呪術廻戦って漫画があるんだが、俺の霊能力って五条悟と似てない?   作:かりん2022

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短編1「漫画の組織が実際にあるとは思わねーじゃん……」
その自己紹介は、呪術界の歴史書に載った


ホラーものの漫画はいくつもある。

その中に、呪術廻戦という漫画がある。

五条悟が激推しされている漫画だ。

 

そして、俺は素直に五条悟が大好きだった。

 

彼の力の使い方は、大いに参考になった。

 

俺は五条悟と同じく悪霊や霊力が見えるから。

そして、霊力をもつものには俺の目は美しい青に見えるらしい。

悪霊が見ると襲ってくるので、普段は眼帯をして誤魔化している。

 

そう、霊能力者って奴なのだ、俺は。言いふらしたりはしねーけど。

 

俺の名前は青空 中央(ナオ)。名前もかすりもしていない。

 

「ねぇねぇ、中央。五条悟ごっこやってよ!」

「いいぜー。無量空処!」

「相変わらず綺麗だな……」

「はぇー。すっごい」

 

 友達で、同じ霊能者の朝焼 隣子、夕空 遥、夜空 帰子(キコ)とはしゃぎあう。

 俺ら、4人揃って丸一日とか、ループ組とか呼ばれてる。後はその、中央ハーレム、とか。仕方ねーだろ、男の霊能者はいなかったんだし。

 俺としては、遥と付き合ってて、他の奴らにもちゃんとそれを伝えている。

 隣子と帰子とは友達以外のなんでもない。

 

 話がそれた。

 

 朝は隣にいて、昼に真ん中あたりの位置まで行って、夕方に遥か遠くまでいくけど、夜に急いで帰ってきて、朝にはまた隣に帰る。

 俺と帰子は自分の名前が大嫌いで大人になったら名前を変えるが口癖だったが、二人に会って名前を変えたくなくなった。結婚しても嫁入り、婿入りはすんなよ、と約束してる。

 高校は同じ学校へ行こうぜ、と約束するくらい仲がいい。

 将来は起業しようと、一緒に勉強中である。

 起業の内容は、除霊や占い系統にしようか普通のお店かは考え中だけど。

 

 そんな時、昼休みに隣子から重苦しい顔で相談があった。

 

「鵺、出せちゃったんだ。私の術式、十種影法術のマジもんだったりしないかなぁ……?」

 

 震えながら怯えた様子で相談するけど、俺はかわいいとこあるじゃんくらいにしか思わなかった。

 

「そりゃねーだろ、なんか元ネタとかが一緒なんじゃね? よく知らねーけど」

「そう、なの、かな……。その元ネタが呪術界の有名な術式だったりしないかな……」

「そうだよ。気にしすぎだろ。そんな気になるなら、霊能者としての起業はやめりゃいいだろ。それより、鵺見たい!!」

「あはは。まあ、主人公組の中央にはわかんないよね」

「あ?」

 

 最愛の遥が突き放したようにいうので、俺は若干動揺しながら聞いた。

 

「ほら、私って漫画で悪役だったでしょ? それに、帰子だって、家が腐った設定だったし。本当にその血筋だったらどうしようってあるよ」

「はあああああ!? 今連載してる漫画がマジだって言いたいのかよ」

 

 マジで信じられん。女の子って信じやすいんだな、こういう運命とか。

 

「だって、隣子が禪院家の術式にそっくり、中央が五条家、帰子が加茂家、で、私が呪霊操術でしょ? 私達は誰にもこの力について言ってないし、これだけそっくりな術式で呪霊もいるなら、怖くもあるよ。本当に呪術界があるのかもって。で、五条家だけ勝ち組だから、尚更気になるよ」

 

 俺が漫画家だったら俺も仲良く悪役にするのに……。俺は遥と一緒がいい。盛大に悪役として暴れる準備がある。漫画の中ではな!

 

「じゃあ、そういう術式を見通せる術式とかがある、とか? そいつが夢を見たと思ってて、それを漫画にしてるとか。だって、呪術界が呪術界をボロクソに言った漫画を許すかぁ? 最後ぶっ潰されてんじゃん、総監部。御三家って名家をボロクソ言ってるし」

「それは、そうだけど……」

「それにさ、遥! 俺らは漫画のキャラじゃないんだ。俺だったら遥を一人にしねーし!」

「それ、隣子と帰子にも言える?」

「えっ それはその、遥だけ特別で」

「二人にも言ってあげてよ。ずっと一緒って。不安なんだよ」

「俺、ハーレム王じゃねーし……石油油田持ってるわけじゃねーし」

「言ったげて」

「あー。友達として! 友達として、守ってやるよ。でもごめん、一番は遥だ」

 

 そういうと、二人は泣き出してしまった。

 え、そういうことだったのか!? いやでも、リアルでハーレムはねーだろ!!

 なんで遥はそれでいいんだよ、よくねーだろ!

 

 あわあわして、そして思いついて言った。

 

「そうだ! 帳を下ろせるかやってみようぜ! 呪文で作動するなら、完全に人為的だってわかるし、組織があるってわかるし!」

「それは……そう、だね。やってみようか。でも、本当に術師がやってきたら、中央、私達を守ってくれる?」

「守るって。なんて言ったって、俺主人公の師匠ポジだから!」

 

 俺は、実際に帳が下ろせるなんて思ってなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 だけど、あまりにもあっさり帳は降りた。

 

 午後の授業の時には、捜査関係者という人が来て、俺らを確認して行った。

 俺ら含めた何人かは、別室に呼び出された。

 俺ら4人は、まとめて呼び出された。

 

「君達は、全員見えているね? 帳を下ろしたのは君かな?」

「……呪術廻戦って漫画、マジなの?」

「ああ! あれは、あくまでも全く知識のない人に知識を教えると共に、連絡をして欲しくて国家でやってる漫画なんだよ! 漫画で覚える歴史みたいなもので、でも術についてのこと以外は嘘っぱち! 例えば、虎杖悠仁の大冒険とかね!」

「そっか、そうだよな!」

 

 俺はほっとした。

 

「呪術界はアットホームな職場だよ! でも、帳を下ろせるぐらい優秀な人には、是非とも協力してほしいな。漫画であるように、給料は保証されてるし」

「具体的にいくら貰えるんですか? 漫画だと、高いと言いつつ安月給で働かされてるようにしか見えなくて……。あと、労働環境はどうなんです?」

「聞くってことは、戦えるって事かな」

「俺ら、いつも四人で一緒に除霊してるんだよ」

「そうなんですか、仲がいいんですね」

「将来を誓ってます!」

「私も!」

「私も!」

「えっ」

 

 3人に声を上げられ、俺はビクッとした。

 それでも、震える手で裾を握られ、空気を読む。

 

「あ、ああ。ところで、呪術界に入ると無理やり結婚させられたりする?」

「名家だと政略結婚とかもあったりしますが、それは一般でも同じですよね。それ以外は普通に自由ですよ。若いうちから爛れてるのは普通にどうかと思いますが……。ところで、術式は千里眼ですか? 目隠ししてるのに見えているようなので」

「あー。術式がわかったりとかな便利な機能はないけど、サーモグラフィー的な感じで霊力……呪力?が見える、あと布を巻いてても普通に見える」

「六眼!? ということは術式は無下限!??」

「もどき! もどきな!? 俺は五条悟みてーな凄い真似できないし!」

「あわわ、五条家に連絡をしなくては!」

「五条家あるの? マジ!?」

 

 ギュッと3人が俺に身を寄せてくる。

 

「えっと、五条家が本当に名家だったら、俺、3人をちゃんと娶れる? 婚約出来る? 婚約者奪われたりしない?」

「とりあえず、五条家の方がこれからいらっしゃるので、聞いて見たらいかがですか?」

 

 そんなわけで、五条家の人と俺らの両親が来る事になった。

 両親の前に、五条家の術師と面談をする事になった。五条 颯斗さんというらしい。

 

「中央様には、すぐに五条家にて当主の勉強をしていただく事になります。それと、五条家の者と子供を作っていただきたく」

「あの、俺、恋人がいるんだけど。3人」

「……術師ですか?」

 

 流石にその言葉にはびっくりしたらしく、颯斗さんは片眉を上げる。

 

「全員、見えるし祓える。素人だけど。呪力は遥が一番多くて、次に隣子。それで俺。俺よりちょっと少なくて帰子。術式はまだよく知らねー状況で教えたくない」

「全員かなり多いという事ですか? 全員が術式持ち?」

 

 その言葉に、感心したように聞く颯斗さん。

 

「平均がわかんねーから……。術式は持ってる」

「わかりました。さすが六眼はお目が高い。本人に同意も取れているなら、増える分には構いません」

「良かった。呪術師の女は酷い目にあうんじゃねーかって、皆怯えててさ」

「あの漫画は功罪が大きいですね。呪術師の学校があるので、そこで正しい常識を学ぶのも良いかと思います。ですが、呪術師の女性、術式も呪力量もあって祓える女性はモテるかと思いますよ」

 

 苦笑しながら、颯斗さん。

 

「例えば、俺と婚約しておいて、他の術師と恋をしたらその時点で婚約解除とか出来る? それまでは五条家の名前で守ってもらってさ」

「もちろん可能ですよ。強力な女性術師が幸せな結婚をして、たくさん子作りするのは未来の呪術界にとってとてもいい事ですから。お飾りのハーレムの妻よりもね」

「だよな! あ、でも、大丈夫だよな? 無理やり嫁にとかされないよな」

「五条家の嫁にそれはさせません」

「良かったぁ」

「本命の女性はいるのですか? 私にお聞かせください。内緒にしますから」

 

 見透かされていて、俺はほっとする。

 

「遥の事、正妻に出来る? 五条家の人には悪いけど、その、やっぱダメ?」

「呪力が一番多い方ですね。五条家に中央様より呪力が大きい方はいないので問題ありませんよ。五条家の者と子供さえ出来れば。ただし、次の当主は、最も強い呪力の持ち主か、五条家本家から選ばれるかと」

「わかってる。俺が当主なのは六眼だからで、俺の子に六眼が生まれない限り、俺の子が当主になることはない。で、六眼は500年に一人」

「よくできました」

 

 颯斗さんはにっこり笑う。

 

「全部マジなの?」

「その辺りは本当ですよ」

「そっかぁ……。なんか、一般人として生まれてきてごめん」

「本当に。でも、素晴らしいお嫁さんを連れてきたのでプラマイ0です」

 

 澄ました顔で言うので、俺は笑ってしまった。

 大丈夫。うまくやれそう。

 

 説得も五条家の人がしてくれて、俺達は丸っと五条家の人達の養子になる事になった。完璧に守るにはそれしかないらしい。

 名前が変わるのは寂しいけど、これからはずっと一緒だから。俺は頷いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 全ての手続きが終わった後、俺らは学校の自己紹介で術式を開示した。

 

 

 

 

 

 

 

 俺達は知らなかった。

 御三家に最近、パッとした呪力や術式を持ったものが生まれなくて、心配されていた事を。

 あの漫画は、本当に苦肉の策であった事を。

 五条家TUEEEEなのは、単に五条家発案・作者も五条家だったからで、禪院家や加茂家は苦々しく思っていたことを。

 高専での自己紹介で、戦いのゴングが鳴らされることを。

 

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