もしもジークアクスがナンバーワン戦隊ゴジュウジャーみたいなノリだったら   作:岩ノ森

32 / 34
遅くなってすみませんでした。展開の仕方やゴッドネスララァの活かし方を色々考えたりなどしていたら遅くなりました。申し訳ありません。

あと野球のルールをよく知らないので書きあぐねていました。


爆発!SD(スーパーダイナマイト)野球大会!!②

 ブライダン城のテガジューンの間。幹部が全員出払ったその部屋は何も動くものが無く不気味なほど静かだった。

 ただ一人、女王の前に佇んでいるシャア・アズナブルを除いては。

 

 ―ガリュードよ 私はお前のことが気に入っている―

 

 巨大な扉の向こうにテガジューンの顔がある。その前に佇むシロウズことシャア・アズナブルは涼しい笑みを崩さないままだ。

 

 ―特に、お前の心に潜む虚無をだ その虚無の心は何物にも染まりうる 例えるなら純白のドレスを着た花嫁のようにだ―

 

 「お誉めに預かり光栄です、女王様」

 

 ―だがその虚無が、私のために使われるのならばだ―

 

 「・・・・・・・・」

 

 ―私のために尽くしてくれるな? ガリュードよ―

 

 「私の身も心もあなたのものです、女王様。あなたと出会ったあの日から・・・ずっと・・・・・」

 

 

 テガジューンの間を後にしたシャアは壁に掛けられている鏡の前で歩みを止めた。そして自分の前髪を捲り上げ、額を露わにした。

 「この世界でも、この傷は疼くか」

 シャアの額に、一本の傷が浮かび上がった。

 

 

 

 『さあ始まりました。我らがお姉様率いるチームと、野球ノーワン率いる異世界からの侵略者ブライダンチームとの野球対決。実況はララァお姉様の付き人一キュートなメイド、ヴァーニ、解説はララァお姉様の付き人一ビューティーなメイド、カンチャナでお送りします。どうでしょう解説のカンチャナさん、この試合の行く末は?』

 『お姉様の活躍以外どうでもいいです』

 『私もそう思います。それではその他の方々は四の五の言わず始めやがってください』

 

 「ストォーーーップ!!!」

 

 『なんだよ?』

 「何やってんのメイド二人!?」

 『お姉様の勇姿を称えるために実況と解説してんだよ』

 『とりあえずお姉様の所まで打順を回せ。コールド負けなんて許さん』

 「肝心のあんたらのお姉様監督やってんだけど!?」

 メイド二人が称えているララァはベンチの監督席に座ってサングラスをかけてふんぞり返っていた。あんなキャラ漫画くらいでしか見ないぞ。

 「てか何でララァ監督やってんの!?」

 「違うわ。監督じゃなくて超・監・督」

 「どっちでもいいよ!!何で戦力が最前線で戦わず監督やってんのって話!!!」

 「一番経験のあるものが司令塔なのは世の常だと思うけど?」

 「いけしゃあしゃあと何言ってんの!!??」

 「まあまあマチュ・・・」

 「落ち着きましょう、人数は足りているので」

 「ぐぬぬ・・・」

 エグザベとヒゲマンに抑えられ渋々引き下がる。会った時から思っていたけどあいつは自由人すぎる。あんな奴をシュウジは救おうとしてるのか?救う必要ないくらい図太くない?

 「第2に!!何で三連星のおっさん達がいるの!?」

 さっきからどう見ても場違いな連中がいるのに対しようやく突っ込んだ。

 「おいおい随分とご挨拶じゃねえか。助っ人に来てやったのによ」

 「会社設立で忙しい合間を縫ってやってきてやったんだからな」

 「何でわざわざ・・・」

 「ごめん、私が呼んだ・・・」

 「ニャアンが!?え!?呼べる3人ってこいつらのこと!?こいつらと連絡先交換してんの!?」

 「うん・・・・・」

 「まあこっちにはこの間の借りがあるからな。市長の仕事が忙しいが、こっちとしても借りを返すにはおあつらえ向きだったってわけだ」

 マッシュ(だっけ・・・?)のおっさんが言ってるのはこの間の暴走レッドレーサーの件だろう。そういえばできる限りの礼はするって言っていた。こんな形でお礼されるとは思ってなかったけど。

 「まあ気になる点と言えば、赤い彗星のマヴがこっち側にいることだが?今回は不問にして協力をしよう」

 「それはありがたい。こちらとしても助かります」

 三連星のおっさん達がヒゲマンにガンを飛ばしまくっていた。

 「あの・・・ヒゲマンとおっさん達って昔何かあったの・・・?」

 「赤いガンダムの台頭で軍から戦力外通告されたの」

 「えっ?それって呼んだらまずかった・・・?」

 コモリンとニャアンとで耳打ちする。ジオン軍も色々と大変らしい。

 というか、それより気になるのが・・・。

 「久しぶりねシュウジ君。元気してた?」

 「うん」

 目の前にいる撃墜王のことだった。

 「(ちょっちょちょちょっとマチュ!?何でシイコさん呼んだの!?)」

 「(呼ぶ気なかったんだけどたまたま出会っちゃったの!!そしたら私も出るって聞かなかったの!!)」

 「(なあ、あの大人しそうな女性は・・・?)」

 「(撃墜王、ジオンなら聞いたことあるでしょ・・・)」

 「(連邦の魔女!?何でこんなジオンだらけの所にいるんだ!?)」

 「(まずいって!!中佐は彼女の怨敵の赤い彗星のマヴだったのよ!?)」

 「(だからそれは私も思ったから呼ぶ気なかったの!!!)」

 エグザベ、ニャアン、コモリンと耳打ちする。呼ぶ気全然無かったのに、にたまたま出会って、ニュータイプの能力で全部察せられてこんな形になっちゃった・・・。

 「シャリア・ブルさん、今日はよろしく」

 「ええ」

 「色々と言いたいことはあるけど今日は全部忘れて協力し合いましょう」

 「助かります。お互い頑張りましょう」

 シイコさんがにこやか笑顔を保ったままヒゲマンと話している。でもなぜか一見穏やかなのに、何かの拍子で爆発しそうな緊張感があった。

 「(まずいまずい!!戦争の再現になるぞ!!!)」

 「(まあ本人は吹っ切れたって言ってたし・・・ここでは流石に戦争はしない・・・と思いたい)」

 「(戦争の恨みなんてそう簡単に吹っ切れるもんじゃないのよ!!!)」

 「・・・・・」

 「「「あっ」」」」

 「ジオンの皆さん、今日はよろしく」

 「「「「ひっ!!!」」」」

 菩薩みたいなにこやか笑顔が、殺気を帯びて見えた。

 「さあ盛り上がってきたところで!!野球ナンバーワンバトルスタートだ!!!」

 「審判は私、ベスト・オブ・プロ審判のゴーグ・ルゴーが務めます!!それでは、プレイボール!!!」

 

 野球 No.1 BATTLE!!

 READY GO!!!

 

 

 『まずは先攻、ブライダンチーム。1番、ファイヤキャンドル。』

 「キャッキャッキャ!人間如きの球なんぞ宇宙の彼方へ飛ばしてやるぜ!!」

 『後攻、お姉様チーム。ピッチャー、エグザベ・オリベ』

 「何故僕が・・・」

 「他に投げれそうな奴いないからしょうがないでしょ!!」

 「頑張れエグザベ君!!あなたの怪力なら3アウト狙えるよ!!!」

 『カンチャナさん、この試合どう見ます?』

 『守備にお姉様がいないのでどうでもいいです』

 『おっしゃる通りです。私もとっととこの茶番劇を終わらせてくれることを望みます』

 「だからあんたらのお姉様は監督をしてんだよ!!」

 「文句ならそのお姉様に言え!!」

 『お姉様の言うことは絶対だ』

 『狂犬と怪猫はお姉様の活躍の場をあっためろ』

 「「ぶん殴ってやろうか!!!」」

 「まあまあ・・・」

 私とニャアンはまたもエグザベに止められた。あやうく実況解説相手に乱闘になるところだった。

 「絶対塁に出すなよジオンのあんちゃん!」

 「俺らより若えんだからしっかり頼むぜ!」

 「え、ええ・・・」

 ガイアとオルテガのおっさん二人からヤジを飛ばされるエグザベ。こういうのもパワハラって言うんだろうか。

 というかこっちって野球は愚か、スポーツ経験者ってどれくらいいるんだろう・・・。

 「マチュちゃん」

 「な、何ですかシイコさん・・・?」

 「MSの操縦ってスポーツに入ると思う?」

 「さ、さあ・・・。入らないんじゃないですか・・・?」

 「あらあら、それじゃ経験ないわね」

 「そ、そうですか・・・(心読まれた・・・?)」

 「夫と夜のスポーツならよく」

 「ストォーーーップ!!それ以上はセンシティブ判定喰らうから!!!TPOわきまえて大人なら!!!!!」

 「チッ」

 「え・・・?シュウちゃん舌打ち・・・?」

 「下ネタは嫌い」

 「シュウちゃん下ネタ嫌いだったの!?」

 「あら残念、嫌われちゃったみたい」

 「シイコさんがそんなこと言うからでしょ!!純真なシュウジにあんなこと聞かすな!!!」

 

 

 

 「後ろが騒がしいんだが、投げていいのだろうか・・・」

 エグザベは舞い戻ってきたいつものノリのせいで、投げるタイミングを見失っていた。

 

 

 「じゃあ行くぞ。とらぁっ!!!」

 エグザベはおおきく振りかぶって、キャッチャーのオルテガ向かって剛速球を投げる。テガソードとの契約で得た怪力のおかげで、剛速球を投げることができるようだ。

 「甘いぜ!貰ったぁ!!」

 しかしファイヤキャンドルは完全にその剛速球を見抜いていた。バットの中心にボールがジャストミートし、カァンと高い音を奏でた。

 「なっ!?」

 そのボールは炎を纏い、凄まじいスピードでエグザベの頬を掠めていった。

 「ぐっ!」

 「エグザベ!!」

 「エグザベ君!!」

 「大丈夫だ!!それよりボールを!!」

 心配そうに駆け寄ろうとするマチュと補欠でベンチにいるコモリを制し、ボールの方に集中するよう叫ぶエグザベ。しかしそのボールはというと。

 「熱っ熱っ!!」

 「これじゃ取れないよ!!」

 ガソリンをぶっかけ、火を灯したかのように燃え盛っており、誰もボールに触れることさえできない状態だった。

 「キャッキャッキャ!!ランニングホームランだぜ!!!」

 そうこうしているうちにファイヤキャンドルはホームへ戻ろうとしていた。

 「そうはさせるか!!マッシュ!!」

 「おうよ!!!」

 全速力で走ってきたガイアは何と燃え盛るボールをそのまま素手で掴んだ。

 「なっ!?」

 「ぐっ!!行くぞマッシュ!!!」

 手が焼けるのを気にせず、ガイアは炎のボールを3塁のマッシュ目掛けて投球した。

 「おらあああ!!来い!!!」

 「うおおおお!!間に合えええ!!!」

 マッシュに一直線に向かう炎のレーザー。何とかセーフになろうとファイヤキャンドルが滑り込んでくる。

 

 ズザアアアアア!!!

 

 ジュウウウウウ!!!

 

 「「ぐっ!!」」

 手を焼いたマッシュと脚を痛めたファイヤキャンドル。判定の行方は・・・。

 「セーフ!!」

 間一髪、ファイヤキャンドルが間に合ったようだ

 「キャッキャッキャ!!やったぜえええ!!!」

 「ちっ。コンマ1秒の差だったか」

 「大丈夫二人とも!?」

 「ああ」

 「これで借りの一つは返したぜ」

 二人の手の火傷を心配するニャアン。平気そうにする二人だが焼けただれた手が痛々しかった。

 「ちょっとぉ!!これ卑怯じゃない!?」

 審判のゴーグ・ルゴーに詰め寄るマチュ。確かに、ファイヤキャンドルの燃えるバッティングは人間界基準で言えばルール違反に間違いないだろう。

 「ルール上、何も問題はありません」

 「何でよ!?」

 しかしあっけなくルール違反はないと突っぱねられてしまった。

 「ファーハハハ!!ルール無用のデスゲーム!!これぞノーワン式野球!!!」

 野球ノーワンは勝ち誇ったかのように高笑いをしていた。

 「なるほど、つまり何でもありということですね」

 「ぐぬぬぅ~」

 冷静に分析するシャリア・ブルと歯ぎしりするマチュ。12話まで来ていつも通りの光景であった。

 

 「俺はここまでだ。あとは頼んだぜ・・・」

 「隊長ぉ!!」

 脚を痛めてしまったファイヤキャンドル。これ以上の試合は続行不可能と見て退場する様だ。ファイヤキャンドルの代わりには補欠の銀アーイーが入る。

 「後は我々にお任せください!!」

 「何、我々が合わされば人間如きのチームなぞすぐ負かして見せるさ」

 「体あっためて休んでねぇ、キャンドル君」

 「お大事にしてください・・・」

 部下と仲間の幹部たちに見送られるファイヤキャンドル。日頃の行いによる慕われっぷりが見て取れる。

 「その前にだ。おい!そこのおっさん!!」

 「「ん?」」

 ファイヤキャンドルはガイアとマッシュの2人に声をかけた。

 「人間にしちゃあ中々の熱いプレーだったぜ。敵ながらあっぱれだ!!」

 「「・・・ふん」」

 敵である二人に手を上げるファイヤキャンドル。それに応じたのか、ガイアとマッシュの2人も背を向け、軽く手を上げる。

 それを見たファイヤキャンドルは満足そうに、球場のライトの円の中に消えた。

 

 「敵同士で何あの茶番は・・・」

 「古来より野球の試合の中では、敵味方の男同士で友情が芽生えることもままあるのよ」

 「何でそんなこと知ってんのコモリン・・・」

 「色々事前に勉強してきたのよ・・・」

 

 

 『2番、Mr.シャイニングナイフ&Mrs.スウィートケーク。二つの顔がくっついているので2番と3番兼任すべきなのでしょうか』

 『じゃあお姉様が全ての役割を兼任すべきだと思います』

 『全くそう思います。それなら素晴らしい試合になりそうです』

 「あんたらお姉様にオーバーワーク強いてるぞ!!」

 実況解説メイドに突っ込むマチュ。しかしそんな突っ込みものらりくらりと躱される。

 「フフフ、ゴジュウティラノ如きのボールに遅れは取らんよ」

 「キャンドル君の頑張りに応えなくっちゃねぇ」

 ブンブンとやる気満々にバットを振る夫妻。この場合、ナイフがバットを振ることになるのか、ケークがバットを振ることになるのか謎である。

 「これ以上、塁には出させんぞ!!」

 エグザベが振りかぶって球を投げる。ストライクゾーン目掛けて、ボールが飛んでいく。

 「クリーム固めぇ」

 「何ぃ!?」

 「えいやらやーっ!!」

 何とケークがクリームでボールを固め、球速が鈍くなった隙にナイフが剛腕でボールを打ってしまった。

 「また卑怯な手をー!!!」

 地団駄を踏むマチュ。その間にもボールはどんどん高く上がっていく。

 「ハッハッハッ!このままホームランだ!」

 「やったわねダーリン!」

 浮足立ちスキップで塁を走る夫妻。

 その時である。

 

 パシッ

 

 「「な、何ィィィィィ!?」」

 「ヒゲマン!?」

 何とゴジュウイーグルにエンゲージしたシャリア・ブルが空中でボールをキャッチしていた。

 「頼みますオルテガさん」

 そしてキャッチャーのオルテガ目掛けてボールを投げる。

 「任せな!!」

 オルテガは投げられてきたボールをキャッチし、滑り込んできたアーイーにタッチした。

 「タッチアウト!!」

 「しゃあっ!!」

 『この場合、夫妻が2人なのでアーイー含めてスリーアウト、ということでよろしいんでしょうか』

 『いいんじゃないでしょうか。このまま行ってもお姉様の活躍は見れそうにないので』

 『そうですね。スリーアウト、チェンジです』

 「やったあああ!!やったよみんなあああ!!!」

 大喜びし全員に駆け寄ろうとするマチュ。ところがである。

 「ピピーッ!!ルール違反!!!」

 「え?何で?」

 ゴーグ・ルゴーが笛を吹き、ルール違反を宣告した。

 「やはり変身したのがまずかったでしょうか」

 「でもそっちがルール無用って言ったじゃん」

 マチュの言う通り、先にルール無用と言ったのはブライダン側である。シャリア・ブルはそれに則って変身をし、プレーをしただけなのだが。

 「デスゲームにもルールはあります。ルール違反はこのヒゲです」

 「「は?」」

 「シャリア・ブルのこのヒゲの形状はルール違反です。よってブライダンチームに3点加算されます」

 「なんじゃそら!!!」

 「いちゃもんじゃん!!!」

 「ヒゲ・・・」

 流石に納得いかず、グラウンドの全員(髭を撫でているシャリア・ブルを除く)がブライダン側に乱闘を仕掛ける寸前となる。

 「ピピーッ!!乱闘はルール違反!!ブライダンチームにさらに2点追加されます」

 「何よそれぇー!!!」

 「ファーハハハ!!!一気に優勢となったな!!!」

 「ぐぬぬぅ~!!!」

 理由はどうあれ一挙に点差を離されるマチュたち。流石のマチュも納得いかず歯ぎしりするばかりだった。

 「どうやらあの審判、ノーワンと組んでいるようですね」

 「そりゃあな!!!」

 冷静に分析するシャリア・ブルだが、言うまでもなく金アーイーは元々ブライダン側である。公正な審判は望めそうにない。

 

 「つまり、八百長ってわけね」

 審判席で試合を見物していたララァはボソッと呟いた。

 「面白くなってきたわ」

 口元に悪そうな笑みを浮かべながら。

 

 




ちなみにララァをゴッドネスにした理由は、初代ガンダムキャラの中で強くて知名度があって誰がゴッドネスをしたら面白いかを消去法で決めたらララァになった、という理由です。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。