お待たせしました!本編更新です!
番外編の投稿後に色々と予定を立てていたもので、思いのほか時間が掛かってしまいました……すみません……
しばらくはのんびりペースが続くかもですが、更新はちゃんとしますのでお待ちいただければと思います。
では、久々の本編です!どうぞ!
それは、宙に浮かんでいた。『Weeリモコン』程度の大きさがある円錐型の機械、それが8基。それが、指令を待っているかのように空中で佇んでいる。
僕のおでこについているバンダナのような、カチューシャのような形の機械。この宙に浮かぶビッドの制御装置を手で少しだけ触り、上手く付いているかを確かめた。
問題なし、そう判断した僕は宙に浮かぶ8基のビッドに念を送る。
「行け、ファンネル!」
『ファンネル』。そう名付けられている8基のビッド。真っ直ぐ進めという命令の念を送れば。頭に付いている機械から信号が送られてファンネルは進むはずだ。
そして念が送られたファンネルは僕の命令通りに動き……
──バタバタバタッ……
……出さなかった。空中に浮いていた8基のファンネルは、僕が念を送ると同時に力を失ったように落ちていってしまったのだ。
「やっぱりダメです……」
「ダメみたいだね……」
僕ががっくりと項垂れて、この状況を飲み込む。
僕が初めてエンジニア部に訪れた際に見せてくれた『無線制御式小型エネルギー砲』、通称『ファンネル』。
アニメや漫画で出てくる架空兵器の中でも人気が高い兵器。これを忠実に再現したのがこの兵器なのだ。
小型のエネルギー生成ジェネレーターが8基全てに内蔵されており、実弾ではない正真正銘のエネルギー式ビーム砲を撃つことが出来る傑作なのだが、様々な欠陥を抱えている問題兵器でもあった。
内蔵されているジェネレーターが小型であるが故に、生成されるエネルギーが少なくなって1発撃つのに5分も掛かる。それを解消するための充電用マザーポッドが、それなりの大きさでかさばってしまうなど、ありとあらゆる問題を抱えている中で、特に致命的とも言える問題を抱えていたのだ。
それが、そもそも制御が出来ない問題。
このファンネルをまともに使いたければ、8基全てに正確な情報を送れるほどの処理を脳で行わなければならない。それを一般的な人間にさせようというのは土台無理な話だった。
故にファンネルを動かしたくても、今のように情報が上手く伝わらずファンネルが落ちていくというのが基本だったのだ。誰がどう頑張って念を送ったとしても、決して動いてくれない8基のファンネル。それがこの兵器の致命的な欠点だ。
ではなぜまたこうしてファンネルの実験をしているのかというと、それには理由があった。
「うーん……ファンネルに伝わる信号を単純化させて動かしやすくしたつもりだったのだが……そう上手くはいかないか」
ファンネルの実験をしていた理由は、ファンネルを少し改良したからである。ウタハさん曰く、従来のファンネルと比べてこの改良したものは動かしやすくなったらしい。
だが結果は見ての通り、前回と全く同じ結果となってしまったわけだが。
「やっぱり8基全部動かすのは無理がありますね……1基だけなら前回に比べて動かしやすくなっているのは分かるんですけど……ほら、目を瞑っていても動かせます」
僕は一番近くにあったファンネルに念を送って1基だけ動かした。僕の頭で考えている通りにヒュンヒュンと動いてくれるファンネル。そして近くにあった的に向かって近づいてエネルギー砲を1発撃った。
エネルギー砲は的に当たると、まるで障害がないかのように貫通させた。これだけでもこのファンネルの威力が高いものかが伺える。
「やはり8基動かすのは人間には不可能なのだろう。改めてその事実を突きつけられて苦しいな……」
ウタハさんは眉を下げて悲しそうに呟いた。
「だが一体誰がこれを使いこなせるというんだ?アリスでも不可能なのに……」
「……えっ、アリスさんにも試してもらったんですか?」
アリスさんにもファンネルを試してもらった。初耳なその事実に僕は少し驚く。
「私から少しお願いしてね…彼女は人間とは少し離れているボディをしているだろう?だからもしかしてファンネルも使えるだろうと思ったのだが……結局、4基までしか動かせなかったよ」
「……へっ!?4基も動かせたんですかアリスさん!?」
「あ、ああ。確かに動かしていたよ」
……驚いた。まさか4基も動かすことが出来るなんて……いや、アリスさんですら4基しか動かせられなかったというのが正しいのか?
僕は驚きながらも色々と考えた。でも確かにアリスさん以外でこのファンネルをまともに使いこなせそうな存在なんて想像も……
「アリスも悔しそうにしていたさ。『うわーん!5基目から動かなってしまいました!』と半泣きで訴えていたからね」
「……ぷっ」
「………何故笑うんだい?」
「いや……アリスさんのモノマネ可愛いなって……」
「………もうやらない」
拗ねるような声でぷいっとそっぽを向いたウタハさん。少しだけ片頬が膨らんでいて、何だか普段のギャップを感じて新鮮だ。
「…まあいい。マザーポッドも今は小型化している真っ最中だし、まだまだ改良をしていかないとね」
「そうですね」
そう言ってウタハさんは両腕を上に伸ばした。ウタハさんは連日研究に明け暮れているので、やはり疲労と言うのは溜まっていくものなのだろう。
「あ、ウタハ先輩~」
僕も一緒に身体を伸ばしていると、後ろからヒビキさんが近づいていた。
「あ、ヒビキさん。お久しぶりです」
「アオトくん。久しぶり、元気にしてた?」
「はい、おかげさまで」
少し事務的だが、久しぶりに会ったので挨拶をする。そしてヒビキさんはウタハさんに向けて視線を向けた。どうやらウタハさんに用があったらしい。
「ちょっと実験結果で相談が……」
「ほう?分かったすぐ行こう。少し待っていてくれ、アオト」
そう言うとウタハさんとヒビキさんは工房の奥へと消えていった。途中、「デシベルはまだ上がる……?」「これ以上だと鼓膜が……」という何とも身が震えそうになる会話が聞こえてきたのだが、気にしないでおこうと思う。
《ファンネルですか…》
「あ、ケイ」
そして2人が工房の奥に消えていったかと思えば、ケイが僕に声をかけてくる。
《王女でも使いこなせないほどの兵器……頭脳だけで8基全てに情報を送らないといけないものですか。確かに今の王女には難しいかもしれませんね》
「……?そうなの?」
今の王女だと厳しい…?少し気になる言葉ではあるけれど、とりあえずケイの言葉を続けて聞いてみる。
《ハッキリ言って、『名もなき神々の王女』としてスペックならこの兵器を操るくらい造作もありません。しかしそれは王女が戴冠したらの話です》
「というと?」
《今の王女は、いわば『器』のようなもの。スペックは秘めていますが、その全てを出し切るにはまだ足りません》
《そこで必要になるのがこの私です。私を例えるなら『脳』と言えばいいでしょうか……私と言う『脳』と王女の『器』、この2つが合わさって初めて『名もなき神々の王女』として覚醒することが出来ます》
「……なんかその言い方だと、ケイの『脳』があればファンネルを操るのは簡単だって言っているように聞こえるんだけど」
《それは……使ってみないと分かりません。けれどそんなに難しいものですか?あの武装に正確な情報を送るというのは》
「難しいよ…僕たちにとってはさ」
《そうですか……私には難しく見えないのですけれどね》
あのファンネルを動かすのが難しいと思わないとは……やっぱりケイは超高性能な存在なのだろう。そう考えると今はこのゲーム機の中に入れられて十全に力を使えないのが可哀そうに思えてくる。
それにしても、アリスさんも『名もなき神々の王女』として覚醒すればファンネルを使えるとは……やはりその王女という存在は規格外なのだろう。しかもケイが言うには『造作もない』ということだから、おそらく息をするのと同じようにファンネルが使えるのだろう。
やっぱり、色々と凄いな……アリスさんとケイって。
「すまない、待たせたねアオト」
「あ、ウタハさん。いえいえ、全然そんなことないですよ」
ケイと話しているうちに、ウタハさんが戻ってきた。先ほど工房の奥に消えていく際に話していたあの物騒な会話はなんだったのだろうか。
「他にも何か作っているんですか?強そうな武器とか……」
「ああ、今ちょっと自作の『スタングレネード』を作っていてね。どのくらいの周波数と音圧が相手に効果的なダメージを与えられるのかという研究をしている真っ最中なのさ」
「な、なんか怖いですね……」
スタングレネード……『ブリキギアソリッド』くらいでしか見たことのない武器だが実際に受けるとどんなダメージを喰らうのだろうか。
やっぱり精神力がゴリゴリ削られたりするのかな?
「ま、まだ色々と試している最中だからね。実用まではもう少し先かな?」
「そうなんですね……そんなこと言って、実は数日後には使えるようになりましたってなってそうな気もしますけど」
「はははっ、そこまで上手くいけたら万歳三唱ものだよ。まあでも、そんなに時間はかからないと思うけどね」
出来ないとは言っていないし、そこまで時間はかからない宣言まで聞いてしまった。やっぱり数日後には出来てしまっているのではないだろうか。
というかそもそも、武器とか兵器ってこんなにポンポンと直ぐに作れてしまうものなのだろうか?僕はエンジニア部の技術力を目の当たりにするたびに疑問に思ってしまうのだが……まあ、今更と言うものだろう。
「さて……もう少し色々とお願いしてもいいかい、アオト?」
「あ、はい。どうぞどうぞ」
どうやら他にも色々と試してほしいものがあるみたいだ。
僕はウタハさんの希望通りに、様々な試作品や開発品を試していったのであった。
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その後も、色々な物を見せて試させてくれたウタハさん。
持っただけで軽快なBGMと共に体が勝手に動き出す大きなハンマーや、見た目は普通の手榴弾なのにいざピンを抜いて投げて見れば小さな爆弾が無数にふりまかれる『拡散グレネード』、実は男性版も開発していた『光学迷彩下着』、高機動型でまだ開発途中の『雷ちゃん』など……カッコいいものから意味不明なものまであらゆる開発品を試させてくれた。
「本当に……ウタハさんって凄いですよね、こんなにいっぱい物を作れて。『光学迷彩下着』は僕には理解が難しいものですけど……」
「おや、アオトには『光学迷彩下着』の面白さは理解してくれないのかい?」
「面白い……うーん…面白さより恥ずかしさが勝ってしまうような……履いたけどもろ見えって下着の意味がないような……」
「意味がないからこそ面白いだろう?」
「まあ、それは分かりますけど……」
それでもやっぱり恥ずかしさが勝つだろう。試着室で履かせてもらったけれども、履いた感触はちゃんとあるのに僕のゾウさんがパオーンしているところを鏡に堂々と映ってしまっていたのは恥ずかしすぎる。
なんというか、光学迷彩という技術は凄いのだからもっとカッコいいものに使っても良いのではないかとは思う。例えばファンネルに光学迷彩を使って見えない場所から攻撃とか……
「ふぅ、今日の所はこのくらいでいいだろう……さて、久しぶりに何か作ってほしいものはあるかい?」
「……え、いきなりどうしたんですかウタハさん?」
僕が光学迷彩について考えていたところにいきなりウタハさんが作ってほしいものについて聞いてきた。
流石に唐突すぎて虚を突かれた僕は、どうしたのかと聞いてしまう。
「いや、ここ最近はちょくちょく私たちの開発品性能実験に付き合ってもらっているだろう?」
「ええ、まあ……僕も好きで付き合っているので」
「嬉しいことを言ってくれるじゃないか………まあその性能実験のお礼に加えて、今日は『雷ちゃん』の件で色々と迷惑をかけてしまったからね。お詫びと言ったらあれだが、アオトの欲しいものを作ろうかと思ったというわけさ」
「それは有難い提案ですけれど……でも、良いんですか?いつも何かしら作ってもらっているような気が……」
「おや、また遠慮かい?いつも言っているだろう、小学生が高校生に遠慮なんかするものじゃないとね」
爽やかな笑顔で提案をしてくれるウタハ先輩。つい1ヶ月ほど前にもマイクとイヤホンとカメラを作ってもらったばかりなので少し気が引けるのだが……でもウタハさんはいつも遠慮はしなくても良いと言ってくれるし……
…せっかくだしお言葉に甘えようと思う。
「それじゃあ、お願いしても良いですか?」
「もちろんだとも。さあ、願いを言うといい」
まるで球を7個集めたら出てくるドラゴンみたいなことを言うウタハさん。でもウタハさんならどんな願いも叶えてくれそうな凄みがあるような気がする。
まあそこは置いといて。僕はウタハさんに作ってほしいものを考えてみる。
こういうのは、意外とパッとは思いつかないものだ。普段は欲しいものがあったりするのに、いざ好きなものを選んで良いという時に限って思いつかないというのもある意味人間らしい部分と言うか何と言うか……
それに、せっかく頼むのだからエンジニア部にしか作れないような凄いやつを頼みたいという下心も、僕の欲望と思考を邪魔している。巨大ロボットだとか超兵器だとか、あったらあったで興奮するけど実用性なんて何もないものが頭を過る。
それらを全部抑えた上で、実用性も高くエンジニア部にしか作れなくて僕も欲しいと感じるものを考えようとすると、それこそ難しくて頭を悩ませる要因になってしまう。
何か……何かヒントはないのか。僕の望んでいて、心も欲望も満たされる素晴らしい案が……僕の記憶の中には……
『──だったらせめて、銃だけでもなんとかしろ』
ネルさんの声が、頭に響く。ウタハさんがユウカさんに怒られていた間、僕とネルさんとの会話で流れた1つの提案。
僕の持つ『M1911A1』よりも強い武器を持った方が良いという、アドバイス……
「……新しい銃が欲しいです」
その言葉を思い出したときには、既に口から自然と漏れ出していた。新たな銃が欲しいと。
「銃…?それは街中で売っているやつとは違うオリジナルの武器が欲しいってことかい?」
ウタハさんは、こちらを見つめている。その瞳は、その言葉に興味があると言いたげに揺れていた。
「オリジナル……そうですね。きっと、そうなんだと思います」
そう、銃が欲しいと思えば街中にあるミリタリーショップなどで銃を買えばいい。多少の改造ならそういうお店で受け付けてくれるので、別にエンジニア部に頼む必要性などないのだ。
でも僕は、他でもないエンジニア部に銃が欲しいと言ったのだ。それはただの思いつきなのかもしれないが……それは僕の心のどこかに、エンジニア部に期待しているところがあるという表れなのかもしれない。
「なるほどね……一応聞くが、なぜ銃が欲しいと?アオトも自前で持っていたと思うが、それには不満があるとかかな?」
ウタハさんは、興味津々に聞いてくる。
「不満……はありません。この銃は僕のことを色々と助けてくれたので、むしろ感謝しています。けれど……」
僕は今日起きた『雷ちゃん大暴走事件』を頭の中で振り返る。そこには、こちらに突っ込んでくる雷ちゃんに撃った弾が、弾かれるときの様子があって…
「僕の銃はあくまで護身用。相手を倒すために持ち歩いているわけじゃないんです。だから威力はどうしても、弱い」
「それと、さっきネルさんに言われたんです。『自分の身を守れるようになれ』、『銃だけでもなんとかしろ』って」
「だから……もっと強い銃が欲しいなって、思っただけです」
僕はそう言うと、ウタハさんを静かに見つめた。僕の話を静かに聞いてくれたウタハさんは、僕の話が終わったあと微かに口角を上げた。
「なるほどね……もっと強い銃か……」
そしてウタハさんは顎に手を当てて考えるような素振りを見せる。
「強い銃と言っても、アサルトライフルとかスナイパーライフルとかショットガンとか……街中で売っているものでも十分に強い銃はあるはずだけど、それではアオトの心は満足しない感じかい?」
ウタハさんは聞いた。
「満足しないわけではないんですけど……ちょっとそれらの武器種には苦手意識があって……」
「苦手意識?」
「はい…」
僕は、その苦手意識というものをウタハさんに伝える。
「アサルトライフルみたいなフルオート系の武器はリコイル制御が難しくて……弾があっちこっちに行っちゃって」
「反動が強いものが苦手と言うことかい?」
「別に反動に耐えられないというわけじゃないんです。それこそ反動は強いけど単発しか撃てない銃なら扱えると思います。けれどフルオートの場合だと制御が出来ないってだけで」
つまり、フルオート系の武器だと反動の制御が出来ずに一点の狙いに弾が飛んでいかないのだ。『狙いが定まらない』というのは銃を扱う上で致命的な弱点になってしまうだろう。
「なるほどね……だがその理由だと、単発式のショットガンやスナイパーライフルだと扱えそうな気もするけれど……」
「それらはまた別に理由があって……僕にとって大きすぎるんです、その武器種は」
「大きすぎる?」
「はい。僕はまだ身体が大きくなくて、持ち歩くにしても扱うにしても大きいなって感じちゃうんです」
ショットガンやスナイパーライフルも、撃つだけなら反動にも耐えられると思う。だがその銃の大きさは、僕の身体に合わず取り回しづらいという欠点があった。
「正直に言うと、僕がこのハンドガンを使っていた理由は『銃が小さかったから』というのもあるんです。だから僕にも、問題なく扱えました」
『M1911A1』を使っていた理由は、やはりその扱いやすさというも大きかった。どうしても威力の強い銃は、銃そのものが大きくなって僕の身体に合わなくなってしまうから。
「……大体わかったよ。アオトが欲しいと感じている武器の特徴がね」
ウタハさんは顎から手を離し、再びこちらを見つめた。
「つまり、小さいけれど威力は強い単発式の銃が欲しいんだね?それに、ある程度の実用性を求めているみたいだから、ロマンに偏らせすぎるのもNGと」
「そうですね……まあ僕の要望そのものがロマンの塊になっているような気もしますけど」
「そうかもしれないね。ちなみにだけど、威力はどれくらい高い方が良い?」
「威力ですか?それは……」
威力の大きさ。僕はどれほどのものが良いかを考える。やはり小さめの銃だから高いとはいえ大人しめの、人間1人を撃退出来るだけの威力で十分か。それとも数人相手でも直ぐに鎮圧できるくらいの威力を求めるか。
……否。僕はそんなちんけな威力は求めていない。やっぱりここは──
「どんな兵器もロボットも一撃で屠れるくらいの威力……ですかね」
ぽつりと漏れた僕の言葉。その言葉にウタハさんは……
「…ぷっ、あはははははははっ!いいね、流石は男の子だ!」
愉快そうに、とても楽しそうに笑った。
「本当、君は私たちの同志だと心の底から思わせてくれる……立派なロマンチストだよアオトは」
「そ、そうですか…?」
「ああ、間違いないさ。どこぞの合理主義者にも見せてやりたいくらいのね」
ウタハさんは、目じりに浮かんだ涙を楽しそうに指で拭った。
「まあでも、小型の銃になるから威力に関しては限界があるというのは念頭に置いといてくれ。少なくとも主力戦車や戦闘ヘリ、巨大兵器を撃ち抜けるだけの威力は期待しないでくれよ?」
「それは……大丈夫です」
「ふふ、そんな心配しなくても『雷ちゃん』の装甲くらいなら簡単に貫通させる威力にはしてみせるさ」
自信満々に答えるウタハさん。その瞳は凄まじいやる気で満ち溢れ、メラメラと炎が燃え上がるようだ。
「…というか、もうイメージとか出来ているんですか?」
「ああ、出来ているとも。モデルも合うやつに心当たりがある。君が好きそうな……好きになってくれるであろうロマン溢れる銃だよ」
「ロマン…溢れる……」
「そうとも。多少の扱いにくさはあるかもしれないが、そこは威力で上書きしてみせるよ……あ、ビーム兵器ではないぞ?あれはまだ実用化には程遠いからね」
ビーム兵器ではない。確かに少し期待はしたが、実用化には程遠いと言われてしまえば仕方がない。
そもそもファンネルの時点で、マザーポッドを使わないと連射が難しいレベルなのだ。スーパーノヴァだってあれは実弾を使ったレールガンだと聞いている。
そう考えると。完全なビーム兵器を実現させるにはまだ課題が山積みだというのは納得だ。
「よし、そうと決まれば作り始めようか。他の研究とかの兼ね合いもあるから時間を少しいただくよ。今日中の完成は難しいけどいいかい?」
「はい、全然大丈夫です。いくらでも待ちますよ」
「ははっ、そこまで時間はかからないさ。出来たら連絡するからそれでいいかい?」
「大丈夫です、お願いします」
僕は頭を下げてお願いした。
何日かかるかは分からないけれど、ウタハさんがそこまで時間が掛からないというのなら、1週間も掛かるかというところだろう。そもそも僕がミレニアムに訪れる機会が少ないので、受け取りに行く日が遅くなる可能性もある。
だが、それでも構わない。ウタハさんの楽しそうなあの表情を見ると、こちらも期待で胸が膨らんでくる。
一体どんな銃が出来上がるのだろう。完成品が出来るまで今から楽しみだ。
大阪のブルアカさんぽ、行ってきましたよ〜
でもシルバーウィークと時期が被ったせいで人混みの嵐……大阪という空間にいるだけで凄まじく疲れてしまいました……
まあでもこれで、記念メダルは3枚目。コンプリートまであと2枚……
金沢と博多も楽しみですね〜