守護龍として造られたらしいけど、特に護る義理はないので好きに生きます 作:シェリーザ
そして3位タイがびっくり。なんとハイドリヒ卿と青娥です。ハイドリヒ卿は恐らく人気があるのでしょうけど………青娥、お前どうした!?何があった!?
因みに上の話は少し前の話です、今はメルが2位、もこたん♂が3位、4位タイがハイドリヒ卿と青娥になってます。
怨嗟響めくマガイマガド。通称怨嗟マガドは、両前脚を始めとして一部の部位が異様に発達し、名の通り怨嗟に塗れた落武者、或いは悪鬼の如くの形相をしている隻眼のマガイマガドのことであり、何故この怨嗟などという幾ら特殊個体と言えど、モンスターにつける異名としてはあまり相応しいとは言えない二つ名を付けられているか。
それはマガイマガドの繁殖などの生物的なところに理由が存在する。マガイマガドという竜は兜の飾りのような角がアイデンティティであると同時に同種の雌へのアピールポイントの様なものであり、その角は一度折れれば二度と生え変わることがないのだ。そうして角が折れ誇りを失った雄のマガイマガドは雌に見向きすらされず、1匹孤独で生きる事になる。
そうして角の折られたマガイマガドは自身の血統の存続が絶望的になり、その絶望感と憎悪、そして怨嗟によって凶暴化、そうして異常発達を果たした個体が怨嗟響めくマガイマガドと言う竜なのだ。だが何故こんな話をしたのか?それは…
「…GWOOOO…!!!」
「…今はお前と争う暇はない…共同戦線と行きたいのだが?」
奈落の底に降臨した百竜の淵源ナルハタタヒメ、彼女を討伐する為に来訪した龍護とメル、そして彼女の気配を察知して駆けつけた怨嗟マガドと華扇が合流。…だがそこで問題が発生。
この場に駆けつけた怨嗟マガドは、かつて百竜夜行で龍護に角を折られたマガイマガドと同一個体であり、今はしてほしくなかったのだが因縁の再会を果たしてしまい今の様に睨み合ってるのである。尚この間ナルハタは雷球や気龍弾を容赦なく撃ってきておりメル、マガドがそれを弾いている。
「龍護さんの言うとおり、今は貴方の因縁より、彼女の討伐を優先した方が良いと私は思いますよ!!」
「龍護…そうか、お前が……そこの男の言う通りだ、マガド!お前の因縁を果たすのはあの雷神竜を討伐してからでも遅くない!今だけはそれを忘れて戦ってくれないか!?」
「………GWOO…」
龍護を殺さんばかりの勢いで睨んでいたマガドだったが、メルと華扇の説得によりなんとか憎悪を収め、龍護に命拾いしたな、と一瞥した後にナルハタに改めて正面切って向かい合い雷球、気龍弾と鬼火が飛び交う弾幕合戦を始める。
「…助かった、メル…と…」
「茨木華扇だ、…勇儀達からお前の事は聞いている、頼りにしているぞ」
「…期待に応えられるように努めると約束しよう。…メル、お前の突撃槍を貸してくれ」
「分かりました。破損の方については心配しなくて良いので、思いっきりやってください」
マガドがナルハタを足止めしてくれている間に龍護、メルは華扇の名を知りその後は戦闘態勢に入りメルから突撃槍、串刺しのプファールを借り受ける。とは言え活動時間の限界もあるにはあるし、更には自分の素材を使った武器ではないので慎重に扱おうとしていた龍護だったが、メルからのGoサインを受けた瞬間その思考は吹っ飛んだのだった。
それはさておき雷球、気龍弾共にマガドに的確に相殺されているナルハタは此処で突如ブレスを吐くのを辞め、鬼火を受けるもものとせず両前脚を上げるのと同時に風を纏わせる。鬼火を喰らってるのに怯んだりしていないナルハタを見て何か仕掛けてくると察知したマガドは自分から降りていた華扇を尻尾で巻き、自身の背中に乗せる。
「わっ!?マガド、急に何を…」
「っ!離れて!!」
華扇がマガドに何か言おうとする寸前、メルが全員に離脱を喚起する。マガドはそれを素直に受けて退がり、龍護も翼脚で翔蟲を使用して離脱。メルも地面に罅が入る勢いで蹴り出して離脱した刹那、彼等がいた場所にナルハタの両前脚が叩きつけられ龍属性を帯びる気龍が彼女を中心に十字型に爆発。そして更にその空いた隙間を埋めるように雷の爆発を起こし、雷輪が発生する。
「っ!マガド、岩壁を駆け上って爆発と雷輪を躱せ!!」
「間に合わない…!」
「…!!」
ただでさえ爆発の範囲が広いというのに、そこから更に広範囲を攻撃する雷輪が繰り出され四散することになる3人と1匹。華扇はさながらライダーのようにマガドに回避しているが、メルの方は爆発は避けたものも、雷輪は躱わせないと察したか盾斧を掲げてなんとか防ぐ…が、龍護だけはそれらに臆することなく盾を構えて突撃。爆発は予め翔蟲で回避していたので無視でき、雷輪の方を強引に防御しながら突っ込んでいく。
「…一閃!」
「CYUAAAA!!!」
そしてナルハタの元まで駆けつけた時、一度バックステップを挟み強烈な一突き…渾身返し突きを放つ。突きを喰らったナルハタは少し怯むも、特に問題はないようでそのまま雷輪、雷球、気龍弾を連打し続ける。流石にこれを全て捌くつもりはないのか、メルと同じように盾で防ぎつつ翔蟲で距離をとっていく。
「上空から雷球や風弾が飛んでくる!前進しながら右前方、左前方の順に跳んで後退してから反撃だ!」
「GWOOOO…!!」
そしてそんな龍護の代わりに攻撃に入るのが怨嗟マガド、華扇のコンビで岩壁から飛び降りた後、華扇がマガドの視認しづらい・見えない攻撃が何処から来るかを彼に正確に伝えた後、回避軌道も即座に指示して攻撃・防御の援護を状況に応じて指示を変えていく。
「右から奴の前脚が振るわれる、跳躍して躱したら奴の頭に叩き込んでやれ!」
「GWOAAA!!」
「CYUIAAAA!!?」
マガドも自身の見えるものは全て自力で対処、自身が視認できてないものは華扇を頼りにしてるのかまるでそれも見えているように攻撃を躱し、通常よりも異様に発達した腕刃に鬼火を纏わせてナルハタの頭部に叩きつける。頭部への少くない影響、そして鬼火の爆発により少し怯むナルハタ、その隙に浸け入るように横からメルが盾斧の斧形態で腹を抱える後脚を斬りつける。
「おっと、すみませんね。ついガラ空きだったので」
「CYIAAAAA…!!!」
メルの謝意が全くない謝罪に、もはや何度目か分からぬ怒りの睨みを効かせるナルハタ。だが彼女は一度ここで冷静になって考える。先程の怨嗟マガド、右目が潰れているはずなのに何故か死角からの攻撃を躱せていた。奴は心眼とでも言うものを持っているのか、その考えに至りかけた…が。
断定には判断材料が少ないと言う事で、此処で前脚を地面につけ地面の大半を帯電状態にしてさながらシビレ罠のようにして足場を削っていく。この攻撃の安置とも言える場所に偶々いた龍護は悪寒がしたからか動いておらず、メルの方は片翼を広げて滞空。マガドと華扇は岩壁に飛び移って攻撃を避けるも…回避した先にナルハタが迫ってきており、構え方からして先刻ゾシアの左翼脚を噛み砕いた噛みつき攻撃を放っていた。
「…やらせはせん…!」
「CYUAAAA!!」
だが噛みつき攻撃の構えを既に見ていた龍護が彼女が何をするかに気づき、翔蟲の糸をつけた苦無のような何かを投げてナルハタの顔に刺し、彼のいる方向へ無理やり軌道修正させられ噛みつきも防がれる。ただ噛みつきを防がれるも、その後の雷球だけでも当てようとするが龍護が先程の糸付き苦無?の糸を引っ張り再び顔の向きを強制変換させられ雷球が外れる…が、ナルハタはマガドの回避のカラクリに気づいてしまう。
マガドの背中に揺らめている鬼火の中に、桃髪の女性…茨木華扇を視界に捉えた。そして古龍としての高度の知能を持つナルハタはすぐにとある結論を導き出す。それが華扇が自分の攻撃の中でマガドが見えてないものを全てどの方角から飛んでくるかを指示しているのだろう。その考えに至ったナルハタの行動は早かった。
「CYUAAAA!!!」
「!?…此奴…!!」
「華扇さん、マガドさん、其処からすぐに離れてください!!」
「なっ!?」「GWUAA…!!?」
糸付き苦無をつけられて行動制限を掛けられているにも関わらず、龍護を無理やり引き摺っていきマガドに突撃。龍護も糸を引いて抵抗するが、向こうがタガを外しているのか盾と突撃槍をしまい翼脚で地面を鷲掴み、両手で全力で引っ張っているがナルハタはそれをものとしていない。メルも斧形態で殴って気を引こうとするもマガドに集中しているのを察知してから殴りつつ華扇達に警戒を促すが…回避の直前にナルハタにぶつかられ岩壁から奈落の底に転がされる。
「CYUOOOOO!!!」
「…っ、遅かった…!!」
「離れて過ぎて届かない…!」
それと同時に華扇がマガドから放り出されてしまい、無防備になってしまう。華扇の状態を好機と見たナルハタは容赦なく雷輪と雷球を同時発射、龍護の糸引きによる軌道修正が入る寸前に放たれ、更には華扇から遠く離れていたメルも庇いに行けないと絶体絶命…だったが。
「GWOOOO…!!!」
「…マガド!!」
雷球、雷輪の直撃する寸前、マガドが2つから華扇を護った。しかし攻撃はそれで終わりでなかったようで、雷球が爆発してマガドが吹き飛ばされ岩壁に激突する。華扇は直様立ってマガドの元に駆け寄る。
「マガド!無事かマガド!?」
「…GWUOO…!!」
「待ってろ、今枡酒を飲ませる!」
マガドに無事かを尋ね、無事だと返されるも明らかに無事ではなかろう様子に懐から木で出来た枡…正確には百升枡を取り出しそれに酒を注いだ後、それをマガドの口に入れる。すると不思議なことにマガドが先程受けた傷が少し回復しておりマガドの表情も少し楽そうになる…が、それでも完全回復とまでは言っておらず少し息を荒くしている。
「…少し任せるぞ、メル「了解!」……怨虎竜、まだ戦えるか?」
「…GWOOOO…!!」
「…無理ではなさそうだが…分かった、…華扇」
「な、なんだ?」
「…お前に一つ、頼みがある…」
「…さて、彼に任されましたし私も頑張っていきましょうか」
「CYUOOOOO!!!」
…しかし、彼がさっきから使っているあの蟲、便利ですね。移動手段に技の強化、様々な使い道がある。今度彼から何処で捕獲出来るか尋ねてみましょうか。それに彼が私に任せるついでに撒いてくれた赤の粉と橙の粉、あれも欲しいですね。身体が頑丈になった気がしますし、力が湧く感覚もある。
…それはさて置き件の龍、雷神龍と戦闘を始めてから数刻程経ちましたがまだ彼女に余裕が見えますね…いえ、恐らく龍護さんのことです、あの紫火を放つ竜と華扇さんと何か作戦を立てているに違いありません。でしたら私は…
「御三方の防衛、それが役目ですよねぇ!!」
「CYIAAAAA!!?」
先程彼がやっていた盾突撃、私の方でももしかしたら…と思いましたが、存外上手くいくものなんですね。前脚を地面につけた、恐らく爆発が来る!
「貴女の攻撃も段々と読めてきましたよ。あとは…なるべく耐えてくださいね?」
「CI、CIAAAA!!!」
彼女が挑発に乗りやすくて本当助かります、口ではああ言いましたが実際彼女は古龍2匹分の力を秘めている。龍の姿の龍護さんと協力してようやく抑えれる訳なので、油断はしてる訳じゃないのですがねえ…いやはや、分かってもらえないというのは辛いものです。
ただ龍護さんに頼まれたのは良いのですが…懸念がありましてね、先程の紫竜は負傷が深からずも浅くない状態でした。龍護さんは何か効き目のある薬を持っているのでしょうか…?
「CYUOOOOO!!!」
「っと、また岩雪崩ですか…」
広い戦場であれば軽々と弾けたでしょうけど、今は其処まで広くないし弾いたところで龍護さん達に当たる確率の方が高いですからね。っと、岩を放ち切ったら今度は前脚も叩きつけにきましたか。ですがこれぐらい容易に防げ…!?
「ぐっ…!?一体どこから…」
「CYUAAAA!!」
先程奴の攻撃は躱した筈、何故……っ!岩を放ち切ったと見せて幾つか残してたのですか…其処は悔しいですが、素直に賞賛しましょう…ですが、まだ私はくたばってませんよ!!
「瓶のチャージと盾の強化はできている…もう一回叩き込んでやりますよ!!」
「CIAAAAA!!!」
叩き込んでやると断言しましたが、超高出力属性解放斬りは少し手間がかかるので追撃までにしておきましょう。彼女の攻撃を最適なタイミングで防ぎ、合体…!
「高出力属性解放斬り…からの!追撃!」
「CYUAAAA!!?」
よし、これで彼女の腹に大きな傷をつけれました!あとは其処を攻め続ければ…
『CYUOOOOO!!!』
「耳ガッ!!?」
ごはぁっ!!…ゴホッ、ゴホッ…まさかあそこまで早く動ける…とは…前脚で私を殴り飛ばしたあと、雷球と風弾で追撃…彼女にとっての逆鱗は、腹部だったとは…そろそろ、お嬢様から貰った傷薬を飲みたいですが…彼女の視線が外れませんねぇ…ですが、私はお嬢様に運命を変えてもらうまでは…死ぬわけには行かないんですよ…!!
「さあ掛かってきなさい…貴女の攻撃を全て、捌いて差し上げましょう…!」
「CYUAAAA…!!!」
…今見えるのは雷柱と雷球と雷輪、それに風弾…捌きましょうとは言いましたが…流石にやり過ぎではないでしょうかねぇ…?…捌けるとしたら雷球と風弾だけですね…足取りも少し悪いですが、いけ…
「GWOOOOOOO!!!」
「CYUIAAAA!!?」
「!!ありがとうございます、紫竜さ…!?」
な、なんですかあの糸…!?さっき龍護さんが使ってた糸と似ているような気がするのですが…どう言うことでしょう…?
「…奴の標的をとってくれて助かった、感謝する」
「いえ、それは良いんですけど…彼に何をしたんですか!?」
「…そうだな…」
メルがナルハタを相手取っていた頃…龍護、華扇、そしてマガドは何やら企んでいた。
「…一先ずこれを飲んでおけ…華扇よ、お前にはコイツのサポートを引き続き任せる」
「それは良いんだが…マガドの疲労も負傷も少なくないぞ?」
「…そうだ、そこでだ…お前には此処で操竜を覚えてもらう」
「は?……待て、それってマガドを私が操ると言うことだよな!?」
マガドに永琳特製の傷薬を飲ませてる間、華扇に操竜の技術を授けようとする龍護。華扇は一瞬呆気に囚われていたが、その言葉からある程度予想できたのかすぐに龍護に突っ込む。操竜という技術は読んで字の如く竜を操る技術の事で、マガドとは確かに他の鬼やら人間やらと比べて友好関係を築けている華扇に最適な役割と言えるが、華扇自身はそんな技術を持ってないのですぐに龍護に異議を申し立てる。
「た、確かに私はマガドとかなり長い間過ごしてある程度友好的な関係を築けている!だが私自身も戦えるし、別にマガドを操らなくても…!」
「…今の奴にはお前だけの力では勝てん、奴を殺すには後ろの怨虎竜の力が必須…其処であいつの力を一番引き出せるお前に頼みたいのだが…無理なら俺がやる、お前は其処でじっとしていろ…」
しかし龍護に正論で返され、華扇が苦虫を噛み潰したような表情になる。龍護はそれに対し何も言わず、懐から翔蟲達を放って操竜を開始しようとした…その時。
「…分かった!その操竜とやら、私がやる!お前がやってもマガドが言うことを聞かない可能性がある、なら私がその役目を買って出る!!」
「…そうか、分かった。…暫くこの蟲達を貸してやる、すぐあいつに乗れ」
「あ、ああ!」
華扇が覚悟を決めた表情で操竜役を買って出て、それに少し安堵したような声で返す龍護。そうして自分が乗ろうとして出した翔蟲達を華扇に預け、華扇がマガドの前に出る。
「…少しの間、お前の補助をするが…良いか?」
「…GWUOO」
「…分かった」
傷薬を飲み終え表情が大分楽になっているマガド、だがまだ自分で満足に動くのは難しいらしく華扇に『構わない』と言うかのように首を振り返す。華扇はその意志を受け取った後マガドに向き合い…
「…所でこの蟲達はどうやって使うんだ?」
「…翔蟲1匹から2本の糸を出させて、それを前脚と後脚につけろ。1匹は保険だ…」
「わ、分かった」
…乗り方がと言うより、翔蟲の扱いが分からなかったので予め龍護に尋ねておき龍護も丁寧に説明する。その説明を受けた華扇は翔蟲を撫でて頼んだ後、翔蟲達が糸を吐きマガドの両前脚、両後脚に糸を繋げる。その感覚にマガドが少し不快感を露わにするが、すぐに慣れたのか不快感が顔から消える。そして翔蟲は繋げた糸を華扇に託し、それを受け取った華扇はマガドに飛び乗る。
「こ、これで良いんだな!?」
「…ああ、あとはそれぞれの四肢に連動する糸を引いたり緩めたりして…怨虎竜を援護してやれ」
「…ああ、任せろ!」
そう言って両前脚と繋がってる糸を引きマガドを走らせる華扇。どうやらマガドの動きを尊重するらしく、華扇は最低限の補助等をするようだ。それを見届けた龍護は奈落の底から見える雨雲に包まれた暗い空を見る。
「…さて、トドメの準備をしておくか…」
「…成程、そう言うわけでしたか。ところで龍護さんは?」
「む、そういえば…何処へ行ったんだろうな?」
「……恐らく彼は最後の仕上げをしてくれるでしょう、私達は奴を追い詰めましょう」
メルが何故マガドが操竜されていたかについて納得の行った後、ナルハタとの最後の死闘を開始する。ナルハタは先刻と同様両前脚に風を纏い、両前脚を高く掲げる構えを取る。
「!あの爆発と雷輪攻撃が来ます!」
「了解した!マガド、あいつを落とすぞ!!」
「GWAAAAA!!!」
「CYUOOOOO!!?」
しかしボディプレスを撃たせない為に華扇が翔蟲の糸を引き、マガドの跳躍を手助けする。普段よりも高く跳べる事に少し驚いていたマガドだったが、その驚きは心に留めておき岩壁を蹴ってナルハタの土手っ腹に突撃、そのまま噛みつく。メルによって傷をつけられていた腹部へ強烈な噛みつきを受けたナルハタは怯み、構えを解いてしまう。だがそれで抵抗を止めている訳ではなく全身から放電してマガドと華扇を感電させている。
「GWUUU…!!?」
「身体が…痺れる…!!」
「今助けます!!」
其処でメルが彼等の援護に入り片翼を広げて飛翔、斧形態の盾斧の刃部分を高速回転させて回転鋸のようにした状態でナルハタの右前脚に叩きつけ、そして…
「…はあっ!!」
「GYAAAAA!!?」
全身全霊の力で振り抜き、右前脚を斬り落とす。あまりの激痛にナルハタは絶叫しており放電を止めてしまう。放電が止まった事により感電する事がなくなったマガド、華扇は一旦ナルハタから離れ、着地する。
「よし、このままいけば…!」
「いえ、まだ油断はいけません!!」
華扇がこのまま畳み掛ければ勝てる、そう考えかけた時メルにその考えを止めるよう諭される…が。それがフラグになってしまいナルハタが最後の攻撃に出る。
『CYUIOOOO!!!』
「っ!?な、なんだこの地響きは…!?」
「なっ!?これはさっき龍護さんが使ってた…!?」
ナルハタが甲高く叫んだ後奈落の底に途轍もない地響きが鳴り渡る。そして地響きと共に黒い巨大な槍…龍護がナルハタに刺した撃龍槍、それを2本だけでなく8本も地面から引っ張り上げる。どうやら磁力を利用して引っ張り上げたらしく更にはイブシの風の力も利用して撃龍槍を回転させている。そして…磁力を利用して8本の撃龍槍が回転を始める。
「マガド、此処は私がお前を操って躱す!だから私を信じてくれ!!」
「…GWOO!!」
「…ありがとう!!」
「私も頑張って避けていきましょうか…!」
どうやら華扇がマガド、ひいては自分の回避を引き受けるらしくマガドも華扇なら躱してくれると信じているからだろう、マガドも自身の身体能力や生命を華扇に託した様で華扇が翔蟲の糸を引いて撃龍槍を回避していく。メルも脚だけを龍の時に戻し中心に向かって吹く風に抗う様にして撃龍槍を躱していく。
「…!今!!」
「GWAAAAAAA!!!」
「CYIAAAAAA!!?」
そして中心で雷球を吐き、爆破させていたナルハタだったが数十秒程して、撃龍槍の回るタイミングを見切ったか隙間を縫う様に飛び込んできたマガドに牙を腹部に深く刺されて絶叫を上げる。それと同時に撃龍槍が沈んでいきメルが好機とばかりに龍の状態の脚で地面を蹴って超加速して盾斧を当てようとした…が。
「CYUAAAA!!!」
「GWO!?」
「わっ!?」
「っ!?このままでは逃げられる…!!」
なんとかマガドを振り払ったナルハタに上昇された事で躱され、地面に叩きつけられた衝撃で操竜が解除され華扇が地面に投げ出される。メルは躱された事に少し驚いていたが、それよりもナルハタが取った行動に更に驚愕を表していた。
なんと逃走を開始したのだ。奈落の底に見える暗い空、其処を目指す様に空を泳いで奈落からの脱出を図る。奈落の底にいた2人と1匹は止めようとするも、マガドは海を泳いで渡ってきたのが今になってきたのか、限界を顕すように倒れ込んでおり華扇は追いかける手段が特になく、メルは片翼を広げて追いかけようとしたが、速度が段違い過ぎて追いつけていない。このままでは逃してしまう…と思われていたが。
「…逃がさん…!!」
「CYUAAAA!!?」
なんとその奈落の入り口から、先程から姿を見せていなかった龍護が姿を現した。巨大な黒い槍、撃龍槍を悍ましき黒の翼脚で掲げている状態で。降りている軌道的にナルハタに直撃を狙える…が、ナルハタは其処まで馬鹿ではないので当然の様に躱される。龍護は振り回してナルハタを攻撃しようとしたが奈落がいかんせん狭過ぎて振り回せず、このまま逃す事になる…と思ったその時。
「龍護さん!!」
「白崎龍護!!」
「「私の手を!!!」」
「…!!頼むぞ…!!」
なんとメルと華扇がメルは片翼で飛んで、華扇は岩壁を伝って龍護の元まで来ておりメルは龍の姿での前脚、華扇は手錠のついている左手を龍護に伸ばす。龍護はその手(脚)を取り、翼脚を巧みに使って上手く撃龍槍の鋒を逆向きにする。
「ぐぐぐ…!!」
「お、重い…!!」
「…このまま俺を投げ飛ばせ、あとは俺がやる…!!」
「…分かった、行くぞ…メル!」
「ええ…!」
「「せー…のっ!!」」
撃龍槍の重さで2人の手(脚)から骨が折れる様な音や、出血が起きるもナルハタを討伐する為だろう。自身の負傷も気にせず、彼等自身の最後の力を振り絞り龍護を奈落の入り口に投げ飛ばす。龍護は2人が投げ飛ばす勢いを利用して加速、一瞬でナルハタに追いつく。ナルハタは一瞬で追いついた龍護に驚愕して動きを止めてしまい…それが彼女に取っての絶命の原因となった。
「…百竜の淵源…永遠の眠りに就け!!」
「CYUIAAAAAA!!?」
動きが止まったナルハタの一瞬の隙を突き、ナルハタの喉笛に撃龍槍を突き刺し貫通させる。撃龍槍の鋒から彼女の血が流れており、ナルハタはまだ絶命しきっていないのか残る左前脚で撃龍槍を引き抜こうと抵抗の様子を見せていたが…もう力が残っていなかったのか、力尽きた様で目から光を失った。
そしてナルハタの力が途絶えたからだろう…龍宮砦跡の上に滞っていた雨雲が少しずつ晴れていき、龍宮砦跡に希望の光を差し込ませたのだった。
「…翔蟲達、手伝ってくれ」
「「「cyui!」」」
ナルハタの死体を撃龍槍で固定していた龍護は、このままではまずいと思ったか翔蟲達の力を借りてナルハタの死体を引き上げ、その後メル、華扇、マガドを地上へと引っ張り上げたのだった。
やっとナルハタの討伐が終わりました。これにて一件落着…な訳がないんだよなあ…。
今回の補足、最後の撃龍槍を構えている龍護君はメガジガルデをイメージして書いています。
おまけ この後の出番が望めない方々による現時点での一言
龍護が助けた衛兵「護竜殿の八意様への忠誠心が凄い…俺も見習わねば…」
杠葉「流石はゾ・シア様、雷雲を従える龍を討伐してしまうなんて…!凄いです!!」
衛三郎「…あれ?俺って結構やばいやつと友達?になってたのか…?」
スカーレット父「爵銀の龍殿には、感謝してもしきれない…」
スカーレット母「…ハッ!爵銀龍様をレミリアの婿にすれば我が一族は安寧を得れるのでは…!?」
作者「何馬鹿なこと言ってんだアンタ」
風神龍「僕の出番幕間含めて3話ぐらいしかなかったのですが」
雷神龍「…暴れられたのでヨシ!!」
何かしら人気ありそうな方々で人気投票をやってみた
-
白崎龍護
-
八雲蒼焔
-
クロ君
-
メル・ゼナ
-
怨嗟マガイマガド
-
ヌシジンオウガ
-
藤原妹紅♂
-
鋼華刹那
-
マガイマガド(コテハンニキ)
-
ゴルベーザ
-
ハン
-
イストワール(図書院長)
-
シン
-
霍青娥(やべー方)
-
作者「え?」
-
ラインハルト卿