守護龍として造られたらしいけど、特に護る義理はないので好きに生きます 作:シェリーザ
「…風神龍を…喰った…!!」
「…GUOO!!」
目の前の一連の出来事に驚愕するメルとゾシア、イブシには残念ながらナルハタに喰われた事に同情も協調もする気はないわけだが…イブシの力を取り込んだナルハタ、彼女を野放しにしてはならない事だけは2人は理解しており、硬直からすぐ戻ってゾシアはそのままで、メルは突撃槍を仕舞い盾斧を取り出して片手剣形態で構える。
「私は地上から攻撃をしていきます、龍護さんにはとりあえずあの巨体をある程度抑えてもらえれば幸いです」
「GUO…!!」
『CYUAAAAAAAAAA!!!』
メルが背中に冷や汗を流しながら、ナルハタとの戦闘についてゾシアと軽く談義して改めて臨戦状態に入り、ゾシアもメル同様身を屈めて臨戦状態に入る。そんな1人と1匹、特にゾシアの方はかつて自分を狩ろうとしていた人間と似た顔をしていたからだろう彼等を威圧する咆哮をあげる。普通の人間や妖怪、竜であれば萎縮しているだろうが彼等は古龍と護龍、威圧に負けず寧ろ望むところとメルは眼光を鋭くし、ゾシアは翼脚を置いてる地面に亀裂を入れる。そして…
「…GUOA!!!」
「CYUAAAA!!?」
地面を踏み抜き一瞬でナルハタの目の前まで急接近するゾシア、彼はナルハタに抵抗を許すつもりはなく自慢の両翼脚でナルハタの両前脚を掴んでから結晶に包まれている頭部で頭突き、そして地面に叩き込む。ナルハタは急速に放たれた猛攻に少し怯むものもすぐに立て直し、雷弾とイブシが使っていた龍気弾を各々数発ずつ放ち、ゾシアに直撃させていく。
「GU、GUO…!!?」
「まずい!?カバーに入ります!!」
ゾシアは己の弱点属性である龍属性を持つ気龍弾を受け、更には威力の高い雷弾もモロにくらった事で怯んでしまい拘束を緩めてしまう。そんな彼に生まれてしまった隙をカバーする様にメルが溜めからの3連撃を放ち、同時に剣撃エネルギーを蓄えていく。しかし古龍形態ならともかく、人間形態のメルの攻撃は痛くも痒くもないとでも言いたいのか、連撃を無視して今度は尻尾をゾシアに叩きつけていく。
「CYAAAAA!!!」
「GUOO…!!!」
「片翼の私より、龍護さんの方が良いとは言え…こうも無視されると苛立ちますね…!」
かつて淵源へと至る前のナルハタと死闘を繰り広げていたゾシアだが、2匹の古龍の力を持つ今の彼女があの時以上に強くなっている事に対し悪態をつくように呻く。メルの方も、この奈落の底がゾシアとナルハタで埋め尽くされる広さである事から下手に龍化して攻撃出来ない事に苦言を呈してる。そんな中ナルハタが強引に暴れ回り、単純計算で古龍2匹分の力に対しての古龍級の人造龍1匹という力の差だろうか、ゾシアの拘束が遂に解かれてしまう。
「GUOAAA!!?」
「CYUOOOOO!!!」
「躱された…!!」
拘束からの解放と同時にメルの剣撃も避けていくナルハタ。彼女は嘲笑うように1人と1匹を見つめたあと、両前脚を地面に置き其処から噴き上げる様に風を発生させ、雷弾を幾つも放つ。これにゾシアは風を避けつつ翼脚を地面に叩きつけた衝撃で防ぎ、メルも盾斧の盾で防ぎ切る。2人はどうやら雷よりも風圧による崩しを警戒してる様で、風の発生、速度、風向きを注視している。
「GUOO、GUOAA!!」
「分かりました、では其処に合わせます」
1人と1匹は側から見れば通じてなさそうに見える会話を行ったあと、ゾシアが奈落の其処の岩壁を攀じ登り始める。無論ナルハタは黙って見過ごすつもりはなくゾシアに向かって泳ぐ様に向かっていく…が。
「さあ…暫くは私との殺し合いを楽しんでもらいますよ!!」
片翼を大きく広げ、彼女と同じく浮上したメル。しかし彼の右肩にはいつの間にか白いリスの様な、スカンクの様な小動物が居ており何やら白い煙の様な物を放出している。ナルハタは始め、メルの事を無視する気満々であったのだが…リスの様な小動物が放つ白い煙に触れた瞬間、その煙がナルハタの顔につき彼女の標的が強制的にメルへと変化する。
そう…メルが使ったのはエンエンクというスカンク…本来の世界では猟具生物の一種で、これが放つ煙もといフェロモンは大型モンスターを惹きつける効果があるのだ。メルはエンエンクのフェロモンの付着を確認後、本来の姿の右前脚に当たる右腕を元の状態に戻し、ナルハタの頭部を鷲掴みにしてメル・ゼナという龍の力を一時的に全開にし奈落の底に叩き落とす。
「CYUOOO…!!?」
「おやおや、何処へ行こうと言うのですか?私との殺し合いがそんなに嫌ですか…ならば殺して差し上げましょう!」
怖いよこの
「はは、驚きましたか?何故龍である私が人間の形を取れるかってね。…私は長い月日を生き、
まあ間違ってはない、強いて言うなら人間達と言うところが大嘘な訳だがナルハタは普通に気づかなかった。
…よし、登り切った…奴を完全に殺すにはそうだな…ニキネキ達の言ってたアレを使うか。
「人の姿に戻って…あったな、古代兵器の機動装置…」
このレバーを引いてと……前みたいにあの砲弾が放たれることがない事を願う。
ドガアアアアン!!!
…!よし、ちゃんと狙いの方が起動したな。…そうだな、大体20尺ぐらいあれば足りるか。念の為にもう一本も貰っておいて…よし、そろそろ戻るか。幾らメルが古龍であろうと、今の奴は古龍2匹分の力を持っている…油断せずに掛からねば。
…永琳の為にも、絶対殺してやる。
メルはニコニコして、ナルハタは彼を睨みつけてお喋りは此処までと言うのだろう、彼が盾斧を再び取り出し合体、先程貯めていた剣撃によるエネルギーを盾内部にある瓶に充填、即座に盾を構えて瓶に溜めたエネルギーを消費して盾を強化、更に少々無理矢理だが剣も強化していく。
「いやー、便利なんですよこの盾と剣。本来は合体させて出力を高めて戦う、とお嬢様が申してましたが…先程見せた通り、私の場合はこの状態でも貴女と十分に渡り合えるんですよ………意味、分かりますよね?」
「……CYUAAAAAA!!!」
カラカラ笑いながら、ナルハタを煽る様に挑発していくメル。ナルハタは人間という貧弱な生物の姿を取る
「おやおや、貴女は
この
「CYUIOOO!!!」
「っと、…とは言えです、私は別に貴女を舐めて掛かってる訳ではありません。今の貴女は他の古龍をも上回る力を秘めている…そんな古龍を私を始め、他の古龍達が黙っているはずがありませんからね。…まあ、今は私と彼が戦っているので誰も寄ってきていない訳ですが」
そして特にヤバいのが彼はふざけているつもりは一切なく、至って真面目であると言うところである。彼は別に煽ってはないと言うが彼の言い回しや獲物を狩る様な目のせいでナルハタからその印象は払拭されることはなかった。だが彼が真面目に戦っているのは本当らしく、斧モードの盾斧を地面に叩きつけ、その衝撃で浮上してブレスを回避し龍の力を存分に使い斧を持ち上げて頭に叩きつける。
「CYUAAAA!!?」
「さてと…そろそろですかね。私の方も大技の準備を始めましょうか」
斧状態での叩きつけの後、ナルハタの頭に自分の足を数秒置いた後蹴り飛ばして岩壁に飛び移るメル。彼は既に斧状態から剣状態に戻しておりそのまま岩壁を蹴ってナルハタに突撃。さながら片手剣で放たれる空中乱舞を素の身体能力の暴力で行っていく。ナルハタはメルのこのやや暴挙な攻撃にはお怒り、と言うかそもそも彼女にとって下等生物の姿をしている同種にボコボコにされてる時点で激怒しているのだがそれはそうと…殺意が篭ってる睨みをメルに利かせており、彼の言動が頭に来ているのか雷柱を幾つも落とし、気龍弾や雷弾を疎に放ちながら両前脚で暴れ回る。
「ふっ、はっ、せいやっ!…からの『ガチャアン!!』貴女のお陰で瓶へのチャージが完了しました…ちょっと痛い目に遭ってもらいますよ…!!」
「CYUIOOO!!?」
しかしそんな彼女の怒りに任せた猛攻を冷静に回避、剣での受け流しや盾で弾いたりなどを繰り返して着地後、盾を構えて先程まで溜めていたエネルギーを瓶に溜め込み即座に剣と盾を合体させて斧状態にして龍の身体能力を自重なく利用した脚力で再びナルハタに急接近する。
「まずは属性解放斬り…でしたか、それをもう一度やって…!」
斧の刃となる盾を回転させながらナルハタに振り下ろし、腹部に叩きつけて振り抜いた後に再びナルハタに叩きつける。ナルハタは自身の大事な後継でもある卵がある腹部への攻撃に『子の為なら母は鬼にもなる』と言う言葉通りと言えばいいのだろうか、メルを絶対にぶち殺すマンになり雷輪・雷柱落とし、気龍弾に気龍ブレスと自身の体力を顧みない攻撃を繰り広げる。だが彼にとってそれらの攻撃全ては土壇場で繰り出された大雑把な技、としか見られてなかったのか斧の刃である盾で雷弾や気龍弾を弾き飛ばし、他の攻撃も細身を利用して躱し問答無用で更に技を繰り出す。
「それで…高出力属性解放斬り、更に追撃高出力属性解放斬り、トドメに…!!」
「CYUOOOO!!?」
メルが斧を構えた直後、斧の刃である盾が展開されそれを振り下ろす。加えてそれだけに留まらず今度は振り下ろした位置から斧を振り回してもう一撃を与える。この時点でナルハタは体勢を崩してしまい反撃の構えを取れなくなる。
「超高出力…属性解放斬り!!!」
「CYUIAAAAAA…!!?」
そして斧の刃である盾が高速回転を始め、その勢いのままナルハタに振り下ろすメル。それと同時に瓶に溜められていたエネルギーが連鎖的に爆発を起こしナルハタへの大打撃を与える。ナルハタはこれは流石に堪えたのか、死んではいないが地面に倒れ伏す。メルは盾斧をしまい、今度は突撃槍を取り出す。
「さてと…此処からは根比べと行きましょうか」
「CYUAAAA!!?」
そして彼女の右前脚の上に立ち、突撃槍をナルハタを固定するかの様に深く突き刺す。無論ナルハタはこの攻撃に黙っておらず突撃槍を引き抜こうとするために大暴れを始める。だがメルは自分の身体を龍の時と似た姿形に近づけつつも、突撃槍、ひいてはナルハタから離れずに固定を続ける。
とは言え何故急に彼はこんな事を始めたのか?先程までの調子であれば、ナルハタに順調に攻撃出来ていたはずだ。なのに彼はそんな事はせずに無意味…ではないにせよ、時間稼ぎに入っている。そして彼が何故そんな事をしていたかについては…その答えが降ってくる。
「…っ!あの人は本当破天荒ですね…!」
「GUOOOOOOO!!!」
「CYIAAAAAAAAAA!!?」
メルが何かに勘付いたかのように上を振り向いた直後、突撃槍をナルハタの右前脚から引き抜き彼女からすぐに離れる。ナルハタは何故メルが離脱したかに?を浮かべていたが、その疑問は直ぐに解決された。その答えというのが…先程奈落の岩壁を攀じ登っていたゾシアである。
だが彼が幾ら高高度からの急降下攻撃を行ったとしてもナルハタが絶叫するまでの威力を出せるかと言われれば微妙なのだが…ナルハタが絶叫する羽目に遭ったのがよく分かるものを彼は両翼脚に持っていた。その持っていたものというのが…
「…それ、上にあった奴を引き抜いてきたのですか?」
「…GUAAAA…!!!」
「CYUOAAAA…!!?」
黒色の巨大な螺旋状の凹凸がある槍…撃龍槍である。しかもそれを2本も持っており、それぞれナルハタの腹部と左前脚に容赦なく突き刺している。ただ彼の両翼脚から青色の血が流れており強引に持ってきたらしい。使えるものは全て使う、それが護龍ゾシアである。それはさておきナルハタは想像を絶する激痛に顔を歪めており、ゾシアを憎々しそうに憎悪を孕んだ眼で睨む。対するゾシアはそんなの知った事でないと自身の力を全て両翼脚に注ぎ込みナルハタの固定を強固のものにする。
「CYU、CYUAAAA…!!!」
「…GUOAAA!!」
「わかりました、武器を研がせていただきます」
だが忘れてはならない。彼女は風神の力を取り込んだ雷神龍…しかも彼女はただ雷を操るのではなく、雷により発生した磁場の操作に長けておりそれを最大活用した抵抗を始める。まず彼女は自身が寝転ぶ地面全体に龍風圧を発生させ自身…ではなく、槍を浮かせていく。無論ゾシアはそれに気づき深く刺し込もうとするが…
「CYUAAAA…!!!」
「GUOO…!!?」
「龍護さん!?」
此処でナルハタの力が牙を剥く。此処でプチ解説が入るが撃龍槍というのは幾つかのパーツに分かれている。何故こんな話を挟んだかと言えば…彼女お得意の磁場操作で、撃龍槍の、ゾシアが翼脚で持つ部分を磁場による回転をさせてゾシアの翼脚の爪を全て削ぎ落とす。この光景に武器の研磨をしていたメルは驚愕しておりゾシアも意識外の攻撃を受けてか怯んでいる。そして…
「CYUU…!!CYUIOOO!!!」
「っ!?まさか彼女の能力は磁場操作…!?」
「…GUOOO…!!」
風力、磁場の両方を使い己に刺さった撃龍槍2本を両方引き抜き、一時的に再生能力を高めているのか傷を急速に塞いでいく。撃龍槍は磁場操作によって地面に潜り込んでいき、二度と使えなくなってしまう。メルは撃龍槍を前脚を使わずに引き抜いたナルハタの力に当たりがついたようで、ゾシアも肯定するように唸りながら翼脚を再生させていく。
ナルハタは先程までのお返しをしてやる、その様な幻聴が聞こえるように眼を見開き…
『CYUOAAAAAAAA!!!』
怒りと憎悪に塗れた咆哮を奈落の底に響かせた。
「…勇儀達が言ってたのはあの島だな、…雷雨に豪風、異常気象の総集合だな…!!」
「…GWUOOO!!」
「っ!?まさか海を渡っていくつもりか!?」
「GWAOO!!」
「……竿打達でもお前は運べないからな…わかった、私も力を貸す!…いや貸さなければならない!!私の仇を討ちに行かせてもらっているんだ、私も全力を尽くす!!」
「…GWOOO!!」
おまけ 主人公陣営にあたる竜の方々の思想
白熾龍「永琳に危害加える、加えた奴は皆殺しにする」
爵銀龍「自分が狩り殺すと決めた奴は地獄の底まで追いかけます」
雷狼竜(ヌシ)「(人型の妖怪含めて)白狼人間?以外の人間は皆殺しにしてやる」
天眼焔狐竜「争いはあまり好きじゃないですが、僕の居場所を守る為なら手は抜きません」
黒蝕竜「GYAO!!」
怨虎竜(怨嗟)「白い人間に恨みはあるが、カセンと雷牙以外に興味はない」
作者「…???なんで半分ぐらい殺意溢れてんの?ゴマ君に至っては何を言ってるか分かんねえ…」
ゴマ君主軸のストーリーまで進めたいけどまだ時間が掛かるかなあ…ゴマ君の活躍を期待してる方々、本当すみません。
何かしら人気ありそうな方々で人気投票をやってみた
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白崎龍護
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八雲蒼焔
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クロ君
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メル・ゼナ
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怨嗟マガイマガド
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ヌシジンオウガ
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藤原妹紅♂
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鋼華刹那
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マガイマガド(コテハンニキ)
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ゴルベーザ
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ハン
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イストワール(図書院長)
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シン
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霍青娥(やべー方)
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作者「え?」
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ラインハルト卿