守護龍として造られたらしいけど、特に護る義理はないので好きに生きます   作:シェリーザ

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今回でゾシア君は暴蝕形態に入る…んだろうね。


第7話

「くそっ、数が多過ぎる…!?」

 

都市の最終防衛ラインとも言える門、その前では竜と妖怪、人間達の三すくみの大混戦が起きていた。今回襲撃してきた妖怪と竜だが手を組んでいるわけではないらしく、妖怪が竜に食い殺されることもあれば瀕死の竜を食らって回復する妖怪もいると、兎に角混沌とした戦場の中で人間となる都市の兵士達は己を奮い立たせて全員が死闘に向き合っていた。

 

「こんな時護竜達を使えたらなあ…!」

 

護竜を使えれば、少々悔やむ兵士だが今は悔やんでいる時ではない。事実そんな悔やんでいた彼に火球が飛んできて直撃はしなかったが、付近の地面に着弾しその衝撃で吹き飛ばされる。

 

「ぐはっ…!?」

 

幸いにも壁の方へ吹き飛ばされ、壁に激突するだけで済んだが…それだけでは終わらない。彼が立ち上がり撤退しようとしたところに、強い風が吹き彼を再び地面へと転がす。

 

「っ…!?リオレウス…!!」

 

「KUAAAAA!!!」

 

彼に火球をぶつけようとしたのも、強風を当てたのも烈火の如くの赤い翼と身体をもつ飛竜、リオレウス。リオレウスは今倒れ伏している兵士を完全に獲物の目で見ている。

 

「ひっ…!くるな…来るなあ!!」

 

何とか立ち上がろうとするも壁に激突した衝撃がまだ残ってるからか、上手く立ち上がれない兵士。そんな必死に逃げようとする彼にリオレウスは嘲笑う様に脚の鉤爪で彼を…

 

「GRUAA!!」

 

「GYAA!?」

 

掻き切ろうとするが、それは突如横から伸びてきた純白の翼脚に防がれ、逆に頭を掴まれ地面へ叩きつけられる。そのままもがき抵抗していたが、背中にその翼脚を刺された後血と肉に塗れた何かを引っこ抜かれ握り潰された事で動きを止める。死を覚悟していた兵士だが、いつまで経っても自身の命を奪う凶爪が飛んでこないので恐る恐るで目を開けると…兵士が目にしたのは、純白の結晶に包まれた神々しいオブジェクトに見間違えるくらいの龍…そう、ゾシアだった。

 

「…俺を…助けてくれたのか…?」

 

兵士の問いに龍は首を縦に振って応える。…のと同時に、その龍の背中から人の声が聞こえてくる。

 

「大丈夫ですか!?」

 

「八意様!?どうしてここに…!?」

 

その声の持ち主は、都市の人間からすれば最高峰の地位にいる畏敬されてると言ってもいい存在の永琳。兵士は己の体を奮い立たせて敬礼をする。永琳はそんな彼を見た後、矢に大きめの袋を羽根につけて上空へ撃つ。するとその矢は上空で破裂し、緑の粉を振り散らす。その粉にあたった兵士だが、彼の体の傷は目に見える様にすぐ癒えていき、あっという間に治る。兵士は驚く様に自分の身体を見回しながら、

 

「これは…!?」

 

「治癒薬です、少々強めの薬を使わせてもらいました。…それと貴方に伝令を伝えます」

 

「っ!ハッ!!」

 

永琳からの伝令と言われたからか、今度は力強く敬礼をする兵士。永琳はそれを見た後即座に兵士に伝えてほしい事を述べていく。

 

「私達はこれから竜や妖怪達の始末へ向かいます、貴方には撃龍砲を扱う部隊にこの純白の竜を標的にせぬ様に伝えて欲しいのです。彼は本来、関係ないはずの我々を助けてくれています。…彼を殺すことは、私の名において絶対に許しません!」

 

「りょ、了解しました!!…そこの竜!八意様を絶対に怪我させるのではないぞ!!」

 

「GUA」

 

兵士の強い言葉に見た目に似合わない声で返答するゾシア。彼はそれに一瞬転けかけるが、自身の役目を遂行する為に速やかに都市の内部へ駆けていく。兵士を見届けた後、1人と1匹は顔を合わせ、

 

「私達もすぐに向かいましょう」

 

「GUO!」

 

永琳を背中に乗せたまま、ゾシアは翼脚と四足を全速力で駆けさせて行くのだった。

 

〜〜〜〜〜

 

406:名無しの転生者

…イッチも今頃人妖大戦の真っ只中か…多分竜も乱入してるだろうけど

 

407:マガニャン

ただ心配なのは…イッチさんって、何を基にして作られた護龍なんですか?

 

408:星々巡る不死鳥

…モンスターハンターの中には禁忌とされている存在がいるのを、知ってる奴はいるか?

 

409:廻る呪いの赤い霧

>>408

知っているな

 

410:幸運と不幸の死霊術師

>>408

聞いた事だけは

 

411:不運な男

>>408

詳しくは知らんな

 

412:星々を見渡す破滅因子殿

つまりは、禁忌の黒龍がモデル…というわけだな?

 

413:名無しの転生者

>>412

正解であるのと同時に自己紹介をお願いします

 

414:星々を見渡す破滅因子殿

>>413

承知した、崩壊スターレイルの世界に転生したラインハルト・ハイドリヒだ。よろしく頼もう

 

415:メタルの神in神喰い

>>414

ハイドリヒ卿じゃないですか!?

 

416:星々巡る不死鳥

卿は何しにこのスレへ!

 

417:このすばでいいですとも!

>>416

黙らっしゃい、何も上手くない

 

418:星々を見渡す破滅因子殿

>>416

なに、白き無垢な黒龍の転生者がいると聞いてな妹紅ニキ

 

419:呪霊喰いの神もどき

おっーと?妹紅ニキと知り合いっぽいけどそれより重要な情報出たぞー?

 

420:バイオ娘娘

イッチさんはこの事を知っているのでしょうか…?

 

421:名無しの転生者

>>420

十中八九知らんだろうな、今も顔出してないし

 

422:マガニャン

イッチもといゾ・シアは古龍なんですか…?

 

423:星々巡る不死鳥

>>422

結局そこは分からんがな、だが戻ってきた時温かく迎えてやらねえと

 

424:不運な男

だな

 

〜〜〜〜〜

 

彼が竜達を叩き潰し、私は彼に飛びつく妖怪達を狙い射る。戦場で最も激しい大混戦地帯にきましたが…予想以上に数が多い。兵士達は妖怪や竜の仲間割れに巻き込まれた者も多く、ほとんどが重症。先程の曲射矢で回復をさせているがその薬もそろそろ減ってきましたね…

 

「GUO…」

 

「ええ、わかってます。あまり長くは戦っていられませんよね…」

 

ゾ・シアさんも見えてるでしょうけど、私達の勝利条件は全てのロケットが打ち上がる事。だから門を通らせなければ我々の勝ち…だが見当たらない。先程私を殺そうとした護竜アルシュベルトが…!?

 

「ゾ・シアさん、後ろ!!」

 

「GUA!?」

 

「GUOOOOOO!!!」

 

っ…!まさか奇襲してくるなんて…まさか、あの護竜アルシュベルトは1番最初に自我に目覚めた個体なのでは…!?そうなればまずい…今も彼が下となって、押されている…!?援護しなければ…!

 

「ゾ・シアさん援護を…!」

 

「GYAAAA!!」

 

くっ、何でこんな時に護竜達がくるのよ…!護竜個体のドシャグマ、アンジャナフ亜種、リオレウス…!!爆破薬の瓶は残り少ないけど、使わないと厳しい…!

 

「狙い撃つ…!」

 

ドシャグマの首に3本撃ち込んだ後に護竜アンジャナフ亜種の攻撃を少し高めに跳んで回避した後頭に矢を5本、素早く着地し護竜リオレウスの頭に再び5本撃ち込む…!爆破させて、地面に倒れた彼等に…!!

 

「…貴方達を生み出して、ごめんなさい」

 

3本の矢に力を最大限まで蓄え、一本ずつ彼等に命中させ…矢は竜達の鱗や甲殻、肉を貫通して心臓を撃ち抜く。竜達は断末魔を弱々し上げた後に倒れる…貴方達は生まれたくなかったかもしれない…生み出してしまって、本当にごめんなさいね…さて、ゾ・シアさんの援護に…!

 

「GUOOO…!!」

 

「GRRRR…!!」

 

何とか立ち直り護竜アルシュベルトと翼脚で押し合っているゾ・シアさん…今なら狙える…!毒薬の瓶に切り替えて…狙いは鎖刃を封じる為に、今此処で狙い撃てる翼脚!

 

「っ…!!」

 

護竜アルシュベルトの翼脚に矢を5本撃ち込む。…恐らくまだ効いていない、ならもっと撃ち込んで…!?

 

「GYAO!?」

 

「GRUAA!!」

 

ゾ・シアさんの翼脚が…!?根元に鎖刃を当てられてそれで傷がついたから引きちぎられ…!?まずい、奴は私に気づいて…!?

 

「GUOOOOOO!!!」

 

っ!?…駄目、避けられ…

 

「GYAAA…!!」

 

「…え…!?…ゾ・シアさん…!?」

 

何で…何で自分の翼脚をやられたのに、私を庇って…!?護竜アルシュベルトは一度下がる…けど、このままじゃゾ・シアさんが…?ゾ・シアさんの様子がおかしい…?

 

「G…G…!」

 

「大丈夫ですか、ゾ・シアさん…?今回復薬を…」

 

何やら頭を地面に叩きつけて呻いているみたい…それ程翼脚を失った痛みが酷いのかもしれない、ならいつも腰につけてるポーチから緑に輝く液体が入った瓶…よし、ちゃんと回復薬ね。別の薬も入れているから毒薬だったら危なかったわ…これを彼の傷口に掛け…!?

 

「GUOOOOOO!!!」

 

っ!?今の咆哮…彼から…!?一体彼の身に何が起きて…!?

 

「ゾ…シアさん…!?その頭は…!?」

 

彼の頭部が、いつもの純白で神々しい頭部ではなく漆黒…よりも更に悍ましい黒へと色を変え、禍々しい角が歪に生えていく。白い結晶に包まれていた頭部は蠢く肉塊のようなものへと姿を変えていた…いつもの姿もあの姿は結晶で作られてた…って事…!?いえ、それだけじゃない…!彼の再生能力は結晶に限らず肉体にもあった様で翼脚も再生する…が、そちらも同じく漆黒より悍ましい黒の角が生えた翼脚へと変貌している。…その姿は…いつもの神々しさを感じるものではなく、まるで3つの首を持つ悪魔の様な姿…彼はどうしてしまったと言うの…!?

 

〜〜〜〜〜

 

425:星々見渡す破滅因子殿

…そういえばだが、ここのイッチはお主らに頭が痛いの様な事を呟いたりしてないか?

 

426:このすばでいいですとも!

>>425

言ってないな

 

427:不運な男

聞いてもないな

 

428:バイオ娘娘

それがどうしましたの?

 

429:名無しの転生者

………こう言いたいんだな、

殲滅せよ…内より湧き上がる黒き衝動に無垢なる魂は抗い続ける

蹂躙せよ…滅びをもたらす波動を無垢なる胸で抱き留め、包み込む

破壊せよ…万物を滅ぼさんとする激憤を無垢なる力で抑え込む

抹殺せよ…生あるものへの黒き憎悪に無垢なる精神は反抗を続け

駆逐せよ…世界を踏みしだく意思に無垢なる両脚は一歩も引かない

…これを心配してるんだろ、ラインハルトニキ

 

430:星々見渡す破滅因子殿

>>429

そうだが…まさかイッチは自分で押さえ込み続けてきたという事なのか…?

 

431:幸運と不幸の死霊術師

?どういう事…?

 

432:星々巡る不死鳥

…あぁ、なるほどな。確かそんな説もあったな…

 

433:メタルの神in神喰い

えっと…つまりは?

 

434:名無しの転生者

>>429

此処に書かれているのはゾシアのワイルズでの防具説明だ。…これらはゾシアが内に秘める漆黒の破壊衝動に、純白の無垢なる魂が抗い抑え込み続けているという事を示唆している

 

435:廻る呪いの赤い霧

…まさかとは思うが、そうなればイッチはかなり強靭な精神の持ち主ということになるぞ…?

 

436:星々巡る不死鳥

普段から強い衝動に駆られてたわけではない様に思えるが…だとしてもその衝動を1人で抑えるとは、ELSニキ並に凄えイッチだよ

 

437:呪霊喰いの神もどき

…それで何が言いたいのかが分からない…申し訳ない…

 

438:星々見渡す破滅因子殿

>>437

構わぬ、分からん者の方が多いのだからな。

 

439:名無しの転生者

ゾシアについてだが、ゾシアには体力が減って追い詰められると身体を覆う結晶が割れ、中から黒の不気味で悍ましい姿へとなる暴蝕形態があるんだが…この形態の考察は、ゾシアは真の力を解放したわけではなく衰弱した事で破壊衝動を抑えきれなくなり文字通り暴走、侵蝕されていると考える説が有力なんだよ

 

440:歌の魔王Withシェム・ハ

はへーなるほどなあ…つまり破壊衝動が来た時、ずっと1人で押さえ込んでたっつーわけか。あ、自己紹介を頼むとかいうと思うから先に名乗るぜ、シンフォギア世界に転生したトット・ムジカだ。よろしく頼むぜ

 

441:名無しの転生者

自己紹介を頼む…ハッ!?

 

442:マガニャン

ジョジョォ…

 

443:バイオ娘娘

…それでは、イッチさんは非常に危険な龍…って事ですか?

 

444:不運な男

…だとしても、イッチの居場所を作ってやれるのは俺らだけだからな、待っててやるぞ

 

 

〜〜〜〜〜

 

その悪魔は人間と竜と妖怪が入り混じる戦場に突如現れた。全ての視線がその悪魔に注がれており、翼脚を捥ぎ、頭部の結晶を割って悪魔を生み出した原因である竜、護竜アルシュベルトすら動きを止めていた。

 

ガリガリ…!ガリガリ…!

 

その龍…ゾ・シアは自身の頭を再生したての片方の黒の翼脚で抑えながらもう片方の悍ましき黒の翼脚で震えながら地面に文字を書いている。恐らく自身の止められぬ破壊衝動の中で書いているからだろう。その文字は誰に向けてかといえば…彼が唯一信頼している人間、八意永琳に向けてだった。

 

「…えっと…『に げん つれ にげろ』…分かったわ、絶対に死なないで」

 

永琳は文字を読んだ後、欠けている部分に埋まる文字を理解してすぐに動き出し、兵士達を寄せ集めてゾシアの背後に周る。ゾシアはそれを確認した後震えながら両翼脚を地面に叩きつける。そうすると彼の背後を除き彼の周りから白の竜乳結晶が発生、それが奥に連鎖して生成されて行く。妖怪や竜は勿論、永琳に連れられゾシアの背後に移動した兵士達もこの結晶を謎に思い、放っておいていたのだが…

 

「まさか…!?」

 

永琳だけは護竜オドガロン亜種の戦いを見ていた為、彼が何をするつもりか分かっていた。…が、どうやってするかの手段までは分かっていなかったのだが…

 

「GUGGG…!!」

 

ゾシアの口が赤く光り始め、その熱波がゾシアの頭部から結構離れているはずの永琳達が感じ始める。竜や妖怪達はそれに気づくが…その光は止められることもなく解き放たれる。黒に蠢くゾシアの口から炎…いや、そんなのは温い。全てを焼き払う劫火を自身の足元に吐き始める。知能が高い妖怪達は身構えていたものも、自分たちには飛んでこないと分かったからか1番危険と判断したゾシアを倒そうとするが…もう遅い。その劫火は彼の足元に生えていた竜乳結晶に引火し燃え上がる。そしてその結晶を起点に他の結晶に次々に引火していき…最終的には…

 

「八意様…これは一体…!?」

 

「…彼はずっと、あの姿と戦ってたわけなの…?」

 

兵士が戦慄しながら永琳に尋ね、彼女も今まで彼がずっと1人で戦っていたことに気づく。ゾシアの真の姿…いや、暴走する破壊衝動に身を蝕まれている暴蝕形態。それが彼が白の結晶で封じ込めていた…だがアルシュベルトがその封印を破壊してしまった。そして彼は今、自身でも抑え込めないほどに肥大化した破壊衝動に呑まれかけながらも意識を何とか保ち、妖怪と竜だけを焼き尽くしている。事実、竜乳が導火線の役割を果たすと同時に燃料の役目も担っているため更に火力が上がり火に強い耐性を持つ竜や妖怪が炎に飲まれて焼かれている。ゾシアに1番近い位置にいたアルシュベルトは1番最初に炎のに飲まれ、今はもう焼死している。炎がようやく収まったと同時に、空から燃える落石が現れ生き残るも瀕死の妖怪や竜達にトドメを刺していく。

 

「GUU…!!GUU…!!」

 

「…貴方達は先にロケットへ。撃龍砲を操作している者達にも伝えなさい」

 

「し、しかし…!」

 

「いいから早く!!これは命令です!!」

 

ゾシアの姿と力に恐怖を抱く兵士達を先に帰らせておく永琳。…その際に何か現代で言う注射器を投げ、彼等に刺していたのはみなかったことにしよう…それはそうと未だ破壊衝動に呑まれかけて苦しんでいるゾシアに近寄る。

 

「ゾシアさん…」

 

「GUOOO…!!」

 

炎を吐き終えても未だその熱さが残る彼の周辺に、彼女は寄る。ゾシアはそんな彼女に気付かぬまま、自身の頭を翼脚で抑え続けている。彼の頭をよく見ればアルシュベルトにつけられた傷だろう、そこから護竜と同じ青い血が流れている。永琳は今の彼に対して恐怖していたが…彼のまだ白い背中に乗り、それを通じて頭部まで登る。そして…その傷口に先ほどの瓶に入っていた緑の液体を掛ける。ゾシアは何か攻撃かと思い、永琳を振り落としてしまう…が。傷口が回復していることに気づき、それを治してくれたのを誰か探すと…

 

「…傷は治ったみたいですね、良かった」

 

彼の前足あたりに落ちている永琳を発見するゾシア。彼は自分が何をしたのか理解したか、永琳に背を向けて翼脚で地面を思いっきり殴りつける。破壊衝動に蝕まれていた頭部と翼脚はゾシアがそれに打ち勝ったからか、白い結晶が生えてきて元の神々しい姿へと戻ってくれる。その様子に永琳はゾシアが元に戻ってくれたと思い、彼に言葉をかける。

 

「…私達を護ってくださり、本当にありがとうございます。…貴方に感謝しても感謝しきれませんね、私…」

 

「…GUA」

 

ゾシアには謝ったり感謝したりしかしてないと気づいた永琳、だが彼はそれを気にすることなく永琳に擦り寄ろうとする…が、もう1つの使命を思い出して彼は翼脚で永琳を掴み、自身の背中に乗せさせる。

 

「ゾ、ゾ・シアさん!?」

 

「GUO!」

 

永琳の驚いた言葉に耳を貸さず、彼は都市の内部へ走っていく。彼のもう一つの目的…それは、彼女を無事に月へ送り届ける事。都市の内部へ走って見渡してみると、何も知らない彼でも高度な技術を持つ事が伺え心内は呆然としていたが、走る事を止める理由にはならなかった模様。そして…

 

「あ、さっきの護竜殿!?それと八意様!ロケットの発射準備は終えております!」

 

先程彼等が助けた兵士がどうやら待っていた様で、ゾシアに驚きながら永琳に敬礼する器用な芸当をする兵士君。そんな彼だがゾシア達にロケットはいつでも飛べる状態であると言う事を伝え、彼等もロケットへ急ぐが…そんな彼等の前に現れる竜が。それは…

 

「っ!?この竜は一体…!?」

 

「新種の竜ではないのですか…!?」

 

辺り一帯が爆発していき加えて大きな物体が地面に激突した音ともに大爆発の音が聞こえる。…こんな傍迷惑な爆音を鳴らし、周囲一帯を爆破する馬鹿なんてただ1匹しかいない。そう…あの爆撃機だ。

 

「GYUOOOOOO!!!」

 

自然に生きる生物がここまでの爆撃を引き起こせるとは思っていなかった2人と竜…だがそれを引き起こした元凶が咆哮を上げながら目の前に現れる。全身は白が基調だが、護竜の様な気味の悪い白さではなく生物特有の白さを持ち、体の下に黒の鱗が生え揃っている竜…そう、爆鱗竜バゼルギウス。それがこの戦場に乱入してきた。

 

「不味い、あの竜はデータにないわ…!」

 

「なっ!?で、では逃げた方が…!?」

 

「…GUO!!」

 

その時ゾシアが2人に視線もとい頭部を向ける。2人はゾシアが目らしき部分がないので視線と言えるか分からないが…頭部をあるものに向けたことで永琳が結論に至る。それが…

 

「…まさか、ダメよ私も…!!」

 

永琳が『戦う』、と言おうとした時2人は翼脚で掴まれてゾシアが頭部を向けていた先、残りのロケットに少々乱暴ではあるが投げ入れられ、ゾシアがすぐに駆け寄ってロケットのハッチを翼脚による手動操作で締める。中から叩く音が聞こえるが気にせずに無視する。これでこの場にいるのはゾシアとバゼルギウス、そして永琳達のいるロケット。1匹の竜はロケットの中の獲物を狩るため、もう1匹の龍はその人間達を護る為に向き合い…竜は頭部を地面に擦り付けながら突撃、龍は翼脚を叩きつけ竜乳結晶を生成しながら突っ込んでいく。

 

「GYAO!?」

 

「GUOO…!?」

 

バゼルギウスとゾシアがぶつかり合い、どちらもその衝撃で怯む。ゾシアはロケットが飛び立つまでの時間稼ぎをしており爆ぜる鱗を受け再び纏った結晶を砕かれながらもバゼルギウスの翼を翼脚で掴み、先に飛んで追えないよう引きちぎる。バゼルギウスはその痛みと怒りで…

 

「GYUOOOOOON!!!」

 

咆哮と共に身体の下側に生え揃っている鱗が発熱で赤くなり、標的を完全にゾシアに定める。ゾシアはこれで良い、そう思って都市から出ていく為に門に向かって走り始める。もちろん翼を捥がれたバゼルギウスはその報復の為に彼を走って追いかけ、この場に残るはロケットのみとなったのだった。

 

〜〜〜〜〜

 

「八意様!?おい衛兵、何故八意様をこんな乱暴に…!?」

 

「あれは護竜!?」

 

「違う!あの護竜殿は我々を助けてくれている!だから攻撃するな!!」

 

そんな…どうして彼は…私達を生かす為?護竜としての役目を果たす為?…どちらにしても彼が1人で死ぬ気である事には変わりない…なんで…なんでよ…!貴方1人で背負う必要はないのに…!!

 

「ロケットのハッチが!?」

 

「あの護竜相当な知能を…!?」

 

っ!?嘘、ハッチは確かに手動でも動かせるけど相当な力がいるのに…!?いや、彼は竜…これぐらい造作がないのは分かってる。…けど、だとしても…!私はまだ…貴方に何もしてない…!だから、だから…!

 

「私を置いて…私を置いて行かないでよぉ!!」

 

「八意様…」

 

「…間も無く飛び立ちます。…今回はあの護竜殿のお陰で、我々の被害を抑える事ができました。我々が生きて月にか行かねば彼が報われないです…」

 

分かってる、それは分かって…

 

 

 

 

 

…此処は…広さや内装的にはロケットの内部ではなさそうね…ってあれは…彼の結晶…じゃあ此処は恐らく私の部屋なのよね…となれば月に着いたのかしら。…そう言えば彼が埋めてたあの卵は中が空洞で、埋める時も卵の周りに大きめの穴も作ってたわよね………!なら、もしかすると…

 

「彼は…生きている…?」

 

…そうとなれば、まずはこの結晶を解析しましょう。それを見越して彼はこの結晶を私にくれたのかもしれない、貴方が生きてると信じ、機会を見て私は貴方を探しに…地上へ行くわ。

 

〜〜〜〜〜

 

「GH…GH…」

 

ハア…ハア…危なかった…あの時破壊衝動に呑まれてたら…俺は………本当に、本当に良かった…自分を生かしてくれて、白一色になりかけていた生活を色付けてくれたあの人を殺すところだった…!鱗が爆発する竜をなんとか倒せた、後は龍灯に辿り着けば…大丈…夫…っ!?

 

「GUGAAAAA!!?」

 

体が灼ける様に熱い…!!龍灯跡地だよな、此処…じゃあ龍灯が変異した…ってことか…!?う、熱い…アツイ…!!

 

「グガアアアアアアア!!!」

 

くそっ、意識が…飛ぶ…




暴蝕形態に恐れず回復薬掛けに行ったエイ=リンさんは強い人、なんと本来軍部が落とそうとしていた核爆弾を落とさせなかった強者です。でもこれ多分拗れたりしないのかね…そして龍灯は(勝手に)変異してるねえ…ゾシア君はどうなってしまうのかなカナ?

キャラ紹介

星々見渡す破滅因子殿

転生前は、日本のとある大企業の創設者としてその手腕を遺憾無く奮っていた猛者であるがDies iraeを初めとした、light作品を愛するオタク。そんな彼は、帰りの日に気分転換に散歩をしていると居眠り運転をしていたダンプカーに轢かれそうな金髪の少女を庇い、そのまま死亡する。
転生後は、気付いた時には獣殿になっており宇宙空間を漂っている王座に座っていたという余りにもぶっ飛んだ状況にSANチェックを起こした模様。その後は、産まれた世界を間違えました?レベルの能力の為無闇矢鱈に世界に干渉はせず、傍観者として世界を観察し続けている。(現在進行形)
星神達からは良く分からない存在として思われており、スタレ世界では一瞥する事は無いが信奉者は何故か多いらしい。謁見は神威が強過ぎて使令級でさえ、死ぬ可能性がある為無いそう。
尚、能力の一端を分け与えれる為その存在が受け取れた場合は彼の力の一端である聖遺物:聖約・運命の神槍【ロンギヌス・テスタメント】を召喚し、振るう事を許され城も召喚出来るぶっ壊れ。
転生者としては御長寿過ぎるが、転生掲示板に気付いたのは偶然会った妹紅ニキに教えられた為、最近の参加者になってる。所謂ハイテクオバテクおじいちゃん。
やろうと思えば総ての世界に干渉したり繋げたり出来るが、求める結果に行き着く事が確実に無いと言える為、基本やらない。あと転生者というより、ほぼ神様なので世界旅行等はしない。

歌の魔王Withシェム・ハ

転生した直後はどんな世界かわからなかったが聞き覚えのある名前で自分が転生した世界を特定した。知ってるとことかはハーメルン知識のみで本来の流れは大まかにしか知らずどんな人物がいるかは曖昧にしか知らない。先史文明で生まれ音楽を広めた第一人者にして、現聖遺物のシェムハに対する封印の要の一つとして世界を彷徨っているんだそう。
聖遺物になった理由がシェムハの封印をする時にウタワールドに閉じ込めてトットムジカを歌った為身体がトットムジカに成り変わったから、原作開始までに行っていることはシェムハの封印に関わる、キャロルの父を救う、パヴァリア光明結社の幹部達と友達になる、セレナを救う、戦争を止める、奏に取り憑き生存させる、生存者バッシングを止める等と様々なことをしているが、これだけやっておきながら人に取り憑いたり擬人化して争いの種を消していっているのでまだ正体がばれていない。ええ…生存者バッシングを止める最中に響と未来と出会っており、自分自身とも言える楽譜を渡してまた会う時に返して貰う約束をしている。
シェムハは意識がウタワールドに封印された直後はずっと暴れており鎮圧されては暴れてを繰り返していたが、現在のシェムハは人を支配しようせず人の行く末を見ることに決めており、現代機器の便利さや扱いやすさに人の可能性がここまで上がることに驚愕している。シェムハが人を支配することを辞めた理由が、ウタワールド内で鎮圧された際にムジカの前世であった神を殺すゲームや神に対抗してるアニメを見せられたりやらせられた結果、人の可能性(ユニコーン…!?)を信じ自分がやられることを想像し諦め、今はニートのような生活をしている。これが無職…
時折ムジカと一緒にモノ作りや演奏したり歌ったりして暇潰しをしており、モノ作りでは主に彫刻を彫ったりしている現在の原作時間軸はクリスが出てきた所。

何かしら人気ありそうな方々で人気投票をやってみた

  • 白崎龍護
  • 八雲蒼焔
  • クロ君
  • メル・ゼナ
  • 怨嗟マガイマガド
  • ヌシジンオウガ
  • 藤原妹紅♂
  • 鋼華刹那
  • マガイマガド(コテハンニキ)
  • ゴルベーザ
  • ハン
  • イストワール(図書院長)
  • シン
  • 霍青娥(やべー方)
  • 作者「え?」
  • ラインハルト卿
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