守護龍として造られたらしいけど、特に護る義理はないので好きに生きます 作:シェリーザ
それと今まで○○スレ目としていましたが、特殊な回以外はこの作品では単純に第○話にしようと思います。スレッドがサブタイトルではシリアス味が欠ける気がすると言う作者の勝手な判断ですが、お理解いただければと存じます。
紅夢異変を起こした張本人、レミリア・スカーレット。異変を解決すべくレミリアを退治しにきた博麗霊夢。両者による弾幕勝負は開始数分時点で苛烈を極めていた。何故なら…
「手加減はせん、最初から全力で行く!神槍『スピア・ザ・グングニル』!!」
なんとレミリアは自身で言っていたスペルカード使用枚数2枚のうち、1枚を開幕から使ったのだ。彼女の右手にエネルギー体の槍が生み出され、彼女はそれを握って霊夢に向ける。
「さぁ…始めようではないか」
「…スペルカードを早めに切ったこと、後悔させてあげるわ」
そう言って御札と針、光弾を放って早速距離を取っていく。対するレミリアは槍を振るって弾幕を掻き消し、その後槍を投擲。槍の通った後に弾幕が放たれるも、霊夢は軽々と躱し攻撃に移ろうとする…が、スペルカードの由来であろう神槍の名に恥じぬ追尾性を発揮し急に曲がって通り過ぎたはずの霊夢の背後を狙って飛び込んでくる。
「っ!?今の槍、避けたはず…!」
「神槍グングニル、神話にて敵を貫き持ち主の元へ戻る忠誠の槍…厄介であろう?」
「…ちっ!」
勘でなんとか躱すも、槍はレミリアの手元に戻っており弾幕が放たれ続けそんな状況に思わず不機嫌さを隠しきれない霊夢。彼女はまだ温存するつもりらしく、スペルカードを切らず弾幕を放ち相殺しながら回避し続けている。
「それどうした、逃げ回るだけでは何れ貴様は敗北の運命を辿るぞ!?」
「無意味に逃げてないわ…よ!!」
レミリアが問答無用で槍を投げ、霊夢はそれの軌道を見極めて戻ってくる槍も躱す。そうしている内に彼女の横にいつの間にか陰陽玉2つが現れており、それらが霊夢の代わりに御札と針を放つがレミリアはそれを余裕で回避。なんなら彼女は興味深そうに陰陽玉を見つめる。
「ほう、魔道具の類か?」
「そんな便利なものではないわよ」
レミリアの純粋な疑問に霊夢はぶっきらぼうに返し、レミリアが『つれないな』と肩を上げる。だがそれで油断することは微塵もなくグングニルを構えて投擲。霊夢も大幣で槍を弾いて軌道を変え、同時に弾幕も放ってレミリアに圧をかけていく。それでも余裕、と言う訳ではないが表情を崩さないレミリアに対して面倒さを前面に出している。
「いつになったらやられてくれるかしら?」
「そんな簡単にやられてはつまらんだろう?」
「私としてはさっさと退治されて、この邪魔くさい霧を消して欲しいのだけど」
「太陽は我等吸血鬼にとっては天敵なのだ、故に断る」
「そう…やっぱり力尽くしかないって事ね!」
霊夢はそう言って御札と針を陰陽玉から放ちつつ、自身は光弾などを放ってレミリアを追い詰めていく。対するレミリアはグングニルを回転させて弾幕を弾き防御、そこから霊夢を狙い槍を投げ魔法陣を展開して弾幕量を増やしていく。霊夢も増やされた弾幕量であっても
「…うむ、流石に槍も見切られてきたか」
「大分読みやすいわ、その槍の軌道。おかげでアンタが放つ弾だけ見てれば十分だもの」
「巫女を甘く見ていたな、私も」
数十分も戦闘が続いていた訳だが、そうなるとグングニルの軌道を読み切ったのか霊夢がレミリアを煽るように言い放つ。レミリアはそんな彼女の挑発に迂闊に乗る事はなく、余裕綽々…ではないが、それでもある程度の余裕を持って霊夢の弾幕を回避、相殺している。
「…此処では戦場が狭過ぎる、一度広くするとしようか!」
「っ!」
だが流石に大広間であっても彼女にとっては狭過ぎたのか、レミリアは高級そうなステンドグラスを割って外へ出る…訳ではなく、丁寧に窓を開けて外へ移動。霊夢も最初はステンドグラスを割って外に出ようとしていたようだが、レミリアが窓を開けて出たのを見て流石に割って出ようとは思わなかった模様。彼女も丁寧に外へ出ていくのだった。
「ほらほら!逃げてるだけじゃ、つまらないわよ魔理沙!!」
「くそっ、フランの奴手加減無用かよ!」
一方紅魔館の図書館、此処では魔理沙とフランによる弾幕ごっこが行われておりフランが自身の翼に着く七色の宝石のような色とりどりの弾幕を無邪気に笑いながら放つのに対し、魔理沙はそんな出鱈目そうで全く出鱈目じゃないフランの弾幕の回避、処理に全神経を尖らせていた。
「着弾地点が爆発してるし、あんなの当たったらお陀仏になっちまうぜ…!?」
「大丈夫、この世界でこの弾幕ごっこ?における殺傷は禁止、って聞いてるもん!だから魔理沙を殺すつもりは一切ないわ!」
「自分が放ってる弾幕の威力を見てからその言葉を言って欲しいぜ」
フランの『手加減してますよ』発言に、お前の目は節穴かという言葉をギリギリ飲み込み、フランに対して苦言を呈する魔理沙。まあ確かにフランの弾幕が飛んでった先にある本棚や本が爆発して黒焦げになってるし、爆風と衝撃で本棚が倒れたりと大惨事になってるので彼女にはもう少し手加減を覚えてもらいたいものである。
「なあフラン、お前手加減下手って言われたりしなかったぜ!?」
「んー?あー…メルお兄様は『妹様のような方は元気が一番です』って、言ってたわ!」
「…そのお兄様って奴絶対ぶっ飛ばしてやる…!!」
なお彼女の加減が下手寄りな理由も、紅魔館所属の義執事メル・ゼナのせいだった。魔理沙は現在、永遠亭でブラックジャックをやっているメルゼナに対して殺意を沸かせていた。それはさておきフランの弾幕は収まりを知らず、彼女も調子が上がってきたのか懐から紙を一枚取り出して使用を宣言する。
「それじゃあ私はカード使うね!禁忌『レーヴァテイン』!!」
「マジかだぜ!?」
スペルが唱えられた瞬間彼女の右手に火が灯り、それが剣の形を取っていく。そうしてフランが右手を振るった時完全に剣の形として完璧なものへとなっており、そうしてもう一度振るわれると剣身から弾幕が放たれる。斬撃波は流石にないようだが、それでも弾幕量がおかしいレベルで多いのだ。
「うおっと!?此奴はキチィな…!」
「このまま私を放って置いたら酷い目に遭っちゃうよ〜?」
「そんなの分かってるぜ、魔符『スターダストレヴァリエ』!!」
魔理沙もフランに対抗する為、スペルカードを発動。彼女から魔法陣が四つ展開され、それが独立して移動。魔法陣が移動した跡には星型弾が残っておりそれが螺旋を描いたり、少々不規則に動いたりしてレーヴァテインの弾幕を相殺、フランへと向かっていく。
「わっ、わわっと!?」
「おっ、チャンスだぜ!」
レーヴァテインの攻撃を抜けてきた魔理沙の弾幕をなんとか回避していくプランだが、そんな大雑把に回避しては隙が生まれる。そんな隙を魔理沙は見逃さず、ミニ八卦炉を狙撃モードにでもしたのか弾速に優れた弾を何発も放ちフランを狙い撃つ。だがフランも魔理沙の動きが見えていたのか、背中の魔法陣から弾幕が放たれ魔理沙の弾幕を相殺する。
「くそ、もう少しだったのに…!」
「ぶー、此処じゃ狭いなぁ…そうだ!今は確か霧で暗いはずだから太陽は出てない…外へ出よう!」
魔理沙が非常に悔しがっており、フランも流石に危ないと思っただろうがそれはそれとして図書館では狭いと思ったのだろう、そこで彼女は図書館の天井の窓を開けてそのまま外へ出ていく。対戦相手の返答も待たずに出ていったフランに、魔理沙は最初呆気に取られていたが…
「…今なら逃げるチャンスじゃ…?」
よくよく考えるとフランと戦うメリットが全くない、なのでフランがいない隙に魔理沙は逃げ出そうとする…が。
「因みに逃げたら貴女を追いかけ回したキュリア達を貴女の家に「分かった、最後まで戦わせてもらうぜ!」…あと私の魔導書「それは話が違うぜ!」……キュリア「…後日返還するぜ」」
パチュリーによるキュリアでの脅しに屈し戦闘続行、更には彼女の魔導書の返還も強制されるのだった。だがよく考えてみろ、本を必ず返すだけで自分の命があるんだぞ。それで十分じゃないか。
さて4名の戦場は紅魔館上空へ移る、紅魔館の大広間のステンドグラスからはレミリア、霊夢が。図書館からはフラン、魔理沙が姿を現し4人は其々バッタリと出会う。
「あ、お姉様!」
「…フラン、私はその白黒ネズミを捕えろと言ったのだが…」
「…あ、ごめんなさい。忘れてました…」
「…まあいいでしょう、それよりも相手も2人に増えたわね…」
「よっ、霊夢。お前もこの異変を解決しにきたのか?」
「ええそうよ、そう言うアンタはどうせいつも通りの窃盗でしょう?」
「失礼な、私は無期限に借り…「…!」…後で返すから借りてきただけだぜ」
「…まあ、聞かないであげるわ」
レミリア、フランは其々予め行動を決めていたのだろうかそれについての話をしており、霊夢、魔理沙の方は友人としての軽口を言い合ってる感じだった。…まあ、魔理沙の背後には紅い翼を持つ蛭がいており魔理沙は言葉を選ばざるを得なかった訳だが。それはさておきこの場で異変を解決する人間、異変を起こした吸血鬼が揃っておりレミリアはこの状況を見て霊夢達に提案を持ちかける。
「…そうだな、博麗の巫女と白黒ネズミ、此処からは2対2の弾幕勝負と行こう。お互いのスペルカードは1枚のみ…それで構わないか?」
「お、面白そうだな!受けて立つぜ!」
「私も賛成ー!」
「…多数決でも取られたら面倒だし、分かったわ。その提案受けてあげる」
レミリアが提案したのは2対2の弾幕勝負という変則ルール、これには魔理沙が面白半分で賛成し、フランも同様の理由で賛成。霊夢は面倒だからレミリアとの一騎打ちをお望みだった訳だが、此処で色々あって踏ん切りがつかないまま始められても困る事から断らずに受け入れる。レミリアはそれに笑みを浮かべて、フランを連れて距離を取っていく。
「フラン、あのスペルカードを使うぞ」
「あぁ、あれね!お兄様の力、借りるね!」
「…霊夢、なんだか嫌な予感がするぜ」
「…魔理沙、アンタ竜の力を持つスペルカードとかある?」
「ないに決まってるだろ、外注にしたって香霖でも厳しいぜ」
「…よね…」
レミリアとフランが何やら作戦会議を開いており、それに悪寒が走る霊夢と魔理沙。彼女らは其々陰陽玉と魔法陣を展開して構えていると…相手の2人が、早速スペルカードを発動させる。
「手加減は無用だ、スペルカード発動…龍槍『マスカレイド・ザ・プファール』!!」
「それじゃあ私も!スペルカード発動、禁龍『マスカレイドシュナイデン』!!」
「わっ!?さっきまで私を追いかけてた奴等が!?」
「…スペルカードとは言え、竜の力を扱ってくるなんて…!」
発動した瞬間、レミリア達にキュリアが集結。レミリア達を覆うように集合した後に解散する…そしてキュリアの繭から現れたのは、先程とは姿が変わっていないレミリアとフラン。だが…彼女等の右手には其々、金色、爵銀、血のような紅で構成された彼女等の背丈に合った槍と剣が握られており魔理沙はキュリアだけでなく、武器を見て驚愕。霊夢はもっと面倒になったと言う顔で彼女等と対峙する。…実体を持つ武器をスペルカードにして良いのか、と言う話はメイド長にしてくれ。
「これが我が執事の力を借りて生み出したスペルカード…どうだ、悍ましいだろう?」
「まぁ私もお姉様も、扱うのには今も苦労してるけどねー「フラン!それを言わないで頂戴!!」あはは、それは嫌だよーだ!」
「…スペルカードをまだ完璧にできていない、なら勝ち目はあるよな霊夢?」
「そうね…完璧だったらうちの家から
だが竜の力、それも古龍の力を微量とは言えスペルカードに圧縮しているのだ。故に吸血鬼2人は完璧には扱う事が出来ておらず、そこに勝機を見出す霊夢。博麗の巫女の言葉に魔理沙は笑った後、帽子を深く被り直し箒に跨るスタイルから箒の柄の上に立つスタイルに変える。
「よーし、私がタイミングを見て活路を開く!霊夢はそこを突き進んで一撃叩き込んでやれ!!」
「はいはい、アンタの火力だけは頼りにさせてもらうわ」
「おう、任せな!…ちょっと待て、火力だけってなんだぜ!?」
「其方も準備万端か…では再び始めようとするか!!」
「いや始めるな…って開幕やばすぎるぜ!?」
霊夢の魔理沙=火力馬鹿発言に魔理沙が異議を唱えるが、それは無慈悲にもレミリア達に掻き消された。魔理沙は一応火力特化の様に見えて小技も扱えるので、ひとえに『魔理沙は火力馬鹿』とは言えないが…まあそんなの彼女以外の全員にはどうでも良かったのだった。
「さあ行け、我が僕の眷属達よ!」
「お願いキュリアさん!」
「げっ、またコイツらかよ!?気をつけろよ、霊夢!そいつ等は猛毒持ちの吸血殺人竜を行えるやばい蛭だ!!」
「分かったわ…よ!!」
あの爵銀龍から造られた事もあってか、キュリアの使役ができる模様。と言っても、パチュリーが普通に使役してたのでメルが恐らく彼等に予め紅魔館の皆の言うことを聞く様指令を出していた可能性があるが。だが弾幕対戦において数と言うのは一つの強さ、先程魔理沙を追い詰めていた様にキュリアが集結し霊夢、魔理沙両名の追尾・追跡を開始する。
対する霊夢、魔理沙はお互いに離れ離れになり自分達を追跡するキュリアに被弾しない様に予め対策を取っておく。キュリア達はあくまで行動制限をかける役目のようで、自分達から2人に向かうことは無い。そこを利用しての行動だった。
「倒すなら本体、ってな!」
「そう簡単にはやられないよーだ!」
「逆に其方がくたばらぬようにな、巫女とネズミよ?」
「その言葉、そっくりそのまま返してあげるわ!」
吸血鬼達が槍、剣から血を連想させる紅の弾幕を放ち、巫女は御札と針の神聖な弾幕、魔法使いは星の弾幕を放ち戦場が色とりどりの弾幕に包まれる。こうなると視認能力や回避能力がものを言う状況な訳だが、全員それ等は鍛えられているのだろう。背後からの弾幕はそれぞれのお互いの相棒にサポートされつつも華麗に躱していき、勝負を複雑なものへとしていく。
「もー、動かないでよ!私のスペルカードが当たらないじゃない!」
「キュリアでさえヤバいのにお前等の弾幕を受けたら確実に死ぬぜ!?」
「…あら、さっきみたいに投げないのね」
「この槍はグングニルとは違うのでな、そう易々と投げれるものではない」
魔理沙の回避にフランが文句をつけ、霊夢は先程の弾幕ごっこと違ってレミリアが槍を投げないことについて疑問を持つと。両陣営が睨み合いの状態が続く。そしてここで活路を見出そうとしたか、魔理沙が大勝負に出る。
「なら…霊夢、今から私がキュリアと弾幕をどうにかする。その隙にお前はスペルカードを叩き込んでやれ!」
「…分かったわ、私が青い御札を投げたら動いて頂戴」
「わかったぜ!」
どうやらスペルカードでの一発逆転狙いらしく、それの為にまずスカートから白の星が描かれた緑の缶を取り出しそれを幾つか投げる。するとそれ等は爆発し、弾幕へと変化してレミリア達を襲う。対する吸血鬼2匹は魔法陣を背中に展開、そこから弾幕を放ち相殺して槍、剣から放つ弾幕で霊夢達を狙う。
「…まだよ」
「了解、っと!」
「何をしてくれるのかな、魔理沙!」
「油断はするなよ、フラン」
逆転の合図となる青い御札はまだ霊夢から投げられておらず、レミリア達の弾幕量が更に増加する。魔理沙は霊夢を信じてなんとか相殺と回避で対処しており、霊夢自身も魔理沙と同じように対処している。だがこうしてる間にもキュリア達も本格的に詰め始めており、キュリアの動向に合わせてレミリア、フランも鋭く彼女等を狙う弾幕を放つ。ここまでされているにも関わらず、霊夢はまだ動いていない。
「まだか、霊夢!?」
「もう少し待って…!」
「これで…終わり!」
「キュリア達、追い込みを頼む」
「…!」
魔理沙が魔法陣を更に展開して、弾幕の相殺とグレイズをして霊夢は陰陽玉から御札が切れるのではないかという量を放っている。そんな中フランが痺れを切らしたのか、剣を右手に携え2人に向かって突撃。そんな妹をレミリアはやれやれと思いつつも、自身も妹の突撃の隙をカバーするように動きキュリアにも指令を出す。そうしてフランが迫り、レミリアがフランの一直線上に立った時…霊夢が遂に青い御札を投げた。
「魔理沙!!」
「おうよ!スペルカード発動、恋符『マスタースパーク』!!」
「っ!?お姉様!!」
「む!?」
逆転の合図である青の御札が戦場に投げられた時、魔理沙が漸くと言わんばかりの様子で八卦炉の出力を上昇させ陰陽玉が描かれた部分から極大の虹に輝くビームが放たれる。フランは受けるわけにはいかず堪らず回避するが、その先には自分に合わせて動いてくれたレミリアがいる。フランは回避と同時に叫び、レミリアへ注意喚起をしてレミリアはフランの声によって間一髪躱す…が、その先には…
「…この機会をずっと待ってたわ!スペルカード発動…霊符『夢想封印』!!」
「えっ…」
「っ…!!」
スペルカードを構えた霊夢がレミリア達が自分の元へ逃げ込んでくるのを予測して待機、そしてスペルを発動する。発動した瞬間霊夢の周囲に御札が展開、上空に巨大な陰陽玉と七色に輝く光弾が発射される。光弾はキュリア達に命中し彼等を撃破、そして大本命であろう陰陽玉がレミリア、フラン達に向かって飛んでくる。
「…これが、博麗の巫女の力か…」
2人は霊夢の放つ陰陽玉の規格外すぎる大きさに驚きの余り動きを止めており、フランはまだ諦める気はないのか、周囲のキュリア達に対して霊夢を狙えば勝機があると叫ぶ…が、レミリアが陰陽玉が直撃する直前にフランを止める。
「…フラン、キュリアに無理をさせたらメルに迷惑を掛けてしまうわ…私だってまだ負けたくないけど、グングニルを使ってしまったから対抗手段が思い浮かばないもの」
「…分かったわ、お姉様…」
彼女等がグングニル、レーヴァテインであればエネルギーを全て注いで相殺を狙う事が出来たが、彼女等はそれ等を先にスペルカードとして発動した上でこの戦闘では破棄してしまっている。更にはレミリアが(勝手ではあるが)決めた2枚の制限の問題もありスペカは使えない。2人は静かに目を閉じ、そのまま霊夢のスペルカードを受けた。陰陽玉は2人に直撃した瞬間大爆発を起こし、霊夢と手を組んでいる魔理沙ですら爆発の勢いで吹き飛ばされ掛けている。
「…あいつ、やっぱ異変を起こした相手に手加減しねえんだな…」
魔理沙はそう呟きつつも、自身も彼女の一部分に憧れているのだ。彼女の頼りある背中を見つつその背中に追いつくためにも日々の精進を改めて心に刻むのだった。
こうして紅魔館によって起こされた異変、後に紅霧異変と呼ばれる異変は弾幕ごっこの始まりの異変として、幻想郷の歴史に刻まれた。
地上で紅霧異変が解決されていた頃…空に浮かぶ扉、その先の異世界にて桃髪の女性と白髪の剣士の少女が話し合っていた。
「…妖夢、そろそろ本格的に動きましょう。冬になれば紫は冬眠で眠る、其処を突いて一気に春を集めて頂戴。私も此処で地上の春を集めるわ」
「畏まりました、幽々子様」
剣士の少女…妖夢が桃髪の女性…幽々子の言葉を受けて、姿を消す。幽々子は妖夢が行ったことを確認すると、溜息を吐きながら自身の目の前にある大木…周囲の桜は咲いているにも関わらず、その大木は花どころか葉1つすらをつけていない。大木を見て幽々子が疑問を零す。
「…地上の春を集めている筈なのに、葉すら付かないわね…ねぇ亡霊さん、何故か分かる?」
幽々子は自身の疑問に対して、自分の横に漂う亡霊に問いかける…が、亡霊は意思や思考を持っていても、話す口はない。故に何か答うようにも何を言ってるか理解できない。幽々子もそれは分かりきっていたのか、笑いながら亡霊を撫でる。
「…ごめんなさいね、無理を言って。…早く西行妖を咲かせたいわね…」
だがそれでも幽々子の顔は晴れず、大木…西行妖を見上げていた。…そんな中、西行妖が根を張る地面の中。前にあった西行妖に取り付いているように見える繭のような何かだが、それは前は静かに取り付いていた筈が、今はまるで心臓の鼓動のように震えているのだった。
おまけ 紅霧異変の後始末
異変の元凶を退治した事で、幻想郷の空は元の明るい夏空を取り戻した。
霊夢の放った夢想封印だが、どうやら紅魔館の一部に危害を及ぼしておりその瓦礫の下に夢想封印を受けたレミリア、フランが居た。レミリアは自身の横でダメージを受けて体力がなくなったか、あるいは遊び疲れただろうフランを姉としての表情で優しく見守っておりそれを霊夢と魔理沙は遠目に見ていた。
「あいつも、自分の家族の前ではああいう顔をするんだな」
「…ええ。堅苦しい奴とは思ったけど、そんな事は無さそうね」
2人を優しく見守っていた霊夢達だったが、瓦礫の一部が崩れてしまい太陽の光が瓦礫の影に隠れていた2人に差してしまう。レミリアから異変を起こした理由を聞いていた霊夢は、急いで彼女等を庇うために、飛びあがろうとした…その時。
「お疲れ様です、お嬢様、妹様」
霊夢の目の前に突然爵銀の鱗と甲殻、血のような紅の翼膜を持つ龍が姿を現し、彼の左翼をレミリア達の上に掲げる。霊夢、魔理沙は言葉を話せる爵銀の龍に驚き臨戦態勢に入るが、レミリアだけは龍の事を知っているからか、2人みたいな構えは取らず龍の頭に手を伸ばし、彼を優しく撫でる。
「ありがとう、メル…休暇は楽しかった?」
「ええ、とても有意義な時間を過ごさせて戴きました。休暇を頂きありがとうございました、お嬢様」
「そう…楽しめたなら何よりだわ。今日からまた色々お願いするから、覚悟しなさいよね」
「一応私と貴女は対等な立場のはずですがねぇ…まあ、良いですよ」
メル、と呼ばれた龍は翼の下に潜り込んだ瞬間、白銀の髪の男が姿を現し同時に周囲にいたキュリアに指令を出して日傘を持って来させる。キュリアが来た事を確認すると彼は左翼でフランを背中側に抱き抱え、そして…
「…め、メル?流石にこの体勢は恥ずかしいのだけど…?」
「まあまあ、堅苦しくなり過ぎてもダメですから」
レミリアの膝下に左手を通し、背中を右手で支える体勢…俗にいうお姫様抱っこでレミリアを抱き上げる。レミリアは流石にこの体勢を恥ずかしく思っているのだが、メルはそんな事をつゆ知らず、と言った様子で日傘をキュリアにさしてもらい、紅魔館の無事な部屋に2人を運び込んでいくのだった。
「…な、なんだったんだぜ今の…?」
「…さあね、竜が仲間にいるとは思ったけど…想像以上にヤバい奴だったわね」
実はサディスト疑惑のあるメルさん。怖いね。
それと最後の冥界での描写ですが…この特別ゲストの正体に関する、特別ヒントを発表します。
モンハンには、二つ名に『灯』がつくモンスターがいます。
何かしら人気ありそうな方々で人気投票をやってみた
-
白崎龍護
-
八雲蒼焔
-
クロ君
-
メル・ゼナ
-
怨嗟マガイマガド
-
ヌシジンオウガ
-
藤原妹紅♂
-
鋼華刹那
-
マガイマガド(コテハンニキ)
-
ゴルベーザ
-
ハン
-
イストワール(図書院長)
-
シン
-
霍青娥(やべー方)
-
作者「え?」
-
ラインハルト卿