【ゆっくり実況プレイ】イナズマイレブン円堂編無印ルート【嫌な予感しかしない】 作:桜来
「え、家にか?」
「うん!」
そう言ったのは、フットボールフロンティアで優勝してから1日が経ったあと。パレードやらインタビューやらを終わらせ、やっとひと息つけると言ったタイミングでのことだった。
「いいけど、どうしたんだ?」
「んー?なんとなく、ってのはあるけど…まあ、ちょっとね?」
円堂先輩の家には行ったことがあるが、円堂先輩を自分の家に誘うことはなかった。ちょっと勇気が必要だったけれど…普通に乗ってくれて一安心。
「とりあえず、母ちゃんに聞いてみる!そっちは…」
「既に許可を取ってあります」
その辺りは抜かりない。何なら前日から相談していたことだ、今さらそこを心配することはない。
「大丈夫だってさ!」
「そっか。じゃあ決まりだね!」
そう言って、そう遠くもない道を一緒に歩いていく。今思えば、円堂先輩と一緒に歩くのは学校に行くときや雷々軒に行くときが殆ど。帰りの時は途中で別れてしまうから、こう長く円堂先輩と一緒に歩くのは少し新鮮な気分だった。
「…でさ、そろそろシュートでも連携技を使いたいなあ〜って」
「いいんじゃないか?誰とやるつもりだ?豪炎寺か?染岡か?風丸か?」
「うーん…それはまだ決めてないんだよねえ…どうしようかなあ…」
少し駄弁りながら暇を潰していると意外とすぐに僕の家に着く。話しているとこんなに短く感じるものなのか、と思いつつもドアを開ける
「あら、いらっしゃい。君が円堂くんね?」
「初めまして、夜空…白斗くんのお母さん…」
「あらそんなにかしこまらなくて良いのに…白斗が世話になったみたいね、これからも仲良くしてあげて。」
「…はい!」
「ちょっと、世話になったって何さ。むしろ僕が…」
「…本当に?自分の胸に手を当てて考えてみて?」
………蘇る入部初期の敬語を使っていたとは言えとてもやる気があるとは思えない態度や世宇子戦前の精神的な不調、そしてそれらをなんとかしてくれた円堂先輩の行動………あ、思ったよりも僕円堂先輩に頼ってる。
「…円堂先輩、これからもどうかよろしくお願いします」
「それでよろしい。」
「…………」
「…あの?円堂先輩?」
「…あっ、ごめん…夜空から敬語使われたの久しぶりだったからさ。ちょっと驚いてて…」
「……はーくーとー…???」
「あ、あの…これはですねお母様」
あかん(あかん)
お母さんの背中から鬼神の如きオーラが見える…
「なーんでアンタはいつも敬語を使わないのー!そんなんじゃ将来苦労するわよー!?」
「あだだだだだごめんてお母さん!でも堅っ苦しいの苦手なんだって〜!」
そんな感じで暫くわちゃわちゃしていた後、おやつを渡され僕の部屋に通される。サッカーボールだったり、ゲームだったり、机だったり、ベッドだったり…そんなのがあるごく普通の男の子の部屋である。…え?もっと可愛い感じじゃないのかって?…僕は女の子に間違われるのが嫌じゃないだけで自分から女の子になろうとする気はないので…
「ここが夜空の部屋か〜…」
「ゆっくりしていってね!」
「…?わかった。」
…あれ、今僕は何を…何か魂が勝手に言葉を出したような…
まあいいや、おやつのチョコパイをもしゃもしゃ食べながらゲームでもすることにする。Switch2とプロコン、ジョイコン2本を出して…と。ソフトは…これでいっか
「これは?」
「大激闘ストライクブラザーズSPECIAL、愉快なパーティーゲームだよ」
「へー…」
かなり有名なゲームだけど知らない辺り、円堂先輩は本当にサッカー一筋らしい。円堂先輩の部屋、ゲームらしいものなかったしね…買ってもらえないだけかもだけど
「うわっ、キャラがたくさん居るな。」
「今までのシリーズの全キャラに加えて追加キャラとDLCもあるからね」
「でぃーえるしー?」
「まあ、追加コンテンツってやつだよ。どれ使う?」
「そうだな…コイツにする!」
円堂先輩が選んだのは赤い帽子の配管工。確かに一番上のキャラだから初心者向けに見えるけどそのキャラ結構難しいんだよなあ〜〜…まあいっか
僕は普段から使ってるピンク色の1頭身を使う。ルールは…ゆかパでいいや。ガチタイマンは初心者相手にやるものじゃないし。ある程度操作を教えたらすぐバトルに移る。数戦やってキャラを変え、数戦やってキャラを変え…を繰り返しながら1時間ほどやったあと、チョコパイをつまみながらサッカーの話をする。
「この前のリーグ戦良かったよねえ〜」
「ああ!すっげえシュートだったよな!」
「でもあのディフェンスもすごい参考になったな、僕МFのくせしてシュートばっかりだからもうちょっと防御面も鍛えたくて…」
「だったら【ムーンバリア】を…」
満足するまで話したらもうすっかり辺りは暗くなってきた。
「あ、晩御飯食べてく?」
「いいのか?」
「多分大丈夫だと思うよ、どうする?」
「…じゃあ、そうする。」
そう言って1階に降り晩御飯が何かを確認する。…お、今日は唐揚げか。いいね〜
「…なんか、量多くないか?」
「うちは家族皆こんなもんだよ」
確かに大体もも肉5枚分はあるかもしれないけれど、うちでは日常茶飯事である。育ち盛りとはいえ、たくさん食べている自覚はあるけど、その分運動してるから許して欲しい。
「あら、円堂くんも食べていく?それじゃあ後2枚分は揚げようかしら」
「ははは…食べ切れるかなあ…」
「多分それくらいなら僕らが大半食べ尽くしちゃうよ」
その言葉を聞いて目を見開いている円堂先輩を横目に、椅子をもう一個僕の隣に出す。
「ただいまー…おっ君が円堂くんか。」
「あ、どうも夜空のお父さん。」
「どうだ、うちの子とは仲良くやっているかい?」
「はい!」
「そうか。それならいい…おっ今日は唐揚げか!普段よりちょっと多いな、円堂くんの分か?」
「そうねえ、彼が白斗より食べれないのを加味するとこれくらいじゃないかしら」
そんな事をお父さんとお母さんが話しているのを横目に、円堂先輩を座らせ僕も座る。ご飯と、申し訳程度のレタスやブロッコリーと、唐揚げ、後朝の残りの味噌汁。お腹が空いてることもあり、食欲を刺激される。
「いただきまーす!」
「いただきます!」
「はーい!」
「父さんも食べていいか?」
「あなたはまず荷物置いて着替えてきなさい」
唐揚げを1つ取り、口に放り入れる。小麦粉のみを使ったであろうさっくりとした軽い衣と、タレに漬け込まれよく味が染みたジューシーな身。ご飯が進む進む。油で重くなった口内はレタスとブロッコリーがさっぱりさせてくれる…うーん、美味しい。
「美味い…!」
「うちのお母さん昔弁当屋で働いてたらしくてさ、料理すっごく上手いんだよね」
「へー、ほうはほは、ほほらほひょふひふはいほか?」
「うん飲み込んでから喋ろうね」
その後も話したりテレビ見ながらご飯を食べ進め…僕らがお腹いっぱいになる頃にはお父さんとお母さんの分を残し殆ど食べてしまっていた。
「…本当に殆ど食べきるんだな……」
「まあ、こんなもんよ。」
「それじゃあ、俺はそろそろ…」
「あ、じゃあ途中まで送ってくよ。暗いしね」
「いいのか?」
「うん。」
「おっ、白斗外に出るのか?夜道には気を付けろよー」
「優勝校のМFが交通事故だとかなったら笑いものよ?」
「わかってるって!」
もう、僕はそんなにドジじゃないのに…
暗い夜道を円堂先輩と一緒に歩いていく。帰り道も相変わらずサッカーの話をしつつ、すぐに分かれ道に。
「じゃあ、俺こっちだから!」
「うん、…ところで、円堂先輩。」
「…?どうした?」
今日、僕が家に誘った理由。それは、感謝を伝えるため。…それもそうだ、世宇子戦、恐らく円堂先輩が居なければ僕は試合に出れていたかすら怪しい。円堂先輩は恩人だ。
「…円堂先輩、僕本っ当に感謝してるんだ。」
「…え?」
「円堂先輩はそんなつもりなかっただろうけど、あの時円堂先輩が言った「そんな気持ちでサッカーをしたくない」って言葉が、僕にも刺さってさ。アレがなかったら、多分僕響木監督に出場止められてたんじゃない?」
「…そっか。」
「だからさ、円堂先輩。」
そう言って僕は円堂先輩に飛びつく。
「本っ当に、ありがとう。君のおかげだよ、僕がああして照美くん達と戦えたのは。」
「…おう!」
感謝も伝えたし、もう思い残すことは何もない。そうやって僕らは別れていった。
来年のフットボールフロンティアが今から楽しみだな、気が早すぎる?特に今年は他に何も起きないだろうし、そう思っていたけれど…そんな考えは、来週というそう遠くない未来打ち砕かれることになる。とある者たちの襲来によって。
・主人公くん
Q.なんで抱きついたの?
A.夜空なりの信頼の印です。
・円堂
食べてる時には「へー、そうなのか、夜空も料理上手いのか?」って言っていた。なおPart23(円堂は見てない)
・ゆっくりの黄色い方
空白の1週間はゲーム的にはカットされるので今回の話で何が起こったかは知らない。せいぜい円堂が「この前はありがとな!」とか言ってるのを聞けるくらい
・エイリアが来る時期
今作はゲーム版の1週間後を採用している。じゃないとHPGPTPが死ぬから仕方なし