聖龍伝説 現政奉還記 破滅の章   作:セイントドラゴン・レジェンド

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現政奉還記 破滅の章9 抗う猛者たち①

[断ち切れぬ意志]

 

 己のクローンである新世代型二次元人の能力を会得した小田原修司は、遂に全てを滅ぼす純粋な破滅へと進化していた。

 そんな修司は連合軍に加わっている聖龍隊最強の戦力である聖龍ロボットメンバーズ、略称SRMに全体攻撃を与えて全滅させる。

 それだけに及ばず、修司は猛者達にも強大な全体攻撃を仕掛けて多くの同士たちの命を一瞬の内に奪ってしまう。その消えた命の中には、聖龍HEADのマーメイドメロディーの宝生波音と洞院リナの恋人である白井渚や浜崎雅弘の命も含まれていた。

 その惨状の中で、北の国の残党であったマン・サコンは孤独だった自分を仲間に引き入れてくれたシバ・カァチェンを攻撃から逃す為に自ら身を挺してカァチェンを死守した。

 カァチェンがサコンの命を投げ捨てた行動に救われた中、破滅へと変化した修司は過去(かつて)の自分と重なっていたカァチェンに全てを諦めるよう言い渡す。

 カァチェンが修司の誘いに乗って、全てを投げ出そうとした矢先、そんなカァチェンを叱咤して激励するミラーガールの言葉が胸に突き刺さる。

 そして純粋な破滅へと進化した修司を改めて止めるべく、聖龍HEADにスターライツの面々が抗戦するが、数多の特殊能力に不死身の肉体を得た修司にはまるで歯が立たなかった。

 そんな戦況の中、かつて聖龍隊と敵対していた元敵役の二人、現在は聖龍HEADのセーラーマーキュリーの恋人である浦和良とスター・コマンドーの一員ローリング・バブルスの恋人である鮎貝高明が名乗りを挙げる。

 二人は純粋な破滅へと進化した修司に対抗すべく、ミラーガールから託された聖なる力の一部で過去(かつて)の敵役の姿へと変身。浦和良はブンボーに、鮎貝高明は狼男へとその姿を変えて修司に挑んだ。

 その戦闘の最中、シバ・カァチェンも参戦して三人かがりで修司を止めようと奮戦。

 しかし戦闘の末、類まれなる能力を得た修司に勝つ事はできず、ブンボーと狼男は倒され、死んでしまった。

 ブンボーと狼男の死に、恋人であるセーラーマーキュリーとローリング・バブルスは嘆いた。

 そんな数々の苦戦を見届けたミラーガールが、遂に今でも愛している修司と闘う覚悟を決める。

 修司から投げ渡された、過去(かつて)の修司の武器である日本刀・聖龍剣を手に取り、ミラーガールは激しい戦闘を続けてた。

 だが遂に、ミラーガールは過去の全てを断ち切ってこの世の全てを破滅させようとする修司に敗北。絶命してしまった。

 ミラーガールの死に、シバ・カァチェンを始めとする戦場の二次元人そして三次元人が茫然とするばかり。

 そんな茫然自失する連合軍を全滅させ、何色にも染まらない桃源郷を創り出そうとする修司が歩む中、メタルバードの一喝が戦場に響き渡る。

 メタルバードの一喝で目を覚ました多くの猛者達は、再び闘志と戦意を湧き上がらせて、迫りくる修司に抗う意志を表示した。

 そんな諦めない意志を、小田原修司は断ち切ってしまうのであろうか。

 

 ミラーガールの死を前にしてもなお立ち上がり、自らの運命という名の未来を勝ち取ろうとする猛者たち。

 そんな敢然と徹底抗戦の意思を示す猛者達を前にしても、死んだような無表情で全ての命を終わらせようとする小田原修司。

 SRMが、多くの同志たちが、そしてミラーガールが死んだ今、連合軍は総力を挙げて小田原修司に抗うのだった。

「行くぞーーーーっ!」

 聖龍隊特攻決死隊隊長のウェルズ・J・プラントの一声で、聖龍隊士は荒れ狂う川の激流の如く進軍し、修司へと突撃していく。

 が、そんな眼前まで迫る数多の聖龍隊士を前に、修司は慌てるという感情も見せずに、先ほどミラーガールの命を奪った己の闇の能力で作り上げた日本刀で向かってくる隊士と交戦する。

「うぎゃあっ!」「ぐはっ」

 修司はたった一本の日本刀で、鍛え抜かれている筈の隊士達を悉く斬り捨てていってしまう。

 群がってくる隊士達の中には、黒崎一護など強戦力である主役級の二次元人も混じっているのだが、修司はそんな彼らすらも引き付けない程の圧倒的な武力で押し返していく。

「クソ! 修司、どうしてアッコを……!」

 黒崎一護は未だに修司がミラーガールを殺めた事に戸惑っていたが、果敢に修司に刃を振るっていく。が、修司はそんな一護の刃を逆手に握り締める日本刀の刃で受け止めつつ押し返してしまう。

「もう、もう……あんたを倒すしか、俺達に未来は残ってないって言うのかよ!?」

 激しい憤りを叫びながら、相棒のガッシュ・ベルと共に修司に狙いを定める高嶺清麿。

 清麿は指を修司に向けて指し示し、それに応えるかのようにガッシュも修司を狙い定める。

「バオウザケルガ!!」

 巨大な雷の竜が修司に襲い掛かるが、既にミラーガールが死んでいるため聖なる力が弱体化し、修司の如何なる攻撃をもすり抜ける身体能力を無力化する事が出来なくなっていた為に、巨大な雷の竜バオウザケルガは修司には効果が無かった。

「くっ、ミラーガールがもう死んだ事で修司の攻撃をすり抜ける効力が無力化できなくなっているのか……!」

 激しい表情を浮かべる清麿に、先ほど彼が叫んだ言葉に、修司が言葉を投げ掛けて返答する。

「清麿よ、未来は既に決まっている。お前たち二次元人の未来は、それはそれは真っ白な美しい桃源郷だけだ。その桃源郷に皆を導く為、俺は正真正銘最後の戦いに身を投じる……!」

 その修司の返答を聞いて、修司が時おり放つ闇の弓矢や銃撃を術で防いで仲間達を支援する大海恵とティオの二人組が物申した。

「それは違うわ! 真っ白って……つまりは何もない世界の事でしょ!? 夢も希望もない世界なんて、誰も望んじゃいない!」

「恵の言う通りよ! ……修司、あなたはかつて大勢の夢や希望を応援していた。そんなあなたがその夢や希望を失くしてしまうだなんて……!」

 恵とティオの言葉に、修司は彼女らに特大の地走りを押し込んで攻撃しながら答えた。

「人が夢や希望を追い求めている限り、争いは絶えない。争いという負の連鎖を完全に断ち切る為には、人々が追い求める夢や希望を失くし、尊い真っ白な桃源郷へと導くしかない……」

 そう無気力気味に返答する修司は、更に日本刀から地走りを連発して恵とティオが発動させている防御術を粉砕して斬撃を放ち続ける。

 村田順一/フロート/ミラールのスター・ジェネレーションズの面々が連携して修司に挑んでいくが、修司は彼らの激しい攻防を乗り切り、容易く返り討ちにしてしまう。

「行くぞ!!」

 と、ここで村田順一が黄金に輝く手甲を装着している拳を地面に殴り付けて、大勢のプリキュアの女子達と共に高純度の光のエネルギーを修司に向けて放った。

 だが、修司は手にしている日本刀を、巨大な刃に変形させると、その刃を振り払って凄まじい衝撃波を発生させて順一達が放った光のエネルギーを無力化させてしまう。

「うおッ!」

 凄まじい衝撃波に吹き飛ばされ、順一もプリキュア達も後方へと転げ回る。

 その直後から一気に雪崩れ込んでは修司に攻め入る聖龍隊士。そんな一般隊士に、修司は大太刀を消して両手に通常の日本刀よりもやや短い忍び刀を携えて攻め込んでくる隊士達の首筋を斬り付けて命を奪っていく。

「修司くん! もうやめてよ……!」

 死んでいく聖龍隊士をこれ以上増やしてほしくないと間に入り込むセーラームーンにすら、修司は何の迷いもなく首筋を狙って忍び刀を振るった。

「姉ちゃん!」

 セーラームーンが斬り付けられる寸前、一般隊士の一人でありセーラームーンこと月野うさぎの弟である慎吾が身を挺して姉を守った。

 その結果、慎吾は背中を深く斬り付けられて深手を負ってしまう。

「慎吾!」

 大事な弟が斬られて困惑するセーラームーンにも非情なまでに刃を振るおうと襲い掛かる寸前の修司。

 と、その姉弟を守る為にキング・エンディミオンが修司の前に立ちはだかり、修司が振るう刃を剣で防ぎ止める。

「まもちゃん!」

「ッ……セーラームーン……! 慎吾くんの治療を早く……修司は、俺が止めてる……!!」

 夫であるキング・エンディミオンの懸命な対処を前に、セーラームーンは急ぎ弟の慎吾の傷を自身の治癒能力で治し始める。

 だが、そんなエンディミオンを修司は強靭な筋力で押し退けて、エンディミオンに斬りかかる。エンディミオンはその刃を後ろへ身を退いてかわし、回避する。

 修司がエンディミオンと剣戟を繰り広げている最中、そんな修司に周囲の聖龍隊が一斉に襲い掛かり、修司を止めようとする。

 が、修司は一斉に自分を襲撃する隊士達を、地面に拳を突き当てて発した衝撃波で吹き飛ばし、自分の周辺を綺麗に片付けてしまう。

 そんな果敢に強大な力を得た修司へ攻める聖龍隊士に感化されて、連合軍に加わっている国連軍の軍人達も修司へと攻め込んだ。

「聖龍隊が今の今まで頑張ってくれた、この戦況……我々も加勢しなければ国連軍の名折れだぞ!」

 縦縞スーツに口ひげと丁髷という非常にインパクトのある姿をした紳士的な中将モモンガは自分と同じ国連軍の中将達と共に、一斉に修司へと武器である刃を携えて斬りかかっていく。

 しかし修司はモモンガ達の剣戟を連続でかわしていくと、中将達の間を通り抜けながら中将達を忍び刀で斬り付ける。

「ぐはっ」「うッ……!」

 立派な顎髭を生やした唇が厚い中年のヤマカジ、帽子と髭が異様に長いストロベリーが修司の斬撃を受けて唸る。

「小田原修司……!」

「かつて国連軍の権威を強めた貴様と、こうして激突するとはな……!」

 顔中傷だらけのドーベルマンと、兜を被った長髪のオニグモの二人は修司と対峙する。

 修司は迷う事なくドーベルマンとオニグモの二人を、目にも止まらぬ速さで斬り付けて簡単に倒してしまう。

「「ッ……!!」」

 修司の斬撃を受けて膝を着くドーベルマンとオニグモ。

「く、くそーーッ!」

 此処で同僚である中将達が悉く斬り捨てられていく惨状に我慢できなかったモモンガが修司に斬りかかるものの、修司はモモンガが振るう剣戟を簡単にかわしては冷静な立ち振る舞いで腹部を斬り付けてしまう。

「ッ……!」

 腹部を斬られて悶絶するモモンガ。

「う、ウソだろ……! あの国連軍の軍人達ですら容赦なく斬り捨てるのかよ……」

 続々と倒れていく国連軍中将達の姿を見て、檻の中に未だ囚われている真鍋義久ら新世代型達は愕然とする。

 自分に群がる猛者達を、意図も容易く一刀による一撃のみで返り討ちにしてしまう修司の猛攻に、攻撃を命じていたウェルズ隊長は戸惑ってしまう。

「ウっ……やはり、俺たち雑兵じゃ修司を止める事すら困難なのか……!」

 多くの同士の命を、そして何よりもミラーガールの命を奪った小田原修司を止めるのは困難なのかとウェルズは冷や汗を流す。

 そして此処で、ミラーガールが果てた光景を目撃した為に激しく動揺して硬直してしまってた聖龍HEADの面々が動いた。

「修司ッ!!」聖龍隊現総長のメタルバードが仲間のHEADと共に修司に攻撃する。

 だが、修司はメタルバードやキューティーハニー達の攻撃を難なく避けていき、華麗に跳躍して宙を舞いながらHEADの面々に忍び刀で次々と斬りかかっていく。

「うっ」「っ!」

 修司が振り翳す忍び刀での斬撃を、自らが振るう武器で辛うじて防いでいくセーラーウラヌスにセーラープルート。

 果敢に修司に攻めていく聖龍HEADにも、修司は忍び刀で、時には武器を変えて様々な武具でHEADを攻撃する。

「うわっ!」「きゃあっ!」

 武器を強力な重火器に変化させた修司は、強力な爆撃を木之元桜と鳳凰寺風に撃ち込んでいく。

「さくら!」「!」

 妹を、そして恋人である木之元桜を攻撃されて、聖龍隊士の木之元桃矢と李・小狼が二人同時に修司へと接近。

 だが修司は二人の気配を瞬時に察し、テレポーテーションで一瞬の内に姿を晦まして桃矢と小狼の攻撃から回避する。

 瞬間移動した修司は、桃矢と小狼の背後に姿を現して無表情な顔で二人を見据える。

「「!」」

 背後を取られた二人は愕然とし、そんな二人の頭を修司は手で鷲掴みすると、そのまま二人の顔面を地面に押し付けて桃矢と小狼を引きずり始めた。

「桃矢! 小狼!」

 二人が高速で地面に擦り付けられる光景を目の当たりにしてウェルズが叫ぶ。

 一方の修司は、移動手段としては使わないと言っていたパイマンの車輛変形能力を会得した結晶化させた血の鎧で高速移動をして、桃矢と小狼を地面に押し付けて移動していた。

「ッ……パイマン先輩の変形能力は使わないって言ってたのに!」

 仲間のパイマンが使える車輛変形を使用する修司を見て、一ノ瀬はじめは激し憤りを感じていた。

 そして足下を車輛変形させて高速移動していた修司は、そのままの速度で頭部を鷲掴みしていた桃矢と小狼を岩に投げ付けて叩き付けた。

「ぐはッ!」「ウっ!」桃矢と小狼は岩に叩き付けられて悶絶してしまう。

 一方、二人を地面に擦り付けて最終的には岩に叩き付けた修司は足部分の鎧の変形を解除すると語った。

「ほう、これはいい。移動手段は斉木楠雄のテレポーテーションで十分だと思ってたが、パイマンの車輛変形は考え方一つで便利に使えるもんだな」

 そう述べた修司に、蒼星石と翠星石の二人が修司を挟み込むように攻める。

 が、修司はそんな二人に対して両手を左右に伸ばして、左右に超能力で作った壁を張って蒼星石と翠星石の攻撃を防いでしまう。

「お前達の強力な攻めも、超能力で簡単に防げるとは……超能力とは、こんなにも便利な代物だったんだな」

「………………!」

 修司のそんな台詞を聞いて、檻の中に囚われている新世代型の斉木楠雄は、自分の能力を使われている現状に表情を曇らせる。

 そして修司は最後に超能力で蒼星石と翠星石を軽々と吹き飛ばしてしまう。

 すると上空から、謎の攻撃が飛来して修司に直撃する。

 攻撃を受けても不死身の再生能力を得ている修司が見上げると、上空にはいくらお互い敵対組織に属しているとはいえ姉妹の戦闘に加勢しようと修司に攻撃を仕掛けたスコーピオン同盟の水銀燈と雪華結晶の姿が見受けられた。

 見上げている修司は、そんな二人に狙いを研ぎ澄ませると、水銀燈と雪華結晶の二人が謎の光に包まれた瞬間に勢いよく修司へと引き寄せられてしまう。

「うわっ」「!」

 驚愕する水銀燈と雪華結晶。二人は修司が会得しているサイコキネシスで引き寄せられているのだ。

 そんな高速度で引き寄せられる二体の人形を修司は両腕を広げて、昔から得意としている技ラリアットで二人同時に強烈な打撃を与えた。

 修司のラリアットを浴びて、水銀燈と雪華結晶は全身が粉砕しそうな程の痛手を受けて悶絶してしまう。

 

 聖龍隊、悪党、国連軍。

 立場は違えど、今ある思いは皆一緒。

 そんな戦況の中ですら、己を鎮めず猛威を振るい続ける小田原修司。

 様々な思想を持つ多くの猛者達を迷う事なく容赦なく斬り捨てていく純粋な破滅は、一体どこまで加速するのだろうか。

 過去の全ての繋がりを断ち切り、全てを終わらせる事で永遠の平和を手に入れようとする小田原修司の孤独な戦い。

 その戦いを猛者達は止められるのだろうか。

 

 

 

[参戦する武将たち]

 

 仲間を、友を、そして何よりも魔鏡聖女ミラーガールを殺めても尚、突き進む純粋な破滅・小田原修司。

 遂にミラーガールを殺めた小田原修司は、群がる聖龍隊士や国連軍兵士を続々と迷うことなく斬り捨てていく。

 修司に挑む者の中には、聖龍隊や国連軍と敵対している筈のスコーピオン同盟の様な悪党の姿も見受けられた。

 スコーピオン同盟の猛者達も、自分たち二次元人の始祖であるミラーガールを、何よりも自分を誰よりも愛してくれてた筈の彼女を殺めた修司に激情が滾り、果敢に修司と対戦する。

 正義と悪、信念と信念……混じり合う事のない思想が今まさに一つの目標で小田原修司と戦っていた。

 

 再び二対の忍び刀に武器を変えて戦う小田原修司と対戦するのは、スコーピオン同盟の一員である【シュガシュガルーン】のピエールが剣で闘っていた。

 しかし二対の刀を両手で自在に振るう修司の猛威に押されており、ピエールは苦戦していた。

 そんな所に、同じスコーピオン同盟で【ゼロの使い魔】のワルドとフーケが苦戦するピエールを助太刀しようと加勢する。

「ピエール、大丈夫か!?」「わ、ワルド……ああ、なんとか」

 ワルドの言葉に返答するピエール。

 すると其処に、修司は闇の能力で作った巨大手裏剣を二つも編み出して、二つ同時に三人に向けて投げ付けた。

 修司が投げつけた二つの巨大手裏剣に愕然とする三人。

 が、そんな三人に向かって飛来する二つの巨大手裏剣を、聖龍隊スター・コマンドーのメンバーである平賀才人が駆け付けて素早く武器で手裏剣を弾いた。

「ひ、平賀才人……!」

「お前らは未だに胸糞悪いが……今は総長、いや小田原修司を倒すのが先だ!」

 過去にワルドやフーケらと因縁がある才人は、険しい面持ちで修司に切っ先を向けて対峙する。

 と、其処に才人に続いて彼同様に因縁のあるルイズやアンリエッタ王女たち【ゼロの使い魔】の面々が駆け付け、加勢する。

「ほう、これは不思議な光景だ……過去にワルドやフーケに婚約者の立場と欺かれ、利用されたルイズ。そして相思相愛の仲だったウェールズ王子をワルドに殺されている筈のアンリエッタ。そして彼女らを取り巻く者たち……そんな連中が共闘してるとは、実に珍しい」

 この修司の台詞に、アンリエッタが答えた。

「今は昔の罪状など気にしている余裕はありません……! 今はみんなが、自分の未来をあなたから勝ち取る為だけに懸命に戦い抜いているんです!」

「過去の罪など今は眼中に無し、か……ワルドに殺されたウェールズが気の毒だな」

 修司の毒舌にアンリエッタ達は表情を歪ませる。

「ルイズ、俺よりも、そのワルドを殺したいのではないか? いくらスコーピオン同盟に加盟して少しは丸くなったとはいえ……自分を利用し、挙句の果てには殺そうとしてきたワルドに殺意は湧かないのか?」

 再び繰り出される修司の毒舌に対して、今まで下を俯いていたルイズが顔を上げた。

「今は! 今はそんな事よりも……!」

 顔を上げたルイズの瞳からは大粒の涙がボロボロと零れる彼女は修司に問い掛けた。

「なんで……なんでアッコさんを殺したのよ……!」

 涙ながらに問い掛けるルイズの質問に、修司は平然と答え返した。

「必要だったからだ。アッコの死、アッコの存命こそ、この世界で巻き起こる二次元人の進化……その争いの根源なのだからな」

 この修司の台詞に才人が怒りをぶちまけた。

「必要だとッ!? 俺たち二次元人が起こす争いの起源がアッコさんだと押し付けやがって……! アッコさんはあんただけじゃねえ、俺達にだって分け隔てなく優しさを振りまいてくれた正真正銘の聖女だったんだぞ! そんな……そんな彼女を殺して罪悪感の欠片もねえのかよッ!!」

 才人の怒りの発言に対し、修司は変わらず無表情で返事する。

「罪悪感か……既に人間兵器として、多くの命を奪ってきた俺には欠けてしまった感情の一つだな。人とは命を奪い過ぎると、その罪悪感が薄れて、鈍くなった末に何も感じなくなってしまう脆い生き物だ……」

「何も感じないって……! 小田原修司! あなたは自分を愛してくれた加賀美あつこの死にすら何も感じなくなってしまってるの!?」

「そうだキュルケ、純粋な破滅へと進化した今の俺には何も感じない。そう過去(かつて)、産まれながらに愛情も優しさも感じ得られなかった頃の、純粋無垢な闇同然の欠けた心を持つ障害者(バケモノ)へと俺は戻ったに過ぎん……!」

 キュルケの怒声に対しても、修司は自らを欠陥品だと自己否定した上で反論した。

 そして修司は両手に二対の剣を生み出すと、一気に前へと踏み込んでルイズやアンリエッタ達に斬りかかる。

『!』ルイズやアンリエッタ達が動揺していたその瞬間。

 才人とワルドが各々の武器で、修司が振るう二対の闇の剣を防いだ。

「くッ……!」

 修司の剛腕から繰り出される斬撃を真正面から受け止め、表情を強張らせる才人とワルド。

 修司の方も、二人から防がれて、反動で後ろへと少し退いた。

「……今は連合を布いた共闘戦前、お互い息を合わせなきゃ修司さんに真っ先に殺されるぞ」

「心得ている……! 鬼神と畏れ奉られる小田原修司相手に、単身で勝てると思うほど私は堕ちてない」

 互いに横目を合わせて共闘する意気込みを確認し合う才人とワルド。

 そんな二人に修司は二対の剣を二対の日本刀に変形させて、両刀から必殺の地走りを繰り出してきた。

「来たぞ、みんな!」

 才人の掛け声を合図に、全員が避けると同時に動いて修司の周りを取り囲む。

 完全に修司を包囲して、一斉に攻撃しようとしていた矢先の事。修司は二対の刀を地面に突き刺して、その両刀から闇の波動を地面に流して、波動で自分を包囲する面々を吹き飛ばした。

「うわっ!」「きゃあっ!」

 ルイズにアンリエッタ達は瞬く間に吹き飛ばされて転倒してしまう。

 そして皆が転倒している隙に、倒れているアンリエッタとワルドの背後に修司がテレポーテーションで瞬間移動して後ろを取る。

「アンリエッタ!」「ワルド!」

 二人の背後に一瞬で回った修司を見て、才人とフーケは叫んだ。

 アンリエッタとワルドが後ろをすぐに振り向くが、修司は容赦なく二対の刀を振り上げて斬りかかる。ワルドは無意識の内にアンリエッタ王女を護る様に庇った。

 二人が斬られそうになった瞬間、その二対の刃を寸前で差し止めた二つの煌めきが。

「……Hey、二次元人……! 此処でお終いなんて思っちゃいないだろ? OK?」

「「!」」

 その英語混じりの台詞にアンリエッタとワルドが顔を上げると、目の前にいたのは。

「Hey、小田原修司! オレ達アンタと同じ三次元人の存在を忘れるほど、アンタはこの世界に失望している訳じゃねェだろ?」

「小田原修司! 自分のクローンを世界によって勝手に生み出された経緯は少しながら同情できる……だが! 我々の覇道まで止めれるとは思わねえ事だな!」

 アンリエッタとワルドを間一髪で助けに入ったのは、中国・漢族を率いる郷士でもある武将デイ・マァスンと、その側近であり参謀のタク・モンジュロだった。

 マァスンとモンジュロは、修司の刃を押し返すと、修司に間髪入れず言い放った。

「ヘヘ、久しぶりだよな鬼神のおっさん! 二年前同様、派手なPartyにしようぜ!」

「マァスン様、お戯れは程々に……相手はあの鬼神、油断なされませぬな!」

 二人は鋭い眼光を滾らせて、修司に刀の切っ先を向けて戦意を示す。

 すると其処に「待つでござる、マァスン殿!!」と大声を上げて駆け付ける紅き衣の武将が。

「? ユキジ……」

「このシン・ユキジも! 今や人の心を失った小田原修司と一戦交える覚悟なりッ! 鬼神殿、何ゆえ加賀美殿を手にかけた……!!」

 デイ・マァスンが唖然とする中、駆け付けてきた今やモンゴル軍総大将のシン・ユキジの問い掛けに、修司もマァスン同様に唖然としてか返答は無かった。

 と、ユキジの参入の場に、あの忍が。

「あらよっと。あらら、かつては敵同士だった連中同士が、もっと強い強敵に立ち向かうべく手を組むとは……この柔軟性、うちの大将にも見習ってほしいね」

 地面から忍び寄る影の中から現れた猿飛佐助を前に、彼といがみ合っているモンジュロが声をかける。

「猿飛、お前が言えた義理かよ。俺とマァスン様の前にユキジ共々現れるという事は……」

「そっ! 流石は漢族を束ねる軍の参謀だこと。相手はあの鬼神だしね、俺様達も一緒に共闘しようかなと思って馳せ参じたって訳!」

 モンジュロからの問い掛けに、佐助は得物である大型手裏剣を構えながらマァスンやモンジュロたちに共闘の意思を示す。

 犬猿の仲のタク・モンジュロと猿飛佐助が会話していると、その現場には。

「おいおいおいおいおい! 待ちやがれ、あんた等! 小生たちがいる事を忘れるな!!」

 その声に、最初に修司との対戦に参戦したピエールとワルドらスコーピオン同盟の傘下と、其処に加勢しに来た平賀才人やルイズ達が振り向くと、その数々の視線の先には。

「小生はまだ諦めてないぞ! 破滅とやらに進化した鬼神・小田原修司から未来を勝ち取り、ゆくゆくはアジア全土を統治する野望を秘めたる智将……この黒劉席だって相棒の鉄球と共に戦えるぞ!」

 かつての中国共産党の一員でもあった黒劉席が、得物である鉄球を引き摺りながら駆け付ける。

 すると最戦前に続々と戦場に居る二次元人達と顔馴染みのアジア武将達が駆け付けてきた。

「兄者と、小田原修司と戦うのは忍びないが……だが! 全ての人々の安寧を奪おうとする義兄の暴走を止めるのは、弟である我が役目! このサイ・チョウセイも刃を振ろう……!」

 己の正義を強く信じ、義を重んじる韓国将軍のサイ・チョウセイは、自分の義兄にも当たる修司を何が何でも止めようと意気込む。

「可哀そうな鬼神様……あれほど世界に尽くしてきたというのに、その世界に裏切られ、自分の複製品である新世代型を数多く生み出され…………でも、新世代型の人々も鬼神様も、どちらも罪はありません! 鬼神様の悲しみ、この鶴姫がドドーンと吹き飛ばして差し上げます☆!」

 今は少しずつ現世の事を学びつつある中国ウェンリン水軍を先導する海神の巫女・鶴姫も修司の現状に悲嘆し、皆と共に修司と最後まで抗戦する決意を示した。

「ぼ、ぼぼぼ、ぼくホントは怖いけど……けれど、また幸平くん達の手料理、一緒に食べたいし……新世代型のみんなを死なせたくないよ!」

 以前に幸平創真達が作ってくれた料理の味に感激しているウイグル族名士のシャ・キンカも今の修司にとても怯えていたが、新世代型を死なせたくない一心で戦う意思を示す。

「おお、偉大なる鬼神・小田原修司よ。どうか怒りを収めたまえ。我が英国も前々から、其方の遺伝子を用いた安全なる二次元人の生誕計画には賛同していたのだよ。それらはあくまで世界の民を安心させる為の手段であって、君自身への裏切り行為では決してないのだよ」

 此処で祖国であるイギリスも、小田原修司の遺伝子を用いて新世代型を生み出した事を打ち明けるイギリス将軍モーリス・ナイロンは、あくまで新世代型を生み出したのは修司への裏切り行為ではないと伝えた上で武器を構える。

「裏切られたその悔しさ、わしも実に共感できる……! じゃが! 日本の桜を愛でとる民の未来まで奪う権利は其方には無いぞ、修司殿……!」

 どんな苦境の心中だとしても、たとえその苦渋の思いに共感できたとしても、日本の民の為に槍を握り、構える時乃宮彦摩呂は老体に鞭打って説き明かす。

「ワシらの先ある未来まで奪われてなるものか! 順一殿、そしてスター・コマンドーの者ら! ワシら中国軍が加勢してやるぞ!」

「!!!!!」

 修司に立ち向かうスター・コマンドーの面々や村田順一らを憧憬している、今や中国の統治者である中国将軍の徳竹康と、その側近である戦界最強の名を持つ武蔵丸は高々に戦意を掲げる。

「あ、あんた達……」

 戦前に名乗り上げて、本格的に修司と戦う意思を示すアジア武将達を前にして、才人たちは衝撃を受けてた。

 

 すると其処に次代を担うであろう新参者の武将達も馳せ参じる。

「ルイズ殿! 私達もいる事忘れないでくれッ!」

 そう声をかけてきたのは、中国の女衆を従えている女武将イン・ナオコだった。

「お、おお、俺様だって……マータン様の未来を奪われる訳にはいかねえんだ。破滅だが何だか分かりませんが、気の触れた鬼神なんて簡単に処刑してやるんだからな。キキ……」

 イン・ナオコに続き、彼女と共に駆け付けてきたゴ・マータンは、純粋な破滅へと進化した小田原修司に完全に怖気付いていたが、何とか正気を保っていた。

「怖い、怖いけど……! でも、みんなが戦っているのに自分だけ参戦しないほど、僕は臆病者じゃないっす!」

 見習い武将であり、同時に怯え切っている筈の少年武将・山中鹿之助も勇気を奮い立たせていた。

 そしてイン・ナオコも鋭い眼光で修司を睨み付けながら言い放った。

「あのサコンがカァチェンを庇って戦死したというのに、いずれこの世の乙女たちを引っ張る私が恐れを成して戦えずとは後世までの笑い者! 聖龍隊の戦乙女と同じく……いや、それ以上にこのイン・ナオコも最後まで抗い続ける!」

 台湾将軍のシバ・カァチェンを庇って戦死した北の国の残党マン・サコンの死を目の当たりにしながらも、修司を恐れて戦えなかったら後世までの笑い者であると自分に言い聞かせるナオコは最後まで戦う覚悟を決めてた。

 

 次代を担う武将達も駆け付けて、二次元人達と共に戦う意思を示す中、ミラーガールの死に落胆しているシバ・カァチェンがナオコの目に入った。

「カァチェン! ミラーガールが死んで落ち込む気持ちは分かるが、そんな暇なんかないぞ! サコンは何のためにお前を庇って死んだ? そしてミラーガールも死んだ今、誰が小田原修司を止めるんだ!?」

「………………」

「立ち上がれ、カァチェン! お前が私達と共に黒武士に抗おうと言った戦意は何処にいった!? お前が其処で塞ぎ込んでいて、サコンやミラーガールが喜ぶと思うのか!」

 ナオコに問い詰められ、カァチェンはしばらくの沈黙の後、彼の空虚な瞳が次第に光が満ちていき、カァチェンは側に置いていた逆刃薙(さかばなぎ)を手にして立ち上がった。

 そして皆と同じく、小田原修司を見据えると力強い眼差しに戻った瞳を向けた。

「……今の、私にできる事……サコンや加賀美殿にお応えできる事と言えば……!」

「………………」黙然とする修司に、カァチェンは言った。

「……戦意を失わず、最後まで……鬼神、貴方と戦う事ぐらいしかない……!」

 このカァチェンの台詞に、修司は目を細め、その場の一同は歓喜した。

「カァチェン、頼む!」

「もう、この戦いを終わらせられるのは、カァチェン達だけなんだ!」

 檻の中から大戦を見届けるしかできない新世代型達が、カァチェンに叫びかける。

 これに対してカァチェンは、得物である逆刃薙(さかばなぎ)を後ろ手で回転させながら修司と向き合いながら言った。

「……それが、あなた方の望みと有らば……」

 カァチェンも、修司に最後まで抗う意思を持った。

 

 こうして二次元人達と、三次元人の武将達との共闘戦前が開始された。

 今や戦死したSRMの勇者たち、仲間を庇って死んだマン・サコンら猛者たち、そして修司を最後まで思いながら彼に殺されたミラーガール。

 多くの今は亡き戦士達の死を背負い、二次元人と三次元人の共闘が今まさに修司と抗うのであった。

 

 

 

[共闘する二次元人と三次元人]

 

 聖龍隊ロボットメンバーズ通称SRMを全滅させ、マン・サコンを始めとする数多の猛者達を殺め、制止しようと挑んだ浦和良と鮎貝高明をも倒し、遂にはミラーガールこと加賀美あつこを殺めて二次元人全員を消滅させる魂胆を企てる小田原修司。

 そんな小田原修司を制止しようと、ミラーガールを失った悲しみを押し殺して挑みかかる聖龍隊に悪党に国連軍などの二次元人達。

 だが、純粋な破滅へと進化した修司には歯が立たず、国連軍の上官達は悉く斬り捨てられ、スコーピオン同盟やスター・コマンドーの面々さえも修司は圧倒してしまう始末。

 二次元人達が小田原修司に苦戦している最中、戦前に三次元人であるアジア武将達が駆け付けて、共に小田原修司打倒を掲げて戦前に並び立ってくれた。

 此処に今、全てを虚無へと誘おうとする小田原修司と対戦するべく、二次元人と三次元人の猛者達が戦前に集うのであった。

 

「さあ! オレと同じthunder使いの二次元人共! いっちょド派手にブチ撒かそうぜ!!」

「マァスン様に続け! 二次元人達!」

「ケケケッ、俺様の奇刃も唸っちゃいますよ」

 雷の属性を秘めた六爪の刀を振るうデイ・マァスンに続けと、マァスンの側近タク・モンジュロが二次元人達に呼びかけ、それと同時に二人と同じ雷属性の奇刃を修司に投げ付けるゴ・マータン。

 三人の雷属性の攻撃に続けと、高嶺清麿とガッシュ、キュアピース、【家庭教師ヒットマンREBORN!】のランボ、御坂美琴、そして聖龍HEADのセーラージュピターと最終兵器ちせ、メタルバード達が一斉に電撃の攻撃を修司に放つ。

 全員の属性技が巨大な電撃の波として修司に襲い掛かる。強烈な電撃の波が修司に襲い掛かり、電撃の波が修司を呑み込んだ。

 だが電撃の波を浴びた修司は、自分に襲い掛かった電撃の波から何事も無かったかのように出てくると、戦前で雷攻撃の先頭に立っていたデイ・マァスンへ日本刀に模した闇の武器で斬りかかっていった。

「!? オレ達の電撃を浴びても、何も無ェのかよ……!」

 マァスンは強力な電撃の波を浴びても、全くの無傷である修司が斬りかかってきたのに驚愕する。

「マァスン様!」

 主君マァスンの危機に、モンジュロは急ぎマァスンに斬りかかる修司に左手で抜刀した刀を振り上げる。

 しかし修司は右手の刀でマァスンと剣戟しながら、左手から黒い刀を現出させてモンジュロが振り下ろす刃を受け止めてみせる。

 そのまま修司は二刀流の戦法でマァスンとモンジュロを相手にしながら二人を押し退けていく。

 と、マァスンとモンジュロの主従組が苦戦していると、其処にモンゴル軍総大将のシン・ユキジが槍を主軸に炎を纏った蹴り技である紅蓮脚で修司を蹴りつけた。

 修司は瞬時に右腕でユキジの紅蓮脚を受け止めて防御するが、紅蓮脚の凄まじい威力に軽く吹き飛ばされる。

 そしてユキジは得物である二対の槍の刃を交叉させると後方に待機している数多の二次元人達に大声で呼びかけた。

「業火の如き焔を司る二次元人達よ!! 今だけでいい、某に其方達の熱き焔を貸し与えてくだされッ!!」

 このユキジの嘆願を聞いて、聖龍HEADのセーラーマーズが皆に呼びかける。

「ユキジ君を信じましょう……! 炎系の能力者は、私達に続いてユキジ君に炎をぶつけるのよ!」

 セーラーマーズの呼びかけに獅堂光はもちろん、ファイアリー(炎)のカードを使用する木之元桜に、ファイアーエレメントスーツを着用したコレクターズ、そしてそんな聖龍HEADに続けと佐倉杏子ら炎系の能力者達が一斉にユキジに業火を送りつけた。

 二次元人たちから送られた業火に呑み込まれるシン・ユキジ。だが次の瞬間、ユキジはその業火を得物である二対の槍に纏わせて、目に熱気を滾らせて修司へと一直線に猛進し出す。

「二槍入魂!! 我らが魂の焔、受けてみませい、小田原修司!!」

 ユキジは二次元人達の業火と自分の熱気の如き焔を纏った槍で、修司を仕留めようと猪突猛進の勢いで修司に突撃した。

「うおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉおおおおお……!!」

 ユキジの熱き闘志の如き二対の槍での突撃が修司に襲い掛かろうとした瞬間、修司は突撃してくるユキジに対して自らの武器も二対の槍へと変形させて対抗。結果、修司の闇の槍とユキジの炎の槍が激突し、両者は激しく槍と槍を組み合った。

 だが腕力では修司の方が圧倒的に優位であり、修司は剛腕でユキジを彼が持つ槍ごと弾き飛ばして、押し返してしまう。

「くっ……! 無念……」

 修司と力負けしてしまったユキジは、修司に押し返されて体勢を低くしながら己の未熟さを痛感する。

 そんなユキジに修司が闇の能力で作り上げた二対の槍を変形させて、一本の巨大な槍へと変形させると、それを両手で持って身構えて、一気に踏み込んでからユキジへと直進して彼を巨大槍で一突きにしてしまおうと駆け出そうとする。

 が、そんな駆け出そうとする修司を背後から一瞬の内に羽交い絞めして押さえ付ける影が。

「さ、佐助!」

 修司を背後から羽交い絞めして動きを封じたモンゴル軍忍頭の猿飛佐助を視認して、上官でもあれば友でもあるユキジが叫んだ。

「だ、旦那……いや、大将! 今の内にこいつを……小田原修司を始末するんだ!」

 佐助の呼びかけに、ユキジは戸惑った。

「な、何を言うのだ佐助! 今の修司殿を倒すには、それ相応の大きな力をぶつけねばなるまい……! そんな力を浴びれば、いくらお前であろうとタダでは済まないかもしれんぞ……!!」

 強力な特殊能力を修司に浴びせれば確実に猿飛佐助にも、その力が浴びせられて彼も只では済まないと説くユキジの訴えに、佐助が怒号を発した。

「バカヤロッ! 今こいつを、鬼神を倒さずにいつ倒すんだ!! その甘ったれた考えを拭って、さっさと攻撃しねえか!!」

「し、しかし……」佐助の訴えを聞いてもユキジは戸惑うばかりだった。

 すると佐助に押さえ付けられてた修司が、スゥっと佐助の体をすり抜けて、佐助の羽交い絞めから逃れてしまう。

「くっ……(物体を通り抜ける身体能力……聖女が死んで、また発動可能に至っちまったか!)」

 ミラーガールが死んで、彼女の聖なる力で封じられた修司の物体をすり抜ける身体能力が再び再発したのを目の当たりにして、佐助は驚愕する。

 そして佐助の羽交い絞めをすり抜けて難を逃れた修司は、振り返り様に佐助に向けて闇で作ったくないを投げ付けて、佐助を攻撃。

 だが佐助は修司が投げてきたくないを全て得物である二対の大型手裏剣で防ぎながら弾いてみせた。

「ふっ、この程度のくない……あいつのくないに比べたら目をつぶっても防げる」

 佐助はロシア将軍の側近である昔馴染みのくノ一の事を思い浮かべながら修司のくないを全て弾き返した。

 そんな佐助に全ての攻撃を弾かれて防がれた修司へ、今度は遠距離から修司を見定める者たちが狙いを研ぎ澄ませていた。

「今こそ……全身全霊を持って、失意のどん底にいる鬼神様を御救いする為にも……鬼神様を倒します! まどかちゃん、みんな! 準備は良いですか?」

「はい!」

 ウェンリン水軍の先導する鶴姫の呼びかけに、鹿目まどから弓矢を武器とする二次元人達が修司に狙いを研ぎ澄ます。

「僕の毒の矢が何処まで今の修司に効力があるか、皆目不明だが……だが、何もしないよりはマシな筈だ」

 弓矢を曳く聖龍隊士の中には、【トリコ】の毒の能力者であるココが毒の鎧で毒の弓矢を射出しようと構えていた。

 そして「行きますよぉ!」と、鶴姫の合図で彼女と共に一斉に弓矢を曳いて矢を発射する一同。

 矢は放射線を描いて一直線に修司へと目掛けて放たれ、飛来していく。

 無数の矢が飛来してくる中、修司は逃げる事も無く平然と立ち尽くし、自分に放たれる無数の矢を見上げていた。

 すると次の瞬間、修司は右手を上げて飛来してくる無数の矢の方に手を差し伸ばして能力を発動した。

 修司が能力を発動した瞬間、修司の目前まで飛来した無数の矢は一瞬で空中で静止し、動かなくなってしまう。

「チッ、斉木の小僧から得たサイコキネシスでまた動きを止めやがったが……!」

 無数の矢が目前で止まったのを目撃した赤塚大作は、修司が新世代型二次元人である斉木楠雄から会得した超能力を再び使用したんだと直感で把握する。

 そして超能力で無数の矢を止めた修司は、一斉に自分に向けられている矢じりの向きを反転させて、更に超能力で飛来してきた矢を弓で飛ばしてきた者たちの方へと送り返した。

「うわあっ!」「矢がコッチに来たぞ!」

 放たれた矢が自分達の方へと送り返される現状に、多くの猛者達が愕然とし、鶴姫も鹿目まどか達も困惑する。

 だが、そんな逃げ惑う一団の前に。

「此処は任せて!」と、大海恵とティオの二人組が駆け込んで、必殺の防御呪文で特大の防壁を宙に作り、修司が送り返した矢を全て防いで見せる。

「お次は直接攻撃といきますかッ!」

 と、恵とティオが無数の矢を防ぎ切ったところで、ガイア・スコーピオンが一部の猛者達と共に修司に接近して直接殴り掛かりに攻めてきた。

 修司はガイアの鋼鉄の様に硬いハサミでの殴打を、素手状態にした腕部分で受け止め防ぎながら的確に反撃に転ずる。

「そりゃあっ!」

 そんなガイアの打撃に続けと、黒劉席が自慢の剛腕から放たれる超重量の鉄球を振り回し上げて修司の頭上から振り落とす。

 だが修司は持ち前の物体をすり抜ける身体能力で劉席の鉄球をすり抜けて簡単に攻撃をかわしてしまう。

「ていやっ!」

 今度は女地頭でもあるイン・ナオコが自慢の巨剣で修司を横に真っ二つに切断しようと振り回して斬撃。

 だが修司はナオコが振り回す巨剣を、人差し指と親指のみで摘まむ様に押さえると、巨剣はピクリとも動かなくなってしまった。

「ッ……! くっ……」自慢の巨剣が微動だにしない状況に焦燥するナオコ。

 すると修司はナオコが強引に巨剣を引っ張ろうとしているのを見越して、ここで指を放した。

「うおっ!?」

 その瞬間、ナオコは尻もちを衝きそうになるが堪えるのだが、彼女の体勢が崩れた隙に今度は修司が闇で弓矢を作って、闇の矢をナオコに射出する。

「ッ……!」闇の矢がナオコに向かって飛来し、彼女の眼前まで迫ったその瞬間。

 その矢を振り回した連結棍棒で弾いてみせた山中鹿之助がおやっさんと共に加勢する。

「し、鹿之助……!」「へへっ、大丈夫っすか。ナオコさん」

 得意気に間一髪の所を救った行動力を自慢する鹿之助。

 その一方で修司はガイア・スコーピオンと黒劉席と激しく格闘していた。

「このっ、このっ、このッ!」「そりゃそりゃそりゃ!」

 鉄球を鈍器の様に扱う黒劉席、炎を纏った鋼鉄並みの強度を持つ両手で連打するガイア。

 二人がかりの殴打に、修司は両腕を顔の前で身構えて防御の体勢で攻撃を防ぐ。

 しかし修司は遂に二人の打撃を片腕で振り払って、劉席とガイアを退かせる。

「ぐっ……!」「チッ、破滅に進化しても自慢の剛腕は健在って訳か」

 口元を歪ませる劉席に、舌打ちするガイア。

 と、修司が二人に反撃しようと手から黒くて長い棍棒を現出させて殴り掛かろうとした矢先。

 修司に斬り込んだ人物が。その人物の剣戟を、修司は現出させた棍棒で防ぎながら態勢を立て直した。

「……青児か」

 修司に斬り込んだ人物は、今や長きに渡り聖龍隊での戦闘で完全に両目の視力を失ってしまった聖龍HEADキューティーハニーの夫である早見青児。

 青児は視力を失いながらも、周囲の気配だけで抜刀が使える剣士として現役だった。

「修司、まさかお前が黒武士だったとはな……そしてミラーガールを、アッコを手にかけるとは……!」

 青児は昔からキング・エンディミオンこと地場衛と共に創設者メンバーで三人組として慣れ合ってきた修司が世界を騒がした黒武士であり、そして如何なる理由があろうとミラーガールである加賀美あつこを殺めた修司に静かな怒りを滾らせていた。

 静かに怒れる青児は、修司に再び斬り込んでいく。修司は棍棒で青児が振るう日本刀を防ぎつつ、巧みな棒術で幾度となく青児に反撃する。

 肩・顔側面・腕などに棍棒で叩き付けて、的確に痛手を積み重ねていく修司に、青児は苦悶の表情を浮かべ始める。

 すると其処に、妻であり旧姓:如月である早見ハニーことキューティーハニーが助太刀に加わり、修司と青児の間に割り込む。

 キューティーハニーが割り込んできた事で、修司は一旦後ろへと退き、キューティーハニーと青児に対して身構える。

「修司くん……! これ以上、あなたが戦う事はないのよ……!」

 キューティーハニーは青児同様、静かな怒りを修司に向けて戦意を指し示す。

「ハニー、お前だって薄々は気付いているんじゃないのか? 俺とアッコ、いやお前達と出会ったからこそ、青児も余計な戦いに巻き込まれず、今の様に両目を失う事も無かったんじゃないのか」

「それは結果論よ! 私も、そしてアッコちゃんも、他のみんなも……! 修司くんと出会えた事で変わった運命を恨んだ事は一度も無いわ!!」

 自分とミラーガールが出会わなければ、青児が今の様に失明する事も無かったのではないかと説く修司に対して、キューティーハニーはミラーガールや修司と出会えた事で変わった運命を恨んだ事はないと反論する。

 キューティーハニーの強い言葉を聞いて、修司はキューティーハニーと青児の二人に攻め寄った。

 激しい棍棒による棒術での打撃に、キューティーハニーも青児も互いに剣で応戦する。

 修司は二人の剣戟に押されつつも、棍棒を二つに割って、その割った棒から湾曲のある刃を突出させて二対の短い鎌へと変形させた。

 そして二対の鎌に武器を変形させた修司は、その鎌でキューティーハニーと青児の二人に襲い掛かる。

 二対の鎌を自在に扱う修司に、今度はキューティーハニーと青児が押され始める。

 そして修司が振るう鎌の刃がキューティーハニーの首を斬り付けようとした瞬間、そんな修司の上方から修司を斬りかかろうとする人影が。

「それッ!」

 掛け声と共に修司に斬りかかり、修司を後退させてキューティーハニーの危機を救ったのは、修司の義弟でもある韓国将軍のサイ・チョウセイその人。

「チョウセイ……!」「チョウセイか?」

 馳せ参じたチョウセイを前に、キューティーハニーと青児は目を丸くするが、そんな二人を尻目にチョウセイは義兄である修司に切っ先を差し向けて言い放った。

「兄者……! 愛する女性を殺め、そして世界と人々の思いを滅ぼそうとする貴殿の行為は……まさしく悪! 悲しきながら、このサイ・チョウセイ! 悪に染まった義兄を討ち果たす所存なり!!」

 そう言い放ったチョウセイは、身構えて決め台詞を言い放つ。

「無言即殺! 悪と無駄口、削除なり!」

 そう言い放つチョウセイは、次の瞬間には有無も言わさない勢いで修司に斬りかかる。

 そんなチョウセイに修司は虚無な表情で言葉を返した。

「チョウセイ、確かに今の俺の行為は悪かも知れん……だが全ての、争いの根源そのものを消さない限り……この世の、無益な争いは無くならないと思わんか? 尖閣諸島という、ちっぽけな領土を巡って日本と韓国が争っていた様に……その争いに終止符を打つ為、俺が国連に根回しして尖閣諸島全土を国連管轄の州立刑務所に仕向けた事を忘れたか?」

「それと同じ様に、姉者を……加賀美殿を無益な争いという悪の根源として討ち滅ぼしたというのか? ……それとこれとでは話が違うぞ兄者!!」

 過去に修司が国連に根回しして、尖閣諸島を国連管轄下の州立刑務所に仕立て上げて日本と韓国の領土争いを無くした様に、二次元人の全ての争いの根源であるミラーガールを殺めた事を説く修司に対して、チョウセイは真っ向から否定する。

 紅く煌めくチョウセイの斬撃を、修司は黒い刃で受け止め弾き返し、チョウセイと対等に渡り合う。

 が、修司は一瞬の隙をついてチョウセイが振るう剣を弾いて下方から振り上げる要領で、がら空きになったチョウセイの胴体へ斬り上げようと闇の刃を振り上げる。

「!」

 チョウセイも一瞬の隙をつかれて下方から斬り上げられそうになる状況を一瞬で見極め、愕然とするが。

「このッ!」

 そこに女地頭イン・ナオコが巨剣を振り下ろして、チョウセイに攻撃しようとする修司を頭上から巨剣で攻撃。このナオコの巨剣での攻撃を、修司は瞬時に後方へ退いて回避。

「な、ナオコ殿……済まない」

「フンッ、今まで散々自分の妻を放りっぱなしのダメ旦那など助けるのは少々癪だが……お前の義兄を止めたいという思いには加勢したいしな」

 素直にナオコに礼を言うチョウセイに対し、ナオコの方は義兄である修司を止めたいというチョウセイの強い思いに助太刀したいと、やや照れながら語る。

 と、チョウセイとナオコが話していると、修司が武器を消して素手でナオコが振るう巨剣の側面を殴り付けて、巨剣を思いっきり弾いた。

「ッ!?」

 面積の広い巨剣の側面を殴り付けられて著しく態勢を崩したナオコに、修司は再び闇から日本刀を作り出してナオコに斬りかかる。

 しかし修司がナオコに斬りかかろうとした矢先、そんなナオコに進撃する修司の前に最終兵器ちせとその試作機であったミズキの両者が立ちはだかり、修司と戦い出す。

 修司は日本刀から二対の刃に武器を変形させて、両刀でちせとミズキの両者と格闘を開始。

 ちせとミズキから繰り出されるレーザービームにレーザーソードの攻撃を、修司は闇の武器を駆使して抗戦しながら二人に説く。

「ちせ、ミズキ……元々は人命を大量に奪う為に生み出された、お前ら最終兵器の二人が未だに争いを続け、多くの命を刈り取らなければならない現世に至ってしまったのは……俺とお前ら二次元人が出会ってしまった事で変化してしまった、この混沌と言う時代だからだ。俺は、そんな時代を終わらせ、お前ら二人にも安寧な桃源郷へ導いてやる……」

 だが、この修司の説教を聞いた二人は平然と突っ返した。

「おあいにく様……! 私達はもう物語の運命を……非業の道行きを離れられた二次元人! そう、修司くん貴方が変えてくれたこの未来と時代で生きられるの! そして大切な友や仲間と生きていける未来を、これからも守るため私たちは戦い続ける!」

「修司……! 確かに貴方と出会ったからこそ、私達は今なお生き続け、そして戦いの渦中に存在してしまうのは事実なのかもしれない……けれど、その茨の道を共に突き進んでくれる尊い仲間達の思いと、そんな仲間達と生きていける未来を潰させる様な真似だけは、させない!」

 ミズキとちせからの返答を聞いて、修司は平然と虚無の表情で答えた。

「それもまた、俺が生み出し、創り出してしまった混沌と言う名の歴史そのもの……その歴史を、未来を潰さない限り、お前らの苦しみも未来永劫続くだけだ……!」

 自らの出逢いが創り上げてしまった混沌と言う名の現実(いま)を止めなければ、二次元人も三次元人も苦しみ続ける未来は永劫続くだけと説く修司。

 

 生まれた次元は違えど、未来を思い、守る尊い意志は同じ。

 その意志と共に戦い続ける猛者たちと、彼らの苦しみを終わらせる為に戦い続ける破滅・小田原修司の戦いは何の結果を招くのであろうか。

 安らぎを求める意思は皆同じ。されど、その安らぎを求める方法は極端にも違う。

 友と友、仲間だった間柄の関係で続くこの戦いは、果たして何を生み出すのだろうか。

 

 

 

[終わらぬ戦い、始まる殺戮]

 

 数多の同志の命に続き、遂にミラーガールまでも手にかけた破滅・小田原修司。

 その修司を止める為にも全身全霊で戦いを仕掛ける連合軍。

 二次元人と三次元人の武人達は、その持てる力を全て出し切ってでも修司と激しい戦いを展開する。

 だが、破滅・小田原修司の凄まじい戦闘に二次元人も三次元人も決め手に欠けていた。

 真の安らぎを求めるあまり、世界と世界中の命を無に誘うという修司の思考に歯止めがかけられるのであろうか。

 激しい戦闘の行く末は。

 

 数多の猛者達との激戦を繰り返しても尚、修司は全く疲労を感じず、顔にも疲れは出ず相変わらず平然と虚無の表情を浮かべ続けるばかり。

 ちせやミズキのレーザー攻撃を回避しながら、修司はそのまま過去(かつて)の相棒であるメタルバードとの戦闘を開始する。

 接近戦のメタルバードは両腕を刃の形に変形させて、修司と真正面から激しい剣戟を繰り広げる。

 互いの刃が激しい火花を散らし、両者は一歩も退かずに刃を振るい続ける。

 そんな激しい戦闘を続けている修司とメタルバードの闘いに、他の聖龍隊士も続々と助太刀に入り、修司を仕留めようと奮闘する。

 だが修司は新世代型二次元人から会得した能力で数多の猛者達の攻撃を掻い潜り、時には防御してすかさず反撃に転じていた。

「加速装置!」

 009こと島村ジョーの加速装置からの超高速移動も、修司は瀬名アラタから会得したオーバーロード能力で辛うじて見極め、超高速移動する009をラリアットで地に沈めてしまう。

「ッ!」

 修司のラリアットを受けて地面に叩き付けられてしまう009。そんな彼を目撃して、檻の中の新世代型達は苦悩していた。

「ッ、僕達の特殊能力を思いのままに使いこなして、この戦闘を巧みに乗り越えていると言うのか……!」

 自分の超能力をも駆使している修司を見て、新世代型の斉木楠雄は苦渋の表情を浮かべてた。

「……! オレ達の……オレ達の特殊能力で多くの命を奪い続けるなんて……!」

 自らが会得したオーバーロード能力を駆使して数多の猛者達の動きを見極める修司の戦闘を前に、瀬名アラタはその表情に怒りや悔しさといった感情を表していた。

 そんな苦渋する新世代型達に気付いたのか、修司は突如として激しい戦闘の最中でも檻の中の新世代型達を見据え、彼らに語り出した。

「全ての悲劇……そう、俺のクローンと言うお前らこの大戦の始まりである貴様らの能力で、この混沌と言う争いを鎮めてやっているんだ。お前らが生きている限り、お前らの能力は全てこの俺の力となるのが筋というもの。俺のクローンとして、最初で最後の始祖である俺への力の根源として、この大戦が終わるその時まで俺の力の糧となれ」

 この修司の冷徹な言葉を聞いて、自分達が生きている限り、自分達の能力が修司に使われ、その力が多くの命を奪っていく現実を突き付けられて蒼然とする新世代型達。

 そして修司の言葉を聞いて、蒼然と衝撃を受けて絶望した瀬名アラタは、修司が自分のオーバーロード能力を使って命を傷付けていく現状に耐え切れず、遂に……

「も……もうやめてくれ!」と、修司に叫んだ。

 そして引き続き、アラタは何を思ったのか同じ檻の中に囚われている同じ新世代型のジェイク・ミューラーが所持していた拳銃を手に取った。

「お、おい……!」突然、自分が所持していた銃を奪われて困惑するジェイク。

 そして檻の中の皆が突然の事態に困惑する中、アラタは唐突に語り出した。

「……もう、もう……オレ達の能力で人を傷付けるのはやめてくれ、小田原修司! オレ達が生きている限り、オレの能力であるオーバーロードを使って戦い続けるというなら、オレは……」

 自分の能力で数多の猛者達が傷付けられていく様を目の当たりにしたアラタは絶望に染まり、これ以上修司に自分のオーバーロード能力を使われるぐらいならと、なんと自分の頭にジェイクから奪い取った拳銃の銃口を突き付けたのだ。

「あ、アラタやめろ!」

 親友の出雲ハルキが制止するが、時すでに遅くアラタは拳銃の引き金を引いて自分の頭部に銃弾を撃ち込んだ。

 アラタが自決するのを目の当たりにして騒然とする檻の中の新世代型達。

 だが次の瞬間、信じられない光景が皆の目に飛び込んだ。

 銃弾が貫通し、血肉が飛び散ったにも関わらず、アラタの頭部の銃痕は瞬く間に塞がり、綺麗に消滅し、再生してしまったのだ。

 そして自分で自分の頭を撃ち抜いたアラタは何ともなかったかのように生存していた。

「な、なんで……!?」

 何ゆえ自分はまだ生き永らえているのか非常に困惑する瀬名アラタ。

 そんなアラタに修司が説いた。

「お前らと俺の精神を繋いでいる共有感知を利用して、お前らの肉体は一時的に俺と同じく極度の再生能力と不死性を備え持っている。俺に能力を使われたくない一心で自殺しようとしても、再生能力と不死性の肉体で死ぬ事すら許されないのが俺のクローンである貴様らへの罪科だ」

「そ、そんな……!」修司の説明を聞いて新世代型の薙切えりなは漠然とした。

 そして、そんな愕然とする新世代型に修司は更に絶望を与える言葉を発する。

「死なさんぞ……! この戦いを最後まで見届け、俺によって死を与えられるまで……お前らはこの残酷な大戦で流れる血を、そして命が消える惨劇を見届けるがいい……!!」

 死ぬ事すら始祖である小田原修司に許してもらえない現実に、檻の中の新世代型二次元人達は深く絶望するしかなかった。

 

「もういい加減にしろッ、修司さん!」

 新世代型二次元人に冷たい言動を浴びせる修司に怒りが頂点に達した聖龍隊士の月野慎吾、そうセーラームーンの実弟が修司に装備品である日本刀で斬りかかる。

 が、修司は慎吾の斬撃をテレポーテーションで瞬時に回避し、慎吾の前から姿を消してしまった。

「!?」

 突然、目の前から姿を消した修司を探し回りながら混乱してしまう。

 すると修司は唐突に慎吾の背後に姿を現して、慎吾の耳元で囁いた。

「敵に後ろを見せるなと……言った筈だぞ」「!」

 囁き声に気付いて慎吾が後ろを振り向いたその瞬間、修司は手にしていた闇の日本刀で慎吾の腹部を斬り付けた。

 腹部を斬り付けられた慎吾の切り傷から、内臓である腸が飛び出て零れ落ちてしまう。

「うぅ……」

 斬られた箇所から腸が零れ落ちて悶絶する慎吾は、その場で蹲り、倒れてしまう。

「慎吾!」

 修司に致命傷を与えられて倒れた弟を見て、セーラームーンが血相を変えて慎吾に駆け寄ろうとする。

 だが、セーラームーンの前に修司が立ちはだかり、慎吾に駆け寄らせてくれない。

「修司くん! お願い、そこを退いて! 慎吾が、慎吾が……!」

 急いで治癒能力で治療しなければ慎吾が死んでしまうと混乱するセーラームーンに、修司は言った。

「セーラームーン、お前の目の前で尊い命が……大切な者の命が消えゆく様を目に焼き付けておけ。どんなに足掻いても変えようのない悲しく、そして残酷な現実に全身を打ち付けられた様な痛みに襲われ……そして死ぬ前に学ぶんだ。どんなに強力な力を持っていても、救えない命が目の前に存在している事をな……!」

 修司は目の前で弟である慎吾を死なせることで、セーラームーンに絶望を与えようとしていた。

 セーラームーンはそんな修司の言動に既に心が折れかかっていた。

 が、その時。

 修司の背後から、致命傷を受けて動く事すら困難な慎吾が日本刀を片手で構えて修司に迫っていた。

 慎吾は左手で自分の腹の切り傷から零れる腸を押さえながら、右手で日本刀を構えて、その切っ先を眼前の修司に背後から突き刺したのだ。

「し、慎吾……!」「………………」

 目の前で慎吾が修司を突き刺した現状に思わず両手で口を塞いでしまうセーラームーンに対して、修司は黙然と痛みすら感じてない様子だった。

 慎吾は慎吾なりに修司を止めるべく、修司を背後から突き刺したのだが、その修司は何事も無かったかのように体を横へと移動させると、慎吾が突き刺した日本刀もすり抜けて修司は無傷の状態で移動してしまう。

「そ、そんな……!」

 修司に傷を負わせる事が叶わなかった現実に絶望し、慎吾はそのまま倒れ込んでしまった。

「慎吾!」

 倒れ込む慎吾にようやくセーラームーンが駆け寄り、慌てて治癒能力で慎吾を治療しようと試みるが。

 時既に慎吾は果てていた。

「慎吾……そんな、目を覚まして……!」

 大粒の涙をボロボロと流して、弟の死に嘆くセーラームーンに修司は非情の刃を振り下ろして彼女を断頭しようとした。

 が、其処に「修司ーーッ!!」と、怒りを露わにするキング・エンディミオンが激しい表情で修司に斬り込んできた。

 修司はエンディミオンの斬り込みを余裕でかわすと、数多の猛者たちを真正面に捉えた状態で演説し出した。

「もう俺も……アッコを殺した時点で腹は括っている。過去の繋がりを、絆を断ち切るために、お前らをこの場で全員……殺めて、全員を安寧へと導く覚悟をな……!」

 そして修司は最後にこう告げた。

 

「まだ戦いは終わらぬ……! その代わり、これからは……殺戮が始まるだろう……! 純粋な破滅へと進化した俺が繰り広げる、殺戮がな」

 

 遂に本気を出して、死力を尽くして戦場の命を全て刈り取る事を宣言した小田原修司。

 自身のクローンである新世代型二次元人には、死と言う逃げ道すらも与えず奪い。

 過去(かつて)の仲間達にすら情を見せずに命を奪い取り、果てさせる。

 そして此処からは、小田原修司が全身全霊をかけて過去(かつて)の仲間達の命を奪い尽くしていく。

 

 

 

[出会いから始まった繋がり]

 

 自身のクローンである新世代型二次元人の能力を吸収し、会得した小田原修司。

 その修司が今まさに全身全霊を以って、遂に全力で戦場で自分に対峙する猛者達の命を奪い尽くすと宣言。

 その始まりとして、聖龍HEADのセーラームーンの実弟である月野慎吾の腹部を切り裂き、その命を奪った。

 助けようと駆け付けるも、時既に死した弟・慎吾の亡骸を抱き寄せて涙を流し続けるセーラームーン。その夫にして、義弟でもある慎吾の命を奪った修司に怒りを露わにするキング・エンディミオン。

 修司はエンディミオンの剣戟を容易く、闇の能力で作った日本刀で弾きかわしながら対峙するエンディミオンに告げる。

「衛、どうだ? 愛する女の弟を護れなかった後悔、そして大切な人を失って嘆き悲しむ愛する女の涙を見て……如何に、この世界が不完全か理解できるか? この混沌たる世界は実に不完全だ……故に、この世界の全てを零に……無にしなければならない」

「修司……!!」

 修司の論弁を目前で聞かされたエンディミオンは、その激しい怒りを表情に浮かべたまま修司に幾度となく斬りかかる。

 だが修司は、そんな怒りで我を忘れるエンディミオンの剣戟を右に左にと余裕でかわし、意図も簡単に避けてしまう。

「HEADに……エンディミオン殿に続けッ!」

 と、ここで聖龍隊を束ねる聖龍HEADのキング・エンディミオンが奮闘している様を見て、聖龍隊の一般隊士達が自分達もと修司へ攻めかかる。

 攻勢に出た隊士達の様子を横目で視認した修司は、エンディミオンの剣戟をひょろりとかわすと攻めてくる隊士達に向かっていった。

「! やめろ修司! お前ら、今の修司に近寄るな!!」

 エンディミオンが叫んだのも虚しく、隊士達に接近した修司は彼らの剣戟を軽々とかわし、隊士達の間を通り抜けながら隊士達を悉く斬り捨てる。

 悶絶して微かな声を発しながら、修司に斬り捨てられて絶命していく隊士達。

「し、修司……!」

 かつては修司にも尊敬の念を向けていた隊士達すらも平然と斬り捨てる様を目撃して、エンディミオンは激昂するものの。

「今の俺に情は無い……お前たち二次元人と出逢う前の、心と言う感情が欠落している頃の俺……そう、産まれながらの正真正銘の俺自身に戻ったのだ……!」

 と、修司は虚無の様子で、自分は二次元人と出逢う前の心のない本当の自分に戻ったまでと説くばかり。

 

 すると修司は高く跳躍し、戦いを傍観していた他の隊士達へも襲い始めた。

 無慈悲に、無造作に、隊士達の命を奪っていく小田原修司。

 そんな惨状を目の当たりにして、高名な聖龍隊の隊士達は居ても立っても居られなかった。

「やめさせないと……!」

「うん! このままじゃ、修司くんの心もボロボロになっちゃう……」

 蒼然とする表情で惨劇を目視するセーラーマーズに、今でも修司の心を心配する獅堂光。

 すると聖龍HEADが急ぎ修司を制止しようと臨戦態勢に入ろうとした、その時。

「HEAD!」と、村田順一率いるスター・コマンドーが駆け付ける。

「HEAD! このままでは修司さんの暴走は……悲しみは歯止めが効きません! 早く何とかしないと……!」

「順一くん。だけど、今の私たちに何ができるのか……」

 順一の必死な声に、先ほど修司にハッキングされて自分達の電子機器である武器が使えなくなってしまったコレクターユイ達が悲愴な面持ちで返事すると。

「諦めたら其処で全てがお終いです! 忘れてる訳じゃありませんよね? 僕たち聖龍隊が……戦士が戦わなかったら、誰がこの戦いを終わらせられると言うんですか! 諦めるなんて、かつて僕が……いいえ、僕たちスター・コマンドーが憧れた聖龍隊の戦士らしくないですよ!」

 と、順一は気落ちする聖龍HEADを激励する。

 この順一の激励に、聖龍隊総長であるメタルバードが歩み寄り、HEADとスター・コマンドーに伝えた。

「その通りだ……! かつて修司とオレ達で育んだ愛弟子であるお前らスター・コマンドーに励まされちまうなんて、オレらも落ちぶれたもんだ」

 そう伝えたメタルバードは、続け様にスター・コマンドーに言い放った。

「スター・コマンドー! いっちょ修司にオレたちの……いいや、修司だって育て上げた最強の総合部隊の力、見せ付けてやろうぜ!!」

「はい!」メタルバードからの力強い発言に、順一も力強く返答した。

 そして聖龍HEADとスター・コマンドーは自分達の戦力が増強される面子で組むと、激しく聖龍隊士達を傷付けていく修司に声をかける。

「修司くん!」

 その声に修司は一旦隊士達を傷付けるのを止めて振り返ると、その視線の先には師弟同士で組んだHEADとスター・コマンドーの姿があった。

 

 聖縁師弟

 メタルバード×村田順一 ジュピターキッド×いばら セーラームーン×ハイパー・ブロッサム 

 セーラーマーキュリー×ローリング・バブルス セーラージュピター×パワード・バターカップ

 エンディミオン×才人 キューティーハニー×音無小夜 獅堂光×赤ずきん 龍咲海×白雪 木之元桜×ルイズ

 

 総勢9組の聖なる縁で繋がった師弟が、純粋な破滅へと進化した小田原修司へと挑もうとしていた。

 そんな9組の聖縁師弟を前にした小田原修司は、虚無な面差しで自分に挑もうとする面々に言った。

「……そうだ……その繋がりだ。異なる物語の登場人物で構成されてしまった師弟関係……その繋がりこそ、美しかった二次元界を混沌へと誘い、そして醜く変えてしまった。俺は、そんな繋がりを絶つ事で……この醜く変わり果ててしまった世界を真っ白に塗り替えてみせる……」

 そう朧気に説く修司に、聖縁師弟の面々は一斉に修司へと攻めた。

 本来は修司より格闘術を学んだ村田順一は、その修司の相棒だったメタルバードと共に修司に殴り掛かる。が、修司は順一の拳をひらりひらりとかわしただけでなく、メタルバードの電撃の砲撃までも回避してしまう。

 同じ地の理を持ち、大地の力を会得しているジュピターキッドといばらの二人は、地面から植物の蔦を生やさせて修司の足止めを行おうとする。しかし修司は自身に向かってくる蔦を全て両刀で斬り付けて断裁しては、ジュピターキッドといばらの攻撃を無力化する。

 セーラーマーキュリーとローリング・バブルスは、お互いに愛する恋人を失った悲しみから立ち上がろうと、修司に水の技で挑むのだが。修司は二人の水技を闇から発生させた雷で分解して消滅させてしまう。

 お互いに最初は慣れないリーダーとして危うい活動ばかり目立っていたセーラームーンとハイパー・ブロッサムの二人は、セーラームーンの光の照射技とブロッサムの巧みなヨーヨー攻撃で修司と接戦。だが修司はセーラームーンの光を自身の闇の能力で喰らう様に無力化し、ブロッサムの二刀流のヨーヨーも同じく二刀流の忍び刀で弾き返して逆にブロッサムを傷付ける。

 同じ緑、同じ怪力系の能力者であるセーラージュピターとパワード・バターカップは、修司の頭上へと跳び上がり、真上から電撃を帯びた拳と思いっきり振り上げたハンマーで修司を殴打しようと襲撃。しかし修司はセーラージュピターの電撃を帯びた拳も、バターカップのハンマーも、どちらとも片手で受け止めては何ともない様子で、二人を押し返す様に投げ飛ばした。

 愛する女性を守る為に強くなったエンディミオンと平賀才人、そして異端者の端くれであるキューティーハニーと音無小夜の四名は、修司に剣戟で挑みかかるが。修司は二刀流の日本刀で四人の剣戟を見事に受け止めつつ、受け流して四人に斬り返して逆に深手を負わせる。

 同じ属性魔法を扱える獅堂光と赤ずきんは、烈火の如き大火で修司を呑み込むが、修司はその大火を全てを吸収してしまう闇の能力で吸引して無力化。

 続いて同じ水魔法の使い手である龍咲海と白雪は、極寒の海水よりも冷え切った冷水を修司に浴びせると同時に、修司を凍らせる。が、修司はバキバキ自身を覆う氷を砕いて自力で脱出してしまう。

 当初は魔法が使いこなせず悪戦苦闘していた木之元桜とルイズの二人は、強力な魔法の数々で連携しながら修司を追い詰めようと画策。だが修司は地面に拳を突き立てて、そこから闇の波動を発生させて魔力を完全に無力化させると同時に、地面に立っている聖龍HEADとスター・コマンドーの師弟組を闇に引きずり込もうと仕掛けた。

「ま、マズい!」「!」

 メタルバードと順一はいち早く全てを呑み込む闇から逃れようと、メタルバードは上空へと飛び上がり、順一は後方へと退いた。

 だが他の面々は遅れてしまい、修司が放出する闇に呑み込まれ始めてしまう。

闇穴道(ブラックホール)……!」そして「解放(リベレイション)……!」の修司の掛け声で、師弟たちは闇へと呑み込まれては一斉に闇から吐き出されて悶絶してしまう。

 修司の闇に呑み込まれ、精神が著しく消耗してしまう師弟たち。

 メタルバードと順一以外の師弟組を満身創痍に至らしめた修司は、そんな地面に倒れ込む師弟組たちの命を奪おうと歩み寄ろうとする。

 だが、そんな修司を上空から、ちせとミズキの二人が爆撃して足止めする。が、修司は両手を上空へと翳すと、手の平から強大な引力を発する闇を現出させて、滞空しているちせとミズキの二人を強引に地上へと引きずり込んだ。

「っ!」「!」

 ちせとミズキは修司の闇に引き寄せられて、強引に地上へと落下。そんな二人に修司は両腕を伸ばして、両刀のラリアットでちせとミズキの首元に腕を叩き込む。修司のラリアットを受けて、ちせとミズキは余りの衝撃で言葉を発する事なく悶絶する。

「ちせ!」「ちせちゃん!」「ミズキ!!」

 修司のラリアットを受けて悶絶する二人を見て、恋仲であるシュウジと恋焦がれるガイア、そして同じ赤塚組の幹部衆である頭領の大将が叫ぶ。

 一方、ラリアットを受けて悶絶した二人は勢いが衰えず、地面に叩き付けられて気を失ってしまう。

「クソ……! どこまで……どこまで、修司はオレ達を滅ぼそうと力を吸収したんだ……!?」

 その惨状を目の当たりにして、メタルバードは修司が何処まで新世代型二次元人の能力を吸収した事で戦力を会得しているのか、底なしも修司の戦力に恐怖した。

 そんな自身の技を受けて悶絶し気絶する聖龍隊士に、その惨状を目撃して愕然とするメタルバードや順一たちに、修司は言った。

 

「全ての人の愛するものを消し去り、無に誘うのが今の俺だ……!」

 

 愛する女に平穏を与える為、愛する女が愛する世界を無に誘い、破滅へと向かわせようとする小田原修司。

 修司は単に、世界に平穏を与える為に行動しているに過ぎない。ただ、それが結果的に世界を破滅へと誘ってしまう行為なだけなのだ。

 小田原修司と加賀美あつこ、そして三次元人と二次元人、全く異なる種が出会った事から始まった繋がりと言う名の鎖。

 その呪縛にもとれる重い鎖と言う名の繋がりを始めてしまった出会いという名の発端。

 その発端たる繋がりを絶たなければ、混沌たる世界は美しくならないのか。醜いままなのであろうか。

 

 

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