守護龍として造られたらしいけど、特に護る義理はないので好きに生きます   作:シェリーザ

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もしゾ・シア君が月に行ってたらのお話です。大体お察しがついてしまうのが悲しいところ。前作のELSの没ネタ集同様読み飛ばしOKの小話です。

因みにIF世界線の話ですが、ここの世界線だと百竜夜行も古龍もいない世界線ですよ。やったね!(尚その代償はゾシアとメインヒロインが全て背負うものとする)


【IFエンド】もしゾ・シアが月に来ていたら

あの激しい戦いの数日後、私はあの美しかった地上ではなく、虚無で移り変わりのない月に居た。本来こんな所に私は長くいたくなかった…それでも私がこの世界に居た理由は…

 

「GUOO…」

 

「…大分傷も治ってきたわね、でも無茶しちゃだめよ」

 

今私の目の前にいる彼…ゾ・シアさんが居るから。彼は私達が月へ行く際、本来助けなくても良い筈の私達を助けてくれた、その時に負った傷がまだ治りきっておらず今は私の薬も使って治している。…ちなみに彼はかなりの巨体の持ち主なので本来は地上に置いて行かれてもおかしくなかった…が。私が偶々その時生物の体格を縮める薬の開発に成功したので、それの第一被験者(竜)として彼に薬を飲んでもらい見事体格が都の外に居た狼等のサイズになった為連れて来ることに成功した…ただ彼が負っていた傷が少々深かったので、ロケットが飛び立った瞬間に眠りについたのだが。

 

そして色々あったが新設された都の外に彼を駐在させており、元の体格に戻った彼の面倒を私は見ている。ただ正直には喜べないのだが、月というのは本来穢無き地なのだが 彼は穢として認識されていなかったのか特に月の民にも上層部にも何も言われなかった。…彼が兵器だからという区分で穢がない、とかだったら本当に喜べない。ともあれ私は再び彼と共に過ごせている、その事だけが今の私にとって救いだった。

 

〜〜〜〜〜

 

数年後、彼が前と違って寝て過ごす日が増えていたのだが、今回は私の弟子について紹介しようと思い彼女達を彼に会わせに来た。

 

「おお…!」

 

「これが都を護ったという護竜…ですか師匠様?神々しさを伝える置物ではなく?」

 

「ええ、まあね。言いたいことは分からなくもないわ。ただ…彼は護竜としての役目を果たしてくれようとしてるけど、私はそんな事…あら、ごめんなさいね。それじゃあ…起きれますか、ゾ・シアさん?」

 

「…GUUU?」

 

「あ、動いた!」

 

「っ…!?」

 

私の声に応えるように身体を揺らし、少し起き上がってくれるゾ・シアさん。起きてくれて良かったけど…やはり彼の為に、一度地上へ降りたほうが良いでしょうか…それはともかく、私の声で動いてくれたゾ・シアさんに目を輝かせている黄髪でいつの間にか手に桃を持つ綿月家の姫君、豊姫。そんな彼女に対して彼に対して動いたことに驚いている紫髪のポニーテールのこれまた綿月家の姫君、依姫。彼女は先程までゾ・シアさんの事を石像の類だと思っていたのだろう、…少し遺憾である。因みに彼女達は姉妹で、豊姫が姉で依姫が妹だそうだ。ゾ・シアさんの表情が分からないけど、2人を優しく見ているようでその翼脚で2人の頭を優しく撫でている。それに照れたか依姫は、

 

「な!?わ、私はそんな事をしてもらわなくても…!」

 

「とか言って〜、実はこの方に憧れて「わー!?わー!?やめてください姉さま!!」素直じゃないわねえ、依姫は」

 

照れ隠しに木刀を自身の姉に確実に当てるように振るっている。その対象の姉と言えば笑いながら普通に躱している。…見込みがあるわね。これにゾ・シアさんの攻撃を耐えれたらもっと凄いわよ。

 

「…GUAA?」

 

「こんな所に連れてきていいのか?みたいに言いますね?…貴方に知っておいてもらいたかったから連れてきたんですよ」

 

「…GUA」

 

そうか、と言われたような気がして彼の方を振り向いたが、その時には既に再び眠りに就いていた。…仕方ない、彼はあのエネルギーで動いているのであり、そのエネルギー源は持ってこれていないし、なんならロケットに乗る前に補給も出来ていない。だから彼は自身の生命を保つ為にこうして眠る時間を増やしているのだ。…今日はここまでにしておきましょう。

 

「豊姫、依姫。帰りましょう」

 

「良いのですか?もっとあの方と話さなくて?」

 

「…ゾ・シアさんはね、まだ戦いの傷が治ってないのよ」

 

「…早く治ると良いですね」

 

「傷が治ったら、また遊びましょう!」

 

「…GUOO」

 

…まだ起きててくれてたようだけど…弱々しく翼脚を振る彼を見て、心が痛い。それに…傷自体はとっくの昔に治っている、けど…そうじゃない…。早く私が、私が…なんとかして彼をいつもみたいに動けるようにしてあげないと…

 

〜〜〜〜〜

 

「ねええーりん、都の外に出たけど…怒られない?」

 

「私の権限で黙らせるから心配ないわ」

 

「…気にしないでおくわね」

 

大人には大人の事情ってのがあるのよ…まあそれはともかく豊姫達が無事成人した数十年後、今度は私の遠い親戚である赫映を彼に会わせに来た。…今の彼は数十年前よりさらに眠っている時間が増えており、ある日彼に声を掛けてもなかなか起きずまさか…と思った事もあったが、その時は私が帰ろうかと思った時に起きてくれたのでなんとか安心して帰ることが出来たけど…果たして。

 

「…GUOOO…?」

 

「わっ!?動いた…!?」

 

初対面なら仕方ないわね、とは言えあの時の依姫と同じで少し怒りが湧いてきましたね…おっと、平常心平常心…彼は数十年前より更に遅い動きだが、あの時みたいに赫映の頭を撫でてくれる。

 

「怖いと思ったけど、すごく優しい…!」

 

「…GUAA…!GOA、GOA…!!」

 

「大丈夫ですか!?これを飲んで…!」

 

本当に少しだけだけど、彼の結晶から解析したエネルギーが詰まっている薬を飲ませる。彼はそれを飲みこんだ後に少し驚いたのか私のほうを振り向く。

 

「GUOO…!?」

 

「…ふふっ。少しは私の事、見直してくれたかしら?」

 

「…GUO」

 

「…ちょっと〜?2人だけの空間に入らないでよー!」

 

あら、忘れてしまってたわ。ただこれ以上は彼に負担を掛けちゃ駄目だし、そろそろ帰りましょうか。

 

「それじゃあ赫映、帰るわよ」

 

「えー?まだ私そんなに話してないのに…」

 

「彼はちょっとした事情であまり長く動けないのよ、今も無理して動いてくれてるわけだしこれ以上は駄目なの。ごめんなさいね」

 

「…無理して動いてるんだったら仕方ないわね、わかったわ」

 

「…それじゃあゾ・シアさん、また会いましょう」

 

「…GUOO」

 

赫映と共に都市へ帰る時に彼の方を振り向く…が、その時既に彼は眠っていた…そろそろ、そろそろ地上に行って彼を…あの時みたいにまた笑っていく為に回復させなければ…!!

 

〜〜〜〜〜

 

そしてまた幾数百年後…赫映…いや、輝夜は都から追放となった。理由は単純、禁忌の薬である蓬莱の薬を服用したからだ。蓬莱の薬とは服用者を不老不死にするが、代わりに穢が発生する。月の民達は穢を嫌う、詰まる所穢れを受けたくないから出ていけと言うことである。

 

…そしてそのまま流れるように輝夜は地上への追放となった…《表面上は》。輝夜には悪いけど、実際は私とゾ・シアさんが地上に行くための布石でしかない。側から見れば薄情ものだ、他者をも利用するのかと思われるだろうが関係ない、私は…あの人との日常を取り戻したいだけなのよ…!!

 

「…もう少し、もう少しで貴方を…元気にさせてあげれるわ」

 

「…」

 

「だから待っててくださいね、…あの日々を…また過ごしましょう」

 

「…」

 

 

〜〜〜

 

そして…ついにその時は来た。今回は私が全力で輝夜の回収役を立候補したところ、上層部は全任してくれた訳なので私と…彼を連れて輝夜の回収へ向かう。その為にまずは彼を連れてくる時に使った縮小化させる薬を結晶の隙間に刺して服用させ、持ち運び可能の体格にして…いざ、行くわよ。

 

 

 

 

「…貴方を1人にはしないわ」

 

「思兼…!?」

 

色々あったが、今は地上に居ており輝夜の回収の最中。多数の地上の兵に囲まれているが…囲みが甘い。輝夜の反論に応えるのが面倒なので申し訳ないが一時的に口を塞ぎ、即座に抜けてまずは最優先であの場所へ行く…彼と私が出会った、始まりのあの場所へ…

 

 

 

「…くっ、この辺りだと思いましたが…まさか竹林になっていたなんて。迷ってしまいましたね…」

 

「ねえ…なんでこんな所に来たの?」

 

「…かつて、貴方に会わせた護竜が居ましたよね?」

 

「ええ、それが?」

 

「…彼はこのあたりに埋まっている彼本来の巣でしか活動する為のエネルギーを回復できないの。だからここに来たのだけど…」

 

「見事迷子になった、ね」

 

…痛いところを突かれてしまいましたね。しかし近くにあるのは確実、だから…!やった…!見つけた!!

 

「そう、そうよ…!!ここよ!!」

 

「この穴…深いわよ?行くの…?」

 

「行かないと彼と笑い合えないの、嫌なら私一人で行くわよ」

 

「嘘よ、ついて行かせて…」

 

 

 

 

「これは…!?卵、なの永琳…??」

 

「いえ、卵ではないそうよ。…ここに入って…よし、そっと入れて…これで良いわ」

 

ここに入っていれば、何年かで完全回復するはず…私ももう死ぬことはない、いつまでも待ってあげますから…

 

「………まさか、ねえ…」

 

〜〜〜〜〜

 

地上に降り立って幾何年…彼が目覚めることはなく、私達は彼の眠る穴の近くにある私達の住居…『永遠亭』を構えて待っていた訳だが…その間に私達を巻き込んで幻想郷なる世界が創り出されていたらしく、賢者を名乗る妖怪と色々話をしていた。彼女からは世界の規則についていろいろと言われたが、帰る間際に私は言っておいた。

 

「…彼だけは、彼だけには…絶対手を出さないで。もし手を出せば…分かっているわよね?」

 

「………無論分かっているわ、だから大人しくしててちょうだい…」

 

…彼はどうやら待たせるのが好きらしいわね。根気比べしたいならしてあげるわ…いくらでも、ね。

 

 

 

「…もしかしてだけど…彼って…」

 

「…ええ、あの竜よ…」

 

「やっぱり…事実を彼女に話さないように。もし話せば…」

 

「わかってるわよ、永琳には…永琳には、これ以上狂って欲しくないから…」

 

「…わかってるなら良いわ。かつて地上を焼き払った悪魔は自分を動かす為の動力が完全に尽きた時が長過ぎたが故に永遠の眠りに就いてしまった…1人の少女を置いて…」

 

 

 

 

 

 

「………おはよう、ゾ・シアさん。今日も、今日も私は…貴方を待っていますから…」

 

「…」

 

この世界が滅んでも、私はずっと待ち続けますから…ネ?




なんか後半雑だな…あっれれ〜?感が多すぎる。ただ結末の形としては一応決まってて、ゾ・シアが月に行ったことで龍灯から竜乳を補給できなくなったので最終的に時の流れに逆らえずで死んで、それに薄々気づいてるけど信じたくない永琳が夢見た日常を取り戻す為に死んでいるゾシアを待ち続ける…ヤンデレ的なエンドですね。盲信と狂信って怖いな。

そんなに嫌なら蓬莱の薬を飲ませたらよかったのに…(ロボカス)。因みに依姫はゾ・シアの事を普通に都市の守護者として本心では厚く信仰しており、本編でも…そこはまた登場時に書きましょうか。

もこたん♂「何気にこの世界線だとゾシアのヒロインは永琳だけになるというね」

刹那「これ輝夜さんとか鈴仙さんとか心の中で凄く悲しんでそうですよね…」

なんていうんだろう…作者ってキュートアグレッシブ持ちな気がする(もこたん♂のIFエンドとか刹那を止める為にサグメが侵食されたりとしてるし)。

何かしら人気ありそうな方々で人気投票をやってみた

  • 白崎龍護
  • 八雲蒼焔
  • クロ君
  • メル・ゼナ
  • 怨嗟マガイマガド
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  • 藤原妹紅♂
  • 鋼華刹那
  • マガイマガド(コテハンニキ)
  • ゴルベーザ
  • ハン
  • イストワール(図書院長)
  • シン
  • 霍青娥(やべー方)
  • 作者「え?」
  • ラインハルト卿
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