守護龍として造られたらしいけど、特に護る義理はないので好きに生きます 作:シェリーザ
それと今回は久しぶりにあの僧侶姉弟が出ます。
黒の狂気は常世の光へと至る
日本のとある地方…竜が多過ぎるがあまり禁足地と定められる土地の奥地、秘境と呼ばれる場所にて。大樹が幾つも生えて植物が生い茂る、人の手が加えられていない幻想郷に及ぶかもしれない幻想的なこの場所で黒の不穏な空気を放つ竜が鎮座していた。頭部は角も目もなく、ボロボロのマントのように見える翼と四脚を持つ竜…黒蝕竜ゴア・マガラ。
ゴアマガラは眠るように伏せている…ように見えるのだが、少し様子がおかしい。マガラの身体は少し震えており、それは恐怖のものではなく別の何かによって震えてる…と思っていたその時。マガラの背中の甲殻と鱗が剥がれ始め、中から天光のような白のような、金のような鱗と甲殻が剥がれと同時に姿を現し始める。
剥がれ…脱皮は遅いながらも少しずつ進行していき身体全体がゴアマガラのものより太く逞しく、そして不気味だった見た目から神々しいものへと変化していく。ボロボロの様に見えた翼の膜も非常に立派なものへと変わりそして…ゴアマガラの頭部の脱皮も終わり、中から現れたのはゴアマガラのものより立派な角を持ち、なによりゴアマガラの時にはなかった目を持つ竜…いや、龍。
龍の名はシャガルマガラ…天廻龍と呼ばれるシャガルはとある方角に頭を向けながら起き上がり、小さく唸りながら神々しくなった翼脚を広げて飛行を始めるのだった。
最後の護龍が力尽き、新たに生誕した古龍が守護龍として棲みついている幻想郷。そこでは護龍との戦いの後、二つの異変…地上に間欠泉が湧き上がりそこから怨霊や地底に棲む竜が放出された間欠泉異変(当事者曰く助けを求めただけなので異変でないらしい)と、空飛ぶ宝船が魔界に封印された僧侶姉弟を救出して幻想郷に来た星蓮船異変(当事者曰く宝船かもしれないから追いかけたら違ったので異変でないらしい)が起きた。どちらの異変も幻想郷の事情を知らない竜が介入することはなく、無事解決して平穏な日々を過ごしていた…
そんなある日異変の原因とも言える宝船が変化した寺、命蓮寺が出来た数日後。そこに2人の男女が向かっており2人は話し合いながら歩みを進めていた。
「クロが脱皮するか…無事終われば良いな」
「竜種の脱皮っていうのな繊細なものですからね、私は医者として呼ばれましたがその通りですね」
男の方は人造龍の縛りから外れ、今は自由の身となった白崎龍護。女の方は彼の妻であり、医師でもある八意永琳が共に寺に来ていた。彼等の目的は命蓮寺の傘下である竜、ゴア・マガラのクロに脱皮の兆候が見えるらしく永琳には彼の体調チェックを、龍護にはもしもの時の制圧役で呼ばれたのだ。何故クロが命蓮寺に身を寄せてたかについてはとある住職2人の到着を嗅ぎつけたクロがそのまま住み着いた形である。
2人はクロの脱皮について色々と話し込み、歩調を合わせて歩みを進め寺に辿り着いた…
「GYAO、GYAUAA…」
「大丈夫よクロ、誰も脱皮後のクロを怖がったりしませんからね」
「姉さん、竜の脱皮は繊細なものですからあまり近づきにならないでください…脱皮不全になったら大変ですよ」
「GYAO!!」
「わっ!?私の顔を舐めないでください、クロ!」
「…相変わらず命蓮は苦労してそうだな」
「ええ、そうね…」
263:星々巡る不死鳥
俺の分身から俺の分身に革命チェンジしてっと…ハルカンドラの古代技術ってすげーぜ
264:不運の男
か が く の ち か ら っ て す げ ー !
265:歌の魔王withシェム・ハ
>>264
そんな貴方にガラルマタドガスを差し上げましょう
266:メタルの神in神喰い
>>265
私の特性とか全部掻き消されるから消えてちょうだい
267:月の薬師の守護龍
今ここにいる者達に朗報だ、クロ…ゴア・マガラが脱皮をする、其処で久々のLive配信しようと思う
268:マガニャン
>>267
Yahoooo!!
269:呪霊喰いの神モドキ
モンハン屈指の名シーン(?)が見れる!!
270:星々巡る不死鳥
イッチのLive配信はマジで久々だな、確か最初の配信は…護竜オドガロン亜種の身体引きちぎりか
271:バイオ娘娘
>>270
やめてください妹紅さん!思い出してしまいますわ…!!
272:第八世界存在いーすん
>>271
グロホラーの克服は出来てないんですね…それはそうとゴア・マガラの脱皮シーンですか、前のノヴァ爆破もそうですがゲーム機でしか見れなかった名シーンを生で見れるのは良いですね
273:このすばでいいですとも!
ノヴァの爆散が名シーン…?
274:廻る呪いの赤い霧
ノヴァがカスって言うのが判明したから名シーンにしてもいいと思うぞ()
275:星々見渡す破滅因子殿
しかしゴア・マガラの脱皮か…嫌な予感がするのは気のせいであれば良いのだが
276:一斬必殺の鳩
ゴア・マガラが甘えん坊過ぎて自力で脱皮出来ないとかありそうだけど、余程の事がない限り脱皮は出来るでしょ
277:月の薬師の守護龍
>>276
件のゴア・マガラは確かに身内に甘えていたが、その身内がいない間は1匹で狩猟生活をしてたらしいから問題ないと思うがな。さてと久々過ぎてやり方を忘れたな…確かこうするのだったか
278:【システム】
月の薬師の守護龍のリクエストを受託
Live配信モードを起動します
279:ワンピ世界の国背負いの蛇神龍
お、上手いこといってるよ
「こんにちは、この度はクロの脱皮に御付き合い頂きありがとうございます。永琳先生、龍護さん」
「私は医者としての仕事を果たしに来ただけ、そう固くならなくて良いわ」
「俺もクロを見張りに来た訳じゃないからな、気楽に接してくれ」
「わかりました、…あ!脱皮が始まるみたいです!」
目的地である命蓮寺に辿り着き、そこの住職である聖白蓮と聖命蓮がクロを座らせてから迎えられる龍護と永琳。命蓮の挨拶が手短になってるのは彼等にかつて面識があったからで、それは遡ると…平安時代辺りである。では何故この2人が生きてるか、についてだが…その答えは2人が人間を辞めているからだ。
人間を辞めた理由として、白蓮と命蓮はクロが自分達を庇って瀕死になった際自分達も死に対して恐怖した。それだけでなく自分達は寿命で長く生きれないが、クロは竜…自分達よりも長く生きるので仮に自分達が寿命で死んだ場合クロを置いて行くことになってしまう。その事態を恐れた2人は最終的に人間を辞める選択肢を選び、人・妖・竜の共存を掲げた仏教を広めていた訳だが…それが原因で昔の人間に異界へ封印されていたのだ。
「…鈴仙から話を聞いたが、よく無事に戻って来れたな」
「ええ、これも私達の道に着いてくることを決意してくれた皆のお陰です」
「星さん達が居なかったら、姉様と私は未だ魔界を彷徨ってたでしょう…皆さんには感謝しかありません」
「そうか…お前達にも良い仲間が出来たんだな」
「盛り上がってるところ悪いけど静かに、彼の鱗と甲殻が剥がれ始めたわ」
異界へ封印されてた2人だが、2人の仏教について来てくれる者達の助力で現世に戻ることに成功したようだ。龍護はその異変解決の宴会に行ってない為鈴仙から軽く話を聞いていただけだが、改めて2人から話を聞いて優しい目で2人を見つめながら翼脚で頭を撫でている。2人は頬を赤くして恥ずかしそうにしていたが…永琳が3人を鎮めるように諭す。
見ればクロの背中の右側から黒い鱗と甲殻が剥がれ始めており、右翼脚と右の翼膜の一部、そして頭部の右側から狂気を孕んでいる黒とは対照的な少し独特な光沢を持つ純白の鱗と甲殻、そして頭部からは角が姿を現して行く。
「クロの身体が白くなってる…!?」
「…まるで生まれ変わってるみたいだな」
「クロ、頑張って…!」
「………ん?」
このまま順調にいけば脱皮は無事終わる…そう思った時永琳が違和感を持った。そう、クロの脱皮が進んでいないのだ。右半身の一部は鱗と甲殻が剥がれて脱皮出来ているのだが、その他部位が全くといって良いほど鱗や甲殻が剥がれていない。剥がれが止まった時点で永琳は気づいたようで、彼の身に何が起きたのかを分析し始めている。
クロの脱皮が進んでいない事は白蓮達も数分経って分かったようで、白蓮は手伝うべきなのか、それとも見守るべきかで混乱し始めてしまう。龍護と命蓮も表情こそ冷静だったがクロの突然の脱皮停止には杞憂の感情が漂っており龍護はいざという時の為、今回持って来たカティラに手を掛けている。このまま脱皮が止まった状態では脱皮不全でクロが死んでしまう…医者としてそれだけは避けなければと永琳が考えたその時。
「GUU…GUGYAA…!!」
「クロ!苦しいのですか、そうならば手伝いに…!」
「待って!今のクロ君に近づいちゃ…!!」
クロが呻き声に近い声を唸り始め、それが聞こえた白蓮はクロが助けを求めてると感じて彼に接近し始める。今のクロはかなり不味い状態だ、そんな彼に近づけさせる訳にいかず永琳が止めようとするが…白蓮はかなりの速度で走っていきクロにドンドン近づいていく。
「…俺が行く。永琳、今の内に矢文を飛ばしてメル達を呼んでくれ」
「分かったわ、すぐ飛ばして来ます!」
「私は…」
「命蓮、もしもの時はお前に白蓮を任せるぞ」
「…はい、任せてください!」
そんな白蓮を止める為、龍護はカティラを翼脚に持たせて彼女を追いかけ始める。緊急事態に備えて命蓮にも待機させて足を早めるが…先に白蓮の方が辿り着いてしまいクロに触れかけた…その時。突如命蓮寺…いや、幻想郷全体に振動が走り白蓮はそれに足を取られて転けてしまう。
すぐ立ち上がってクロの側に寄ろうとする彼女だったが、その前にクロが左翼脚で彼女を掴んだ後投げ飛ばす。白蓮は驚いた表情をしていたが空中で受け身を取ってすぐに立ち直り、クロにまた近づこうとした…が。立ち直って自身の視界に飛び込んできた、衝撃的な光景に動きを止めた。
「GYUA…GYIOO…!!!」
「………」
「あれは…!?…いえ、まずはクロを解放しないと…!!」
「今は下がれ白蓮、俺がなんとかしにいく…!」
「龍護さん!」
見れば苦しんでいたクロが、クロをそのまま大きくして角が生えた様な独特の光沢を持つ黄味を帯びた純白の鱗と甲殻を持つ竜…いや、龍であるシャガルマガラに首を掴まれていた姿でクロを解放しようと巻物を取り出す白蓮。しかしこのまま突貫しそうな彼女をなんとか制止して、猟虫を打ち出しながらクロの救出に向かう龍護。
龍護の言葉を聞いて苦々しい表情ながらも一度引いていく白蓮、彼女の撤退を一度だけ振り向いて確認した龍護はクロの首を掴んでたシャガルの頭部に虫を纏わりつかせ、棍で攻撃していく。最初は龍護を無視していたシャガルだが、彼の攻撃に顔を顰めクロを一度離して龍護に敵視を向ける。
「相手をしてやる…こい」
「GYUOOOOOOO!!!」
龍護の挑発に乗ったかは不明だがシャガルは開戦の咆哮を上げ、周囲に黒の狂気に満ちた瘴気を撒き散らし始める。龍護はその瘴気に警戒を向けつつ、猟虫でエキスを順調に回収し…シャガルに刃を向けた。
280:星々見渡す破滅因子殿
…やはり起きてしまったか
281:一高教師の❾=熾天使
>>280
ほぼほぼフラグ建築発言だったんだよなあ…
282:引き換えチケット
それよりクロ君?って子はなんで脱皮出来ないの?普通は脱皮出来そうだけど…
283:星々巡る不死鳥
>>282
ゴア・マガラとシャガルマガラには奇妙で残酷な関係があってな…コイツらはウイルス(正確には鱗粉)を扱うって言うのは聞いてるだろうからそこは飛ばす、問題は…シャガルの放つウイルスにはゴア・マガラの脱皮を強制抑制する効果がある。シャガルマガラのウイルスの効果範囲は結構広めでな、脱皮するならシャガルのウイルスの効果範囲外に逃げれば良いのだが…そうなったらシャガルが逃げようとしたゴア・マガラを縄張りを離れてでも始末しに行くんだよ
284:星々見渡す破滅因子殿
故にシャガルマガラは世界中何処を探しても1匹しかいない特殊な龍となっている。そして…今回クロ君が殺されそうになってる理由が恐らく、脱皮場所の幻想郷が今来てるシャガルのウイルスの効果範囲外だったからだろう。そして今のクロ君はゴア・マガラでありシャガルマガラでもある竜と古龍の境界線にいる状態だ。今の状態の個体は混沌に呻くゴア・マガラと呼ばれており、普通のゴア・マガラとシャガルマガラより遥かに危険な竜とされている
285:ひとつなぎの魔神さん
>>283
>>284
マジもんのヤッベーイ!!奴じゃないですか…しかも聞いた限り竜の姿で古龍の力が暴れ回ってる訳ですよね?短期決戦しなきゃクロ君が死んじゃうんじゃ…
286:蒼の月光
>>285
しかも脱皮しちゃったからゴアにも戻れない状態、まさに混沌に呻いている訳か…しかし龍同士(片方人間の姿)の争いなぁ。ちょっと面白くなってきたから、このままLive頼むよイッチ!
287:星々巡る不死鳥
>>286
多分見てないと思うがあのなぁ…イッチ、シャガルの弱点は火、龍属性だ。イッチの武器的相性やゾシアの相性的に有利だ、だからと言って油断はするなよ
シャガルと龍護が戦い始めて数分後、永琳の矢文を受け取ったメルやマガド、雷牙達は命蓮寺に集結していた…のだが。シャガルと半分シャガルのような姿になりかけて、力を抑えれないクロの放つ狂竜ウイルスのせいで接近を拒まれていた。メルも呼ばれたから来たが、この状況を見るなり一言ピシャリと告げる。。
「召集に応じましたが…結論から言います、マガドさん達では無理です」
「なっ…!?」
「…力に、なりたかったが…すまん、無理だ…」
「WACYUOO…!!」
「白蓮さん、クロ君と目の前の龍の持つウイルスは人間からしても十分危険ですが、マガドさん達竜からすると私の扱うキュリア以上の猛毒なんですよ。龍護さんは能力?と言うのをお持ちしてるので戦えていますが、マガドさん達はウイルスを吸った瞬間ほぼ終わりですからね」
メルの発言に驚く白蓮、だがクロとシャガルの放つ狂竜ウイルスが竜にとってはキュリア以上に危険であるとまるで自分が感染したことがあるかのように話しており、彼の言葉に偽りがないと察した白蓮は黙って口を閉ざす。命蓮もメルに何か言いたげだったが彼の話を聞き、納得せざるを得ないと直感したのか黙って頷く。
とはいえメルは全員が戦えないとは言ってない、彼は背中に懸架している突撃槍と盾を取り出しておりその眼光と刃から闘志が窺える。メルは動作確認と言った様子で槍を回転させて地面につけた後、2人に告げる。
「…まあ、私は行きますよ。大自然の中ならまだしも、
「……私達はかつてクロのウイルスに感染しましたが、なんとか克服して耐性があるので私は行きます。姉様は?」
メルは2人に選択肢を出しつつ、槍を構えて突進の溜めを開始する。暫く無言になる場だったが、命蓮は覚悟が決まったのか自分の姉に意思を伝え、姉の返答を待つ。そんな白蓮の返答は…
「…分かり、ました。何故あの竜がクロを殺そうとしているのかは分かりませんが、クロは私達の家族です。あの竜には悪いですが…帰って貰います」
「…了解です、ではそうですね…龍護さんに話を通しておきましょう、かッ!!」
人・妖・竜を平等に扱う、と言う意思の元討伐ではなく撃退を選ぶ白蓮。メルは最初彼女の判断を甘いと思い、表情には出さずに何も言わなかったが…彼女の掲げる信念を思い出し、ならばそれの実現を手伝うのも面白いと考え龍護にも白蓮の意思を話しに行くのと同時に槍で突進を開始。龍護に集中していたシャガルの右後脚に槍を突き刺した。
「私達も撃退しに行きますよ、命蓮!」
「はい、姉さん!」
…この龍、シャガルは脱皮して間もないからだろうか、俺が暴走してた時に戦ったクロよりも動きが鈍く、少し不慣れな感じがする…それは正直助かるのだ、勝つのが此方の勝利条件であれば楽というか速やかに遂行できるからな。だが…掲示板を見る限りそれだけでは駄目そうなのがな。
シャガルは俺の空中乱舞に追いつけておらず、滅茶苦茶にあのウイルスの塊のブレスを吐いてくるのだ。正直それは困る、ブレスはなんとか結晶を使って霧散する前に封じ込め、着火して燃焼殺菌をしているが…ならばとブレスを封じようとすれば、今度は俺以外下手に近づけないクロを巻き込む可能性がある。今のクロは自身の力を必死に押さえ込んでいるが、何かの拍子でいつ暴走してもおかしくないな…。
「GYAOOO!!?」
「よっと…援護に来ました、龍護さん」
「メルか…お前が来たなら、クロの防衛を頼む。奴のブレスを封じる為に接近戦を仕掛けさせてもらうぞ」
「それは構いませんが…今回のあの龍の始末ですが、討伐ではなく撃退を目標にして貰いたいそうで」
…撃退、か。恐らく白蓮達の意思だな、俺も撃退で済むならそれで終わらせたいが…情報を見る限り此奴を撃退してもウイルスを焼き払わなければ、クロは脱皮できんからな…そう言えば蒼焔はどうした?
「…所で蒼焔は何処だ?」
「彼はこの幻想郷の結界の修復に駆り出されている、と本人から聞いています。なので彼の助力はないものと考えてください」
…蒼焔がいないとなると…クロの生命の猶予が分からんな、今のクロは短命な訳だがそれが何処まで寿命を削られるものなのか分かったものじゃない…ならばこうするか。
「メル、手短に作戦を言う。奴を圧倒して叩き潰し、此処を
「ふむふむ…畏まりました、それでは尻尾の1つや2つ、切っても構いませんね?」
「(尻尾は基本1つしかないものだがな)ああ、構わん。時間に猶予は余りないものと思え…!」
「GYUAAAAA!!!」
…悠長に会話をしているとシャガルが舐められてると悟ったか、俺と似た翼脚で俺より素早く振り下ろしてきたが…会話の間でも棍は振り回してたんでな、2連斬りを止めて強化急襲斬りに派生し攻撃を相殺。相手が体勢を崩した隙にメルが溜めを解放した突きを放ち、俺も空中へ飛び上がって奴の身体を少しずつ切っていく。
俺の読み通り奴はブレスを撃ってこず、肉弾戦に切り替えて俺達を詰めてきているがそこは年季の差だ…相殺できる攻撃は相殺し、出来ないものはメルに任せる。そうして奴の余裕を擦り減らしいく…そうすると奴が怒りからか奴の身体からウイルスが放たれ、今は昼の筈が周囲が暗くなっていく。
「奴も本調子と言ったところか、此処で畳み掛ければ良いが…」
「足元を掬われないように警戒しながら行きま…」
「GYAOOOOO!!!」
「っ!メル!!」
段々とエンジンが掛かってきてるシャガルの、翼脚による掴みを構えた突撃でメルが地面に叩きつけられた…!まずい、メルはクロの付近で彼を防衛していた…シャガルも無論その事に気づいているからこそ、クロの息の根を止めようしている…!!棍を地面に突き飛び上がり、操虫斬りの方で無理矢理接近してるが強化急襲突き…くっ、これでも止まらんか…!!
此処から飛天螺旋斬に繋げれるが、俺の今の位置はクロとシャガルに挟まれている。仮に使ってシャガルを止めれたとしてもクロも巻き込んでしまう、龍の姿…もクロを巻き込むな…打つ手無しか…!?
「命蓮!!」
「任せてください!!」
「「せー、のっ!!」」
「GYIAAAA!!?」
…ハハっ、マジか…初めて会った時は身を震わせて立ち塞がっただけの少年少女が、此処までの筋力化け物になるとはな…四脚で踏ん張ってる筈だろうシャガルを持ち上げて地面に叩きつけるとは……?2人から紫のオーラが見えるし、金と紫のグラデーションの髪が黒に染まってる…まさか俺みたいな事になってるのか…!?
「…2人とも、その髪は…!?」
「これですか?クロの力に自ら感染する事で、私達が修めている肉体強化の魔法と併用して身体能力を爆発的に上げてます。決して暴走などではないのでご心配なく…ただ」
「…そうか、良かった…む?ただ?」
自ら感染することで力を得る…か。何処のゾンビ世界のウイルスみたいな事してるんだよ…しかし俺がそう思った束の間、彼女は困ったような笑顔で拳を握った直後。
「その…
「GYUOAAA!!?」
「…御二人さんは凄いですねえ…私はクロ君の面倒を見とくので、龍護さん任せましたよ」
「…私も姉さんと同じく余り上手く加減出来なくなるので、何も言えませんけど…あそこ迄はやってしまうんですよね…」
…恐るべし、狂竜ウイルス…竜にとっては死活問題なのに、どうして人間にかかるとああなるのか…それはそうと2人の尽力でメルが復活してくれ、クロの防衛に集中してくれる。なら俺は操虫棍の身軽さなどを活かして空中からの奇襲や遊撃をやるか、…と思ったが。
白蓮と命蓮が拳と錫杖の攻撃を繰り出して、命中させる度に2人の動きが加速してる気がするんだよな…いや、それに追いつけないわけじゃない。そう言うわけじゃないが…2人と出会ったのは詳しく覚えていないが、900年ぐらいのはず。…1000年の時の流れがあると言えど、此処まで強くなれるのか?相手が恐らく護龍ゼノと同じ生まれたての古龍(どちらかと言うと脱皮直後)だ、それで押せてる可能性があるが…まあ、2人の保険として構えておくとしよう。
「白蓮、命蓮、相手を撃退させるのが無理そうだと感じたらすぐに交代しろ。短時間で仕留める」
「ありがとうございます、でも…あの子だってただ生きてるだけです、ただ生きていて同族を何らかの理由で殺さなければならない…甘いと思うかもしれませんが、それでも私は彼を殺すことはしたくないです」
「私も、寺の方針に背く真似はできるだけしたくないですからね。…本当に、本当に仕方がない時は勿論寺の意向に背く覚悟は出来ています、心配しないでください龍護さん」
「…お前達がそう言うなら、もう少し様子を見てやる。だがクロの状態が悪くなったら有無を言わさず狩りに行くからな」
「分かって…ます!!」
「GYUOOO…!!?」
俺の会話に応えつつ、拳と蹴りでシャガルを飛ばす白蓮と錫杖の見事な杖捌きでシャガルの攻撃を上手く捌いている命蓮…恐らくクロとシャガルの行動に似通う部分が多々見受けられるから、捌けてるだろうがそれでも普通はやろうとはならないんだよな…そう言う意味では命蓮もある種
2人の纏うオーラがいつの間にか青に変色しており、恐らく狂竜症の克服が間も無く終わるのではないのだろうか。2人の髪も微妙に金髪がチラチラ見えるしな、そしてそれに伴ってか2人の攻撃がシャガルに痛く突き刺さってるのか、シャガルが顔を何度も顰めており2人に対してウイルスの塊であろう地雷を仕掛けて意識外の攻撃で崩そうとしてたが…そこは俺の出番なんでな、竜乳結晶で地雷を封印した後燃焼殺菌させてもらった。
「GUOAAAAA…!!!」
「さて…もう少しで克服しますよ、命蓮!!」
「此処で畳み掛けましょう、姉さん!!」
「俺も空中乱舞しておくか…」
オーラが段々と水色に近い青に変貌している白蓮と命蓮、彼女から克服というワードが聞こえたので俺は2人と共に攻め込む為お得意にもなっていてる空中乱舞を3回披露、そして…
「いざ…南無三!!」
「破ッ!!」
「(素手で誕生したばかりの古龍を圧倒出来るのか…)ついでにくれてやる!」
「GYUOOO!!?」
白蓮から謎の光が放たれた拳、命蓮からは錫杖の薙ぎ払いを受けて右翼脚が傷つき。おまけの俺の強化急襲突きからの飛天螺旋斬を左翼脚に叩き込んで、シャガルを大きく下がらせる。向こうの息が荒くなり始め、このまま押し切った方が早いのではないか、そう思ったが…
シャガルの視線が白蓮達に向いていたので俺も彼女等の方を向くと…そこにはまさに、仏とも言えよう天光を放つ聖人達が居た。狂竜ウイルスにかかっていた時のオーラが水色になって腕に集中しており、2人の髪も俺のあの姿ほどではないがそれでも少し恐怖を覚える黒が、神々しい金色に変貌を遂げていた。
「…GYAOOO…」
シャガルがそれをどう思ってるかは分からんが、2人を呆然と見ているあたり恐らく2人を神か何かに誤認してる可能性が無きにあらず…ってか、シャガルマガラは目があったのか。ゴア・マガラには目がないものだから、てっきり目がないのかと思ってた…まあ、それはさておきだ。
白蓮と命蓮がシャガルに話しかけ始めたな、距離的に話が丸聞こえだったので…要点を纏めるとこうだ。
『貴方にも何かしらの事情があって、クロを殺しに来たことは分かります。でも、私達もクロを殺されたくないのです。だからお願いします、どうか此処はお引き取り願えますでしょうか…?』
『仮に貴方がこのまま帰らず、クロを殺すのであれば…私達も貴方を撃退ではなく、討伐をします。それでも構わないなら相手をしましょう』
「GUUU…!GYAOOO!!」
2人の話にシャガルは唸りを上げて抵抗したが、奴には俺が棍で再び叩き潰させてもらった。そして自分の立場を漸く理解したのだろう、変に噛み付くことはなくなったが…今度は不満が籠る唸り声を上げており、その正体を探る為に俺はメルを呼び寄せてシャガルの話を聞くことにした。2人には一旦下がってもらってな。
「何がそんなに不満なんだ?俺達が聞くぞ」
「……GYUOAAA」
「…成程、我々の種族の成体は世界に一体しか居てはならない、我々の成体が増え過ぎれば生態系を壊してしまう。だからこの謎の壁を壊してでも成体になりかけ寸前の奴を殺しに来た…訳ですか。そうですねぇ、なんと説得するのが正解でしょうか」
「なら私にお任せを」
クロの種族…ゴア・マガラ、シャガルマガラの関係は非常に繊細なものらしく、生態系の破壊を自身でも理解している程とはな…確かにシャガルマガラが増え過ぎれば、生態系にゴア・マガラが大量発生、過剰増加が発生するだろう。
それ以外にも何かしらの理由はあるのかもしれないが、それでも幻想郷の結界を破ってクロを殺しに来たのだ。シャガル…というよりマガラ系統の血の定めが悪いと思われる。それはそうとシャガルをどう説得するか、とメルと話し合おうとした所俺とメルの隣に隙間が開き、中から紫が出てきた。彼女は俺がどうやって話すのかを尋ねようとした所、言語の境界を操って言葉を通じさせたのかシャガルと話を進めていく。
「…と言った感じで、幻想郷には貴方が住む世界とは全く別の生態系が築かれているの。そしてその生態系の調和を保つ為に彼…クロ君が必要不可欠。なのでクロ君を外の世界に出させない代わりに、クロ君を見逃してもらえないでしょうか?」
「………GYUOAAA」
紫の説明を理解したのか、彼女への警戒心を…解いていないがそれでも大人しくなるシャガル。幻想郷は余程の事がない限り、中から住人が出たりする事はないからな。…俺と永琳?さあ、何のことだろう。兎も角シャガルは此処でクロが脱皮しても外の世界の者達に気づかれることがないと分かり、ならばと言った様子で自身が撒いていたウイルスを収集していく。
先程まで陽の光を遮るほどの濃度のウイルスがあっという間になくなり、辺りが明るくなっていく。どうやら戦っている間に夕方になっていたらしく、夕陽が差し込んできていた。シャガルは白蓮達に近寄って翼脚でクロの方を指し、俺達もそれに釣られて見てみると…
「…GYUOAAA」
「クロの脱皮が再開した…!」
「良かった、生きてて…!」
シャガルがそっぽを向いていたがウイルスの影響がなくなったクロの脱皮が再開しており、残っていた左半身、頭部、翼の膜の黒い鱗や甲殻が剥がれていき…シャガルと同じ光沢の金色の身体が現れていく。そして最後に頭部からもう片方の角が伸び、目元の鱗が剥がれ…ゴア・マガラの時にはなかった瞼が姿を表す。
「………GYAUAAAA!!?」
脱皮が完全に終わり自分が死んだと錯覚してたからかしばらく寝転がってたクロだったが、徐々に目を開けていき自分が生きている事に驚いていた…だが自分の前にいる同族、そして家族を見つけて表情が驚きから喜びに一瞬で変わり…直様2人と1匹を翼脚で抱きかかえた。
「GYAOOO!!GYAUAAAA!!」
「よく頑張りましたよ、クロ!貴方格好良くなったわね!」
「クールになったかと思いましたけど、これはなりそうにないですね…」
「…GUOAAA」
白蓮は心からの嬉しみを含んだ笑みを、命蓮は表情こそ苦笑いだが彼の抱擁を受け入れておりシャガルは『マジかこいつ』と呆れオーラを全開にしながらも、クロの天真爛漫さに最終的に苦笑いしていた。…今回は狂竜ウイルスの事もあって、マガド達や永琳を遠ざけてしまったがぎりぎり何とかなって良かった…脱皮不全が少し続いたクロに後遺症が残らんことを祈ろう。
その後Liveがついたままだった事もあり、ニキネキ方に色々と質問攻めを受けたが何とか流し。シャガルは紫の隙間で外の世界に送還され、平穏が漸く訪れた。紫はこれ以降結界を強化する様で、永遠亭に遊びに来た蒼焔と藍が愚痴っていたが。…2人とも気まずそうだったのは何だろうか。兎に角幻想郷はいつも通り人・妖・竜が共存する世界に…
「龍護さん!貴方は私の神社の御神竜よね!?だったらうちに来てちょうだい、あの僧侶の所の竜が脱皮したのと山の神社が妖怪や竜と協力した新事業のせいでうちの参拝客がさらに減ったのよ!参拝客を取り戻す為に協力してちょうだい!!」
「…そういえば俺、博麗神社の御神竜だったか…別に構わんが霊夢が進歩せねば、何も変わらん気がするがな…」
「…さあ、手伝ってちょうだい!」
「無視かよ…」
なったは良いが、クロがシャガルマガラに至ったお陰で命蓮寺の修行僧が増え、更には諏訪子達が新事業を打ち出して参拝客を増やしたらしく元々参拝客が少ない(らしい)博麗神社が更に寂しくなったんだとか。…妖怪達には尋ねられてる(客かどうかは別として)のだから、それで良いのではないか…?だが言っても聞かないと思うので仕方なく俺は霊夢に協力してやった…後日、妙に腹部を気にしてる華扇に霊夢諸共説教された。竜の姿で精一杯、不慣れな神々しい振舞いをしただけなのに解せぬ。
おまけ 龍護「凄い職場結婚だ…」メル「欲望を抑えきれなかっただk」
「紫様が色々とお忙しいのは解る、解るのだが…結界の管理くらい手伝ってくれても…」
「ま、まあ…紫様に手伝って欲しいのはそうですけど…僕は楽しいですよ。こうして藍さんと仕事するの」
「…そうか…蒼焔が楽しいのなら、それで良いんだが」
「…あ、そうだ藍さん」
「な、なんだ?(この流れ…まさか!?)」
「この前人里で美味しそうな茶菓子屋を見つけたので、今度2人で食べに行ってみましょうよ!」
「…そ、そうだよな…蒼焔がそんな事言う訳ないか…分かった、また今度行ってみよう」
「!はい、今度行きましょう!」
(…蒼焔が私の事をどう思ってるのか分からんな…む、そう言えば…)
『藍しゃま、蒼焔しゃま、橙は弟か妹が欲しいのです!』
この時、藍の脳内に突如溢れ出す存在しそうで存在しない記憶!「橙はそんな事言った覚えはないです!」
「…なあ、蒼焔」
「はい、なんですかぁ!?」
※蒼焔君は藍に押し倒されてます。
「…ら、藍さん…?」
「蒼焔、お前は私の事をどう思ってる…?」
「…え、えっと「好きか否かで答えてくれないか…?」……好き、です」
「…そう、なら…」
「ちょ、ちょっと藍さん!?」
「…私は!お前が…お前が欲しいんだ…!!愛おしいくて愛おしくて堪らないんだよ…!他の女に奪われるって考えたら、気が狂いそうで…」
「…僕は藍さん一筋ですよ」
「!…じゃあ…今お前を食べても良いな?」
「え!?そ、それは心の準備ってのが…!!」
「…橙が弟か妹が欲しいって言ってるんだ…いただきます♪」
「…愚痴のついでに惚気話をするとは、色んな意味で成長してくれたな蒼焔」
「藍さんは独占欲強いですけど、僕に甘えてる時がいつもと違って可愛いから困るんですよね…」
「俺相手だから言っても構わんのだが、余り言いふらすなよ。時と場合によっては色々と面倒事になるからな」
「貴女…蒼焔君が竜だったから良いものを、普通の人間なら死んでる所だったわよ」
「…控える様善処します」
「それは控える気のない人が言う台詞なのよ」
一話で完結した理由をお話ししよう…混沌ゴアの寿命が非常に短いからなのじゃ。なので今回は討伐ではなく、隔離された世界と外の世界にシャガルが1匹ずつ居座ると言うことでなんとか纏まりました。
聖姉弟が古龍に対抗できたのはクロの高濃度の狂竜ウイルスに感染した+相手が若造だったから、やっぱ狂竜症【蝕】って頭おかしいと思う。ちなみに2人に武器を使わせるとなると命蓮君は操虫棍な気がしますが、白蓮は…ハンマーかな?
もこたん♂「大剣とかも良さそう」
…何故か白蓮には一撃必殺系の武器を持たせたくなるんですよね。それはそうと次の後日談はかの黄金蟷螂君です。
何かしら人気ありそうな方々で人気投票をやってみた
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白崎龍護
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八雲蒼焔
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クロ君
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メル・ゼナ
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怨嗟マガイマガド
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ヌシジンオウガ
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藤原妹紅♂
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鋼華刹那
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マガイマガド(コテハンニキ)
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ゴルベーザ
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ハン
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イストワール(図書院長)
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シン
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霍青娥(やべー方)
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作者「え?」
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ラインハルト卿