もしもジークアクスがナンバーワン戦隊ゴジュウジャーみたいなノリだったら   作:岩ノ森

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世間は例の件で大変なことになっていますがこちらはやれる限り続けます。


激動のレコンギスタ①

 ・前回のあらすじ

 コモリ「同僚と上司がヒーロー活動していたという衝撃の事実。さらには変な怪物とのすごろくバトルに無理やり参加させられわけわかんないことに。あれよあれよというまま怪物は倒され、私はすごろくナンバーワンに。と思ってたら謎の戦士が現れ、その正体は何と赤い彗星『シャア・アズナブル』だった!!何!?どうなってんの!?誰か説明して!!!」

 

 

 

 変身が解かれた銃の戦士。そして目の前には確かにジオンの赤い彗星がいる。この間スマホで写真を見たから分かる。

 「・・・・・フッ」

 赤い彗星は私たちを見て不敵に笑う。何か不気味だ。人間の皮だけで、中身が何もないマネキンを相手にしているような、そんな変な感覚。

 「久しぶりだな。シャリア・ブル」

 ヒゲマンに気さくに話しかける赤い彗星。そういえばヒゲマンは赤い彗星とマヴだったって言ってたっけ。

 「・・・・・・・・・・」

 でも当のヒゲマンからはあまり感慨深い感じはしない。むしろ積年の恨みの相手を目にしたかのような殺気が放たれている。こっちまで気圧されるほどだ。

 

 ドギュウンッ!!

 

 「!?」

 「おおっと」

 ヒゲマンがイーグルシューターで赤い彗星を撃った。相手が赤い彗星とはいえ、生身の人間を撃つとは思わなかったからビビってしまった。当の本人は軽やかに避けたから傷一つ無いけど。

 「シャア・・・アズナブル・・・・・」

 「シュウジ!?」「シュウちゃん!?」

 シュウジまでレオンバスターを構える。こっちも今まで感じたことのないくらい殺気立っていた。

 ・・・確かに私も、こいつだけは倒さなきゃいけないような気がする。

 「そう殺気立つものではないな。今日は顔見せ程度だ」

 赤い彗星が手をかざすと、それに引かれるかのように転げ落ちた白い指輪が自動的にその手のひらの中に戻って行った。

 「あなたを・・・今ここで倒します」

 またもイーグルシューターを放ったヒゲマン。

 

 バッ! ドガァッ!!

 

 「!」

 でも突然現れた赤い虎みたいな戦士がヌンチャクで銃弾を弾き飛ばした。おかげでまたもやあいつには傷一つ無い。

 「心配はいらんよ。もうすぐ人類は新たなステージに進む。今日はそれを伝えに来ただけだ」

 新たなステージって何・・・?

 声色は綺麗だけど、信用しちゃダメな感じがする。本心が何も伝わってこない。

 「そのために、古きものは一掃されるがな」

 そう言い残した赤い彗星は、赤い虎の戦士とともに地面のマンホールの円の中に消えた。

 「・・・・・・・・・・・・」

 「ヒゲマン?」

 「シュウちゃん・・・」

 シュウジとヒゲマンの二人は佇んだままだ。後ろ姿からでも分かる、物々しい心情が伝わってきた。

 「・・・今日は一先ず帰ろう」

 「ええ、大佐のことです。近いうちに向こうから接触してくるでしょう」

 二人はそういうけど、私は気が休まらなかった。

 何か、とんでもないことが起こりそうな予感がして。

 

 

 

 雨の降りしきるノーワンワールドに佇むブライダン城。先ほどまで人間界にいたシャア・アズナブルはそこに帰還していた。

 「女王テガジューン、また指輪を集めてまいりました」

 

 ―よくやったガリュード 流石はリングハンターと異名を取るだけのことはある―

 

 いくつのものセンタイリングを見せるシャア。現在は赤い彗星ではなく指輪を狩るリンクハンターを名乗っているようだ。そんなシャアを面白くなさそうな目で見つめる者がいた。ファイヤキャンドルである。

 「けっ!人間風情が、女王の前でデカい顔してんじゃねえぜ!」

 すまし顔のシャアに対して不快感を隠さないファイヤキャンドル。仲間意識の強い彼であるが、流石に敵対している人間が女王に気に入られているとあっては、反骨心が出るのであろうか。

 「そう気を立てないでもらいたい。仮にも指輪を女王のために集める仲間同士、仲良くしたいのだがな」

 「喧嘩売ってんのかテメエ!!」

 

 ―口を慎め ファイヤキャンドル―

 

 「女王!でもよ!!」

 

 ―偉そうな口を叩きたいのならば、指輪を一つでも集めてからにしろ―

 

 「チッ!!」

 苦い顔でその場を下がるファイヤキャンドル。やはり先のバスク・オムの事例もあるので、警戒しているのだろう。

 

 ―しかし、これほど指輪があるのならば、始めても良いかもしれんな―

 

 「ま、まさか!女王様!?かの儀式を!?」

 シャイニングナイフが驚きの声色を上げる。

 

 ―力の高まりを感じるのだ さらに今、地球は我に利があるジューンの暦 今こそ、我が願いを叶える時―

 

 「こりゃ大変~。大忙しになりそうね~」

 「しかし・・・時期尚早ではないでしょうか?まだ女王様の運命の乗り手も決まっておりません」

 「運命の乗り手・・・!!」

 

 Now Loading・・・ Now Loading・・・

 

 「って何だっけ?」

 「「ガクッ」」

 「本気ですか?何度もお話ししましたよね?」

 ファイヤキャンドルの記憶力のなさに呆れるブーケ。ナイフ&ケーク夫妻も思わずずっこけてしまった。

 「ふむ、ブーケ殿。私もブライダンに来てまだ日が浅い。ついでに教えて下さるとありがたいのだが」

 「・・・・・・・・・」

 シャアの丁寧な口調に妙な胡散臭さを感じつつ、ブーケは説明をし始めた。

 「テガソードがその身に人間を乗り込ませ操縦させるように、女王様にもその力を引き出すのに相応しい運命の乗り手が存在するのです」

 「その名誉ある運命の乗り手に選ばれるべく、ノーワン達は日々力を振るい自らのナンバーワンを示しているのだよ」

 「そうそう」

 「なるほど」

 ブーケと夫妻の説明に相槌を打つシャア。見かけの愛想は良いが、ブーケはその姿に警戒を抱いていた。

 「ノーワンがナンバーワンに拘るのはそういうことだったのか」

 「今知ったのかね!?」

 「まったくもう~」

 新参者のシャアが知らないのはともかく、古参の幹部であるファイヤキャンドルも知らなかったようだ。他の幹部に呆れられているが無理もない。

 「・・・畏れ多くも女王、今回は私をその乗り手に選んでいただけませんか?」

 「はあ!?何言ってんだおめえ!?」

 「必ずや女王の願い、叶えて見せます」

 

 ―お前ならそう言ってくれると思っていた ガリュードよ―

 

 テガジューンの返事を聞き。シャアは不敵な笑みを浮かべた。

 

 

 

 昨日はあまりよく眠れなかった。

 目の前に現れた赤い彗星の不気味さがずっと頭にこびりついていた。

 おかげで帰ってからの勉強もあまり手につかなかった。今日塾で模試があるってのに。

 いや、そんなことはどうでもいい。

 あいつがあれで終わるとは思えない。

 一度たりともあったことないし、人となりもWikiで読んで知っているくらいだ。

 けれど昨日会っただけで、何かとんでもないことをやらかしそうな人間って感じがビンビン伝わってきた。

 嫌な予感が止まらない。何かが起こりそう・・・。

 

 ピロンッ

 

 「?」

 スマホのラインの通知音がしてみたから開いてみたら。

 

 [ユリが目覚める]

 

 そう書かれていた。相手は前に駅で変なラインしてきた奴。

 ユリって何?花のこと?それとも女の子同士の恋愛のアレ?

 訳の分からないことが最近多すぎる。ラインの一文も妙に不気味に思えてきた。

 「アマテアマテ!!」

 「・・・・・ん?」

 「・・・?どうしたの?朝から何か変だよ?」

 けたたましく話しかけてきた友達。心配させてしまったらしい。

 「ああいや別に・・・。そんなことよりどうしたの?焦ってるみたいだけど?」

 「あっ!そうだった!!早く避難しないと!!」

 「避難?」

 「学校に不審者が入ってきたんだって!!」

 「不審者・・・?」

 何やらさっきとは別の嫌な予感を感じた。

 「キャーッ!」

 「うるせえぞおめえら!!」

 この声・・・聞き覚えが・・・・・。

 いや、そんなことはない。というかあってほしくない。神様、どうか違いますように。

 そう願いながら廊下に出た。

 「げえっ!!!」

 「俺は神器を探しに来ただけだ!!女どもはすっこんでろぉ!!!」

 廊下にいたのはあのバカ、ファイヤキャンドルだった。

 

 (いやいや!何であいつがこの学校にいんの!?)

 私の通うハイバリーはお嬢様学校。普通の不審者男が入って来ただけでも大事になるのに、よりにもよってファイヤキャンドルが来るなんて最悪すぎる!!

 「え?アマテ、知り合い・・・?」

 「え!?いやいや!!んなわけない!!ほら!!早くみんな逃げて!!!」

 「う、うん。アマテはどうすんの?」

 「私ちょっとトイレ!!」

 「でも不審者いるよ!?」

 「漏れそうなの!!!先行ってて!!!!!」

 「う、うん・・・・・」

 半ば強引に友達とクラスメイトを避難させた。そして私は変身するために女子トイレの個室に駆けこんだ。

 「(エンゲージっ!)」

 小声で叫んで指輪をテガソードに嵌める。

 

 【CLAP YOUR HANDS!!】

 

 「(デカいよ音が!!!)」

 豪快に鳴り響く音声と音楽。誰かに聞かれたらどうすんだ!!

 だれにも気づかれないよう、普段より手早く小さな動きでテガソードを叩いて変身した。

 

 【ゴジュウウルフ!!】

 

 変身した私はファイヤキャンドルを倒すため、トイレの外に飛び出た。

 「・・・・・・・」

 「あっ」

 トイレの中に避難していた女子生徒と目が合った。

 「・・・・・ども」

 軽く会釈して、私は廊下に飛び出た。

 

 

 

 「赤い彗星がブライダンに・・・」

 「一体何を企んでいるのでしょう・・・?」

 イズマ・コロニーの街のスーパーにいる長身の男性二人と小柄な女性一人。言うまでもなくジオン軍ソドン艦乗員のエグザベ、コモリ、シャリア・ブルである。エグザベとコモリは買い物をしながら先日現れたシャア・アズナブルの動向を話し合っていた。

 「・・・・・・・・・」

 シャリア・ブルはイチゴを物色しながら難しい顔をしている。別にイチゴの選定をしているわけではなく、かつての上官であったシャアのことを考えているのだ。多分。

 「中佐・・・」

 「人類の粛清」

 「「!!!」」

 「可能性とも言えない私の妄想ですよ。お気になさらず」

 シャリア・ブルは軽くそう言うが、幾多もの修羅場をくぐり抜けてきたジオン最強のニュータイプのいう言葉だ。説得力は充分である。

 二人はこれから起こる惨事を想像してしまい、内心ゴクリと唾を飲んでいた。

 「・・・というかコモリ、何で僕らの買い物に付き合っているんだ?」

 「・・・しょうがないじゃん。報告書書くのに色々情報収集しなきゃいけないんだから・・・・・」

 「おひとり様につき半額のセール品のイチゴがあったので助かりました。昨今の物価高、少しでも安く食料品は手に入れないと喫茶店はやっていけませんからね」

 「(結構真面目に喫茶店やってるね・・・)」

 「(あくまでも隠れ蓑なんだが・・・まあ中佐の性分なんだろう)」

 「(じゃあ許可取りなよって話なんだけど・・・)」

 シャリア・ブルの喫茶店の切り盛りっぷりに関して耳打ちをするコモリとエグザベ。ちなみに最強のニュータイプであるシャリア・ブルの耳にはどんなに小声のヒソヒソ話だろうとバッチリ筒抜けである。

 

 と大きな話と小さな話が交互に交わされる最中であった。

 「ちょっとぉ!半額にならないってどういうこと!?」

 「我々夫婦は二人で一人だ!ならばイチゴも二つ分半額であるべきではないかね!?」

 「「「?」」」

 聞き覚えがある男女の声がレジの先からする。3人は不思議に思い、覗き込んでみると。

 「あなたじゃ話にならないわぁ!店長呼んできて店長ぅ~!!」

 「我々が人間でないからと言って馬鹿にしているのではないのかね!?どんな客だろうとお客様ファーストであるべきだろう!!!」

 スーパーの店員と言い争いをしているナイフ&ケーク夫妻がそこにはいた。

 「「何で!!??」」

 「おやおや・・・」

 

 

 

 ジオンの赤い彗星が私たちの目の前に現れた。ただで終わるとは思えない。悪いことが起きなきゃいいけど・・・。

 と悪い想像をするけど今はバイトに集中。今日のバイトは花園の管理。悪い花を間引いたり、雑草を抜いたりと楽なように見えて結構つらい作業。

 と言いたいところだけど、今日はスペシャルゲストがいるんだ♪

 「・・・・・・」

 「シュウちゃーん!これ終わったら焼肉行こ!!焼肉!!!」

 「うん」

 推しのシュウちゃんが応援に来てくれた!!これなら例え地下労働施設だろうと天国へと早変わり!!モチベーションも最高潮ってもんよ!!!

 「ふひひひひ・・・。シュウちゃんと焼肉デート・・・・・」

 私がカルビをアーンして、シュウちゃんがロースをアーンしてくれて、最終的に私を食べて・・・。

 「ディヒヒヒヒヒ!!ダメだったらシュウちゃん!!まだこんな時間なのにぃ~!!!」

 脳内のデートにテンションが上がりその勢いで雑草を抜きまくる。うっかり勢いで花ごと抜いちゃいそうになるけどまあいい。肝心なことはシュウちゃんと一緒にいることだし~。

 そんな自分の世界に浸っている時だった。

 「ひゃあっ!!シシシシシシシュウジさん!!?」

 「あっ」

 「えっ?」

 顔を見上げてみるとそこにいたのは。

 「てめえええええええええええ!!!!!」

 「貴様あああああああああああ!!!!!」

 怨敵、ブライダンのブーケ女だった。

 

 

 

  ―かつて、我は人間によって作られた テガソードを真似て、世界を作る力を与えられた人工知能―

 

 「世界を形作る究極の生成AI、初めて知ったときは驚きました」

 ブライダン城にてテガジューンの過去を聞くシャア。究極の生成AIたるテガジューンに興味津々のようだ。

 

 ―ノーワン達も、ブライダンの我が子らも、みな我と同じ作られた、生成された存在にすぎぬ 我らは模造品だ―

 

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 ―しかし、模造品がオリジナルを超えてはならないと誰が決めた―

 

 そう言ったテガジューンが生成したのは、ゴジュウウルフの持つウルフデカリバーに瓜二つな剣。しかしその色は漆黒に染まっていた。

 「この剣は・・・」

 

 ―我は不完全な人間世界を、完全なモノに生成し直す 手を貸してくれるな?―

 

 「勿論。私の命は、あなたと共に・・・」

 ダークウルフデカリバーを手に取り、笑みを浮かべるシャア。その瞳の奥に何を秘めているのか。知る者は誰もいない。

 

 

 

 「待て!ファイヤキャンドル!!」

 「ああん!?ゴジュウウルフ!?んでこんな所にいんだよ!?」

 「それはこっちの台詞だ!!ここ女子高だよ!?この変態!!」

 他の生徒にばれないように変身してファイヤキャンドルに相対する。でも私までみんなから不振者を見るような目で見られて視線が痛い・・・。

 「キャッキャッキャッ!ここでてめえと決着を着けてえ所だが、わりぃがこっちは用事があるんでな!!また今度にさせてもらうぜ!!」

 「逃がすか!この変態!!」

 「誰が変態だオラァ!!」

 ファイヤキャンドルと並んで、長い廊下を全力疾走する。かけっこバトルしても意味ないけどこいつだけには負けたくない!!

 「息が上がってるぜゴジュウウルフ!!」

 「そっちこそお疲れなんじゃない!?」

 私も向こうも一歩も譲らない廊下のマラソン。疲れてきたけど走るのやめるもんか!!

 そして見えてきたのは校長室。

 「「タァーーーッチダウン!!!」」

 校長室のドアを開けて両者とも中に転がり込んだ。

 「私の勝ちだぁー!!」「俺の勝ちだぁー!!」

 「はぁ!?私の方がコンマ1秒早かったでしょ!?」

 「いいや!!俺の方が小指一本分早かった!!」

 「何だと!?」「んだとぉ!?」

 お互い負けず嫌いすぎて一歩も譲らない。これじゃあ埒が明かない。

 だったら第三者に決めてもらおう。

 「校長!!」「どっちが早かった!?」

 机の向こうでプルプル震えている校長に問いただす。

 「えっ?えっ?じゃあ・・・そっちの赤い方で・・・・・」

 「しゃーっ!!私の勝ちぃ!!!」

 「ちっくしょぉーーー!!!」

 ヘヘヘ、また勝ってやった!これでこの間のMS戦含めて二連勝だ!!

 「くっ!だったらもう一回・・・って!これだあああ!!!」

 「うおっ!?」

 ファイヤキャンドルが真っ先に向かっていったのは、校長室に置いてあった燭台。

 「これさえ貰えばもう用はねえ!!この借りは今度返すぜゴジュウウルフ!!」

 そう言って燭台を持ったファイヤキャンドルは、机の上に飾ってある記念メダルの円の中に消えた。

 「あっ!もうっ、逃がした!!」

 せっかく勝負に勝ったのに、試合に負けた気分!!

 この借り今度返すからね!!ファイヤキャンドル!!

 

 ポンポンッ

 

 「ん?」

 誰かに肩を叩かれて振り向いたら。

 でかい警備員さんがこっちを睨んでいた。

 「ちょっと一緒に来てもらおう」

 「えっえっ」

 まさか私、不審者と思われてる!?

 「違う違う!!私不審者なんかじゃない!!」

 「上から下まで不審者率100%だ!!!」

 「ぎゃーっ!!だから違うってえええ!!!」

 今度は警備員さんと追いかけっこが始まった。

 こっちはもう疲れてるのに散々だった。

 

 

 

 「お前たち何をしている!」

 「「げっ、ゴジュウティラノ!!」」

 店員と言い争いをしている夫妻に言い寄るエグザベ。さしもの夫妻も面食らったようだ。喰らう面は二つあるが。

 「何ってぇ~、ただ単にお買い物をしてるだけですけどぉ~?」

 「とぼけるな!何か企んでるだろう!?」

 「何だね!?人間界を襲ってる我々はイチゴを買う権利すらないというのかね!?」

 「いや、別にそういうわけでは・・・」

 根が真面目な性分故に、こういう口喧嘩になると弱いエグザベだった。どう考えても向こうの言い分の方がおかしいのだが。

 「エグザベ君!早く変身してやっつけちゃってよ!!」

 「いやしかし、イチゴを買ってるだけで犯罪をしているわけでは・・・」

 「今までの破壊活動だけでお釣りが来るくらいでしょ!!全然遠慮する必要ないない!!」

 「そ、それもそうだな」

 コモリの強気な発言にタジタジなエグザベ。あまり見ることのない同僚の姿に内心驚いていた。

 (意外と押しが強いタイプなのですね)

 上官のシャリア・ブルもそう思っていた。

 「ううっ、人間じゃないからって迫害されてぇ~」

 「話には聞いていたが人間とはこうも排他的とは!!」

 「いや、そんなつもりは・・・」

 夫妻は(わざとらしく)さめざめと泣きだしてしまった。そんな演技に見事に釣られるエグザベ。元来の人の好さが裏目に出てしまっていた。

 「家で待ってる我が子に冷たいイチゴを食べさせてあげたいのにぃ~」

 「風邪で寝込んでるから少しでも食べやすいものをと人間界まで来てみればこれだ!!」

 「そ、そんな事情があるのか・・・?」

 「エグザベ君!!多分嘘だから!!惑わされないで!!!」

 「異界の生命体の生殖事情はどうなっているか気になるところですね」

 「中佐!!今そこ気にするところじゃないです!!」

 「おいちょっといくら何でも可哀そうじゃないか?」

 「少しは大目に見てやれよジオン軍人さんよぉ」

 「「えっ、ええ・・・」」

 茶番劇を見ていた周りのギャラリーから、エグザベとコモリに対してヤジが飛んできた。人間というのは立場が弱い者の味方をついしたくなるものだが、夫妻はそんな人間の心理を熟知しているようだ。

 「隙あり!!」「このままイチゴを持って逃げる!!」

 「「ああっ!!!」」

 そんな夫妻は騒動の隙をついて、50%オフと割引の描かれた0の円の中に消えた。

 「逃げられたぁ!!」

 「だから言ったじゃん!!」

 敵に逃走されてしまったことを悔やむエグザベと怒るコモリだが後悔先に立たず。店の中で騒動を起こしただけの結果に終わった。

 「ちょっと?」

 「「はい?」」

 「さっきの奴らのイチゴの代金、払ってくださいね」

 「「えぇ・・・」」

 スーパーの店長から夫妻が持ち逃げしたイチゴの料金を請求されるエグザベとコモリ。骨折り損のくたびれ儲けなのだった。

 「ふむ、セールで買うより高くついてしまいましたね」

 

 

 

 「てめえ何でこんなとこにいやがる!!!」

 「あなたこそシュウジさんと何してるのですか!!!」

 いつの間にか花園に現れたブーケ女。せっかくシュウちゃんと二人きりだったのに!!邪魔するならすり潰す!!!

 「私は仕事でここに来たのです!!ですがシュウジさんを誑かすあなたがいるなら話は別です!!!ここで決着を着けましょう!!!」

 「こっちだって仕事でここにいるんだよ!!でも泥棒猫のお前が来たなら話は別だ!!!決着着けてやる!!!」

 勝負の方法は・・・!!

 

 「「推し活ナンバーワンバトル!!!!!」」

 

 推し活 NO.1 BATTLE!! READY GO!!

 

 「シュウちゃーん!!こっち向いてー!!!」

 花園をバックにシュウちゃんの写真をスマホで撮る。シュウちゃんの顔の良さが後ろの色とりどりの花々でさらに煌めいて見える。

 「ひへへへへへへへへ」

 この勝負、私の勝ちだ!!

 「甘いですね。ゴジュウユニコーン」

 「あん?」

 そう言ってあのブーケ女が取りだしたのは・・・。

 「一眼レフ!?」

 バカ高そうな一眼レフカメラだった。

 「汚ねえぞ!!金にモノ言わせやがって!!!」

 「おーっほっほっほ!!推しにお金を使うのはファンとして常識ですわ!!さらに反射板も用意して!!シュウジさん!!はいチーズ!!!」

 「ん」

 

 パシャッ

 

 どう考えてもこっちより質の高い写真を撮りやがった・・・!

 こっちはスマホのカメラ。どんなに工夫しても差は歴然としている。

 どうすれば・・・・・。

 (はっ!!)

 瞬間、私の脳内に電撃が走った。

 「シュウちゃーん!一緒に撮ろ!!」

 「えっ」

 「はいっチーズ!!」

 「ん」

 

 パシャッ

 

 シュウちゃんと花畑をバックに自撮りをした。それをSNSに即座にアップ!!

 「ヒャハハハハハ!!どうだぁ!!一眼レフじゃこんなことできねえだろぉ!!!」

 「くっ!!卑怯な!!!」

 「スマホの写真にはスマホの写真の良さがあんだよ!!身の回りのものでどれだけ楽しめるかも推し活の大切さなんだよ!!!」

 「きいいいいいい!!悔しいいいいい!!!」

 この勝負、今度こそ私の勝ちだ!!

 

 WINNER!!NYAAN!!!

 

 「ぐううっ!!今回は負けを認めますがこれだけは持って帰ります!!」

 「あっ、それうちの花!!」

 「ではご機嫌よう!!シュウジさん、新しい世界でまた!!!」

 「うん・・・」

 ブーケ女はうちの花園の花束を持って、花の水やり用のホースの円の中に消えた。

 「ちっくしょぉぉぉぉぉ!!あの女ぁぁぁぁぁ!!!」

 「ニャアン君」

 「あっ、支配人・・・」

 「バイトほっぽりだして何してるのかな?」

 「あ・・・あ・・・・・」

 その直後、支配人の怒号が花園全体に響き渡った・・・。

 

 

 

 「必要なものはすべて集まったぜ!!」

 「2つの世界のため、女王の願いが叶いますように!!」

 「「女王様!バンザーイ!!」」

 テガジューンの目の前に燭台、イチゴのウエディングケーキ、薔薇のブーケの3つが差し出された。儀式を成功させるための3種の神器である。

 

 ―おお、力が・・・満ちる・・・・・―

 

 それらの神器はテガジューンに吸収され、一つとなった。

 

 ―いよいよ、ユリが目覚める そして始まるのだ―

 

 その様子を陰から見ていたシャアは笑みを浮かべていた。

 

 ―我々の レコンギスタが―

 

 

 

 「「「「酷い目にあった・・・」」」」

 喫茶ニュータイプで机に突っ伏す私とニャアンとエグザベとコモリン。全員ブライダンの連中に会ってお疲れみたいだ。

 「あの後全力で警備員から逃げたからね・・・」

 「こっちはあいつらの分のイチゴの代金も払ったからな・・・」

 「私はバイト首になった・・・。だから焼肉からグレードダウンした・・・・・」

 「ああ・・・だからさっきからシュウジ君はテイクアウトの牛丼食べてるんだ・・・・・」

 シュウジは椅子に座って容器に入ってる牛丼を掻っ込んでいる。せっかくのニャアンのなけなしのバイト代なのに・・・。でもその表情はあまり明るいものには見えなかった。

 「何であいつらあんなもの欲しがったんだろう・・・?」

 コモリンの当然の疑問。あいつらが何の理由もなしにイチゴだの燭台だの欲しがるようには思えなかった。

 「それは・・・多分これから分かる」

 「シュウジ?」

 牛丼を食べ終わってシリアスな顔をするシュウジ。確かに私も昨日から嫌な予感が止まらない。

 「あとそれに関しては、店長から話があるんじゃない?」

 「流石シュウジ君。お見通しでしたか」

 カウンターでコップを拭いていたヒゲマンがこっちに出てきた。ヒゲマンとシュウジの会話なんて珍しいな、なんてどうでもいいことを思ったり。

 「何?ヒゲマン?」

 「単刀直入に言います」

 ヒゲマンとエグザベとコモリンはじっと私たち三人を見据えてくる。

 「君たちに我々の仕事を手伝ってもらいたいのです」

 「えっ?」

 「それって・・・ジオンの・・・・・?」

 「ええ。正規の依頼ではないので、拒否権があるお願いです」

 ヒゲマンが私たちにお願いをしてくるなんて初めてだ。しかもジオン軍人としてだなんて。

 「それは本当にジオン軍として?それともゴジュウジャーとして?」

 「今のところ両方・・・と言っておきましょう」

 シュウジの疑問をはぐらかすような答えをする。相変わらず胡散臭い・・・。

 でも・・・。私たちにやれることなら・・・・・。

 「・・・私たちじゃないと、ダメなんだよね?」

 「ち、ちょっとマチュ・・・」

 「じゃあ・・・やるよ」

 やらないで後悔したくない。

 後悔するなら、やってからだ。

 「僕も行く」

 「シュウジ・・・」

 「赤い彗星も気になる」

 「し、シュウちゃんとマチュが行くなら私も!!」

 流れでシュウジとニャアンも参加することになった。

 まあ人数は多い方がいいだろう。

 それに、シュウジの言う通り赤い彗星も気になるし。

 「皆さんのご厚意、感謝いたします」

 「よしてよ。今更じゃん」

 頭を下げるヒゲマンにむず痒くなる。

 仮にも仲間としてやって来たんだから、そういうの無しの方がありがたい。

 「あれ?でも正規のお願いじゃないんならどうやって手伝うの?」

 そういえばそうだ。あのソドンに乗るんだろうか。でもそれだったら非正規で乗れるわけがないんじゃ・・・。

 「それに関しては心配には及びません」

 「え?」

 こっちに近づいてくる3人。何だかエグザベとコモリンは疲れているように見えた。

 

 ガチャンッ ガチャンッ ガチャンッ

 

 「え」

 「えっ」

 「えっ?」

 いつの間にか私たち3人の腕に手錠が嵌められていた。

 「あなた達を逮捕させていただきます」

 こうして私たちはヒゲマン達に逮捕された。

 

 「「「何で・・・・・?」」」

 

 




なろうに放置してる女子4人:男子1人のオリジナル戦隊パロの小説の続き書いてこっちにもアップしようかな・・・
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