守護龍として造られたらしいけど、特に護る義理はないので好きに生きます 作:シェリーザ
もこたん♂「永夜抄のリメイクも出て欲しいぜ」
と言うわけで後編が始まります。
雷牙・マガドの離脱と同時にクロ、エスピナスという強力な増援が入り両翼脚も黒の肉体が顕になり、戦いが最終局面へ突入する。2匹の助っ人の参戦は永琳達にとっては非常に有り難く、体力が消耗気味のゾシアにとっては厄介な障害でしかない。
現在寝起きで不機嫌に加え、叩き起こされた事で怒りが頂点に達しているエスピナスがゾシアに全力の八つ当たりをしており、ゾシアはそれを受け止めるのに手一杯になっている。その隙にクロが彼の背中に噛みついて傷を負わせていき、クロやエスピナスを巻き込まないようメルと蒼焔、永琳がそれぞれの武器で攻撃していく。
「あの緑竜さんが前衛、クロさん?って竜が後衛を務めているみたいですね」
「恐らく緑竜がゾシアに積極的に詰めかかっているから後衛をしてるだけと思いますが…」
「私達も邪魔にならないように戦いましょう!」
「GUU…!GUOAAAA!!!」
「GYUOO!?」
「GYAAA!!?」
永琳達がエスピナス達の邪魔にならないよう、総攻撃などのタイミング以外では援護に努めよう…そう考えてた矢先、2匹の悲鳴が響く。見ればゾシアがエスピナスを振り払った後にその黒の翼脚を地面につけ、炎を吹き出させておりそれが跳ねるようにして広がっていく。更には結晶によって範囲も火力も増幅しており永琳達は何とか回避するも、体格的に回避不可な竜2匹は受けてしまっておりエスピナスよりクロの悲鳴の方が大きい。
だがゾシアの炎噴出を受けても怯まないエスピナスは3連続で畝りながら突進する、デンプシーを繰り出しゾシアに当てて反撃。ゾシアもずり下がるが翼脚で防御している為余裕を持って耐えており、反撃に結晶生成からの業火球を乱れ打ちエスピナスに攻撃していく。エスピナスは尻尾の振り抜きや翼で起こす強風圧で火球を何発かは対処するが、それでも掻き消せずに自分に直撃するものは幾つかあり火力が高すぎるのかエスピナスの顔が少し歪む。
「大丈夫ですか、クロさん!?」
「GYU、GYUAA…!!」
「恐らく彼、火が苦手なのかと…!」
「僕が前に出るので、クロ?君の治療任せました!」
ゾシアの超高火力の炎を浴びて疼くまるクロ、無理もない。ゴア・マガラという種族は火属性に弱い為、肉弾戦に加え今の形態で全てを焼き払える火力を持つ劫火を放てるゾシアと相性が頗る悪い。しかも蒼焔達のように人間に化れない為体格を縮められず、炎の被弾は待ったなし。なので永琳は火属性耐性を高める薬を飲ませてクロに処置を施しており、メルもそれだけ見て戦場に戻る。
その間にもエスピナスの突進を受けて再び吹き飛ぶゾシア、其処に蒼焔が覚醒状態の剣斧を突き刺し零距離解放突きを決めてゾシアに捕えられる前に爆発を起こして離脱。そのままエスピナスの援護を主軸にして動き、彼と共にゾシアに攻め立てていく。ゾシアも2人の土壇場の連携力の高さに驚きながらも、負けじと攻め返しており、神竜結晶を発生させて範囲攻撃を繰り出してエスピナスに命中させる他、無理やり全員に距離を取らせる。
「GUOAAAAA…!!」
「エスピナスさんに合わせるのが、大変すぎる…!」
「彼の隙に合わせて私達も動きましょう、今の彼は多分頭に血が上り切って人の話を聞かなさそうなので」
「人聞きが悪いですけど、そうですね…」
エスピナスの破天荒な戦いについて行けてない蒼焔が愚痴を漏らすが、そんな彼にメルも同情しておりならば彼の後隙に合わせて此方も動こう、という事で話がつく。メルがエスピナスについて割と酷い事を言っていたが、言われた本人は目の前のゾシアに熱中永琳はクロの緊急治療とその場で咎めるのは蒼焔だけだった。だがメルは有言実行する男だ、エスピナスが突撃を再開した際彼に向かって振り下ろされたゾシアの右翼脚を強化された盾で弾いて防いでおり、それに気づいてないエスピナスが突進を見事に決めている。
蒼焔も彼等に置いていかれないように竜乳、妖竜結晶に焔ブレスを当てて破壊。破壊できなかった妖竜、神竜結晶は仕方なく放置して覚醒前に戻った斧で連撃を仕掛けていく。そうしている内に永琳達も治療を終えたか、クロが竜でいう目に当たる部分から禍々しい黒紫の角を2本生やして戦線復帰と同時にゾシアに対して左翼脚を叩きつける。永琳も毎度の如く身躱し矢切りを絡めたコンボで、クロを射抜かない様にしつつゾシアに傷を少しずつつけていく。
「クロ君の傷もある程度治しました、此処からは私達の体力勝負です」
「私達は良いのですが、永琳先生は大丈夫なのですか?」
「ええ、貴方達みたいに体力はありませんが、問題ありませんよ」
「GYAOOOO!!!」
「GYUOOOO!!!」
永琳が自分のポーチから黄色の液体が入った瓶を取り出し、中身を飲み干す。メルはその液体の効能を知っているのか彼女の戦う意志を尊重するように笑い、盾斧に溜まってたエネルギーを盾に回し、剣も繋げて強化していく。そうしている内にゾシアとクロの類似骨格竜(龍)同士の翼脚での取っ組み合いに発展しており両者一歩も引かない争いを繰り広げている。
そして先に動いたのはクロ、彼の胴体に向かって狂竜ウイルスが含まれた黒紫のブレスが放たれ命中。その衝撃でゾシアの力が緩み、その隙を突くように一気にクロが畳み掛けに入り投げ飛ばす。クロに投げ飛ばされたゾシアは自身の体重のこともあり着地時にかなりの衝撃を受けて、残る胴体の結晶に罅が入り始める。だがこれでも止まることはなく、そのまま自分の周囲に神竜結晶を大量生成。再び口元に劫火を溜め始める。
「っ、また…!!」
「今の彼は翼脚を地面につけてませんので、破壊してしまいましょう!」
「任せてください!」
だが今回のゾシアは翼脚を地面につけておらず結晶の再追加はない、なので永琳が雷光虫の体液を塗った矢、水流草の汁を塗った矢、霜降り草の汁を塗った矢をそれぞれ取り出してメル、蒼焔が破壊できなかった結晶に矢を当てて結晶を破壊すると同時にゾシアの近くにあった結晶の爆破でゾシアにもダメージを与えていく。結晶を破壊され導火線を失ったゾシアだが、それでも諦めるつもりは毛頭もなく劫火球を体が大きく、かつ一番近いエスピナスに放つ。
エスピナスはそれを自身の自慢の超猛毒と神経毒が含まれた火球で相殺するが、それで発生した爆煙を突き切るようにゾシアが特攻。彼の頭部を翼脚で鷲掴みにした後に地面に叩きつけ、そこから更に彼をボロ雑巾のように引き摺って持ち上げ、地面に叩きつけ。それを数回ほど繰り返した後に…地面に擦り付けるようにして放り投げて壁に叩きつけた。
「GYAOAAA…!!?」
「緑竜さん!!」
「蒼焔君、今私達の攻めの手を緩めると皆に被害が出てしまいます。ですが見捨てるつもりもありません、此処は彼を庇いながらクロさんと私達で戦いましょう」
「GYAOO!!」
「私が彼に粉薬を送るので、気にせず戦ってください!!」
エスピナスを杞憂して叫ぶ蒼焔、だがそんな彼に他を気にする余裕が自分達に余りないと彼に伝え、剣形態で攻撃しエネルギーを溜める。クロもエスピナスを心配そうに見ていたがゾシアの放置が危険だと本能で理解してるが故に、彼に対して代わりに突っ込んでいき彼にまとわり付く。永琳も矢の雨霰のものとは違う袋を取り出して矢の筈に装着、それをエスピナスの上に打ち出して袋が裂け中から緑の粉薬が降り注ぐ。
すると粉薬に当たったエスピナスの傷が少しずつ癒えており、これにはエスピナスも驚いていたが…傷の治癒を軽めに済まして立ち上がり、今度は先程の怒り狂った状態と違って冷静な状態で彼を睨む。クロの攻撃を捌きつつエスピナスが睨みを効かせてることを理解したゾシアは、クロを翼脚で殴り飛ばした後に火球を飛ばして嗾けにいく。
「GYUOOOOOON!!!」
「GYAUAAAAA!!!」
「お、先程投げ飛ばされた影響で頭から血が抜けたみたいですね」
「冷静に分析してますけど、後で怒られても知りませんよ…」
ゾシアの火球に対し、先程同じく火球をぶつけて相殺、その後翼を大きく羽ばたかせて煙をゾシアに向かって吹かせた後旋回しながら急上昇してさながらライダーキックの如く空中から急襲していく。エスピナスの姿が煙から突如現れたことで、対処が遅れて蹴りをもろに喰らってずり下がる。だがそれでもまだ体力が尽きていないようで神竜結晶を剣のように鋭く太めに生成、それを根本から折って剣技の様にして振り回す。
だが怒りが鎮まり冷静になったエスピナスは振り下ろされる軌道を見破って、バックステップや跳躍、飛翔を駆使して回避していき逆に尻尾でムーンサルトを放って反撃。その衝撃で結晶が割れ、ゾシアも尻尾が直撃して再び引き下がる。そしてその隙を見逃さずクロが背後から飛びかかって背中に噛みつき、翼脚で身体を引っ掻いてゾシアの身体から青い血が流れ始める。それでもゾシアは止まることなく背後のクロを翼脚で掴み、地面に叩きつけられて頭部を殴られて吹き飛んだ。
「GYIYAAAAA!!?」
「クロさん!!」
「蒼焔君、彼はそこまで柔じゃないと思います…今はゾ・シアを…!」
「…!彼の最後の結晶が、割れていく…!」
クロの悲鳴に蒼焔が振り返るが、今もエスピナスが前に出て戦っているのだ。メルが苦痛の表情をしながらも彼を止めゾシアに向かったその時…永琳がゾシアの様子がまた変わってる事に気づき、その変化にメル、蒼焔、冷静になったエスピナスと角が片方折れてしまったが、痛みに耐えて再び立ち上がったクロがその様子を見届ける。
胴体、四脚、尻尾から残っていた結晶が全て割れて剥がれ落ち、身体から炎と赤白い稲妻が走り中から頭部、翼脚と同じ蠢く黒の悍ましい肉塊が現れていく。またその肉塊は結晶の上から攻撃を何度も受けたからであろう、傷が至る所についておりその一部からは青い血が流れていた。ゾシアの隠された真の姿を見て、その場の全員が彼の容態に口が塞がる。
「GYUOAAAAA…!!!」
「!?危ない!!」
「きゃっ…!!」
「蒼焔君!!」
「GYUOOO!!?」
「GYAIAA!!?」
ゾシアが叫んだ瞬間、周囲に薄紅い線が何本も現れ何かと戸惑う永琳達。だが蒼焔のみその線に流れ込む力を視認し、その線上に永琳が居たことに気づき言葉では間に合わないと考えたか彼女を突き飛ばす。突き飛ばされた彼女は一瞬驚くも次の瞬間に彼女が立っていた場所に紅白いの稲光が走り、エスピナスとクロの叫びが聞こえる。
突き飛ばされた永琳は無事だったが、彼女を突き飛ばした蒼焔は無事では済まず稲妻を受けて倒れ伏しており、立ちあがろうにも立ち上がれずの状態でありなんとかメルの肩を借りて立ち上がるも膝をついている。その間にも黒が顕現したゾシアは彼等に向かって劫火球を放っており、それをエスピナスの火球、クロの狂竜ブレスでなんとか相殺してるがその隙にゾシアが2匹に猛攻を仕掛けており、雷光を喰らった2匹はその痺れが残っておりゾシアの攻撃を上手く捌けていなかった。
「はあ、はあ…スキマ、は使えるので…すみません、先に離脱するので後は…頼みます」
「…分かりました、これを持って行って鈴仙に使わせてください」
「ありがとう、ございます…」
「…残るのは私達と彼等だけですか…これはちょっと手厳しいですかね」
クロ達にエスピナスに使った粉薬を曲射矢で打ち出し、2匹を外野から治療する永琳。彼女が攻めに出てないのは蒼焔に治療薬を渡してないからであり、彼が隙間で姿を消す前に治療薬を渡してから蒼焔の姿が消えた。残る面子が2人と2匹だけになりこのままでは不味いと感じ始めるメル、永琳も黙ってはいるが彼と同意見なのか、苦しい表情をしている。
永琳の支援を受け、痺れも消えて傷もある程度癒えてる2匹。だがその2匹の力を持ってしても全ての結晶を解き放ったゾシアは厄介な存在でしかなく、エスピナスのデンプシー突撃に合わせたクロの翼脚でゾシアの肉を抉る攻撃も、
「…此処からはもうなりふり構っていられません、彼のためにも速やかに…ゾ・シアを討伐しましょう」
「……ええ、分かってるわ…彼等に合わせるわよ!」
「了解!」
「GYUGOOO!!!」
「GYAIOOO!!!」
ゾシアの暴走を見て最初から分かってはいたが、もう彼を止める算段がないと言った様子で討伐に踏み込む2人。やる事については変わりなく剣形態で攻撃していきエネルギーをチャージ、そこから瓶に溜めて盾と流れで剣を強化していくメルと、ゾシアの頭部や翼脚を身躱し矢切りを絡めたコンボで射抜いていく永琳。
そうして2人の攻撃に気を取られ始めたゾシアは2人に対して劫火球を放ち、2人を焼き殺さんとするがメルは盾で弾いて対処し、永琳は鉄蟲糸技『飛翔睨み撃ち』で飛びながら躱して空中で矢を射って反撃。攻撃を躱された苛つきからかゾシアは翼脚を地面につけて2人に突進、結晶を生成しながら激突を狙うが…彼等の間にエスピナスが割って入り、2人を庇うかの如く頭突きでゾシアをずり下がらせる。
「GUOOO…!!!」
「GYAOO!!?」
「GYUAA!!?」
「っ、また炎が地面から…!!」
「吹き出してる数は多いですが、軌道は単純です!彼等の代わりに私達が攻めましょう!!」
此処でゾシアが再び翼脚を地面につけて、そこを起点にあらゆる方向に炎が吹き出していく。体格的に躱しようがないエスピナスとクロがまた焼かれてしまうが、此処で彼等を心配してゾシアに隙を与えてはならない。炎は数や範囲こそ大きくて広いが、軌道は非常に読みやすいものなので結晶に気をつけながら2人は接近し斧形態での攻撃と剛射、剛連射を繰り出していく。
炎を受けた2匹も突撃は無闇に出来なくなったが、距離を取ってブレスを放つ事は可能だ。超猛毒の火球と狂竜ウイルスの塊のブレスを火力に全振りして放ち、ゾシアに直撃させて大きくのけ反らせていく。だがそれでもやはりゾシアは怯まず紅の雷を発生させながら結晶を生成し劫火球を打ち出す。永琳の方も生成された結晶を先刻と同じ5本矢で破壊、その衝撃でゾシアを攻撃しつつ火球をフルチャージカウンターで受け流したメルが接近。
「これで…切断!!」
「GYUOAAAAAA!!?」
「GUOOOOOO!!!」
「GYAOOOO!!!」
「まだ倒れない…!?」
メルの高出力属性解放斬りを受け尻尾が切り飛ばされ、更にエスピナスの急降下突撃とクロの翼脚叩きつけを受け左角が折れるゾシア。部位破壊を2回もされて体力も削れていってる筈なのに、未だ倒れない彼を見て永琳は驚愕しておりメル達竜・龍も驚きを隠しきれていない。そんな彼等に生まれた隙を突くようにゾシアが全員が接近している今を狙って足元に劫火を吐き、焼き殺さんとする。
クロ、エスピナスは飛翔が間に合わず劫火を身に受けてしまい、アックスホッパーで跳躍するもそれに合わせてゾシアが同じく跳躍して翼脚で叩き落とされるメル、身躱し矢切りでなんとか劫火を躱した永琳はメルに飛びかかってたゾシアを射抜くもメルは既に叩き落とされており、更に着地の衝撃を受けて吹き飛ばされる。劫火のそのままの火力を身に受けて苦しんでいるクロとエスピナス、メルと永琳は回復薬を飲みながらなんとか立ち上がるもゾシアは彼等に余裕を与えるつもりはなく大穴全体を再び結晶で埋め尽くす。
「GUOOO…!!!」
「またあの攻撃が!?」
「…クロ君、緑竜さん、あの穴から地上へ出てやり過ごしてください。私達の事は気にしないで構いませんので」
「GYAO!?GYAIOOO!!」
「…GUAOO」
この後行われるだろう攻撃を予想し、体格からして回避が不可能である2匹に避難を促す永琳。クロはそれの意味を理解できず、反抗の意志を見せるが冷静なエスピナスが彼を諌めて地上に出ようと促す。反発していたクロだが、エスピナスの説得と自分の浅くはない負傷状況を顧みて渋々彼女の言葉を受け入れてエスピナスと共に大穴の上に飛んでいき地上へ出る2匹。
その間にゾシアが力を溜め終え、地面に劫火を再び解放。地面を焼いていきそこから結晶に引火して力と範囲が増幅されていく。永琳は劫火が到達する前の結晶に5属性の矢を1本ずつ束ねて放ち破壊を狙うが…全ての矢が当たったにも関わらず結晶は爆発を起こさず、ゾシアの劫火が到達して赤く染まって熱と光を発しながら膨れ上がっていく。
「GUOAAAA…!!!」
「!?そんな、まさか…!!」
「永琳先生!!」
このままでは2人纏めて焼き払われる、それを防ぐためにメルが彼女の前に躍り出て盾を掲げ、更に片翼を広げで永琳を庇う体勢に入る。そして次の瞬間、大穴に再び全てを灼き払う劫火が広がりゾシア以外の全てを焼き尽くしていく。そうして数秒後に劫火が収まり二度目の静寂が訪れるが…劫火をその一身に受けたメルは耐えきれなくなった様に膝をつき、呼吸を荒くして剣を杖代わりにしてなんとか持ち堪えていた。今の彼は自慢の白銀の翼が黒く焦げており劫火の火力が異常であることを示していたが…
今はそれは関係ない。彼の背後にいた永琳は少し火傷を負っていたがメルほどの重傷ではなく、隙間の回収が来るか分からないので急いで彼の治療を行っており、彼の傷も劫火を受ける前…までに治らずとも、それでも瀕死状態から抜け出す事には成功した。だがそれでもメルの身体はボロボロであり、劫火が止んだのを確認したエスピナスとクロが戻り、ゾシアの敵視を得ていてくれてるが…それも長くは持たない、それを理解したメルは永琳の治療の手を止める。
「GUOAAAA!!!」
「GYUIAAAAA…!!!」
「GUOOOOO…!!!」
「…わた、しは…この程度で死にはしませんよ、…ちょっと休憩を頂きますけどね。あの2匹の方を、見てあげてください…」
「………わかったわ、ありがとうメルさん…」
メルの言葉を聞き入れ彼を地面に寝かせる永琳、彼からは寝息が聞こえてきており、死んだわけじゃないと確認が取れた永琳は彼に簡易的な点滴をつけて大穴の端に移した後、彼の盾斧を持って2匹の竜の助太刀に入って行った。
「GYAIOOO…!!!」
「…GUU、GUOO…!!」
「GYAO、GYUAA…!!」
…蒼焔君、メルさん、マガドさん、雷牙さんだけでなく助けに来てくれたあの2匹ももう限界に近づいてきている…かく言う私ももう全身が痛いし、さっきの炎のせいで腕に力が入りづらい。けど、まだ止まるわけにはいかない。それに龍護さん…いえ、ゾ・シアの動きも初めよりもずっと鈍くなっている、幾ら護竜と言えども生物である以上体力は絶対にある。今の彼は極度の疲労困憊状態のはずだ。なら…そこを叩くしかない。
2匹の竜がゾ・シアに再び殴り飛ばされて私の方に飛んでくる、彼等の体重では私も死にかねない。私も龍護さんと同じ不老不死だが彼と違ってそんな直ぐには復活できない、此処は冷静に彼等の飛んでくる軌道を読んで躱す。ただその後に私1人で突っ込む訳じゃない、まずは彼等を回復しなければ。
「…GUOO…」
「GYAIO…」
「2人とも、この薬を飲んでください!」
幸い頭部が私の近くになる様落ちてきたので、急いで鞄から取り出した薬を彼等に飲ませる。非常に珍しい薬草と薬虫から作り出した貴重な薬だが、今回の為に生産して惜しみなく使ってきたが…あれで最後になってしまった。だがそれでいい、限りある命を持つ彼等の為に作ったのだから。それはそうと彼等に作戦を伝えましょう。
「2人共、落ち着いて聞いてください。あの竜…ゾ・シアを倒す為…奴の頭部を切り落とします。貴方達2人には彼を押さえてもらいたいのですが…いけますか?」
「…GYAOO!GYAUA!!」
「……GOUAAA」
恐らくクロ君が緑竜さんを説得してくれたのだろう、最初私の言葉に渋った様な顔をしていた彼?だったがクロ君のやる気と熱意に押し負けてしまったのかやれやれ、と言った様子で私の作戦の手伝いをしてくれるようだ。頼んだ側ではあるが、正直言って彼の助力は本当にありがたいものだった。クロ君はあの姉弟が居るから例外だが、普通竜は人間に従うのはあまり好きじゃないはずだ。クロ君にお礼をしないとね。
…さて、そろそろ作戦を決行しましょう。メルさんからお借りした盾斧に持ち替えていく。この武器の使い方は先程の彼を見て学ばせて戴きました、少々複雑だし鉄蟲糸技を使えませんが…この戦いを終わらせる為に弱音を吐いてる訳にはいきません。彼の隠された攻撃も見ましたし、尻尾や角を失って勢いも衰えている筈。この機会を、絶対に逃しません…!
「行きますよ、2人共!!」
「GYAOOOO!!」
「GUOAAAA!!!」
「GYUIOOOO!!!」
ゾ・シアが私達の行く道を阻もうと結晶を生成してくる…メルさんみたいに翔蟲を使って跳びたいですが、出来ないもの、ないものねだりをしても仕方ないので此処はクロさんの背中を借りる事にします。彼の背中に乗った瞬間2人がゾ・シアに肉弾戦を仕掛ける様子が見えたので、彼等の邪魔をしない為に此処で一度降りて…剣で殴れば良いんですね、攻撃して…
ゾ・シアは2人の方に注意が向いていて此方には気付いてない様ですが、流れ弾には気を配っておきましょう。2人が気を引いてるうちにこの武器の強化を終えないと…剣が赤く光りましたね、此処から剣と盾を合体させて瓶に装填、そしてこのエネルギーを盾に巡らせて…刀身に電流が走ってる、これで良いんですね。なら後は首に一気に攻め込むだけ!!
「クロ君、緑竜さん!頼みます!!」
「GUOAAAA!!!」
「GYAUAAAAA!!!」
「GUU、GYUAAAA!!?」
クロ君が右翼脚、緑竜さんが左翼脚を捉えて地面に抑えてくれている、なら今此処で決めなければ…!!たった今強化し終えた剣でゾ・シアの首元を斬りつけて傷をつけ、剣が再び赤く光ったので瓶にエネルギーを装填…これで決めます!剣と盾を合体させて今度は斧に変形、先程傷をつけた首に斧の刃を展開した高出力属性解放斬り…を当て瓶のエネルギー一つが爆発。後はメルさんのようにすれば…!!
「GYIAOOOOOO!!!」
「GUAAAAAA!!?」
「GYAOOOO!!?」
っ!?2人の拘束が解かれた…!!不味いわ、もう攻撃態勢に入ってしまったから止める事が出来ない…!?
「QYUOOOOO!!!」
「GUAOOOOOO!!?」
メルさん!?なんで、安静にしてなきゃいけないのに…!!でも彼が頭を抑えてくれている、これで本当に決めるしかない!さっきの高出力から繋いだ追撃高出力属性解放斬りを彼の首に再び叩き込み、そして…出力の限界を超えてエネルギーを解放…!!
「超高出力…属性解放斬り!!!」
「GYAOAAAAA…!!?」
斧を振り下ろした瞬間、ゾ・シアの悲鳴が響いた。彼の方を見ると首元から大量の青い血が流れ出て、内部の肉が剥き出しになっていた。彼は必死に繋ぎ止めようと翼脚で私が斬った部位を止めていたが…彼の再生力、動力となるエネルギーが尽きたのか動きが停止した。先程までの轟音などが嘘のようになくなり、私達がいる大穴には今度こそ閑静が訪れ…
「GUU…GUOOO…!!!」
「QYUAOO!!?」
「GUOAA!?」
「GYAOO!?」
…それでも彼は最後の足掻きとして、沢山の竜を焼き滅ぼした豪火を私に放とうとしていた。生物学的にあれほどの重症、加え首がほぼ落ちかけなのにブレス攻撃を放てるのはゾ・シアがそれ程異質な生物だと感じさせられた…けど、そんなのどうだっていい。
「QYUIAA!!?」
メルさんが私を引き止めようとしてくれたけど、それを私は振り払って彼の真正面に立つ。豪火の熱が凄いが、それ程度で怯むほど軟弱じゃない。…別に死にたくなったとか、そん事でもない。私は彼に…龍護さんではなく、ゾ・シアに。謝罪の言葉を述べた。
「…ごめんなさい、今まで貴方を苦しめて…やりたくもない役目を背負わせて、生まれたくもないのに生まれさせて。…許される事じゃないのは分かっています、だから…本当に、ごめんなさい」
「………GU、GUO…」
私の言葉が彼に響いたのか、或いはもう命が長くなかったのかは分からない。けれど彼の口から放たれていた豪火の熱が引いていき、先程までの豪火によって光っていた彼の口の光も失せて…彼は口を閉じていた。人造生物だということを示す青い血も今は止まっており…彼の口から微かに、寝息が聞こえた気がした。
…貴方の約束とお願い…護りましたよ、龍護さん。
ゾシアの最後のシーンはアーマード・コア6のウォルターをイメージしてたりします。果たしてゾシアが永琳の言葉で劫火を止めたのか、命が持たなかったから止まったのか、それは…私にも分かりませんね。
と言うわけで次回か数話後が最終話になると思います。後日談などを書きますので連載は止まりませんが…楽しみにしていただければと思います。作者が次回の為のテンションを上げるために少し愉快なおまけを書こうと思います。
おまけ もこたん♂の呼ばれ方について
時系列は不死鳥が召喚される前…プププランドの象徴の一つ、デデデ城にて1匹のペンギンと1人の男が話し合っていた。
「ワドルディ達に作業用ACを配属したが、あれは使い方を誤らなければやはり便利だな。ハルトマンにも、お前さんにも感謝してるぜ」
赤と白と黄のガウンを纏い、赤白帽子を被るペンギンのデデデ大王。彼は小説版準拠の喋り方のようだ。彼は目の前の男とハルトマンが開発したACについて感謝を述べているようで目の前の白髪の男、妹紅も…
「いやこっちこそ、側から見りゃただの迷惑厄介集団に居住許可を出して貰えてるだけでアンタには感謝しかないよ、大王さん」
「いやいや、此方こそ食糧や美味い食事、この国の為になる技術や移民を連れてきてるだけでもありがたい。それに…お前さん関連の騒動のお陰で、日々飽きずに済んでるからな!」
「…ま、そう思ってくれてるなら光栄だ」
デデデに感謝を述べており、2人がこれ以上は同じことの繰り返しになると察したか妹紅が苦笑して話を切り上げる。その後暫くは資料の束を見て色々話し合ってた2人だが…デデデから突如、妹紅に質問が投げかけられる。
「そういやお前さんっていろんな呼ばれ方をされているよな?カービィからは呼び捨て、メタナイトからは殿付け、マホロア、タランザ、マルク辺りからは不死鳥にクラッコからは兄貴、お前さんの嫁さんからはもこたんやらさんづけやら何やら…一部の旅の者からニキ?で呼ばれてるし最近加わったお前さんの新しい嫁さんなんか旦那様呼びじゃないか。どれぐらい呼ばれ方があるんだろうなって」
「…本当、なんでだろうねぇ?俺としちゃ自分のやりたい事好き放題やってるだけなんだがな。それこそ他人も平然と巻き込んでるし。それこそ雷鼓達やマホロア達の呼び方は分かるが、他の奴の尊敬される呼び方はなあ…」
どうやらデデデの疑問は彼が沢山の者達から様々な呼び方をされてる事から、どれだけ呼び方があるのか疑問を持ったらしい。デデデの質問に妹紅は遠い顔をしており、デデデはあまり話したくなかったのか?と思慮して、首を振る。
「…話したくなかったのならすまん、聞かなかった事にしてくれ」
「…マジで済まんな、配慮に感謝する」
後日デデデ城に大量の物資が送られたのは別の話である…。
「アー!?また僕ガ拾った遺産が幾つカ消えテル!?やりやがっタナ、アノ不死鳥!!」
何かしら人気ありそうな方々で人気投票をやってみた
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白崎龍護
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八雲蒼焔
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クロ君
-
メル・ゼナ
-
怨嗟マガイマガド
-
ヌシジンオウガ
-
藤原妹紅♂
-
鋼華刹那
-
マガイマガド(コテハンニキ)
-
ゴルベーザ
-
ハン
-
イストワール(図書院長)
-
シン
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霍青娥(やべー方)
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作者「え?」
-
ラインハルト卿