もしもジークアクスがナンバーワン戦隊ゴジュウジャーみたいなノリだったら   作:岩ノ森

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今回、ガンダム原作のキャラがキャラ崩壊というレベルじゃないくらいのキャラ崩壊を起こします。
苦手な方はブラウザバック推奨です。
大丈夫、という方は寛大な心で許していただけると助かります(懇願)


燃え上がれナンバーワン THE ORIGIN!!!①

 人類が増えすぎた人口を宇宙に移民させるようになって既に半世紀が過ぎていた。

 地球の周りの巨大な人工都市は人類の第2の故郷となり、人々はそこで子を産み育て、そして死んでいった。

 宇宙世紀0079。地球から最も遠い宇宙都市サイド6はジオン公国を名乗り、地球連邦政府に独立戦争を挑んできた。

 わずか1ヶ月あまりの戦いでジオン公国と連邦軍は、総人口の半数を死に至らしめた。

 人々は、自らの行いに恐怖した。

 

 そして、戦争はジオンの勝利に終わり5年が過ぎた。

 

 

 

 直径6.4キロメートルのスペースコロニーは、113,5秒に1回回転し1Gの遠心力を生み出している。

私たちを地面に押し付けているこの力は、本物の重力じゃない。

 空は頭の上じゃなく、足の下にあるんだ。

 コロニー生まれの私たちは、本物の重力も本物の空も知らない。

 もちろん本物の海も。

 

 

 

 電車がカムデン駅に着き、ドアが閉まる前に降りる。駅のアナウンスを聞きながら、そのまま改札口から出ようとした私だけど、そこでけたたましい女の子の声を聞いた。

 「どいてどいてー!!」

 「うわっ!?」

 走ってきたのは細身の女の子。中華料理屋の制服のようなものを着て、岡持ちを持って疾走している。出前の最中?勢い余ってぶつかりそうになってしまった。

 「ごめんなさいー!急いでるんで!!」

 ぶつかりはしなかったけど、バランスを崩してお互いこけそうになった。女の子はそのまま走って行った。それにしても今時、岡持ち素手で持って全力疾走で出前する女の子なんているか?宇宙世紀のこの世の中で。

 ・・・あれ?でもあの女の子、どこかで見たような?

 と思った時。

 「キャーッ!!」

 女の人の金切り声が駅中に響いた。

 「オラァッ!!てめえら一歩も動くんじゃねえ!!」

 男の人が乱暴に女の人を羽交い締めにして、ナイフを突きつけていた。

 「あ・・・あ・・・・・」

 横を見るとさっきの出前の女の子も恐怖のあまり立ちすくんでいた。軍警もやって来たけど、人質を取られているせいで手が出せないみたいだ。

 「お前・・・!」

 「ああっ!?何だ小娘!?」

 「うっ・・・」

 何か言おうとしたけど、興奮している犯人に気圧され引っ込んでしまった。

 

 何とかしなきゃって心では思う。

 でも、私にそんな力はない。

 いつもそうだ。何かを変えたいのにいざという時には行動できない。

 ずっと重力に囚われたままだ。

 

 自分の情けなさと不甲斐なさに歯ぎしりしていると。

 「待ちなさい」

 「えっ・・・?」

 目の前に黒い髪をした女の人が颯爽と現れた。

 肌は色黒で髪を後ろの方で二つのお団子に纏めていて、黒いワンピースを着ている。それより目に付くのがその上に羽織っているド派手なコートだ。色んな装飾が施されていて目がチカチカする。コートというより、まるでプロレスのガウンみたいだ。

 「何だお前!!」

 「そんなことをしてもあなたは救われない。やめなさい」

 女の人は落ち着いた声色で犯人を諭す。顔立ちはとても優しそうなのに、勇気がある人だ。

 「てめえ!!命が惜しくねえのか!?」

 「惜しくない」

 「上等だぁ!!!」

 犯人がお団子の女の人にナイフを突き立てようとする。

 「あっ!!」

 危ない!と思った。でも。

 

 ビッ!!

 

 「なっ!?」

 「えっ!?」

 女の人はナイフを、片手の中指と人差し指の二本指だけで止めていた。

 「でもあなたにこの命は渡さない」

 「ぎゃあっ!!」

 女の人はナイフごと犯人を投げ飛ばして、キックをお見舞いして蹴り飛ばした。たまらず犯人はうめき声を上げて転がる。

 私はその光景を呆然と見ることしかできなかった。

 まるで、テレビ番組の中のヒーローみたいだった。

 「皆!騒がせてごめんなさいね。お詫びにこの駅の店のもの好きなだけ買っていいわ。私の奢り!!」

 女の人がパチンと指を鳴らすと、どこからともなくメイド服を着た二人の女の子が出てきた。そして持っているアタッシュケースを開けると、中から大量の札束が出てきた。え?マジで奢る気?

 『わあああああああああ!!!』

 駅中の人みんな(軍警も含む)歓声を上げていた。

 

 「あなた、これってラーメン?」

 「えっ?あっ、はい・・・」

 女の人は出前の女の子の目の前に来て、岡持ちの中のラーメンを取りだした。

 「これと交換でラーメンを売って」

 「えっ?えっ??えっ???」

 女の人は出前に札束を渡してラーメンを買った。明らかに渡しすぎだ、ラーメン一杯に。

 「あなたも、これ食べて人生やり直しなさい」

 「ありがてえ・・・・・!!」

 そして犯人の元へ行って、そのラーメンを渡した。犯人は感激していた。いや、それ渡すんだったらさっきの札束そのまま渡した方が早いんじゃない?

 (何?この違和感・・・?)

 私はその光景を見て、何故か違和感を感じていた。

 何かが嚙み合わない。すっきりしない、デジャヴみたいなものを。

 「あの!!せめてお名前を!!!」

 助けられた人質の女の人がお団子ガウンに名前を尋ねる。映画とかでしか見ないぞ、こんなシチュエーション。

 「名乗るほどの・・・者だから教えてあげる!!」

 名乗るほどの者なんかい!!!

 

 「私はララァ!!ララァ・スン!!!人呼んでゴッドネス・ララァ!!!!!神をも恐れぬ世直し人!!!!!」

 

 ゴッドネス・ララァ!?ダサッ!!!

 「ララァ様!!!」「ララァ様!!!」「ゴッドネス・ララァ!!!」

 駅中の人が感激してその名を呼び始めた。

 「そう!!!私はララァ!!!!!」

 ララァって人は、天井に向けて高く右拳を掲げた。

 「世界に示せ!!歴史に刻め!!!私の名前はララァ・スン!!!!!」

 『ララァ・スン!!ララァ・スン!!!ララァ・スン!!!!!』

 駅中がララァ・スンコールの歓声で満たされた。正直うるせえ・・・・・。

 「「ええ・・・・・」」

 出前の子と私は、何とも言えない表情で立ちすくでいた。

 

 「クマックマックマーッ」

 「えっ!?うわっ!?」

 突然どこからともなく、クマの玩具みたいなものが飛んできた。何これドローン?

 「オイラは悪魔の取立人。ベアックマ」

 「喋った!?」

 何こいつ!?新型のハロか何か!?

 と思ったら、口から紙を印刷した。

 これって・・・請求書?

 「あの女のために働くのは嫌クマが、振り込みよろしくクマ」

 請求書に書かれていた金額は・・・11,000,000円!?

 

 「ハアッ!!!???」

 駅中に私の素っ頓狂な声が響き渡った。

 

 

 

 「ちょちょちょ!!ちょっと待って!!!」

 駅内を出て、昼の街をあのララァとか言う奴を追って走る。

 「どうしたのマチュ?いいえ5代目?」

 「え?何で私の昔のあだ名を・・・?」

 どっかで出会ったっけ?いやこんなインパクトの強い人忘れるわけがない。

 あと5代目って何・・・?

 「じゃなくて!!こんなに払えるわけないでしょ!!!」

 無償で正義活動なんてあるわけないとはいえ、これは高すぎでしょ!!!

 「ただで助けてもらおうなんておこがましいんじゃないの?」

 「お姉様のご奉仕を無料で受けられると思うな。この俗物」

 ララァに付いているさっきのメイド服の幼女二人が怖い顔して詰め寄ってくる。一人はくせ毛でもう一人は髪を後ろで纏めているオールバックのような髪をしていた。可愛い顔して圧が凄い・・・。

 「だ、だからとしても高すぎだよ。こんなの女子高生に払えるわけないじゃん・・・」

 「ふーん」

 ララァが目を細めて私を見てくる。

 その目はどこまでも深かった。吸い込まれそうになるほどに。

 「クマデさんが言ってたわ。人との出会いは大切にしろって」

 誰だよ、クマデさんって・・・。

 ララァは私の額に指をあてる。

 「サービスよ。あなたのことを治してあげる」

 そして、私の額を軽くトンッと叩いた。

 

 「!!!!!」

 

 

 テガソード

 

 ゴジュウジャー

 

 野のユリ

 

 世界の終わり・・・

 

 

 「思い出した・・・・・」

 その瞬間、私はすべてを思い出した。

 あふれ出てくる記憶に眩暈がする。

 でもそんなことに構っていられなかった。

 「シュウジは!?みんなは!?」

 私は体が動くままに駆けだした。

 ひどい頭痛がするけど、気にする暇がなかった。

 

 

 

 「・・・・・・・」

 ララァは去って行くマチュを、姿が見えなくなるまでじっと見つめていた。

 

 

 

 「何これ・・・?」

 私が向かったのは、あの喫茶ニュータイプがあった場所。あるはずの場所。

 でもそこに喫茶ニュータイプはなかった。

 そこにあったのは古びたアパートだった。

 「お兄ちゃん!お弁当!!」

 「ああすまない、コモリ。じゃあ行ってくる」

 「えっえっ?エグザベ?コモリン?」

 アパートから出てきたのはエグザベとコモリン。でも二人ともいつもの様子とは違っていた。

 エグザベは軍服でも喫茶店の制服でもなく背広を着ていた。コモリンも軍服じゃなくて今時の服を着ていた。そして手作りっぽいお弁当を手渡している。あとお兄ちゃんって・・・?2人って他人だよね?

 「はあっはあっ。ごめんどいてー!!」

 「ニャアン!?」

 走ってきたのはニャアン。

 さっき駅の構内で出会った岡持ちの出前の姿だった。

 「もー、また出前届け直さなきゃー!店長め、札束は受け取っといて出前に関しちゃ別だなんてー!!」

 ぶつくさ文句を言いながら、岡持ちを持って疾走していった。

 「失礼、お嬢さん」

 「えっ?」

 自転車を漕いで通り過ぎたのはヒゲマンだった。でもジオンの軍服じゃなくて、お巡りさんの制服を着てパトロールしていた。

 「今日も平和でいい日ですね」

 「ええ・・・・・」

 私に敬礼をして、そのまま自転車で過ぎ去っていった。

 全員まるで別人じゃん・・・。一体何が・・・・・?

 「あれ?シュウジは?」

 そういえばシュウジの姿がさっきからどこにも見えない。ニャアン達があんななんだから、シュウジも別人になってどこかにいると思うんだけど・・・。

 「?」

 ポケットに手を突っ込むと、ゴジュウウルフの指輪が出てきた。思わず指にはめてみた。

 

 ―ようやく繋がることができた―

 

 「!? テガソード!!?」

 目の前に等身大のテガソードが突然現れた。え、何で?テガソードってもうちょっと大きくなかった!?

 

 ―今の私は、お前にしか見えていない アマテ・ユズリハ、お前の指輪だけ無事だったからだ―

 

 「・・・私のだけ?」

 

 ―シュウジ・イトウ 彼がお前の指輪を守ったからだ―

 

 「シュウジが・・・?」

 シュウジは世界が変わる前、私の指輪だけ取り上げていた。

 私を守ってくれたの・・・?

 

 「ぐっ・・・ぐっ・・・・・」

 「!!」

 遠くからよろめきながらやってくる人影。

 ボロボロになっているシュウジだった。

 「シュウジ!!」

 私は思わずシュウジの傍に駆け寄る。

 「マチュ・・・・・」

 シュウジは息を切らしながら、私の方へよろよろと歩いてくる。

 そしてそのまま、バフッと私を抱きしめた。

 「・・・・・えっ!!!???」

 突然のことに頭が真っ白になる。

 体中がシュウジの匂いと体温に包まれる。

 ギュウッと抱きしめてくるその腕は結構力が強くて、シュウジが男だということを否応なしに分からされる。

 体中が火みたいに熱くなった。

 

 

 

 「ちくしょぉー!!どうしてこうなった!!??」

 「事態は深刻のようだな」

 ノーワンワールドブライダン城。そこにてシャアを含むブライダンの幹部たちは切迫していた。

 「人間界の不完全さは相変わらずのままです」

 「生成は失敗って事ぉー?」

 「ハニー!!女王様の前でそんなはっきりと!!!」

 

 ―早くあの子を、テガナグールを連れ戻せ このままでは二つの世界は、どうなるか分からん―

 

 「そのためには、どこかに行ってしまったユリ・・・王子の指輪を手にしなくては・・・」

 シャアの青い目が、何かを見据えたように輝いた。

 

 

 

 「んっんっ、プハァッ。ありがとう、だいぶ楽になった・・・」

 「大丈夫・・・?」

 シュウジに取りあえず水を飲ませて落ち着かせる。それでも結構衰弱しているみたいだ。適当に食べ物買ってきたから、何か食べさせないと。

 でも、さっきのシュウジの体の感覚・・・。

 「っ!!」

 不純なことを思いだしそうになり、ブンブンと首を横に振る。その記憶を脳の外に追い出させるように激しく。

 

 ―・・・・・・・・・―

 

 「こっち見ないでよ・・・」

 テガソードがそんな私の様子をじっと見てくるから文句を言ってやった。あんたは若いカップルを見守るおっさんか。神様だろあんたは。

 「あんたも食べる?」

 

 ―・・・・・いや―

 

 テガソードにコンビニのハンバーガーを差し出すけど受け取らなかった。そもそもこいつがモノを食べれるのかは知らない。

 「で、何が起こってるの?どうしてこうなった?」

 

 ―・・・あの時、確かに破滅の王子は生まれた―

 

 「破滅の王子・・・野のユリのこと?」

 

 ―ああ しかし、儀式には本来、全てのセンタイリングが必要となる―

 

 「赤い彗星も、指輪は全て集めていなかったんだ」

 シュウジがパンを食べながら補足する。食べたせいか少し顔色が良くなったみたいだ。ちょっと安心した。

 

 ―故に世界は滅びることなく、いたずらにコードを書き換えられた 全てが変わっているのはそのせいだ―

 

 「元に戻すにはどうしたらいいの?」

 

 ―それができるのは王子 テガナグールだけだ―

 

 「テガナグール・・・・・」

 シュウジは食べていたパンを口に詰め込んで、何かを考えこむ。

 「テガソード・・・その名は・・・・・」

 シュウジが口を開こうとした瞬間だった。

 

 ゴオオオオオオオオッ!!!

 

 「!!」

 急に閃光が走ったと思うと、突然大型のモビルアーマーが現れた。

 全身緑色で所々とんがっている、まるでチューリップみたいなMA。

 「あれは・・・?」

 「シャロンの薔薇・・・!!」

 「えっ、あれが!?」

 ヒゲマン言っていたモビルアーマー。あれがそうなのか。でも何でこんなところに・・・?

 そしてシャロンの薔薇は、装備されてる粒子砲をコロニーの街に放った。

 『キャーッ!!』

 逃げまどう人々の悲鳴が聞こえる。

 「止めなきゃ!テガソード!!」

 「その必要はないわ」

 「!?」

 現れたのは、あのお団子ガウン。

 「ララァ!?」

 「薔薇を止めるのは、私の役目」

 そう言うとララァは右手を天に掲げた。

 

 「来なさい、ガンダム」

 

 そして指をパチィンと鳴らした。

 その途端、空に閃光が走ってその中からモビルスーツが現れた。

 あれって・・・。

 「緑の・・・ガンダム・・・・・?」

 シュウジの乗っているガンダムと同じ姿をしたMS。

 でもその色は、シュウジのとは違って緑色に染まっていた。

 あのシャロンの薔薇みたいに。

 「ララァ・・・!」

 「シュウジ、久しぶり」

 え、シュウジとララァって知り合いなの?

 

 ―ララァ・スン・・・―

 

 「テガソードも久しぶりね。シュウジがお世話になっているわ」

 テガソードとも知り合い・・・?一体ララァって・・・?

 「何者なの・・・?あいつ・・・・・?」

 

 ―彼女はララァ・スン ゴジュウウルフの指輪の4代目契約者にして、前回の指輪争奪戦のチャンピオンだ―

 

 元ゴジュウウルフ・・・!?だから私を5代目って・・・・・。

 え?ってことはこの戦い、5回も続いてんの!?

 「そして・・・僕が戦う理由・・・・・」

 「シュウジの・・・戦う理由・・・・・?」

 「僕が・・・救わなきゃいけない人・・・・・」

 シュウジの救わなきゃいけない人?あの人を救うために、地球に行きたがっていたの?

 

 ―彼女は私と共に戦い、全てのセンタイリングを集め、願いを叶えた そして世界を救った―

 

 世界を・・・救った・・・・・?

 「シュウジ、もう私は救われる側じゃない」

 ガンダムが動いて、コックピットの扉が開いた。

 「今度は私が救う側」

 そしてガンダムに乗り込んで、コロニーの空へと飛び去って行った。

 緑のガンダムがシャロンの薔薇へと向かう。

 シャロンの薔薇がビームを撃ちだして、ガンダムがそれを避けながら頭部バルカンを放つ。

 「ララァ・・・やめるんだ・・・・・!あなたが戦う必要なんてない!!」

 「シュウジ・・・」

 ここまで必死になっているシュウジを見るのは初めてだ。

 あの人って、そんなに大切な人なの・・・?

 

 

 

 「シュウジ・・・ありがとう。ずっと戦い続けてくれて」

 ガンダムのコックピット内で、操縦桿を握りながらララァはシュウジの念を感じていた。

 「でも、もう待つのはやめたの」

 操縦桿をグッと握りこみ、ガンダムをシャロンの薔薇「エルメス」へと突っ込ませる。

 「救えないなら、自分で迎えに行って捕まえる!!」

 ガンダムは背中のビームサーベルを取り構える。

 「ビームサーベル!唐竹割り!!」

 ビームサーベルをゆっくりと回し円を描き、そのままエルメスを一刀両断した。

 そして、エルメスは空中で爆散した。

 「薔薇・・・ゆっくり眠りなさい。今までお疲れ様」

 ララァは優しく、労いの言葉をかけるかのように呟いた。

 

 

 

 「ララァ・・・あなたは・・・・・」

 ガンダムに斬り裂かれて爆発する薔薇を歯ぎしりして見守るシュウジ。

 私は未だにシュウジのことを何も知らない。

 

 ドゴーンッ!!!

 

 「っ!?」

 後ろから爆発音がして振り返ると青い六つ目の怪物と黒い狼みたいな怪人が街を破壊していた。

 「バリバリィー!!」「ガルル・・・」

 「何あれ!?ノーワン!?」

 「いいえ、違うわ」

 いつの間にか地上に降りて来ていたララァが突然横に現れた。

 「邪悪な巨獣ハンター・バングレイと、闇に落ちたガオの戦士デュークオルグ・狼鬼。テガジューンが世界を生成した歪みで生まれたのね」

 そう言うとララァは指を鳴らしてあのメイド二人を呼び出す。 

 「お姉様!」

 「これを」

 二人が差し出したのは、白色のゲンコツのようなもの。

 「ありがとう二人とも。危ないから下がっていなさい」

 「「はいっ!」」

 ララァは二人をどこか遠くへやった。

 そしてララァは、白い指輪を取りだす。

 

 ―それは・・・!―

 

 「ララァ・・・!」

 テガソードとシュウジはそれを見て、驚愕と困惑の入り混じった声を出す。

 「シュウジ、私は大丈夫」

 ララァはシュウジの顔近くまで近づいてきて。

 そっと、シュウジの頬に優しくキスをした。

 「はあっ!!!???」

 私は思わず間の抜けた声を上げてしまった。

 「見てなさい。これが私の世直し」

 ララァはあの二体の怪人の方に向き直る。

 

 「エンゲージ!!!」

 

 ララァは指輪をゲンコツに嵌める。勇猛果敢な、プロレスやボクシングの入場曲みたいな音楽が流れだす。

 「ふぅーっ」

 ララァは体の力を抜いて、ルーティーンみたいな動作をする。

 そして、白いゲンコツを思い切り叩いた。

 

 【ゴジュウポーラー!!!】

 

 そして氷に包まれ、それを砕いてシロクマみたいな戦士に変身した。

 「シロクマ人間・・・?」

 目の前で起こる事態に、私たちは困惑するしかなかった。

 

 




・・・・・・・・・・・・・・(無言の全力土下座)
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