚と頭に緑の何かを纏っている竜、ブラキディオス。そして最後はブラキディオスとは対照的に全体的に赤く、前脚は非常に小さいが代わりにその青い尻尾はまさに太刀のような輝きと鋭さを持つ竜、ディノバルドがイブシの恐喝の咆哮に反応し恐慌状態で乱入してくる。
「っ、あの蒼き竜は私達2人で抑える、貴方達でその3匹の竜の撃退・討伐をお願いします!!」
「旦那様と奥様は!?」
「私達の無事より、まずは自分達の身を…うぐっ!!?」
「あなた!!きゃっ…!?」
自分達の心配をしろ、と言い切る前にイブシの錐揉み回転の様なタックルを受け吹き飛ばされる2人。他の吸血鬼達は2人を助けようも、先程の3匹の竜が辺り一体を爆破し、赤熱化している尻尾で薙ぎ払われて誰も近づけなくなっている。イブシは2人の息の根を止めるべく先程彼等の付き添いの吸血鬼を殺した時のように右前脚を大きく振り上げる。なんとかまだ動ける夫は自身の持つ突撃槍を投げ捨て、せめて自分の妻を守ろうと盾を掲げた…が。
「CYUOAAAAA!!!」
「っ…!?フェイク…だと!!?」
その右前脚は彼等の地面の前に叩きつけられ、その時の衝動で夫の守りの体勢が崩される。それと同時に龍属性特有の赤黒い稲妻が走り彼等に命中、2人は龍属性やられになってしまった。そしてイブシはその瞬間を待ってたかのような笑みを2人に幻視させる様に己の顔を見せ…
「…すまない…レミリア…」
「…ごめんなさい、フランドール…」
「CYIAAAAAAA!!!」
無慈悲にもその蒼き尾を振り下ろし2人を叩き潰す。紅魔館当主とその妻の死は戦場に居た吸血鬼全員に直ぐに伝わり、全員の動きが絶望的に悪くなる。自分達の指導者が、助けられたかもしれないのに目の前で殺されたのだ、不甲斐ないや申し訳ないなど、それどころの重さでは済まない。しかしその責に囚われる暇を与えてくれる程竜達は優しくない。
「まずい、紅魔館へ向かっている!」
「誰か使用人達の元に使い魔を飛ばして連絡を…うわぁぁ!!?」
「くっ、なんで強い3匹を呼んでくるんだよあの青い竜は…!!」
イブシは将来、自分の障害となるだろう吸血鬼の軍勢という勢力を根絶やしにする為に紅魔館へ漂い接近。そしてブレスを吐く構えを取る。それに気づく吸血鬼達だが、竜の中でも上位の強さに位置するバゼルギウス、ブラキディオス、ディノバルドの相手で手一杯であり今度こそ本当の終わり…と思われたその時。
「なんだこれ…赤い、蝶…?」
「いや、赤い蛭じゃないのか…?」
戦場に数多の赤い蝶…いや、蝶のような羽を持つ赤い蛭が姿を現した。それを吸血鬼達と竜達は不思議そうに眺めていたが、イブシは直ぐに気を取り直し攻撃を仕掛けようとした…その刹那。
「…!!!」
「CYUOOO!!?」
その脳天に金色の鉤爪が振り下ろされ、ブレスは発射されることなく地面に叩き落とされる。イブシは『何事!?』といった様子で慌てており、急いで起き上がる…そして彼は目にした。高貴な佇まいをしており、金色の鉤爪がつく白銀の皮膜の右翼を己に向けてくる龍…メルゼナを。メルゼナは既に戦闘態勢でありこのままでは自分が負けると直ぐに感じたか、直ぐに体勢を立て直すイブシ。2匹の龍が対峙し、肩や自分の縄張りとも言えるこの地を守る為、残る1匹は自分の対が力を蓄え終えるまでの安寧の地を手に入れる為…
「QUOOOOOON!!!」
「CYUAAAAAA!!!」
古龍同士の対戦の開戦の咆哮を上げた。
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい…!!ごめんなさいお父様、お母様…!!私は、私は未来が見えていたって言うのに…!!いやあああぁぁぁぁ!!!」
なんであの時、本当の事を言えなかったんだろう。どうしてあの時、皆で逃げようと言えなかったんだろう。どうして、どうしてどうしてどうしてどうして…!!
…私はある時から、
その時のお父様とお母様は今の様な力はなく、当時幼かった私を連れて命からがら逃げ回っていた。そして追い詰められた時、死に直面した私はどうしても生きようと足掻いた。足掻いて足掻いて足掻いて…その時私は
そうして私達を襲ってきた竜の爪が私達を切り裂かんとしてた時、その爪は届く事なく、逆に竜が生き絶えていた。そして…私は目にした。運命で見た、白銀と紅の竜がそのままそっくりの姿で私達を助けてくれた。竜は私達を見つめた後、襲うなんてことはなくそのまま飛び去っていった…その竜のものと思われる数多の鱗と皮膜、その他沢山の素材を残して。
最初はなんで鱗を置いて行ったのか分からなかった。でも…お父様とお母様の運命を見て分かった。このままでは2人は戦いの中で謎の竜に殺される、だから私は2人が死なない様に使用人達に事情を話したりして2人を…ひいては私の妹フランを守る為に動いた。…と言うのに、だと言うのに…!!
今日、竜達が攻めてくる運命は見えた。けどその時お父様やお母様、他の皆が死ぬ運命はなかった。だからまだ幼くて戦えない私は皆にその事を伝えて、竜の群と戦ってもらった……けれど、謎の竜が出てくるなんて…それに今から見えるのは私とフランの死の運命。どこへ逃げても、隠れても、謎の竜は私達を探し出して殺しに………!!
…そう、私は…私とフランを、貴方はまた救ってくれるのね…白銀と紅の竜さん…!!
番外編ではなく、幕間と言う形で書きましたがどうでしょうか(江戸時代での龍護君の行動をあまり思いつかなかったと言うのは内緒)。
今回ぶっちぎりで(ルーマニアにとって)特定外来種の様な真似をしてくれたイブシ君。ルーマニアにとって因縁深い古龍になりそうですよね。今回イブシ君がルーマニアに侵攻した理由は龍護からの追跡を懸念して、外国へ逃げた後ナルハタ復活まで雲隠れするための棲家作成で
んでメルゼナがスカーレット家を気にかけてる理由ですが…レミリアの能力が強く作用しています。んまあここら辺についてはまた書こうかと思います。後編も頑張って書いて参ります。
何かしら人気ありそうな方々で人気投票をやってみた
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白崎龍護
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八雲蒼焔
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クロ君
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メル・ゼナ
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怨嗟マガイマガド
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ヌシジンオウガ
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藤原妹紅♂
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鋼華刹那
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マガイマガド(コテハンニキ)
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ゴルベーザ
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ハン
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イストワール(図書院長)
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シン
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霍青娥(やべー方)
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作者「え?」
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ラインハルト卿