守護龍として造られたらしいけど、特に護る義理はないので好きに生きます   作:シェリーザ

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霊夢の例の技&モンハンのとあるアイテムについての調査中…

作者「うーん、これなぁ…霊夢の方は龍属性なら攻撃できる&弱点突ける設定つければ良いけど、紫苑と蟷螂関連の展開どうするか…」

作者「………せや、紫苑を薬厨の類にしよ!!」

と言うわけで始まります。

刹那「何を言っているんですか!?」


蠢く墟城のエゴイスト(中編)

全身瓦礫と兵器塗れの巨竜アトラル・ネセトが顕現し、それの影響で周囲に砂嵐が発生して空模様も不気味になり窮地に陥る霊夢と華扇。アトラル・ネセトは2人に向かって早速、その巨大な瓦礫の塊である脚を振り下ろし攻撃していく。とは言え動作自体はアトラル・カよりも少し遅めなので霊夢は余裕で回避を間に合わせ、突破方法を探ろうとする。

 

だがアトラル・ネセトは凄まじい質量を有しているのだ、勿論ただの踏みつけで終わる訳がなく衝撃で岩盤が砕けて隆起。その巨大な破片が霊夢達に飛んでいきギリギリで勘付いた霊夢はそれを躱して事なきを得るが…アトラル・ネセトの上部から砲弾とバリスタ弾が打ち出されて休む余裕が削られる。近づけば踏みつけの影響をもろに受け、離れれば紫苑からの攻撃がくる。

 

「…しょうがないわね、もしかしたら弾かれて元の肉体に戻るかもしれないけど許してちょうだいね」

 

『霊夢、貴女まさか…!』

 

「そのまさかよ…『夢想…転生』!!

 

ならばと霊夢は此処で奥の手を使うことを決めた模様、華扇は霊夢の取ろうとしている行動に予想がついたのか少し心配そうな声をあげていたが…霊夢が問題ないのを示すような冷静な声で彼女を諭し、懐からカードを取り出してそれを宣言。すると…彼女がこの世界から()()()

 

「(…博麗の姿を捉え辛くなった、あれもスペルカード?とやらの力か?…まあ良い、試せば分かる…)…気をつけろ紫苑、奴の様子が変わった…!」

 

「う、うん!」

 

霊夢の姿を視認し辛くなった事から霊夢が何か力を使った、或いは解放したと推察し紫苑に警戒を促すアトラル・カ。紫苑はアトラル・カの警告を素直に聞いて、視認しづらい霊夢から目を離さず命中の安定を取って速射砲に乗り込んで彼女に弾を当てる…

 

しかし速射砲の弾は確かに霊夢に当たった、にも関わらず彼女の身体をすり抜けアトラル・ネセトの足元に潜り込まれる。こうなれば紫苑が手を出す事はできず、アトラル・カが何とかして霊夢を止めようと四脚を奮い踏み潰そうとするが…どの脚も例外なく彼女の身体をすり抜け、逆に反撃を受け始める。

 

「これを操ってるのは糸よね…なら、瓦礫の隙間を縫って糸を切れば崩せるんじゃないかしら」

 

「…!紫苑、掴まってろ!奴が我が墟城の仕組みに気づいた…!!」

 

「っ、私が止めに…!」

 

「止めろ、お前では恐らく『ガアアアン!!!』

 

「きゃあ…!?」

 

「ギギッ…!!」

 

「…ありがとう、ルカ」

 

霊夢が右前脚に当たる瓦礫の隙間に張り巡らされている糸を見て、それに刃を当てて切断を開始。アトラル・ネセトの弱点に気づかれたと察したアトラル・カは紫苑に瓦礫に捕まるよう叫ぶ。紫苑はアトラル・ネセトを崩そうとする霊夢を止めようとするが…その瞬間にアトラル・ネセトの右前脚に当たる部分の糸が千切れ、墟城が大きく揺れて動きを止める。

 

その衝撃でアトラル・ネセトの外に投げ出されかけた紫苑だが、アトラル・カが繭から一度出て彼女を左鎌で捕まえ引き戻す。アトラル・ネセトの内部に引き戻された紫苑はアトラル・カに感謝しつつアトラル・ネセトの内部に掴まる。脚を急いで修復すれば完全に崩される事はまだないだろうが、このままでは破壊されるの目に見えている。

 

(早急に対策を立てねば、だがどうする…奴は脚から登れる事に気づいているだろう、このままではこの墟城の中枢部に辿り着く…腐食ガスは効か…待て、あれは奴の固有の力か?仮にそうなら…)

 

「ねえルカ、博麗の巫女は私に任せてもらえない?多分…いや、絶対に私なら止めれるから」

 

「…無理をしたらすぐに回収するからな」

 

 

 

「よいしょ、っと…読み通り登れたわね…この繭を壊せば良いのかしら」

 

アトラル・カと紫苑が小会議を開いていた頃、霊夢はアトラル・ネセトの崩れた脚を介して背中部位まで登り詰めており、アトラル・ネセトの核ともも言える繭玉を発見していた。彼女はこれを壊せばアトラル・カ本体のいる繭玉を叩ける、そう思って太刀を構えたが…彼女の前に1人の少女が降り立つ。

 

「…そういえばアンタも退治しないといけなかったわね…でも今は退きなさい、私はあの蟷螂を退治しなきゃいけないのよ」

 

「こ、此処は通さない…!この繭を壊したいなら…私を倒してからにしなさい!!」

 

「アンタの弾幕は私には効か…!?」

 

霊夢の前に降り立ったのは、先ほどの布服と違い対照的過ぎるまさに女王という風貌を思わせる金の鎧を纏った紫苑。彼女は自身の力を込めた弾幕を霊夢に対して放ち、彼女を繭に近づかせまいと牽制する。対する霊夢は今の自分は全てから浮いてる言わば無敵状態、紫苑の弾幕をものとせず突っ込もうとするが…

 

突如紫苑の弾幕から悪寒が走り、大きく宙返りして弾幕を躱す。何とか回避して事なきを得るも、後続の弾幕を避けきれずギリギリで()()。霊夢の浮いていた姿が引き摺り下ろされたらしく、彼女の姿が目視しやすくなる。紫苑はそれを見て自分の手から発する赤黒い稲妻を身に受けながらも、その稲妻を纏った弾幕を放って霊夢を攻撃し続ける。

 

「やっぱり、この実の力を乗せれば…!」

 

「っ…アンタ、今自分が何をしてるのか分かってるの!?」

 

「分かってる!!…けど、貴女に勝つ為にはこれしか手がないの…!!」

 

「…!あの貧乏神からどうにかして、あの木の実を取り上げないと…!!」

 

霊夢は紫苑が背中に背負ってる籠の中身が微かに見えたが、それの中身は少し暗めの赤色の木の実…外の世界では龍殺しの実と呼ばれるものだが兎に角それが自分にも、紫苑にも危険なものだと即座に理解。彼女は自分の懐に手を入れて何かを探るも今回の戦いでは不要だと思ったのか、入ってないことを思い出して苦虫を噛み潰した表情に変わる。

 

このままでは自分があの実の秘める力にやられるのもそうだが、紫苑の身が持たない。彼女の弾幕をグレイズ、最悪被弾してでも奪取しようとするが…アトラル・ネセトが揺れ始め、ガスが噴き出す。先程の実の力を受けている霊夢は、喰らうわけにはいかないので仕方なくアトラル・ネセトを降りる。そうしてアトラル・ネセトの右前脚が修復し終え墟城は再起動、再び大地を踏み締めて立ち上がりその巨体に見合わぬ跳躍を見せて霊夢から大きく距離を取る。

 

「…紫苑、お前の身体に変化はないな?」

 

「うん、大丈夫だよ」

 

「…博麗の巫女の力をある程度封じればあとはその実に頼る必要はない、だからそれを離さないか…?」

 

「駄目よルカ、博麗の巫女は手強いのよ。私みたいに博麗の巫女の力を徹底的に封じなきゃ…私達は勝てないわ』

 

アトラル・カは先程の会話が聞こえていたのだろう、紫苑に杞憂の声をかけるが…紫苑はそれに無事だと応え、アトラル・ネセトの兵器操作に急いで移る。繭に亀裂を作り彼女の表情を確認したアトラル・カ、彼女の表情を見ると…紫苑は明るい笑顔を見せているが、明らかに無理してるとアトラル・カが分かるぐらいの表情をしていた。

 

アトラル・カは静かに繭の亀裂を直した後に、霊夢のあの力を攻略と同時に紫苑の容態について思考を巡らせながらアトラル・ネセトの操作に臨んだ。

 

〜〜〜〜〜

 

我があの2人に対して初めて抱いた印象は使えそうな駒、だった。我が宮殿を築くにあたって当時、いや今もだが情報源でもある人里に潜り込めない我にとって2人は非常に大切な手足だ。我の巣に潜り込んだのを発見した時の我は愚かにも激情に任せて2人を殺しかけたわけだが…ゴホン、兎に角我にとって2人…特に姉の方、紫苑はどうなろうがどうでも良い存在だった。妹の方は使えると思った、人間の財産を発散させる…それ即ち力の剥奪な訳だからな。

 

だがそれが変わったのはいつだろう、確か…昔に突然雷雨が起きた時だったな。その日も2人には兵器の回収を託し、我は盗み取った兵器の設計図を見て開発や修繕をしていた…のだが。

 

『ルカ、姉さんを…姉さんを助けて…!!』

 

『…ごめ、んね…女苑。役立たずな姉で…ルカも、ごめんなさい…しくじっちゃった』

 

ボロボロの紫苑を肩で支えて帰ってきた女苑の姿を見て我は、柄にもなく作業を放り出して2人の治療を優先した。女苑から聞けば、紫苑の力…複雑だったので要点をかいつまんで言えば自分自身を含めて不幸にする力を持ってるせいで、雷雨や作物の不作、更には災害などの原因を押し付けられ、それらを理由に迫害されたそうだ。それを聞いたところでどうするつもりもなかった、なかったと言うのに…

 

当時の我は何を思ったのか…その集落の者達に竜を仕向けて、滅ぼしていた。あの2人には我が発見した別の集落に向かわせて、だ。今考えても何故あのような真似を取ったのか分からない。だが一つ言うなら…2人に巣を荒らされた時と似たような、いやそれ以上の激しい感情を我は感じた。そうして紫苑の力を理由に紫苑を迫害する者達の集落を竜達に滅ぼさせて幾何年…女苑から最高の報告を聞いた。

 

『ルカー、この赤黒い木の実だけど…これを食べたり、果汁を飲んだりしたら私の能力が発動し辛くなるのよ。これ、何か分かる?』

 

『……!キキ、ホメテツカワス、女苑』

 

『どこで覚えてきたのよその言葉…ってかそれってそんなに良いものなの?』

 

『アア、我ニトッテヒジョウニタイセツ、ダ…』

 

『ふーん、まあ好きに使えば?私にはこんなの要らないし』

 

女苑が見つけた赤黒い木の実…一部の竜が扱う力を封じる力、それを我にとってはごく僅かだが、人間や妖怪(2人は神様と言う存在らしい、どうでも良いが)にとっては十分な量を含む木の実。何処で発見したか気になるが一先ずこれは使えると思い、早速果汁を搾り出した液を紫苑にごく僅かに飲ませた…結果。

 

『…!凄い、私の不幸の力が…抑えられてる…!』

 

『姉さんの力を抑えるなんて…この木の実どんだけヤバいのよ』

 

紫苑を苦しめていた力は鳴りを潜め、彼女の笑顔が増えた。自分の姉の喜びに女苑も共鳴したのか、恥ずかしがりながらも紫苑のことを喜び、我もコマの扱いやすさが更に扱いやすくなった事で喜んだ…だが、それと同時に問題が起き始めた。

 

紫苑の身体が少しずつ、少しずつ衰弱し始めたのだ。前まで女苑と共に飛べていたのが女苑に追いつけなくなっており、更には身体能力も少しずつ低下していた。我はこれに心当たりがあったが、2人には伝えれなかった…恐らく紫苑の衰弱の理由はあの木の実…だが、自分の力を抑えれるあの木の実を紫苑は手放す事はなく、常に肌身離さず所持していた。そして身体の衰弱も進行していく。

 

『ルカ、なんとか姉さんの体を戻せないの!?』

 

『…我は、人間の医者じゃない…すまんが、無理だ』

 

『っ…私が、私があんなの見つけなきゃ…』

 

女苑に紫苑の身体について言われた事もある、我だって紫苑にあの実の使用を止めさせたい。だが…彼女はあの実を失った瞬間、自分は元の貧乏神に戻ると言って離す様子を見せない。そう悩んでる時に…我は原因が自分にある、最悪の仮説を導き出した。

 

紫苑は本来の力である不幸の力を封じたから、自身が揺らぎ始めているのではないかと。そう思いついた我は急いであの力を打ち消す木の実を探した。幸い、その木の実は様々な地域に生息していた為採取が容易で(勿論予め実験体を用意して、試験してから)すぐに紫苑に提供できた。急いでその木の実の果汁を飲ませ、力を封じる力の中和を狙った…が。

 

『…?何も変わらないよ?』

 

『…キ、キ…』

 

彼女にそれを飲ませた時にはもう、手遅れだった。彼女の身はあの木の実の力に蝕まれきっていた。そこから我は何をしたか覚えていない、荒れ狂ったのかもしれないし、放心していたのかもしれない。兎に角我は…打つ手無しだと分かってしまった。

 

紫苑の侵蝕度的に生きていられるのも残り少ない、そう考えてた時女苑が異変を起こそうと言った。なんでも我等が居たこの地は幻想郷、と言う世界に巻き込まれてたらしくそこでは異変という聞けば一種の催し(中には世界存続の危機のものもあったが)が起きてるそうで、自分達も起こそうとの事だった。

 

『…うん、良いねそれ。ルカも一緒にやらない?』

 

『あのね姉さん、ルカは………そうか、竜が介入禁止なだけで、ルカは蟷螂だから参戦できるのね…』

 

『…紫苑が望むなら、やってやらんことはない』

 

『本当!?ありがとう!!』

 

…彼女の目は我と初めて会った時より、薄暗く生気を感じれなくなってしまった…だが自分の生きてた証を残したいからだろう、異変を起こそうとのする彼女の目はほんの少しだけ、明るくなった。女苑も異変を起こすのに賛成し、最終的に我々は異変を起こすことになったのだった。

 

紫苑に残された時間は残り僅か…なら我は駒…いや、紫苑を壊した罪として彼女の起こす異変に付き合おう。我が宮殿を築くのはその後でも遅くはない。

 

〜〜〜〜〜

 

「さっきの実のせいで空が飛べない…それにこの太刀の力も封じられたし…」

 

アトラル・ネセトから降りた霊夢は今からでもこの砂漠に生えてるであろう、自分にかかってる属性を打ち消す木の実を探そうと考えていた。だが先ほどの弾幕のせいで空を飛べないし、なにより自分に簡単に追いつけるアトラル・ネセトが再始動している。

 

太刀の力と自身の力が封じられてそれをすぐに解除する方法がない今、自然治癒を待とうとした霊夢…だがそんな彼女の前に1人の少女が降り立つ。

 

「遅れてごめんなさい霊夢、幽香達は時間がかかるけど、龍護さん達は貴女の言った通り連れてきたわ」

 

「…にとりから撃龍槍を借りれば良かったな…」

 

「WAOAA…!?」

 

少女の名は茨木華扇、霊夢に憑依していた彼女だが夢想転生の影響で彼女の身体から弾き出され、今のように現世に戻ったのだ。彼女の背後には1人の男と竜がつおてきており、白黒の衣装で太刀と弓を背負う男、白崎龍護と同種よりも一回りも大きく、前脚が赤黒く発達し金色の雷光虫を漂わせている竜、雷狼竜ジンオウガのヌシ個体の雷牙。

 

彼等は華扇の応援要請に応えてこの場に来たわけだが…自分の想像していた姿や大きさを遥かに上回る予想外のものであったからか、龍護は少し失敗した、と言う表情を見せており雷牙は驚きから口をあんぐり開いていた。それはさておき霊夢はすぐに彼等に情報を伝える。

 

「龍護さん雷牙さん、あの瓦礫の竜は蟷螂が操作してる言わば装甲よ。糸を切って動きを止めて、核になってる金色の繭玉を破壊すれば、あの瓦礫の竜は形を保てなくなって崩れるわ」

 

「良かった、怨念が籠った存在とかそう言うのではなかったか…しかし蟷螂が相手とは聞いていたが、本当だったのか…」

 

「WAUAA…」

 

「それとあの蟷螂と糸の弱点は恐らく雷よ、龍護さん。この太刀を使ってください」

 

霊夢の情報から作戦を脳内で建てていく龍護、彼女から神斬・雷禍滅裂を鞘ごと受け取り刃を抜いて確認して再び納刀。雷牙は目を細めて繭玉を発見したらしく、気が遠くなっているのか小さい唸りを鳴らしていた。

 

それはさておき彼等は全員空中とかではなく、地上に立ったいた。なのでアトラル・ネセトは話し込んでいた一同を踏み潰そうと両前脚を叩きつける、龍護は霊夢を抱え雷牙は華扇を乗せて大きく後退して回避。同時に起きる岩盤が裂ける程の衝撃波も躱す…が、アトラル・ネセトの背中部から砲弾が降り、辺り一帯に弾が地面に突き刺さる。

 

「…成る程、協力者に人型の者もいるようだな」

 

「その事だけど…その協力者は多分、メルさんが扱う力と同じ力に全身蝕まれてるわ。しかももう手遅れの段階まで進行してて…」

 

「重度の龍属性やられか…と言うか霊夢、お前もなってるではないか」

 

「私はついさっきよ、けどその子は…」

 

「…大体わかった、一先ずあの竜…蟷螂を止めれば良いんだな、任せろ」

 

砲弾の他に飛んでくる大型弩の弾や速射砲の弾を太刀で弾きつつ、それらを撃ち出してるであろう紫苑についての話を聞いておく龍護。アトラル・カの協力者の身体状況が恐らく深刻なものであろう事を想像して、一先ずはアトラル・ネセトを止めようとなり霊夢をアトラル・ネセトから十分離れた場所に避難させる。

 

弾幕を受けた左腕を右手で押さえつつ、彼に頭を下げる霊夢。龍護はそれを止めることはしなかったが、すぐに上げさせる。

 

「ごめんなさい、本当なら私がしなくちゃいけないのに…」

 

「気にするな、誰しもが完璧に事を成せる訳じゃない。俺も昔も、今もそうだからな」

 

「…私は貴方の奥さんと他に頼れそうな人を呼んでくるわ、…後はお願いします」

 

「ああ、任された」

 

霊夢はそのまま砂の大地を走り去っていき、龍護は翼脚で翔蟲を放ち戦場に復帰。アトラル・ネセトを観察していた雷牙と華扇に合流、紫苑の砲撃を浴びていたが涼しい顔をしていたのは別の話である。1人と1匹はどうやらアトラル・ネセトの足元に潜り込んで攻撃を確認してたようで、此方もアトラル・ネセトの踏みつけを躱しながら龍護と合流していた。

 

「龍護さん、どうやらあの瓦礫竜は主に踏みつけと岩盤砕き、突進などで攻撃してくるようです。瓦礫竜の上にいる人?からの攻撃は大砲に大型弩、速射砲などと多彩ですが…」

 

「…ふむ、それぐらいか。なら…いけるな、雷牙」

 

「WAOOOOON!!!」

 

「では華扇、雷牙をあの竜の背中に登れるよう支援を頼む。俺は1人で相手する」

 

「…わかりました、けど無茶したら永琳さんに言いますからね」

 

「…出来る限り無茶をしないよう努力しよう」

 

アトラル・ネセトと紫苑の攻撃を分析した華扇が彼にそのことを伝え、そこから龍護は作戦を立てる。雷牙と華扇にアトラル・ネセトの背中に詰めて対処してもらい、龍護は1人でアトラル・ネセトを相手取る。一見無謀にしか見えない作戦だが1人と1匹は特に文句は言わず、強いて言うなら龍護が無茶をしないように釘を刺すだけである。

 

そんなこんなで彼等は別れ、アトラル・ネセトの正面に移動する龍護。アトラル・ネセトの操縦士であるアトラル・カはもちろん龍護を視界に入れており…繭から彼の姿を見た途端、アトラル・カは彼の存在を鮮明に思い出し繭玉の中で静かに口角を上げながら龍護を踏み潰そうとアトラル・ネセトの左前脚を持ち上げる。

 

「…其処!!」

 

そして振り下ろした瞬間納刀の構えを取っていた龍護が抜刀し、アトラル・ネセトの左前脚の糸の部分に数回の真空の刃が襲いかかる。また踏みつけの衝撃で発生した岩盤砕きも居合の構えで納刀した龍護が、タイミングよく抜刀したことで無力化。加えて気刃大回転斬りによって逆に攻撃を受ける。

 

其処から追い討ちに桜花鉄蟲気刃斬りを放ち刃が赤く染まり、気刃が再びアトラル・ネセトの左前脚に襲いかかり糸が少し解れ始める。それを見逃さなかった龍護はすぐさま太刀を構えて突きを放ち、アトラル・ネセトを足場にして大きく跳躍。気刃兜割りを放って糸を斬っていきそしてそこから太刀を数回振り回して納刀…練気解放無双斬りへ派生して左前脚を斬り伏せ、繋ぎ止めていた糸を見事切断。再び前脚の糸を斬られた事でアトラル・ネセトは体勢を崩して彼が登るのを許してしまう。

 

「一応登っておくが…雷牙達が無事になんとか出来ていればいいのだが」

 

そう言いながらアトラル・ネセトの左前足に手をかけようとした…その時。アトラル・ネセトが大きく揺れ始め、形を保てず元の瓦礫の山へと変わり果てていく。恐らく雷牙達が上手くやったのだろうと考え、龍護は手からの一瞬の揺れをなんとか感知できたため、翔蟲で疾翔けをして崩落に巻き込まれるのを避ける。

 

アトラル・ネセトが崩壊し上から雷牙と華扇が降ってくる…ので、太刀を両手に持ち替え翼脚で1人と1匹を受け止める。受け止めた各々を地面に下ろし崩落が収まるのを待っていると…雷牙達と同じくアトラル・カが紫苑を背中に乗せて同じく降ってくる。アトラル・カの姿を確認した龍護と雷牙は瓦礫の竜アトラル・ネセトを操縦していたのが本当に蟷螂だった事に驚いていたが、彼等は冷静に構えを取る。

 

「…!やはり、貴様はあの時の白い男…!」

 

「あの時がどの時かは分からんが、一先ずお前を止めさせてもらう」

 

「キキ、やれるものなら…やってみろ!!」

 

「!?WAOAAA!!?」「なっ、あれは!?」

 

「…なんだと!?」

 

龍護の姿を繭から遠目に確認し、改めて近距離で見て前と姿が変わってたが姿形はかつて自分が見たものとあまり変わりがなかった事を再認識して彼と対峙することを決意するアトラル・カ。龍護の方はアトラル・カと面識があるはずがないので彼の言葉に首を傾けていたが…ともかく、今回はあくまで討伐をしないと言う意思を示しながら彼に刃を向けると…

 

アトラル・カはその闘志に応えるように地面に糸を吐き、とあるものを引き上げる。引き上げた物体を見た雷牙と華扇の表情は驚愕に染まっており、龍護も勿論驚いている。そう、アトラル・カが取り出したもの…それは先が螺旋状になってる黒く巨大で細長い物体、撃龍槍である。そして更に左鎌には速射砲、右鎌には竜を拘束するのに丁度いい銛のような弾が装填されている大型弩を取り付けており装備が先程よりも強化されている。

 

「私の事は気にしないでいいから、暴れちゃってルカ!」

 

「…分かった、さあ…行くぞ!」

 

「…来るぞ!!」

 

「…!!」「右です!!」

 

紫苑の言葉に顔を少し俯かせながら頷くアトラル・カ、彼は覚悟を決め…両鎌で器用に撃龍槍を振り回し、それを振り下ろしていく。振り下ろされる速度がかなり速く、回避が危ういと思われたが龍護は疾翔けで躱し、雷牙は龍護と華扇の掛け声でなんとか右に跳躍して躱す…が、右鎌に装備した大型弩の拘束弾が発射され雷牙の右前脚に刺さってしまう。

 

雷牙はなんとか引き抜こうとするも抜けず、華扇も引き抜こうとするが…アトラル・カが左鎌の速射砲を構えており、流石にそれはまずいと言うことで彼女がなんとか弾幕で相殺しようとした…所を龍護が地面に翼脚をつけて竜乳結晶を発生させ2人の盾にする。アトラル・カは突然自分の目の前に結晶が現れた事に驚きを隠しきれていなかったが、龍護の姿を見つけた途端それが彼の力であるとすぐに理解したのか、速射砲ではなく左鎌と糸で撃龍槍を構えて彼に振るう。

 

「お前の戦い方は先程見た、反撃主体で刃の色を変えて攻撃の強化…それに加えて色々と便利そうな結晶の生成、それが分かれば後は近づけさせねば問題ない」

 

「…中々にやるな、だが…一つ誤算がある」

 

「クク、なんだそれは?」

 

「それは…俺が雷を扱える事だ!!」

 

「!?ルカ!!」

 

「キキッ…!!?」

 

撃龍槍による超広範囲の薙ぎ払いに接近を拒まれる龍護、アトラル・カは先程自分の左前脚を崩した龍護の戦い方を見て戦法を考えていたようで彼の言う通り龍護は居合抜刀気刃斬りを決めても、アトラル・カには接近できていない。アトラル・カは右鎌の大型弩の様子を見つつも、龍護の行動を抑制するため撃龍槍を回し続けていた…ところ。

 

龍護が彼の分析を誉めると同時に…自分の懐から小さめの結晶を幾つか取り出し、それをアトラル・カに向かって放り投げる。アトラル・カははじめ避けるほどでもないと思い結晶を躱さず、彼に撃龍槍を振るっていたが…龍護の白い髪、籠手、具足が黒の禍々しいものへと変わった瞬間龍護とアトラル・カの目の前に薄紅い閃光が走り、そこに紅の閃雷が発生。それだけならアトラル・カは躱したが彼の付近には結晶が落ちている、閃雷はそれらに触れ…爆発。紫苑が何が起きるか気付き、ルカに声を掛けたが既に手遅れで結晶の爆発を被弾する。

 

「…馬鹿な、お前はただの妖とやらではないのか…!?」

 

「龍護さんは歴とした竜です、でなければ今貴方が背負ってる撃龍槍なんて振り回しません」

 

「WAUOOO!!!」

 

「っ、いつのまに抜かれてた…!」

 

「…成程、妖ではなく竜か…なら、貴様を越す事を目標にするのは正解だった…!!」

 

爆発に少し怯んでたが立ち直り、変わらず撃龍槍を振り回しながら龍護に妖怪ではないのか、そう尋ねると…拘束弾から抜け出し、アトラル・カに前脚の叩きつけ奇襲をした雷牙に乗っていた華扇が訳を答える。何を隠そう、龍護は古龍なのだ。アトラル・カは初めて龍護を見た時、彼を妖怪だと今まで思ってた様だが…逆に龍である事を聞かされて合点が行ったらしく、冷静に地面に糸を吐いて中から撃龍槍の鋒を取り出し、それに回転を加えて射出。

 

幸いにも速度がそこまで加わってなかったことから、撃龍槍の射出の回避に成功する龍護達。だがアトラル・カはそれで終わらせるつもりはなく、背負っていた撃龍槍をぶん投げて追撃。龍護は居合の受け流しでなんとか無傷で済ませ、雷牙は龍護の受け流しに合わせて軌道をなんとか見切って回避した。…それでもアトラル・カは止まらず撃龍槍に巻きつけていた糸を、メジャーの要領で自分を引きさながら立体機動の如く移動と、速射砲を連射して攻撃を両立。

 

「キキッ、貴様等に追いつけるかな…?」

 

「…これは追いつけんな、奴が速過ぎる」

 

「なら反撃主体…て行きたいですが、向こうが遠距離攻撃手段を持っている以上、あまり…」

 

「…WACYAAA…!!」

 

撃龍槍ぶん投げから、糸による立体機動の移動攻撃によって手も足も出なくなる龍護達。下手に速度を持った撃龍槍を受け止めようとすれば、自身の身体を貫く想像が容易であるからだ。龍護は竜乳結晶を生成して速射砲を防いでおり、華扇達も結晶の陰に隠れて防御…アトラル・カはどうしたものかと一瞬考えたがすぐに答えを出した様で、右鎌の大型弩を一旦外して大砲に持ち直し。其処から青い稲光を放つ砲弾を発射。

 

結晶を砲撃で破壊するつもりだった様だが…龍護達は勿論静かに焦る。2人と1匹はすぐさま結晶から距離を取りその直後に砲弾が結晶に直撃。結晶は青い光を放って爆発し、アトラル・カと紫苑は一瞬驚くもアトラル・カは結晶の性質に気づき、大砲に砲弾を装填して龍護達に撃ち出す。

 

「成程、お前の放つ結晶…属性の力で爆発するのか」

 

「…頭の良い奴め、厄介極まりないな」

 

「確かにこれほどの賢さなら、長生きしてるのも頷けます」「WUOAAA」

 

「それならルカ、私が砲弾を作っとこうか?」

 

「…紫苑はそのまま我の死角の警戒を頼む」

 

「…分かった…って、ルカ!右に避けて!!」

 

「ギギ…!?」

 

アトラル・カがすぐに竜乳結晶の性質を見破った事に悪態つく龍護、華扇達もアトラル・カの頭の良さに感服というより引いているが、それでもかなり長い時を生きてるに違いないと予測する。アトラル・カはそれに答えるつもりはない様だが…紫苑が龍護の結晶を突破するのに砲弾を作ろうか尋ねるも、アトラル・カは彼女に自身の死角の確認を任せる。

 

紫苑は不満そうな顔をしてアトラル・カの見えない範囲を見渡した…瞬間。アトラル・カに回避を叫び彼も咄嗟ではあったがしっかり彼女の指示通り回避。そして…アトラル・カがいた所に毒を吹き上げてそうな炎が数発着弾し、地面に燃え上がる。アトラル・カは炎の軌道を見てないが、撃ってきた角度から予測した方角を見た刹那。彼に緑色の竜が突進してきて吹き飛ばされる。

 

「!?貴方は…!!」

 

「…霊夢に言われて来てやったけど、あれが例の蟷螂かしら?って、あら。仙人さんに龍護じゃない」

 

「久しいな幽香殿、…何故貴女が来たかは分からんが、助太刀感謝する」

 

「…WOAAA」

 

また緑竜の側に女性が降りてきており華扇はその人物を見て驚愕する、龍護が言う通り彼女の名は風見幽香…だが彼女は普段花畑にいており移動することは滅多にない、では何故来たのか?彼女と緑竜…エスピナス辿異種は霊夢からの要請でこの場に来たらしく、彼女は相変わらず笑ってない笑みをしている。

 

「ルカ、大丈夫!?」

 

「…問題ない、…それよりあの時我が越えるべきと決めた者達が全員揃うとはな…!!」

 

「…私は貴方の事を全く知らないけどね、でも私達に勝とうだなんて…甘いわよ、蟷螂風情が」

 

「…GUOOO!!」

 

「…華扇、雷牙。一旦下がっておけ、俺の攻撃やエスピナスの攻撃に巻き込まれるぞ」

 

「分かりました、緊急時はいつでも呼んでください!」「WAUAAA!!」

 

「キキ…!では行くぞ!!!」

 

油断してたためエスピナスに吹き飛ばされ壁に激突していたアトラル・カ、彼はなんとか紫苑を庇えてたらしく庇ってもらった彼女の方はアトラル・カを心配していた。だがアトラル・カは彼女を無理やり安心させて頭部に戻し、再び背中に撃龍槍を背負い、大型弩と速射砲を装備し直す。彼はかつて、自分が非力な頃に力を見せつけられた2人と1匹に出会った事で彼等を超えたい、という欲が湧いてきたのか。

 

アトラル・カは両目に強い光を灯らせ、両鎌を大きく上げて威嚇の構えを取り彼等に本気で勝つ意志を露わにした。紫苑も彼の意思を汲み取り、彼に強くしがみつくのだった。




おまけ ワイルドハントもこたん♂

時系列はスターリーワールド後…戦艦ハルバードにて。

「メタナイトー、なんかすげえ事になった」

とか軽く言ってる男、藤原妹紅の現状だが…背中に棺桶や楽器ケースを背負い左目辺りの火傷が呪縛の様に形成され、髪はボサボサ、服装もボロボロの鎧みたいになっており背中には明らかヤバそうな背後霊らしきものが大量に取り憑いていた。そんな彼を見たメタナイトは一言。

「………一度プププランドに降りるか…」

〜プププランド〜

「マホロア、解析を頼む」

「僕を便利屋扱イするんジャないヨ…マァローアが解析してくれたカラ結果出すケド。簡単に言えば死者ノ持つあらゆる可能性ヲ別世界カラ呼ぶ、死霊の使役・呪縛みたいナものダネェ。此奴の場合ソノ力はマジでオマケ程度だけど、恐ろシイノガ此奴は死ぬジャン?ソノ一回の死カラあらゆる可能性を叩き出シテソレを基にシタ死霊ヲ呼び寄せレルから…此奴ガ別原理デモ増殖シヤガルね」

「…何処のヒースクリフ?」

その後ロスワの別世界線的な扱いで魔王もこたんと呼ばれる様になった。…因みに背後霊達の正体は別世界線の雷鼓達だった様で、漏れなく全員が色んな意味でやばかったんだとか。

そんなわけで龍護&幽香&エスピナスVSアトラル・カ(アトラル・ネセト)&紫苑VSダークライが始まります。ちなみにアトラル・カさんは第三形態終盤とします。

もこたん♂「またしても何も知らず巻き込まれるダークライ氏に追悼を…」

お前も色々ひっでぇ力獲得してるけどな。それと紫苑さんの龍殺しの実漬けの設定はちゃんと考えてますよ。

何かしら人気ありそうな方々で人気投票をやってみた

  • 白崎龍護
  • 八雲蒼焔
  • クロ君
  • メル・ゼナ
  • 怨嗟マガイマガド
  • ヌシジンオウガ
  • 藤原妹紅♂
  • 鋼華刹那
  • マガイマガド(コテハンニキ)
  • ゴルベーザ
  • ハン
  • イストワール(図書院長)
  • シン
  • 霍青娥(やべー方)
  • 作者「え?」
  • ラインハルト卿
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