守護龍として造られたらしいけど、特に護る義理はないので好きに生きます 作:シェリーザ
友人D「タイトルは何度も変えてますがな」
うるさいよ。…それと人気投票を締めます。参加していただいた皆様、本当にありがとうございました!
…此処は…あの少女や黒と出会った場所か。…と言うことは、俺は死んだのだな…いや、俺が死ぬのは当然か。ニキネキ達から聞いた憑依転生やらなんやらの話を聞いていたのに、俺が勝手に本来のゾシアを蔑ろに扱ってたりしたんだからな…戦う直前に転生が許されれば、の話をしたがこれは無理そうだな。さて、この幻想郷には死神が居るらしいしその死神のお迎えでも待つか…
「こんにちは、お久しぶりね。私達の紛い物…いえ、紛い物に取り憑いた元人間さん?」
…死神のお迎えと思えば貴女ですか、初めて会った時貴女は只者ではないと何処かで思っていましたが…やはり、只者ではなかったな。…それはそうと造られた訳でなく、人造龍に宿って本来の本能を抑え込み、好き勝手してこんな直ぐに地獄へ堕ちそうな元人間に何の用がある…ありますか。
「敬語は要らないわ、堅苦しいのは身内で十分だもの。…それと用事についてだけど、私は単純に貴方に聞きたいことがあるから此処にきただけよ」
わかり…分かった、死神がお迎えに来るまでの暇つぶしにさせてもらおう。それで聞きたいことというのはなんだ?俺の答えれる範囲であれば答えるのだが…
「…貴方は貴方の取り憑いてた身体に宿る他2つの人格…それについてどう思っていたの?」
…他二つの人格、ゾシアと黒の事か。そうだな、答えるなら…黒は俺達の調和を取っていた調停者、ゾシアは俺に身体を取られたが故に抗った、俺の被害者…だ。よくよく考えなくても、ゾシアから見れば俺はただの侵略者、或いは寄生虫…逆に今まで好き勝手にして申し訳ないと思っている。
質問には答えたから、此方も一つ聞きたい。本来なら俺は宿った時点で貴女方の様な者達に抹殺されてもおかしくなかった、けど何故貴女方は俺を抹殺しなかったのか…それだけは聞きたい、聞かせてほしい。
「そうね…まず貴方に対して違和感を持ったのは初めて会った時、貴方からはあの紛い物さんであって、そうではない気配を感じたわ。それに黒の制御方法を教えてくれ、貴方はそう言ってたわよね?その言葉で違和感が疑念に変わったわ」
…確かに俺は貴女に破壊衝動…黒の制御方法を聞いた。けど、そんな事はゾシアでも聞きそうじゃないのか?
「はあ…彼は貴方と違って曲がりなりにも龍なのよ、本能のまま生きる生物が己の破壊衝動を制御しようと思うとでも?」
…言われてみればそうだな、ゾシア…いや、全ての竜・龍は本能に従って生きる…俺達人間と違ってな。そう考えれば確かに貴女が手を出さなかったのも頷ける。
「最も、貴方がいくら蘇ると言えどあの紛い物の身体で、愚かで弱い人間や妖怪、竜を護る為だけに死にに行くのが理解できないけどね」
…貴女達から見ればそうかもしれない、事実俺も最初や自分の感情に気づくまではゾシア…人造竜としての役目や罪に実質的に縛られてたしな。…だが、たかが人間…弱者だと思わないで戴きたい。人間は愚かな生物だ、それは人造龍に宿った俺が理解している。自分の欲の為に他者を踏み躙ったり他の生物を自分達の都合の良いように改造したり…貴女達から見れば激怒する諸行を平然と行えるからな。妖怪だって…詳しくはないが、己の存在の為になんかしてるのは知ってるし、竜も己より弱い相手のみを付け狙う奴がいるのも知っている。
けど、全員が全員貴女がいう弱者であったとしても愚者ではない。俺の最愛の人がそうだ、彼女は護竜計画?に参加しているのは知っている、俺の同族を生み出した大罪を背負ってるのも理解している。でも…彼女はその罪に蝕まれ、償う為に長く悩んでいる姿を俺は見た。俺の身体の事もそうだし、護龍として改造されたゼノ・ジーヴァもそうだ。何より彼女は…古代都市跡地に俺と共に護竜達の墓を作っていた。
「…貴方の言ってる人間…八意永琳は立派だけど、それ程度じゃ彼女の罪は消えないわよ。繁殖行為以外での生命創造は自然の掟に反する、彼女は幾ら反発できなかったと言えどそれをただの償い程度では消えない程何度も何度も行っているわ。これじゃあ貴方だけでなく、彼女も巻き込む事になるかもしれないわね」
…永琳が護竜を造っていた事については否定もせんし、目を背ける気もない。だが俺の粛清に巻き込むのだけは絶対に許さん、永琳が貴女達にとって粛清しなければならない存在であるのは十分想像できる、けど彼女に俺と同じように粛清するのは……身勝手で己のエゴしかない言い分だが、辞めて欲しい…
「…仮にその永琳という人間の粛清を止めるとしても、そうなったら彼女の分の罪を最後の護龍である貴方が全て背負う事になるわよ?そうなれば貴方は耐える事が不可能であろう痛みや絶望を味わう事になるだろうけど…それでもいいのかしら?」
それで構わん…元々俺も、ゾシアも、黒も、全部貴女達の紛い物としてこの世に生み出された身だ…生まれた時から貴女方を真似た人造龍という罪を3人で背負ってただけだ、今更その罪が1人分に凝縮されて増えた所で何とも思わん…訳ではないが、兎に角永琳が無事ならそれで良い。
「その想いは人間を護る為に生み出された龍としての想いかしら?それとも元人間としての想いかしら?」
そんなの決まってる…守護龍でも、元人間でもないただの人造龍…白熾龍ゾ・シアとしての想いだ。…俺が貴女に言いたい事は以上だ、粛清を開始して貰えないだろうか。
「…ふふっ、やっぱり貴方は何処か狂ってるわね。良いわ、それじゃあ後ろを向いてなさい」
…一思いにやってくれるのか、まあ死ぬ時は苦しむよりも一瞬で死ねた方が楽だからな…少し助かる。それじゃあな永琳、俺が貴女のいる幻想郷にまた来れるようになる時まで待っててh…
「えいっ!」
!?どう言うつもりだ、俺を粛清するんじゃ…!?
「面倒だから手短に、一回だけ言うわよ。私達龍は本能のまま生きるけど、時には気まぐれに生きる事もあるのよ」
…そんなのありかよ…?…此処は一先ずだな……ありがとうございます。それと次に来る時はちゃんと粛清してください、さっきのは覚悟してたのもあって結構怖かったので。…それでは、またいつか…
「…そうねぇ、気まぐれとは言ったけどちゃんと生まれ直してあげないと。『純粋無垢』の象徴の古龍…白熾龍ゾ・シアとして…よし、終わりっと。紛い物の粛清ももう面倒だし別にしなくて良いわ」
「はーあ、これでボレアスや、ラースに怒られるわねぇ。仕方ないからバルカンも巻き込んじゃいましょ、彼女もあの紛い物…いえ、純粋無垢の龍を生かす事に賛成してたし。と言うかこの際バルカンに脅されてた事にしちゃいましょ!」
ゾシアの命が尽き、静寂に包まれていた大穴…ゾシアの死骸の前に彼を討ち取った張本人である永琳が顔を俯かせながら跪いていた。彼女は亡骸に対して笑うような、泣いてるような、そんな感情が混ざりに混ざった表情をしており回復を終えて彼女のそばに立ってるメルは何も言えずにいた。
戦いが終わり、エスピナスは花畑から態々きてくれたので帰したが、クロは帰る場所が今の所ないので永琳に頭を擦り寄せている。戦いが終わったのを察知した紫が龍灯を塞いでいたスキマを閉じて彼女等の前に姿を現すが…永琳同様、表情はあまり良いものとは言えなかった。
「…彼は死骸をあれに入れないで欲しい、って言ってたけど…此処を埋め立てて墓にしますか?」
「…そう、ね…彼がこの場所の秘匿を願っていたので…此処を埋めて、彼の墓場にします」
「…私達も手伝いましょう」
「GYAO…」
紫は恐る恐ると言った様子で口を開き、彼の亡骸をこの大穴に埋めるのかを永琳に尋ねる。問われた彼女はと言うと皆に自分の表情を見られないようにしつつ、ゾシアを此処に埋葬する事を決定。メルも蒼焔達共に手伝うと静かに述べてクロもそれに賛同、こうして彼を龍灯ごと大穴に埋める事となった。
「何処から土を持ってこようかしら…地底にちょっと聞いてみましょうか」
「彼の墓石を作りましょう…最高級のものを。それではクロさん、乗らせていただきますね」
「GYUO!!」
「…永琳さん、私達は先に地上に戻ってるわよ」
「…はい」
彼の墓について最高で立派な物にする為に墓石の調達、そして大穴を埋める土を探しにクロと共に地上へ戻るメルと紫。永琳は暫く動きたくないのか飛んでゆく彼等を見送った後に、再び視線をゾシアに合わせる。
エネルギー切れで討伐されたが故に動き出す事もない、人の手で造られた身体。彼女はそれをまじまじと見つめて今までの彼との生活の記憶が蘇っているのか、思い出す度に目から雫が土に落ちており戦いにおいては必死に感情を押し殺していた事が良く伝わる。そして最後、ゾシアの亡骸をそっと抱きしめ自身も同じく地上へ戻ろうとした…その時。
「…背中が…動いている?」
なんとゾシアの背中が微かに動いており、それを怪しむ永琳。ゾシアは確かに人造龍としての性質上、決まった性別はない。だが彼…いや、造竜種全般に生殖機能がないのでまずその話を聞いた瞬間に耳を疑う事だろう。そうなるとなぜ彼の背中が動いているのかわからない、永琳は謎の現象に少し恐怖しており彼の亡骸から一歩ずつ静かに後退りしていた…そして。
背中から腕のようななにか2本が鱗などを貫いて現れ、それが一度引っ込んだ後、何かが突き破った穴を広げるようにこじ開け…こじ開け終えた後に腕の正体、そして持ち主が出てきた事で判明する。
全身白の神々しい装飾と黒の禍々しい装飾が程よく施された軽鎧、籠手、具足、腰当てを身に纏い右半分は白く、左半分は黒の長髪を持ち、頭部右側面には見慣れた白の結晶のお面を付けて、そして…肌が少し白く、赤い瞳に黒の縦長の瞳孔の双眸を持つ男。腕らしきものは彼の背中から生えており、動作を見ると腕また翼と見るべきだろう。
「この世に戻れたのは良いが、少し身体の調子がおかしい………な?」
「………」
男は首を回したり普通の腕を回したりして何やら調子を確認しており、初めは目を閉じて首を回してたのだが…目を開けて下を見るとそこには…
眼から涙が溢れ出ており、男を信じられないような目で見ている永琳。彼女は何度も目を擦ったり、細めたり、自分の頬をつねったりと何やら現実かを確かめていたようだが…それらを一通り終えて、改めて男が自分の目の前にいるという事を理解すると彼女は後ずさっていた足を前に踏み出して大きく飛び込み、男を巻き込んでゾシアの亡骸を越えて地面に転がる。
「馬鹿!!なんで、なんで私を頼ってくれなかったの…言ってくれればあの子の事ぐらい受け入れたのに…!!私の手で、あの子と貴方の事を…殺させないでよ…!!」
「…ゾシアの事はすまなかった、奴に関しては地獄があるならそこに行って、謝りたいと思う」
永琳は男に対して恐らくゾシアについて怒った素振りを見せ、男は彼女からの言葉を予め予想できていたのか滞り無く言葉を述べて、彼女に謝罪する。そして男はゾシアに謝りたいと言っており何を馬鹿な、と言いたくなるが…此処は人間も、妖怪も、竜も、多種多様な者達がいる楽園、幻想郷。
勿論彼は今は知らないが、地獄も存在しており彼のゾシアへの謝罪という願いは叶う事だろう。永琳は男の言葉にちょっとだけ笑った後、すぐ怒った顔に戻り彼へのお話を続けている。
「…貴方が人造竜だからって、背負い過ぎなんですよ…!この世界には地獄が存在していますので、一緒に謝りに行きますが…次からは私達を頼ってください!!」
「本当にそれは申し訳ないな…」
永琳は一頻り言いたい事を言い切ったのか、男の首元に涙を落としつつも彼の帰還を喜んでおり、男の方も永琳の身体を腕で抱きしめて彼女との叶わなかったであろう再会を果たした嬉しさで少しだけ、目の端から涙を垂らしていた。
「…こうしてまた会えて、本当に良かった…」
「…本当にそうですよ…お帰りなさい、龍護さん…!
「…あぁ、ただいま。永琳………こんな時にだが、俺の頼みを聞いてくれるか?」
「…?別に構いませんが…」
再会の言葉を共に述べ合う永琳と男…白崎龍護。2人は暫く抱き合った後に龍護が彼女に頼みがあると言って一旦離れる、永琳は生き返って早々何を頼まれるのかを考えていたが…彼の頼みというのが。
「…八意永琳さん、俺は………貴女の事が…」
193:星々巡る不死鳥
召喚されてて忙しかったっつーのに、帰ったら卿やオーマジオウニキ達に緊急で呼ばれたから会議に出てみれば…俺の知らん間にイッチがそんな事なってたとか、知らねえから現地民に解決させるべきの手出し無用事案だろ、って言っといたがよお…
194:蒼の月光
>>193
今回だけはドンマイとだけ言っておきます…
195:幸運と不幸の死霊術師
人造龍の問題は転生者と言うより祖龍とかの問題だからなあ…イッチが滅されてなかったら良いんだが
196:月の薬師の守護龍
>>195
安心しろ、俺も死を覚悟してたからな
197:マガニャン
いやいや人造の古龍なんてそんなの祖龍というか、禁忌の龍からしたら激怒案k……誰!?
198:星々見渡す破滅因子殿
守護龍…もしや、イッチではなかろうか
199:月の薬師の守護龍
>>198
正解だ…祖龍に気まぐれで生かされたから俺は生きているぞ
200:第八世界存在いーすん
>>199
気まぐれって…まあでも、お帰りなさいです!
201:廻る呪いの赤い霧
最悪殺されててもおかしくなかったからな、こうしてスレに顔を出してくれるだけでありがたい
202:呪霊喰いの神モドキ
ってか今更な気はするけど、祖龍がイッチは元多重人格者だっての気づいてそうじゃない?ゾシアと黒は龍だけどイッチはあくまで元人間だから、祖龍のパチモン判定を逃れたとか
203:歌の魔王withシェム・ハ
いやはや本当、後輩が自分の容態を顧みて自決の覚悟したからビビったわ…あれ?そういや龍の方のゾシアってよくよく考えたら特に悪さしてねえんじゃね?
204:不運の男
…確かに
205:ひとつなぎの魔神さん
言われてみればそうですね
206:メタルの神in神喰い
これゾシア(龍)は殺され損じゃ…?
207:月の薬師の守護龍
>>203
それについては問題ない、今小野塚小町と言う死神の援助を受けて地獄に向かっている。奴への謝罪の為にな
208:このすばでいいですとも!
ゾシア(霊体)から殴られそうだけど、それは甘んじて受け入れるしかないな
209:旅する金属生命体(分体)
強者と分かり合うために、時には力も必要ですからね…
210:引き換えチケット
>>209
対話による平和実現を願ってたりする貴方が言ってはいけないと思うのよね…
211:月の薬師の守護龍
まあとりあえず、俺は無事である事だけを伝えにきた
212:一高教師❾=熾天使
ところで一つ気になるんだけど、祖龍がイッチを生かしたってのはイッチを古龍として生まれ変わらせた訳?
213:一斬必殺の鳩
本当だ、確かに祖龍が直々に会いにきてイッチを気まぐれで生かした訳だけど、そこら辺はどうなの?
214:月の薬師の守護龍
…彼女からそれについての手紙が来ててな、なんでも俺を『純粋無垢』の性質を持つ古龍としてこの世に送り出したらしい
215:ワンピ世界の国背負いの蛇神龍
純粋無垢か…確かにイッチにお似合いの性質だな。基本イッチって他人の助言は参考にしてるけど、他人に従う事って滅多にないし。それこそ従ってるのって永琳だけじゃね?
216:第八世界存在いーすん
何はともあれ、無事人造龍と言う枷が外れたならよかったです…それじゃあ此処で個人的に気になる話を。イッチさん、永琳さんとの関係は進みましたでしょうか?
217:月の薬師の守護龍
…まあそうだな…俺からその話を持ちかけたが、どうやら永琳達と戦う前に独り言で言ってたつもりの言葉が彼女等に聞こえてたらしくてな。…つまりは、そういうことだと察してほしい…
218:バイオ娘娘
あらあら、つまりイッチさんが素敵な殿方になられた訳ですね!私の旦那様みたく永琳さんのことをしっかり護るのですよ!
219:ひとつなぎの魔神さん
イッチもイッチで凄いけど、青娥ネキの
220:廻る呪いの赤い霧
イイハナシダナー
221:月の薬師の守護龍
では俺は退出する、此処には定期的に来るつもりだからこのスレッドを好きにしてもらって構わないからな
222:【システム】
月の薬師の守護龍が退出しました
223:星々巡る不死鳥
…ま、イッチが無事生きているなら祖龍様に俺等が圧迫面接食らう必要は無くなったな、卿さんや
224:星々見渡す破滅因子殿
そうだな、あの者は幾ら我々のような転生者であっても上位に君臨する者だからな…正直言って、対面すると小物界の王の威圧を受ける下弦の鬼の気分になるから嫌だったのでな
225:星々巡る不死鳥
んじゃ、俺はいつも通り自由気ままにやっていきますか…あ。新米の奴が救助要請出してるな、ちょっくら入ってm
226:引き換えチケット
…ねえ、あの不死鳥が入ったスレの様子を確認したのだけど…あの馬鹿また召喚されたわよ、今度はFate/SamuraiRemnantの世界に転生した子のサーヴァント(クラスはボイジャー)として…クラスがビーストとかバーサーカーだったら笑ってやったけどね
227:第八世界存在いーすん
はは…妹紅さんの行動理念とか行動範囲、性格的には確かにボイジャーは適任かもですね…あれ?でも妹紅ニキさんってFateシリーズは詳しくなかった気が…それに青娥ネキも…
「………成る程、それで師匠と龍護さんは人造竜の方のゾシアさんに謝りに行ってたんですね。龍護さんからの波長が変化しているなと思えば、そういう事でしたか」
「あぁ、あいつには悪い事しかしてないからな…俺は彼奴の霊体?に何発か殴られたが許しては貰えた」
「まあ、その後龍護さんと私も閻魔と彼にこっ酷く叱られちゃいましたけどね」
ゾシア討伐から数日後、龍護の顔が顕になった事に鈴仙が不思議に思い、その事情を尋ねて龍護と永琳から教えてもらっていた。他にも彼女の能力による龍護の変化も悟っていたようで2人は彼女に苦笑いしながらその事を話していた。永琳も龍護もゾシアに言いたい事を全てぶつけられて、その度に彼に謝ってたそうだ…閻魔の名が上がっていたが、彼等的にその説教は流した模様。
そうして鈴仙が聞いてた訳だが、此処で聞いててふと思った。2人の距離感近くね?…と。永琳が龍護にいつも以上に近づいているのもそうだが、彼が永琳を止めるどころか受け入れてるのも前の彼を見ていた鈴仙にとっては変だ。本当に何かあったのではと思い、2人を上から下まで隅々を見ていくが…彼女の視線はとある場所で止まった。
「…あ、そういう事ですか。今日は赤飯にしようって言ったのって」
「やはり気づかれてしまったか…その…まあ、な」
「私と龍護さんが暫く地獄に行ってたのもあって、何も食べてないから赤飯にしようと思ったのよ」
「せめて野菜ぐらいは食べましょうよ!?」
2人の距離感が近い理由も合点がいき、2人を祝福するような目で見つめる鈴仙。なぜ自分や永遠亭の兎達に、今日の晩飯を赤飯にして欲しいと言われたかも理解したそうで喜ばしそうに手を合わせていた。まあ後に2人から飛び出た言葉によって軽く引いていたが、医者の不養生という諺が通用しない医者というのも厄介な者である。
しかしこれには2人の関係諸々以外にも、ちゃんとした理由がある。龍護の久々の味覚チェックも含めており、彼女の治験…或いは、の確認作業でもあるのだ。鈴仙は気を取り直して今晩は少し豪勢にする為に兎達にテキパキ指示を出している。そんな鈴仙を見届けて、龍護と永琳は…
「文屋に面白おかしく書かれなければ良いのだがな」
「大丈夫よ、私達の関係が不確定のものから完全なものになるだけよ?それに一々反応する人なんていないわ」
「…それもそうだな…小宴会の準備をしようか」
「そうね、手伝うわ」
龍護は文に見つかって自分達の関係を捏造されて書かれるのでは、と少し杞憂しているが永琳が自分達の関係は元々皆に怪しまれてたし、その疑念が確信に変わるだけなので問題ないと言う。龍護も彼女の言葉を聞き、よくよく考えたら今までそんな関係だったな…と思い出して少し笑いながらも宴会の準備を彼女と共に始めた。
尚彼等の関係について書かれた新聞が発行された日、幻想郷で地震が起きたとだけ記しておく。
時間は飛んで夜、永遠亭では小規模の宴会が開かれており参加者も鈴仙や輝夜、妹紅などと言った迷いの竹林に住む者達しか参加していない。一応宴会を開いた理由だがゾシア討伐&龍護生還の為であり、討伐は秘密裏に行われていたのだ…余り部外者を呼ぶわけにはいかない。あと彼等は寝落ちしても問題ない様に既に入浴して浴衣に着替えてきた。
そう言った理由から人数は少ないながら、盛り上がり始める宴会。その宴会の目玉と言えば…
「…」
「かなり久しい五感…正確には二感確認ですがこれは…」
龍護の目の前にはこれでもかと言うぐらい赤い出汁に浸っているうどんがあり、彼は現在進行形で冷や汗をかいている。そして同時にこう思う、いくら
「龍護ー!男なら愛する人の前で激辛うどんぐらい、一丁前に食べ切って見せなさい!」
(原因は姫だな、後で覚悟してろ)
今回の五感確認のための激辛チャレンジを始めたのは輝夜(或いはてゐ)だと察し、彼女の料理にこのうどんの出汁を仕込む事を決意する龍護。それはさておき彼は早速静かに手を合わせ、箸を持って丼の中の麺を数本掬って啜る。
最初の数本を啜り切って暫く無言になる龍護、久々の五感確認に激辛料理は響くものがあるだろう。そう思われたが…彼は頭部のみを龍のもの変えて無言でそのまま麺と具を口に放り入れて食べ切り、顔を元に戻して咀嚼していた。彼の食事を黙って見ていた永琳、輝夜、てゐ、鈴仙、妹紅。果たして彼の反応は…
「…うむ、美味い。やはり辛かったが…龍として造り出されて初めて、食い物を美味いと思えた」
「ほっ…それなら良かったです、これで貴方の治験も漸く終わりですね!」
「ちぇー、なんで本当に食い切っちゃうのよ〜ま、良いや。それじゃあ私もいただきまーs…辛っ!!?舌が、舌が焼けるぅぅ!!」
「はっはっはっ、龍護兄さんにやられてやんの!」
「だから私は止めておこうって言ったうs…辛っ!!?なんで私のも辛いウサァァァ!!」
「アンタも連んでたのね…」
目を少しだけ輝かせて味を感じれた事を喜んでおり、永琳も彼の治験が終わる事を嬉しく舞い上がっていた。輝夜はつまらなさそうにして目の前にある生姜焼きに箸を伸ばして食べたのだが…彼女の箸か或いは取り皿に激辛うどんの出汁がついてた様で、同じくにんじんを食べたてゐと一緒に悶え苦しんでいた。その様子を妹紅は馬鹿笑いして輝夜を煽り、鈴仙はてゐに対して呆れていた。
龍護と永琳はその喧騒に苦笑しながらもさも保護者の様な目で見つめ、龍護は今も苦しんでいる輝夜とてゐに痛み止めを飲ませて今度こそ楽しく食事を楽しんで…
「…も、もうのめましぇんよ〜龍護しゃあん…」
「龍護、兄…酒強すぎでしょ…がくっ」
「八岐大蛇も酔うって言うのに…なんでアンタは、酔わないのよお…」
「そりゃ、護手は能力があるからだよ姫さん…うっぷ」
「…宴会ってこんな死屍累々とした物だったか?」
「多分龍護さんがお酒に強すぎるのと能力のせいだと思うんですよね…」
…楽しんでいたが、突如不意に始まった輝夜と妹紅の酒呑み対決に龍護、てゐ、鈴仙が巻き込まれ永琳は静かーに離れて見守っていたのだが…龍護は異常と言えるレベルで酒に強く、鈴仙、てゐ、輝夜、妹紅の順に脱落して現在に至るわけである。龍護は平然として酒の入った樽を翼脚で抱えており、永琳は彼の酒の強さにただただ笑うことしかできなかった。因みに彼が酔わない原因に恐らく能力も関係してると思うが…まあ、些細な問題だろう。
兎も角酔い潰れた4人を解放して部屋に寝かせ、今度は2人で静かに月見酒を始める。先程の騒乱な空気も龍護と永琳は嫌いじゃないが、どちらかと言うとこう言う静かな雰囲気を好んでいる為2人の会話が自ずと弾んでいた。
「そう言えば永琳、式は何処で挙げようか」
「そうですね…博麗神社で良いんじゃないでしょうか?吸血鬼の館や外の世界の神社の式も良さそうですが、此処はやはり…」
「…分かった、それじゃあ博麗神社で挙げるとするか」
そしてある程度進んだところで、2人の会話が式に入る。彼等の左手の薬指には彼の纏うものと同じ性質の結晶で作られた指輪が嵌められており、鈴仙もそれを見て2人の関係の変化に気づいたのだ。永琳は龍護の言葉に一瞬考えた後に幻想郷の中心とも言える博麗神社で挙げようとなる。龍護も彼女の案に反対せず、そのまま共に静かに月を眺め…
「…これからも宜しくな、永琳」
「はい。宜しくお願いしますね…貴方♪」
2人は静かに互いに寄り添い手を握り合う、人造龍と言う束縛から外れる事が出来、自分の好きな人を愛する事が許された龍護。人造龍の枷を消す為に奔走してその願いが叶った永琳。2人の顔は静かに、されど嬉しさが溢れていた。
おまけ 主人公3人格の辿り着いた旅路の終わり「止まるんじゃねえぞ…」
龍護…白ドレスの少女の気まぐれを貰い受けて、自分の最愛の人の守護龍へと至った。龍灯の管理を全て引き受けている為、幻想郷を陰から支えてたりする。因みに相方との関係が明確になった主人公陣の竜・龍では二番手となっている。次は…多分蒼焔か雷牙辺り。
黒龍護…地獄の女神に面白がられて拾われ、側近(苦労人)に就職。後に女神と職場結婚する可能性が微レ存。龍護やゾシアと違い現在はただの竜人だが、龍護から盗み取った狩猟技術は残ってる為問題を起こす竜・龍(幻想郷・外界関係なく)の討伐、捕獲をしてる模様。
ゾシア…四季映姫に拾われ、地獄の門番龍を務めている。人造龍の束縛から外れたので生前と違って結晶操作の力を失い暴蝕形態しかないが、それはそれで霊達が謀反や叛逆を起こす気を消し飛ばさせる為映姫は大助かりしてるんだとか。後に映姫のペットになってたりする。
これにて『守護龍として造られたらしいけど、特に護る義理はないので好きに生きます』の最終回となります。最後に人造龍の縛りから関係者全員が解放された形でございます、代わりに紅魔館門番が被害を被ってる事でしょう。
此処で龍護君の隠し設定的なのを一つ、今まで彼の眼窩に眼球が存在していない、と描写してた訳ですが…その理由はゾシアの開発者がミラさん達の眼球のパチモンを作れなかったからですね。今回で漸く彼が眼球を持ちましたが、この眼球もミラさん達と何処か似通ってる…なんて事はないただの古龍の眼球です。
そして最終回と言いましたが、もちろん未回収の方々の話がありますので後日談という形で書いて行こうかと思います。具体的に思いついているのは…黒蝕竜と金蟷螂ですね。兎に角まだこの小説は続くのじゃ。
もこたん♂「連続で知らん作品の世界に召喚された、助けて」
却下ね、今回はデバフ掛かってないんだから頑張れ。
もこたん♂「鯖という一種の呪いの類にかかってますが?」
何かしら人気ありそうな方々で人気投票をやってみた
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白崎龍護
-
八雲蒼焔
-
クロ君
-
メル・ゼナ
-
怨嗟マガイマガド
-
ヌシジンオウガ
-
藤原妹紅♂
-
鋼華刹那
-
マガイマガド(コテハンニキ)
-
ゴルベーザ
-
ハン
-
イストワール(図書院長)
-
シン
-
霍青娥(やべー方)
-
作者「え?」
-
ラインハルト卿