【ゆっくり実況プレイ】イナズマイレブン円堂編無印ルート【嫌な予感しかしない】   作:桜来

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前々からやりたかった展開なので初投稿です。


幕間「闇を乗り越えて」

ダークエンペラーズとの試合が終わってから、数日後。僕達は紅白戦形式で試合をしていた。

 

「風丸先輩!そっち行ったからお願い!」

「ああ…!分身ディフェンス…!」

 

そう言って、風丸先輩は3人に分身………することはなかった。

 

「ぐっ…」

「ワイバーンクラッシュ!!」

 

そのまま、風丸先輩が分身ディフェンスを成功させることはなく、紅白戦は終わった。

 

「……ダメか。」

「まあ、やっぱエイリア石の影響があったから使えたってことなんじゃない?そう気を落とさずに…」

 

風丸先輩は目に見えて落ち込んでいる。あれから何度も試したけれど、ダークエンペラーズとしての頃に使えていた技は全て、綺麗さっぱり使えなくなっていたのだ。もちろん皆、自力で使えるようにと特訓はしているけれど……

 

「ああ…」

「…もー、仕方ないなぁ。ほら風丸先輩、もう今日は練習終わりだし雷雷軒行こう?僕が奢るからさ」

「………流石に後輩に奢られるわけにはいかないだろ…」

「そんな状態の風丸先輩をほっとけないの!ほら!もうこの際奢る奢らないは関係ないから行くよ!」

 

そう言って僕は風丸先輩を引っ張っていく。…風丸先輩、アレからどうも元気がない。心配だ。

商店街を歩いてしばらくすれば、すぐに雷雷軒に着く。

 

「おう、らっしゃい。注文は?」

「こんにちはー響木監督。僕醤油ラーメンでー、チャーシューと味玉追加ね。風丸先輩は?」

「…醤油ラーメンで」

 

完成するのを待っている間、とりあえず話してみる。

 

「…風丸先輩。なんか悩んでる?僕でよければ相談に乗るよ?」

「………夜空に、響木監督だけなら…聞かれてもいいか。」

 

少し悩んだ末に風丸先輩は、ぽつりぽつりと話し始めた。

 

「夢を見るんだ。あの時、円堂をあのまま突破してしまって…そのままハイソルジャーとして研崎の言いなりになる。そんな夢を。」

「………IF(もしも)って奴ね。…にしても、悪夢か……」

「もし一歩間違ってたら、そうなってたはずだった。もしもあの時お前たちに勝ってたら、きっと酷いことになっていた。…そして、そんな事をやっていた自分に嫌気が差すんだ。」

「…………」

 

俯きながら、絞り出すかのような声で言う風丸先輩。

 

「きっと分身ディフェンスを使えないのもそのせいだ、もし使って、またあの俺に戻ったら…それが怖いんだ。」

「………そっか。」

 

やはりあの試合は、どちらにも傷を残したものらしい。…かく言う僕もそうだ。正直若干トラウマになっている。

………だったら。

 

「えいっ!」

「うおっ、夜空…!?急に抱きついてきてどうした!?」

 

僕が飛びつくと、風丸先輩は驚いたような顔で言ってくる。けれど離れはしない。…ちょっとだけ声が明るくなって、普段の声の高さに戻り始めたような気がする。驚きでネガティブな感情が一旦外に出たからだろう。

 

「……風丸先輩は、一緒に練習してくれるし、僕にラーメン奢ってくれたりもするし、頼りになるし…」

「え、あ、ああ?」

 

急にどうしたんだとでも言いたげな困惑した表情だけど、まだ続ける。

 

「大丈夫。風丸先輩なら前に進んでいける。それに…もし何かあっても僕が止めるから。」

「………夜空。」 

「…って、僕なんかより円堂先輩が止める方が安心できるかな?あはは…」

 

そうだ。あの時も僕は、結局風丸先輩が離れていくという時に話もできなかった。円堂先輩と違って。

 

「…………夜空。…それでも、俺は確かに、お前のおかげであそこまで速くなれたんだ。感謝してる。お前はすごいヤツだ。」

「………うん。ありがと。」

 

気が済んだので僕は風丸先輩から離れる。…ちょっと嬉しかったな、褒められたの。

 

「まあ、なんだ。お前らもそう悩みすぎるな。俺にでもいいし、円堂にでも良い。他のやつにだっていい。困ったら誰かに相談しろ。こういうのは仲間と共に乗り越えるものだ。あいよ、ラーメンお待ち。」

「…はい。」

「お、きたきたー。風丸先輩、とりあえず食べよ?」

「…ああ。そうだな。」

 

そうしてしばらくすれば、僕ら2人ともラーメンを完食した。ちなみに僕は2回替え玉頼んだ。

 

「…ありがとな、夜空。」

「別にいーよこのくらい!ほら、帰ろ帰ろ!道途中まで一緒だし!」

「ああ。」

 

しばらく歩く。特に話すことが思いつかず、黙ってしまう。

そうして、分かれ道。方向がここからは違うので分かれるのだけど…そんな時、風丸先輩が呼びかけてきた。

 

「…夜空。」

「なあに?」

「分身ディフェンス、明日の練習で成功させてみせる。見ててくれ。」

「…!うん!」

 

そう言って僕らは別々の方向で家に帰っていった。

そして翌日の練習。

 

「風丸!そっち行ったぞ!」

「行くでやんす!」

「…そこだ!」

「「「分身ディフェンス!」」」

「…えっ!?」

「夜空!」

「…ふふっ。本当にやっちゃった。おっけー!任せてよ!」

 

あれから僕らは少しずつ、前に進んでいる。闇を乗り越えて。




・夜空くん
ダークエンペラーズの件に関しては負い目を感じていた。それはそれとしてラーメンは食う。
・風丸
この度【分身ディフェンス】が解禁された。流石にちゃんと自分の分のお金は払った。
・ゲーム的には
ゲーム的には風丸の好感度が一定以上でダークエンペラーズルートに入った場合、世界編突入と同時に確率で【分身ディフェンス】を習得することがある。確率は好感度が高ければ高いほど上がる。
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