もしもジークアクスがナンバーワン戦隊ゴジュウジャーみたいなノリだったら 作:岩ノ森
・前回のあらすじ
エグザベ「僕らの目の前に現れたカイ・シデンと名乗る男、僕たちの力をスーパー戦隊なるものの力と称し、そして僕たち5人をゴジュウジャーと呼んだ。未だ分からないことだらけだが、自分の願いを受け入れた僕はようやく変身できるように。と思ったのもつかの間だった。カイさんを撃ったあの銃の戦士は一体・・・?」
WINNER! ガリュード!!
「リングハント」
カイを撃った銃の戦士。その手の中にカイのトッキュウジャーの指輪が吸い込まれていった。
「貴様!一体何者だ!!」
「後ろから撃つなんて卑怯じゃない!?」
エグザベとニャアンはその銃の戦士の行動にお冠みたいだ。というかカイさんさっきから起きないんだけど・・・まさか死んだ!?
ドガガガガガガガッ!!
「うわっ!!」
銃の戦士は私たちの足元に威嚇射撃をする。それでちょっと目を離した瞬間、銃野郎はカイさんの体を抱えてどこかへ行こうとしていた。
「・・・あっ!待て!!カイを離せ!!!」
「・・・・・・」
銃野郎は私たちをちらりと横目で見ると、壁にかけてあったフープの装飾の中へ消えた。
「あっ!!ああもうっ!!」
新しい敵にカイを攫われた。生きてるよね・・・?でももしかして・・・・・・。
嫌な想像が頭をよぎる。目の前で人の生き死にを見るなんて初めてだ。
「マチュ、大丈夫かい?」
「マチュ・・・」
「ああうん・・・平気・・・・・」
エグザベとニャアンが心配してくれてる。私以外はあまり動揺していなかった。人の死を見慣れてるんだろうか。
自分だけどこか遠くに置いて行かれたように感じた。
「「・・・・・・・・」」
「店長、シュウジ・・・。どうかした・・・?」
「ううん、何でも」
「はい、多分気のせいでしょう」
「・・・・・・?」
二人はさっき銃野郎が消えた辺りをじっと見つめていた。
私たちはゴジュウジャーで、仲間のはずなのに。
どんどんみんなが遠くなってる気がする。
「ったく!!何考えてるんだよ女王は!!人間なんかと手ぇ組むなんてよ!!!」
ブライダン城内部のバーで酒を煽るファイヤキャンドル。どうやら女王テガジューンが連邦のバスク・オム少佐と同盟を結んだことに腹を立てているようだ。
「私も、今回の女王の行動には賛成できません」
「ブーケ嬢!!そうだろ!?」
「あの人間からは、何か汚れた邪悪さを感じます」
ファイヤキャンドルの横で飲んでいるブーケも、あまりバスクには好感情を抱いていないようだ。浮かない表情で酒を口に運ぶ。
「まあ女王様のやることだ。何かお考えがあってのことだろう」
「バスク君が何考えてるにしてもぉ、ブライダンの役に立つんならお手並み拝見してみるのもいいかもねぇ」
夫妻も一つの体で二人分の酒を飲みながら愚痴る。顔が二つあるのに器用なものである。
ブライダン内部にも、新風が吹き荒れようとしていた。
ブライダン城のとあるただっ広い部屋。広い部屋の割には何一つ置いているものがない不気味な部屋である。
「コロニーにジオンの船がいるのは想定外であります。バスク・オム少佐」
「分かっている。あれはシャリア・ブルの特殊部隊だ」
その部屋に二人の人物がいた。一人は地球連邦軍少佐「バスク・オム」。もう一人は金髪で若干色黒の肌をした青年である。
「ジオン最強のニュータイプ、灰色の幽霊と呼び声が高いとのことです。さらにはゴジュウジャーと名乗る謎の部隊まで確認しております」
「そいつらを倒すためにお前ら強化人間を育て、ブライダンとも手を組んだのだ。キシリアが月を離れるのは5年ぶりだ。これほどのチャンスはあるまい」
「ブライダンとやらは信頼がおける組織なのでありましょうか」
「信頼ができようとできまいとやることは変わらん。どうせお互い出し抜くことを考えているのだ。ならば思い切り利用してやろう」
バスクのゴーグルの中に、恐ろしげな光が灯った。
「あとはお前があの子供と・・・その指輪をうまく使えればだ」
青年の手には、金色に輝く指輪が握られていた。
「歴史に名を刻めよ。ゲーツ・キャパ中尉」
「はっ!!」
「ドゥー、いるか?入るぞ」
コンコンとノックし、ドゥーがいる部屋の扉を開けるゲーツ。
だがその中には誰もいなかった。
「・・・?ドゥー!」
声を上げてみるが返事がない。どうやらどこかへ無断で出かけたらしい。
「全く・・・手を焼かせてくれる・・・・・」
ゲーツは頭痛を和らげるようにこめかみを押さえ、その部屋を去った。
真昼のコロニーの街を、私は早歩きで当てもなく彷徨っていた。
見たらわかるかもしれないけど、今かなりイライラしている。
理由一つ目。ヒゲおじのお店が当分やらないことだ。
『お店閉めちゃうの?』
『ええ、私とエグザベ君はソドンの方で仕事がありますので、そちらを優先させていただきます』
『・・・その仕事さ、私もできたりしない?』
『・・・・・・』
『一応ゴジュウジャーとして一緒に戦ってるわけだし、全くの無関係じゃないじゃん?それにそれなりに戦ってきたから場数は踏んでるし』
『折角ですが、お断りします』
『・・・私が子供だから?』
『いえ、君たちは一般人。戦争に関わることに意図的に巻き込むわけにはいきません。ゴジュウジャーに関してはかなりイレギュラーな事態ですし』
『ここまで一緒に戦っといて・・・・・』
『マチュ君が考えている以上に戦争とは悲惨なものです。自分の置かれている環境にもう少し感謝をしても良いと思いますよ?』
『・・・・・・・・・・・・』
聞き分けのない子供を窘めるような物言いで説得された。
別に間違っちゃいないけどさ、一応協力関係でやってきたしそんな突き放さなくても良くない?
理由はまだある。この間アンキーに呼ばれてポメラニアンズの事務所行った時のことだ。
『ほら、取っときな』
『・・・このお金は?』
『クランバトルで稼がせてもらってる分の分け前だよ。あのモビルスーツ同士の戦いを配信したら恐ろしいほど評判が良くてね。金が湯水のように入ってくるのさ。だからその分け前』
『えらく気前良いじゃん』
『約束事ってのはガキんちょが思っている以上に大事なことなんだよ。こういうけじめはしっかりしとかないとね。ジェジーを助けてもらった借りも返したいし』
『・・・・・・・・・・・』
『まあその金をどうするかはお前が決めな。もう自分のことは自分で決める年だろう?』
まるで人生の先輩みたいに偉そうに。反社的な活動してる癖に。
そんなこんなで今私の懐はかなり温かい。札束なんてドラマくらいでしか見たことなかったし。
でも大金で言いくるめられたみたいで、何だか無性に腹が立っている。世の中全部お金なのかよ。
そして最後の理由。さっきあった三者面談についてだ。
『これ、どういうこと?』
『・・・・・・・・・・』
『塾、行ってないわね?毎日何やってるの?父さんに何て言えばいいのよ?』
『・・・・・・・・・・』
『進路のことは真剣に考えてってお願いしたでしょ!?』
『お母様、あまり詰め寄りすぎては・・・。アマテさん、何かやりたいこととかないの?』
『希望があるなら話してみてよ。お母さんちゃんと聞くから』
『・・・しょうがないじゃん。毎日バイトもあるし』
『バイト?』
『・・・・・・・』
『お母さん何も聞いてないわよ?勝手にやってるの?』
『・・・ほら、したいことさせてくれないじゃん』
『でも勝手にやるなんて・・・せめて言ってくれれば』
『やりたいことなんて分かんないよ!!』
『っ!』
『だから今探してんじゃん!!もっと私をちゃんと見てよ!!!』
そう大声を上げて学校を飛び出してきてしまった。
自分でも子供っぽいのは分かってる。
でも私の中のモヤモヤを分かってくれないのがとても嫌だった。親のくせして。
だから私はいま街を当てもなく彷徨っている。
彷徨ったら何かが解決するかどうかは分からない。
ただ私を理解してくれない大人たちへの仕返しのつもりだった。
そして・・・自分への八つ当たり。
あのカイが撃たれた時に感じたどず黒いもの。
いつも見るキラキラとは正反対。
あれを思い返す度に小刻みに震える自分に苛立つ。
ヒーローとして戦ってきたつもりなのに、目の前で人が死んだのを見てビクついた。
私が今までやってきたことが無駄だと言われたように感じた。
テガソードも、私じゃなくても乗れる奴はたくさんいる。
私だけができることなんてない。
じゃあ、私は何のために世界に存在しているの?
その答えが欲しい。誰でもいいから教えてほしい。
そんなことを思ってる時だった。
「っ!?」
頭の中に急にキラキラが走った。何かおかしな匂いもする。
その匂いを辿ってみると、街のベンチに小さな子が座っていた。
こんな白い肌は見たことがない、というくらい真っ白な肌と髪をしている。何だか不思議な感覚を感じた。
いや、それよりもさっき感じたキラキラ・・・。
「あの、君・・・」
「あんたもキラキラ見えるんだ」
「!!」
キラキラが見える・・・。ってことはこの子、ニュータイプ!?
「でも、あんたより僕の方が絶対優れてる」
突然喧嘩売ってきて、何だこの子?
ググゥ~
気の抜けるような音が響き渡った。と思ったらその子はベンチにぐんにゃりと倒れ伏した。
「ちょ、大丈夫!?」
「・・・・・た」
「え!?」
「お腹空いた・・・・・」
こいつと似たような奴見たことある!!!
「マチュ・・・大丈夫かな・・・・・」
ようやく見つけた新しいバイトの最中、ふとマチュのことが頭に浮かぶ。
マチュは平和なコロニー育ちだ。私みたいに人の生き死になんて見慣れていない。
それなのにこの前のあれだ。ショックを受けてて当然だろう。
何か悪いことでも起きなきゃいいけど・・・
「あっ」
「あ・・・」
そんなことを考えながら街を飛び回っていたら、あのシュウジって奴と出会った。
「何してるのニャアン?」
「何ってバイト・・・」
「こぉらこのガキィ!!」
「!?」
大声が響いたと思ったら、向こうから怒り顔のおっさんが走ってきた。
「見つけたぞコラぁ!!金払いやがれ!!!」
「払ったよ」
「足りねえんだよおらぁ!!!」
よく見ると手に食べかけのハンバーガーを持っていた。露店で買ったのはいいけど、お金が足りなかったのか。
「お金もうない」
「そんな言い訳通るか!!警察に突き出してやる!!!」
そしてシュウジは首根っこを掴まれ連れて行かれそうになった。
「ま、待って!私が払います!!」
結局見るに見かねてハンバーガー代を払ってしまった・・・。こっちだってお金あんまないのに・・・。
「ありがとね、ニャアン」
「・・・・・・・・・・」
こいつは何考えてるか分からない表情のまま笑う。こっちはバイトでようやく食いつないでるのに気楽な奴だ。
・・・一瞬でもカッコいいと思ってしまった自分に腹が立つ。
「・・・絶対返してよね」
「うん、絶対返す」
抑揚のない返事。本当に返すつもりあるのか?
バイトの続きをしようととっとと去ろうとした時だった。
「?」
向こうでキャーキャーと黄色い叫び声がする。広場の方だ。
「行ってみよう」
「あ、ちょっと!」
シュウジの奴に着いていった先にいたのは・・・。
「はーいはい。押さないでーみんな。僕はみんなのものだからねー」
「キャー!!アイドルノーワン様―!!!」
どう見てもノーワン怪人だった。
「ノーワンだね」
「何あいつ・・・」
昔図鑑で見たことがある、アイアイって猿に似たノーワンは女の子たち(一部おばさんとか男とかおっさんとか混じってる)に囲まれ黄色い歓声を浴びせられていた。
「ふふーん。僕こそはノーワンワールド、アイドルナンバーワン!芸能界でナンバーワンを取り女王様へ輝きを届けるのさ。もちろん君たちにもね。チュッ♡」
『キャーーーーーー!!!!!!』
「うげぇ・・・・・」
全身にサブイボが立つレベルで歯の浮くセリフを言うノーワン。さっさと倒さないとこっちの精神衛生上にも悪い・・・。
「君たちにサインを届けよう。スペシャルサイン!」
「え?」
ノーワンが空にサインを描いたと思ったら。
いつの間にか私とシュウジとその場の全員の服に「アイドルノーワン」とサインされていた。
『キャーーーーーーー!!!!!!』
「ギャーーーーーーー!!!!!!」
何てことしてくれるんだ大事な一張羅に!!!
「おいお前!!!」
「ん?僕のファンかい?」
「んなわけあるか!!どうしてくれるんだこの服!!これじゃバイトできないじゃん!!!」
今バイト中だし、制服風の服って仕立てるのに時間とお金もかかるし、最悪だ!!!
「まあ落ち着いてくれよ。君だけのために投げキッスをあげるからさ☆チュッ♡」
「んなもんいるか!!腹いせにとっととぶっ倒してやる!!シュウジ!!!」
「洗濯したら取れるかな」
「「エンゲージ!!」」
【ゴジュウユニコーン!!】
【ゴジュウレオン!!】
早速変身して相手に斬りかかろうとした瞬間。
「おおっと待ってくれ。アイドルに暴力沙汰はご法度だ。スーパーアイドルスペース!!」
一瞬のうちに周りの空間がホールのステージのような所に変わっていた。色とりどりのビームも四方八方から放たれている。
「ここはアイドルが輝けるステージ。暴力で解決せずに、僕とのアイドルナンバーワンバトルで解決しようじゃないか♪」
「誰がわざわざそんなめんどくさいこと!!」
ビリビリビリビリビリビリ!!!
「あばばばばばばばばば!!!!!」
拳を振り上げて殴りかかろうとしたら突然全身に電流が走った。
「アイドルに暴力はご法度と言ったろう?そんな風にペナルティが降りかかるのさ♡」
「うう・・・クソヤロー・・・・・」
「ニャアン大丈夫?」
シュウジの奴がツンツンとしてくる。これが大丈夫なように見えるかよ・・・。
でも力で解決できない・・・。
・・・もう受けるしかないか!!アイドルナンバーワンバトル!!!
スパロボに仮面ライダーが出るみたいで。スパロボはやったことないのですがどうせならゴジュウジャーも出してほしいです。アムロやマチュの公式の名乗口上を見てみたいです。