もしもジークアクスがナンバーワン戦隊ゴジュウジャーみたいなノリだったら   作:岩ノ森

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ジークアクスの影響でガンダムを少しずつ履修してるんですけど、ガンダムって誇り高いはぐれ者たちの話では?


ホントの戦い(バトル)はアニメじゃない!②

 「テガソードのパイロットは不明・・・。ただ次の契約者が決まったようです」

 揺れる地下鉄内で、軍警から解放されたジオン公国軍少尉「エグザベ・オリベ」はイズマコロニー内で先日起きたブライダンとの戦闘についてシャリア・ブルに報告していた。軍警から暴行を受けたのかところどころに痛々しい痣がある。

 「それに関しては私も感知しました。契約の恩恵・・・といったところでしょうか」

 「自分がジークアクスをまともに動かせていたら・・・すみません」

 「仕方がないでしょう。奴らの勢力は未知数です。あの赤いテガソードが敵でないだけ良しとしましょう」

 仮に自分がジークアクスのオメガ・サイコミュを起動できてたとしても結果は変わらない、そう言われているようにエグザベは感じた。しかしおそらくシャリアの言うことは事実である。だがエグザベは自責の念に駆られていた。

 「・・・・・この指輪だけは、何とか死守しました」

 懐から取り出したのは黄色に輝く指輪。軍警に取られないよう隠し持っていたらしい。

 「後はその指輪が君に使えれば、言うことは無しなのですが」

 エグザベの表情がさらに険しくなる。見かねたシャリアはドラッグストアで買った絆創膏をエグザベに差し出した。

 「傷、痛みますか?」

 力強く指輪を握りしめるエグザベ。指輪の輝きが増したように見えた。

 

 

 

 ・OKANEMOCHI BATTLE ROUND1!!

 「まずはお金持ちの食事であーる!お金持ちの食事と言えば高級フレンチに限るのであーる!!」

 お金持ちノーワンは白いテーブルクロスのついたいかにも高級な机で、運ばれてくる高級フレンチをパクついていた。

 「うーむ、流石フォアグラ!お金持ちのための珍味であーる!」

 対するこちらは。

 「うんうん、スパイ○ーチキン美味しい」

 「おいしいおいしい」

 「あの・・・・・」

 コンビニで買い占めたフードやらスナックやらスイーツやらで豪遊していた。

 「明らかにあっちと差があるように見えるんだけど・・・」

 「しょうがないでしょ!私のお小遣いじゃこれくらいの豪遊が限度なの!!」

 「でもその制服、お嬢様学校のじゃ・・・」

 「あんな豪遊できるほど貰ってるわけないじゃん!それにこういうの内緒でやると背徳感あって贅沢な気分になれるの!!」

 「ポテトチップス食べていい?」

 

 ・ROUND2!!

 「次はお金持ちの休日であーる!!お金持ちは貸し切り高級リゾートで日光浴であーる!!」

 ノーワンは貸し切りで人っ子一人いない高級プールサイドで、デッキチェアに座りグラサンをかけて日光浴を始めた。

 対するこちらは。

 「人がごった返しすぎー!!」

 「狭っ、暑苦しっ!」

 「ギュウギュウだー」

 大混雑の市民プールで泳いでいた。

 「くつろぐどころか泳ぐ暇すらないんだけど!?」

 「休日は皆来るんだよ!ここ安いし!!」

 ここまで来ると“市民”プールというより“庶民”プールだ。

 「フフフ、庶民の奴らは大変であーる」

 「バカにすんな!ここには流れるプールもあるんだからね!!」

 「あの、さっき見てきたけど故障中って」

 「えっ」

 「ヌッフッフ、さて吾輩はオイルマッサージでも受けるのであーる」

 「ぐぬぬぅ~!!」

 「フランクフルト食べていい?」

 

 ・ROUND3!

 「最後はお金持ちの買い物であーる!お金持ちの買い物は大人買い、ならぬ富豪買いで買い占めるのであーる。店員!こっからここまでの服を全部持ってくるのであーる!!」

 怪物は高級ブランドの洋服店の服を全部買い占めていた。

 対するこちらは。

 「これどう?」

 「えー・・・、いいんじゃない・・・?あんたは?」

 「よくわかんない」

 古着屋で服を物色していた。

 「ふふふ、貧乏くさい服を着おってであーる」

 「高けりゃいいってもんじゃないの!コーデだよコーデ!!古着屋には掘り出し物もあるんだから!!」

 「この服穴空いてるよ・・・?」

 「えっマジ!?ちょっと店員さーん!!」

 「服の匂いっていい匂い」

 

 繰り広げられるお金持ちバトルを見ながらアンキーたちポメラニアンズ一同は思った。

 (何だこれ・・・・・)

 と。

 

 繰り広げられるお金持ちバトル。その果てに・・・。

 「もうお金ないんだけどーーー!!?」

 「ええーーーっ!!?」

 財布の中のお小遣い全額がパァになってしまった。

 「ハッハッハ!どうやらこのバトル、吾輩の勝ちのようであーる!」

 

 OKANEMOCHI BATTLE!

 WINNER! OKANEMOCHI NO ONE!!

 

 「お金ないって、バトルどうすんのよ!?」

 「全部使ったんだからしょうがないでしょ!?あんたらの分も払ってやったじゃん!!」

 いがみ合うけど、それでお金が出てくるんなら苦労しない・・・。

 「ハッハッハ!金の重さは命の重さ!そいつの人生の価値であーる!!」

 「なっ、お金が全てじゃないでしょうが!!」

 「お金が全てであーる!貧乏人共はお金持ちの下で潰れてろであーる!喰らえ、富と名誉プレス!!」

 

 ヒューッ ドバサァッ!!

 

 「ぐうぇっ!!」「うわっ!!」「わぁ」

 大量のお札が降ってきて、私たちはその重みに耐えかね潰された。

 「ぐっ・・・これがお金の重み・・・・・」

 普段何気なく使ってるお金がこんなに貴重なものだったなんて・・・。

 こんな貴重なものをお母さん、お父さんは私のために稼いでくれてるのか・・・。

 「ハハハッ、貧乏人にチップであーる」

 ノーワンは私の顔を札束でパンパン叩いて、地面にお札をぶちまけた。

 

 それを見て、私の中の何かがキレた。

 

 「うぅぅぅぅがあああぁぁぁぁぁっっっ!!!!!」

 怒った勢いで札束の山から出られた。まだ若干お札が体に張り付いていて重い・・・。

 いやそんなことはいい!こいつムカつく!!倒したい!!!

 「フッ、貧乏人が。もう勝負は終わったのであーる」

 「まだ終わってない!!!」

 「何?」

 「日暮れまで!日暮れまであればもう一回豪遊できるほど稼いでみせる!!」

 もうこうなったらヤケだ!石にかじりついてでもナンバーワンになってやる!!

「何を言い出すかと思えば。日暮れまでに富豪になる当てなんてあるわけないであーる」

 「あるよ当てぐらい!!あんた負かすくらい稼げる当てがね!!!」

 「ほう、面白い。ではお金持ちバトル、続行してやってもいいのであーる」

 「ちょ、ちょっと!?」

 「言ったな!?後悔しても知らないからね!!」

 「ま、待って!あんたも行くよ!!」「んー」

 私はバイトとシュウジを連れて、あの場所に駆けだした。

 

 

 「一体何だったんだ・・・」

 「てかジェジー助けてやってよ・・・」

 「・・・・・・・」

 「キャンキャンッ」

 取り残されたポメラニアンズ一同は、先ほどのナンバーワンバトルにあっけにとられたままだった。

 

 

 「ね、ねえっ!日暮れまでに豪遊できるほど稼ぐって、クラバでもするの!?」

 「いいやっ、金にまみれた汚い大人の手なんか借りない!!」

 「じ、じゃあどうすんのよ!?」

 全力で走ってやってきたのは、さっきのキラキラが描かれている川。

 「ここで探す!!」

 「えっ?」

 「さっき落ちた5000ハイトのコインを探す!!」

 「・・・・・ええぇーーーーーっっっ!!!??」

 「んー」

 

 

 「ねー、見つかったー?」

 「全然・・・」

 「ううん」

 私たちは3人で靴を脱いで服をまくり上げて川をさらって落ちたコインを探していた。

 「どの辺に落ちたっけ、えーっと・・・」

 「・・・ニャアン」

 「意外とかわいい名前・・・」

 何気にバイトの奴の名前を今知った。本名?偽名だったりするんだろうか?

 「あっ」

 「見つけた!?」

 「1クールコイン落ちてた」

 「もうっ!そんなはした金いいよ!」

 シュウジが拾ったコインを投げ捨てる。今は5000ハイト優先だし。

 「・・・・・・・・」

 落ちたコインの方を、ニャアンは川をさらいながら恨めし気に見ていた。

 「さっきの怪物の話だけどさ・・・」

 「ん?」

 「やっぱりお金も必要だよ・・・」

 「何?あんなバカみたいな豪遊したいわけ?」

 「そうじゃないけど・・・」

 「あっ」

 「あった!?」

 「開けてないジュース。飲めるかな?」

 「飲めるか!!」

 このシュウジってやつ、薄々感づいていたけどマイペースすぎる。

 「お金以外も大切なものってあるじゃん。愛とか・・・?友情とか・・・?」

 自分でも若干自信なさげ。でもお金が全てなんて嫌すぎる。

 「・・・暮らしていくためにはお金がいる」

 「・・・・・・・・」

 「この世界全部のことにお金がいる・・・。恵まれた暮らししてる奴らには分からないよ・・・・・」

 ニャアンはすごい悲しげに言う。

 ・・・私はお父さんもお母さんも稼ぎがいい。

 別に何もしてなくても毎食出て来るし、服にも住むところにも困らない。

 だからニャアンみたいな難民の気持ちなんて分からない。

 いや、分かろうとしてないのかもしれない。

 あんな危ないバイトまでして、ニャアンはお金が必要なんだ。

 もしかして私、あの怪物と同じ・・・・・?

 

 「ああっ!」

 一人で思考の渦に入ってると、ニャアンが驚いた声を出した。

 「見つけた!?」

 その手にあったものは・・・。

 「えええええ、エッチな本だ・・・」

 泥だらけのいかがわしい写真集だった。拾った当人は顔が真っ赤だ。

 「そんなものどうでも・・・!いや、ちょっと見せて?」

 あんま大きな声じゃ言えないけど私だって思春期だ。そういうものに興味くらいある。

 「うわっ、結構すご・・・」

 「ああ、まだめくらないで!このページもっと見てたい・・・」

 「んー?」

 「男子は見るな!!いや、これ元々男子が見る用か・・・」

 「は、早く次めくってよ・・・っ!」

 「急かさないでよ、濡れてるからめくりにくいんだからっ」

 私たち3人は、未知なるピンクのキラキラに没頭していた。

 

 没頭しまくってた結果。

 

 日暮れが来た。

 

 「ま、まさか、エロ本読んでて一日が終わるとは・・・・・」

 今まで感じたことない自己嫌悪に駆られる・・・・・。

 「アホーアホー」

 カラスまで馬鹿にしてくる始末だ。

 

 

 「どどど、どうすんの!?今から探してる暇ないよ!?」

 約束は日暮れまで。それまでに見つけないとお金持ちバトルに敗北する。

 

 『お金が全てであーる』

 『いいよそんなはした金!』 

 

 自分の言動とあの怪物の言動がフラッシュバックする。

 世の中お金だけじゃない、って言いながら結局私もお金って尺度で見てる。

 汚い大人と同じだ・・・。

 ・・・・・いや。

 「一つ違う所がある!!」

 「へ?」「・・・・・」

 「二人とも!行くよ!!」

 私はノーワンとの約束の場所に走り出した。

 

 「ちょっと!エロ本持ってどこ行くのー!?」

 

 

 

 「ふふふ、もう日暮れであーる。さては逃げたであーるな」

 コロニーの反射光に照らされる日暮れの街、お金持ちノーワンはそこで待っていた。

 「ど、どうすんだよ!ジェジーはあんままなのか!?」

 「やっぱりガキに任せたのが間違いだったんだ」

 ポメラニアンズのケーンとナブは痺れを切らしていた。身内が被害にあっているのだから当然だろうが。

 「まあ待ってな」

 だがそんな中でも元締めのアンキーは涼しい顔であった。

 「今にきっと、面白いものが見れるよ」

 

 「違約金でもたっぷり取ってやるであーる」

 「誰が逃げるか!!」

 「む!?」

 そこに現れたのはマチュ、ニャアン、シュウジの3人組であった。何をしてきたのか。3人とも泥だらけである。

 「よく来たであーるな。さあさあ、稼いだものを見せてみるのであーる」

 余裕綽々のお金持ちノーワン、短時間で富豪になれる当てなどないと完全に高を括っている。

 「まあどうせ、自販機のジュース一杯分が関の山であろうが」

 「ふんっ、目にモノ見せてやる!!」

 マチュは手に隠し持っていた何かを頭上に大きく掲げた。

 「これが!私たちの稼ぎだあああ!!!」

 そこにあったのは・・・。

 

 「「「「は・・・・・?」」」」

 

 先ほど、3人が川で拾った泥だらけのエロ本だった。

 

 

 

 「・・・ぶっ、ぎゃははははは!!何だそれはであーる!それが豪遊できる分の稼ぎとでも言うのであーるか!?」

 「あ、アンキー・・・?面白いものってこれですか・・・・・?」

 「いや・・・あの・・・・・・」

 ノーワンどころかあのアンキーたちもあっけに取られてる。

 でもこれでいい。これが私の気づいた正解。

 「さては勝負を捨てたであーるな。2回戦も吾輩の勝ち・・・」

 「あんたのお金持ち生活ってさ、一人でしか楽しめないわけ?」

 「は?」

 「こっちはね!コンビニフードとか市民プールとか古着屋とかだったけど、皆と遊べて楽しかったんだよ!!」

 多分この理論は無茶苦茶だ。大人はきっと笑う。

 「このエロ本もね!3人で苦労して探して楽しんだ、汗と涙の結晶なの!!」

 「ぬうっ!?」

 「それに比べてあんたのはたった一人の自己満足じゃん!!金持ちになってそんなになるくらいなら、私はお金なんか捨ててやる!!」

 でも!今は!この理論を押し通す!!

 「世迷言を!お金がなくて不幸になるやつがどれだけいると思うであーるか!!」

 「うるさい!現実なんてどうでもいい!!」

 いつか現実を見なきゃいけないとしても!!

 「今は!これが私たちの青春だーーー!!!」

 私は思い切り振りかぶって、ノーワンにエロ本をぶん投げた。

 「ぐっ!?ぐはあああああああっ!!!」

 原理は知らないけど、エロ本がノーワンの頭上で巨大化し、ドゴーンと押しつぶした。

 

 

 瞬間、お金持ちノーワンの脳内にあふれ出した、存在しない記憶。

 『なあなあ今日も河原でエロ本探しであーる』

 『いいであーるな。巨乳ビキニの本があるといいであーる』

 『お前はホントにスケベであーるな』

 『『ハッハッハッ!』』

 

 

 「青臭さと泥臭さに満ちた青春・・・。お金じゃ買えないであーる」

 ノーワンが弱った!

 「今だよシュウジ!」「うん」

 「「エンゲージ!!」」

 指輪をテガソードにはめ、音楽に合わせて二人で手を叩く。

 

 【ゴジュウウルフ!】【ゴジュウレオン!】

 

 怪人の隙をついて私とシュウジは変身した。

 「本当のバトルはこれからだ!!」

 

FINAL ROUND!!

 

 「ええい!現実の厳しさ、教えてやるであーる!!」

 

 

 【いざ掴め!ナンバーワン!!】

 

 「金は天下の回り物!青春や友情も金さえあれば!!お金持ちノーワン!!買って見せよう、地獄の沙汰さえ!!!」

 

 「お金の価値も知らない年頃。だけど信じる!大切なもの!アマテ・ユズリハ、ゴジュウウルフ!!私の青春、プライスレス!!!」

 

 【NO.1 BATTLE!READY!? GO!!】

 

 

 「出ろっ!アーイー!!」

 「リンリン!」「リンリン!」

 「行くよシュウジ!」「うん」

 変身した私たちはテガソードでベル野郎ども、アーイー達を斬り裂いていく。でも狙うはお金持ちノーワンただ一人!!

 

 【レオンハスター50!】

 

 シュウジはレオンバスターでアーイー達を狙い撃ちにしていく。私も負けずとアーイー達を蹴散らす。

 「ええい!小僧共が!!喰らえ小銭バズーカ!!」

 「うおおっ!」

 ノーワンが小銭を大量に発射してきた。そして壁に着弾して爆発した。

 「くっ、当たるとヤバい!」

 「・・・・・」

 シュウジは冷静に何かを取り出した。そしてテガソードにはめ、手を鳴らし始めた。

 

 【メガレンジャー!】

 

 「姿が変わった!?」

 青いゴジュウレオンの姿が、サイバーチックな赤の戦士に変わった。ただ胸のアーマーはそのままだ。

 「ええいっ!死ねぇい!!」

 ノーワンが小銭バズーカを発射してくる。シュウジは避けるどころかそれに向かって突っ込んでいった。

 「何ぃ!?」

 「君の動きは読んでいる」

 完全にノーワンの懐に飛び込んだシュウジ。

 「ドリルセイバー。セイバースラッシュ」

 ドリルみたいに回る剣で、ノーワンを斬り裂いた!

 「くううっ!負けてたまるか!!富と名誉プレス!!」

 「あっ!うわっ!!」

 またも重いお札で身動きを封じられてしまった。

 「マチュ!」

 「ハハハッ!とどめであーる!!」

 向かってくるお金持ちノーワン。

 

 死ぬ?

 

 私、死ぬ!?

 

 走馬灯みたいなのが走った瞬間だった。

 

 ガシャンッ!!

 

 「ぐわあっ!!」

 「!?」

 お金持ちノーワンの背中に、小さな虫みたいなのがたくさん引っ付いた剣が突き刺さっていた。

 何!?あれはシュウジ!?シュウジがやったの!?

 でもこれで隙ができた!!

 

 【フィニッシュフィンガー!ウルフ!!】

 

 斬撃を飛ばしてノーワンを斬り裂いた!!

 そのままの勢いで連撃!連撃!!

 「ぐおおおおおっ!!!」

 「テガソード!力を貸して!!」

 私はテガソードでノーワンの体を引き裂く。

 「うううっ・・・」

 中にいた!ガラ悪眼鏡!!

 「手を伸ばして!!」

 ガラ悪眼鏡の手を掴んで、そのまま引きずり出した!!

 「ぐわっと!?」

 「ジェジー!」「大丈夫か!?」

 ジェジーってやつは解放されたみたい。これで遠慮なくとどめだ!

 

 【フィニッシュフィンガー!ウルフ!!】

 【レオンガトリングバースト!!】

 

 シュウジが銃撃の弾幕を、私が斬撃を発射する。

 「ぐわああああああああ!!!」

 お金持ちノーワンは爆発した!

 「私こそ!お金持ちナンバーワン!!」

 

 WINNER! GOZYU WOLF!!

 

 「ぬううっ!まだ終わらんであーる!」

 「生きてた!?あいつ!!」

 生きてたと思ったお金持ちノーワンは、地面にあった丸いコインの中に消えた。

 

 

 「ぬっ、これがいいのであーる!邪魔だどけ!!」

 「なっ!?うわああっ!!」

 ワープしたお金持ちノーワンは、パイロのクランバトル用のザク・フォースネークアイズ仕様を奪い取り乗り込んだ。

 「こうなったらこれで人間どもの世界を破壊してやるであーる!特別ラウンドであーる!!」

 

 

 「はっ!」

 妙な殺気みたいのなのを感じて空を見上げる。するとザクが飛んで行っていた。

 「あの中に・・・」

 「さっきのノーワンがいるね」

 「!」

 こいつも分かるのか。だったらやっぱり・・・。

 今はそんなこといいや!

 「来い!テガソード!!」

 

 【アウェイキング!!】

 

 「リングイン!」

 

 【掴め!斬り裂け!レッド!!掴め!斬り裂け!レッド!!】

 

 「人神一体!!」

 

 【テガソードレッド!!】

 

 テガソードレッドでノーワンが乗ったザクを宇宙へ押し出す。

 「今度こそやっつけてやる!」

 「金の底力!見せつけるであーる!!」

 テガソードとザクの一騎打ち・・・と思ったら。

 「ええいっ!」

 「うわっ!」

 いきなりデカいベルみたいなロボが飛び出してきて、2対1になった。

 「ファイヤキャンドル隊長、どうか私に力を・・・。アイアイザー・クロサンドラ、参る!!」

 ベルロボットはシャベルを持って、こっちにやってくる。

 これって・・・。

 「マヴ戦!?」

 一人じゃ分が悪すぎる!!

 

 

 

 「て、テガソーッ!?むぐっ!!」

 イズマコロニー内のバーにいたエグザベ、テレビに映ったテガソードを見てうっかり滑りそうになった口を押さえる。

 「契約者はどうやら民間人のようですね」

 狼狽するエグザベと比べて、シャリアは冷静に分析する。

 「しかし、相手がマヴなのに対してテガソード側は一人。いくらテガソードとはいえ有利とは言えません」

 宇宙空間内で行われる二人一組の攻撃方法、マヴ戦術。ブライダン側が意識しているかどうかは分からないが、奇しくも人間たちが考案した戦術と同じ攻撃方法を取っていた。

 事実、ザクが銃撃で援護しつつ、アイアイガーがスコップで近接攻撃を仕掛ける。完璧なコンビネーションが行われていた。

 (さて、どうする。テガソード・・・そのパイロット・・・)

 シャリアが思案したその時である。

 「!」

 「あれは・・・!」

 現れたのは、赤いガンダムだった。

 

 

 

 「ガンダム・・・この感じ、もしかしてシュウジ・・・?」

 私はMS内の様子も分からないのに、何か波長のようなものを感じ取っていた。

 「戦えと・・・ガンダムが言っている」

 テガソードとガンダム・・・。

 「これなら・・・行ける!!」

 これが、私たちのマヴ戦だ!!

 

 

 SPECIAL ROUND! NO.1 CLAN BATTLE!!

 

 READY!? GO!!

 

 

 「堕ちろであーる!」

 ザクがマシンガンを連射してくる。

 「うおおおおおおお!!!」

 私は悪戯に避けようとせず、あえて弾丸の海の中に突っ込んでいった。

 「なっ!?死ぬ気か!?」

 「んなわけあるか!!」

 弾丸の弾幕の中をテガソードが紙一重で避ける。頭よりも先に体が動いていた。

 「させるか!!」

 敵のベルロボットがシャベルでぶん殴ろうとしてくる。

 

 ガゴンッ!!

 

 「ぐぅっ!?」

 ガンダムがハンマーで援護してくれた!

 おかげで相手のベルロボットの動きが鈍った!!

 「うおおおおおおお!!!!!」

 私はテガソードの剣でベルロボットに突っ込んだ。

 

 

 

 「マヴの基本に実に忠実。相手のロボットが未知数だというのによくやるものです」

 シャリアはぱっと見平静を装って、クランバトルを分析していた。

 「あの赤いガンダム・・・。ま、まさか・・・赤い彗星も契約者!?」

 「あれは大佐ではないよ」

 「!?」

 「大佐がマヴの先陣を他人に譲るわけがない。例え相手が神だったとしても」

 シャリアは呆れのような、嫉妬のような、愛憎のような様々な感情が入り交じった声で答えた。

 

 

 

 

 シュウジ、どこ?

 

 大丈夫、マチュ もっと自由になって良い

 

 海を泳ぐ、魚みたいに

 

 「はっ!!」

 頭の中の何かがキレた。

 「これで潰れろであーる!!」

 ザクが閃光弾を投げてくる。

 強い光で何も見えなくなる。

 でもそんなこと関係ない。

 キラキラの光が輝く方へ!

 

 「堕ちろおぉぉぉぉ!!!」

 ベルロボットがシャベルを振りかざしてくる。

 テガソードを動かし、それに対してカウンターを決めた!!

 「このバトルは!アニメじゃない!!」

 カウンターを決めた状態で、テガソードがきりもみ回転する。

 「ホントのバトルは!命がけなんだぁぁぁーーー!!!」

 

 【ウルフ!ソードフィニッシュ!!】

 

 「テガソード合斗狼(アウトロー)ブレイカー!!」

 ベルロボットは粉々に砕け散った。

 「わが忠誠心は!フォーエバー!!」

 そして宇宙で爆発して塵と化した。

 

 「アイアイザーが・・・!ぐぅっ!?」

 赤いガンダムがビットでザクに対し射撃をしてくる。

 「エンゲージ」

 

 【ゴジュウレオン!】

 【レオンバスター50!】

 

 シュウジはガンダム内でゴジュウレオンに変身。レオンバスター50を取り出した。

 そして何と、巨大化したレオンバスターが赤いガンダムの右腕とドッキングした。

 「なっ!?」

 「ガンダムシューティングスターバースト」

 ガンダムは右腕のレオンバスターとビットの光弾を一斉射撃。まるで流星群のような弾幕にザクは粉微塵になった。

 「ぎゃああああ!!お金以外も大切にしろよぉぉぉ!!!」

 お金持ちノーワンはザクとともに宇宙の塵となった。

 

 NO.1 CLAN BATTLE!

 WINNER! POMERANIANS!!

 

 

 

 「カシオスぅぅぅ!何でお前がぁぁぁ!!」

 ブライダン城でファイヤキャンドルは、カシオス・ベアーと一緒に撮った写真を握りしめて泣いていた。

 「許さねえ・・・!指輪の戦士ども・・・・・!!」

 部下を殺されたファイヤキャンドル、その目には復讐だけではない闘志が燃えていた。

 

 

 

 「これは・・・マヴなんですか・・・・・!?」

 「さあ?でもどうやら、赤いガンダムのパイロットも契約者で決まりのようです」

 動揺するエグザベ。それに対してシャリアは不敵な笑みを浮かべていた。

 

 

 

 

 「はぁっはぁっ!勝った・・・!」

 コロニーに戻ってきた私とシュウジ。もうテンションやら何やらで頭の中がグチャグチャ・・・。

 「勝ったん・・・だね」

 ニャアンが心配そうに見てくる。一言いいたかったけど、何も言う気力もない。

 それよりもさっき見たキラキラの快感で頭がどうにかなりそうだった。

 

 「借りができちまったね」

 いつの間にかアンキーたちが傍にいた。助け出した性悪眼鏡も元気そうだ。

 「仲間を助けてくれて礼を言う」

 「いや・・・別に・・・・・」

 「おかげで賞金も手に入ったしね」

 「・・・・・・・・・・・・は?」

 賞・・・金・・・・・?

 まさかと思ってスマホを確認する。

 「あーーーっ!!さっきのバトル!クランバトルで配信されてるーーー!!!」

 「ええーーーーー!?」

 「汚いよ!人の命がけのバトルを!!」

 「クラバはそもそも命がけだ。あと、これが大人の立ち回り方だ。覚えておくんだね」

 このおばさん、生きるか死ぬの戦いだってのに。

 やっぱ大人なんて信用できない!!

 

 

 疲れた・・・。命を懸けるってこんなに大変なんだ・・・・・。

 「今日はもう帰ろう、とガンダムが言っている」

 家に帰ろうとするシュウジ。そもそもこいつに帰る自宅があるかは知らない。

 

 あ、そういえば忘れてた。

 「ねえ」

 「ん?」

 「会長との戦いのとき、撃ったのってシュウジ?」

 シュウジは無言でコクリと頷く。

 「何で私の方を助けたの?」

 明らかに強いのは会長の方。そっちを助けた方が得だったと思うけど。

 「君のが面白そうだったから」

 「は・・・?」

 「面白いのは好きだ、とガンダムも言っている」

 何その理屈。少女漫画か?

 

 でも面白いって、私が特別って事・・・?

 

 ・・・いや、惑わされちゃダメだ。

 

 あの会長を撃つような奴だ。

 危ない奴には違いない。

 そう思いなおしつつ、シュウジの方に惹かれている心もあった。

 

 「あ、忘れるところだった」

 「へ?」

 「これ、バイト代」

 シュウジがニャアンに差し出したのは、例の5000ハイトコイン。

 って、ちょっと待って・・・。

 「いつ見つけたの?」

 「川探しの最初の方」

 「何で・・・言わなかったの・・・・・?」

 「これ、ニャアンのバイト代だから」

 私とニャアンは顔を見合わせた後、全身の力が抜けてその場にへたり込んだ。

 

 やっぱこいつ、変!!

 

 

 

 「アマテさん・・・助けるのはこれっきりだよ・・・・・」

 マチュたちを遠くから見つめるのは、クワガタオージャーの変身者。ホシコ・ヒノ。

 「いずれまた、時がくれば戦おう・・・」

 持っていたトマトジュースを飲み干したホシコは、背を向けて、いずこともなく去って行った。

 

 

 

 「赤いガンダム・・・」

 ビルのテレビモニターで流れている、赤い彗星のガンダムのニュースを見つめる一人の女性。

 「今度こそ、決着をつける」

 その手には、輝く指輪が握られていた。

 

 




 ・NEXT NO.1 BATTLE!!(続くといいな)
 
 アンキー「連邦の撃墜王、魔女と呼ばれた女さ」
 ノーワン「我こそはノーワンワールド、家事ナンバーワン!!」
 シイコ「私のために死んで!ニュータイプ!!」
 マチュ「シュウジ!ダメぇっ!!!」
 
 シイコ「第3話『マジ強(つよ)魔女はお母さん!』」
 
 READY!? GO!!
 
 ・ジークアクス風予告
 マチュ「100キル超えの魔女って呼ばれる撃墜王がいるんだって」
 ニャアン「その人とも、戦わなきゃいけないの・・・?」
 マチュ「うーん、どうだろ・・・ってシュウジ!?何やってんの!?」
 マチュ「次回『マジ強(つよ)魔女はお母さん!』」
 ニャアン「え?奥様は魔女・・・?」
 マチュ「何でそんな古いの知ってるの・・・?」

・お金持ちノーワン
身長:197cm
体重:218kg
秘技:富と名誉プレス、小銭バズーカ
生成ワード:お金持ち、リッチ、一攫千金、人間、ナンバー1

「お金が欲しい」というジェジーの願いを元にジェネレイティブされたノーワン。混じってしまったコガネムシのように煌めく体で贅沢の極みを行う。自分の大量の資産を使った「富と名誉プレス」で相手を動けなくして戦う。
マチュとニャアンとシュウジにお金持ちナンバーワンバトルを挑んだ。

・お金持ちナンバーワンバトル
どれだけお金持ちらしく充実した豪遊ができたかを競うバトル。1度目は資産の差でお金持ちノーワンが勝利したが、マチュたちの泥まみれの青春がお金で買えないものと悟るや否や逆転されてしまった。
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