呪術廻戦って漫画があるんだが、俺の霊能力って五条悟と似てない? 作:かりん2022
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「あーまた任務かよー!」
「お疲れ様です」
「伊織もな」
俺はヒラヒラと手を振る。
仕事がマジで忙しい。
とはいえ、やりがいはある。
勉強もすごく大変だが、人を覚えるのは術式に絡めればなんとか出来ていた。
学業、任務、家業を並行して頑張るのは大変だが、優秀なサポートはつくし、俺達は大いに褒められていた。
「漫画の知識だけで領域展開まで行くのは天才としか言いようがありません!」
「基礎の格闘術は全然だけどな。五条悟は遠い」
「婚約者の皆様方も才媛ばかりで、焦ってしまいます」
「伊織は立派じゃん。強いだけじゃなくて、いつもサポートしてくれてるし」
「でも、遥様は領域展開を覚えられたし、帰子様は反転術式が使えるばかりか、呪力を血へと変換できますし、隣子様はどんどん調伏してますし」
「直哉と憲紀のサポートでな! 直哉・隣子ペアは強いし、憲紀・帰子ペアはマイペースに見えて頭良くてどんどん上達するけど、俺と伊織と遥のトリオも負けねーから! 何より、御三家の仲が良くて強いとか最強だろ!」
その言葉に、伊織は笑う。
「そう、ですね」
「俺ら、もっと頑張るからさ、呪術界の新しい風になるからさ、伊織も不安に思う必要なんてない」
「ありがとうございます、中央様」
両方平等に愛すのも、俺の義務である。
伊織も遥も強いように見えて繊細なので、ぐいぐいいかないと身を引いてしまう。
3人で過ごす時間と、皆で過ごす時間と、それぞれと二人きりで過ごす時間をできるだけ均等に捻出する。一人の時間も欲しいので、なかなか大変であるが、これは俺の義務だ。それにしても、世のハーレム希望者はすげーな。二人でもこれだけ気を遣って大変なのに。
それにしても、仕事の忙しさ、ブラックっぷりは漫画と同じなんだな。
七夕祭りに皆で参加して、夏祭りに行って、クリスマスにプレゼント交換をして、仲はだいぶ縮まったように思う。
そんな時、事件は起きた。
日下部先生から任務を命じられたのだ。
「中央。お前には、天元様の護衛をしてもらう。その際、フィジカルギフテッドの暗殺者が来るかもしれない事がわかった。依頼は一週間後に受ける事になる」
漫画の展開で見たやつだ! ってあれは漫画だろ?
「は? それって禪院家の禪院甚爾じゃねーよな?」
「今は伏黒甚爾だ」
「漫画の展開じゃねーか!」
俺は机をぶん投げるが先生はふわっと受け止める。やっぱり俺、格闘系は極めてダメなんだよな。こればっかりは物心着く頃から訓練してる名家の奴らに負けるのは仕方ない。
「無断で実名を使ったのでご立腹なのもあって依頼を受けたようだ」
「何やってんの作者!?」
「五条家のやった事なので、お前の責任だ。中央。甘んじて受けろ」
「理不尽!! え? ちょっと待って。俺除霊しかできねーけど。暗殺者からの護衛って霊能者の仕事じゃねーだろ。フィジカルギフテッドって事は術式勝負にもならねーだろうし。普通にSP雇えよ」
俺の言葉に、日下部先生は固まった。
「……世の中理不尽なもんだ。諦めろ」
タバコを吸って、ふー。ふーじゃねぇんだよ、かかってんのは俺と護衛対象の命だぞ!
「はぁ? 魔法使いと銃使いを戦わせたら、100パー銃が勝つだろ。ふざけんな」
「それでもだ。漫画で見たろ。六眼が生まれる時代は、荒れる。これもその一種だ。乗り越えろ。そもそも、呪術界を漫画にしたのは、激動期に入ってるのに御三家に相伝が生まれないから、よそで生まれた可能性を考えて自然に鍛える為だ。そこまで追い詰められてんだ、人間側はよ」
嘘だろ、銃使いってこと否定してくれねーのかよ。まじテロリストじゃん。
日本には銃刀法違反って法律があるんだぞ。そもそも人間が追い詰められてるって初耳ですが? ブラックだとは思ってたけど!
「人間なんだから人間側についてくれないのか? 伏黒甚爾……。っていうか、子供は? 恵は相伝じゃないの? っていうか時代の進歩は無視なのか? 自動呪霊倒し機とか出来ないの?」
「漫画と現実の区別をつけろ。科学で呪霊は倒せんよ」
「都合によって漫画の扱い変えるのやめてくれる!? 参考になるのか、ならないのかどっちなんだよ!」
「んなもん、五条家の作者に聞け、んで、一週間で準備しとけ」
「ああもう、それは後で会いに行くとして! 対テロリスト準備を素人の学生にさせるってなんなの?」
「あーもう、あとは伊織に聞け。急げ。あ、もちろん極秘任務だから、伊織と婚約者の遥以外に言うなよ」
「直哉は!? 禪院家の問題でもあるよな、これ!?」
「リスクヘッジはしておきたいんだとよ。お前だけ行け」
「殺しに来てない!?」
「文句言ってないで、いいから行け」
そういうわけで、俺は伊織と遥に泣きついた。
「任務は果たさねばなりません」
「俺偉いよね!? 漫画読んでて不思議だったけど、総監部って御三家の下部組織でしょ? なんで五条家次期当主に罠依頼仕掛けられんの? ありえないでしょ」
「それでも、五条家が背を向ける事はならないのです。ですから……」
伊織は、着物をするっと脱いだ。
「お種を、ください。五条家を繋げて行くために」
「俺が死ぬみたいに言わないで? 死ぬかもだけどさぁ!」
それでも俺も男。悲しいかな、こんな状況でも裸の女の子を前にした嬉しさと俺、死んじゃうんだ、と言う思いで頭おかしくなりそう。
「私も行くよ。だって、これ、私が乗っ取られる流れだよね? 私の運命は私が決めたい」
「テロリストの前にリアル女子高生の彼女を出せる? 漫画じゃねーんだぞ」
「中央だって、リアル男子高生だよ。霊能者なだけの。とにかく、防弾チョッキ着てこう」
「わ、たし、は」
「伊織は留守番ね、いいよ、大丈夫」
天雷術式の伊織にこそいてほしかったが、まさか銃を持つ相手に戦ってくれとはいえない。
俺と遥は慌てて準備するものをあげていく。
伊織は服を着てもらった。今そんな暇ねーの。気持ちだけありがたく貰っとく。
「それと、私も抱いてね。……中央」
「それは嬉しいけど、ほんと死ににいくみたいで嫌だなぁ」
「女の子がテロリストのところに行くんだよ。そういう事をされる可能性だってある。だから、初めては中央としておきたい。長期任務は蟲を仕込まないといけないんだけど、女の子はそっちにも仕込まないとだから……。伊織から聞いてない?」
「何それ聞いてない」
そうして、俺達はクッソ忙しいなか、精一杯のロマンチックを演出してエッチした。
蟲を仕込むのは初耳だったし初めてだった。
殺しても罪には問われないらしいので、甚爾は殺そうと思う。
いや、本当には殺さないけどさ。一般人に暗殺者を返り討ちは無理だよ……。
これから向かうと言う時、隣子からビンタ食らった。
禪院家と加茂家のペアが、俺の出発を待っていてくれた。
「私は禪院家の次期当主候補で、まだ中央の婚約者なんだからね! ちゃんと説明しなよ!!」
「仲間外れはごめんですぅー」
「甚爾くんの説得、頑張ったるわ」
「私達は医療班ということで頼む」
強くなった隣子と帰子。
そこに、震えて縋っていた姿はなかった。
そうだな。女の子に守られてばかりじゃ情けない。
甚爾をなんとか止めて、天内理子(仮名)を守るのだ!
その結果、天内理子(仮名)が抹消されちゃうのは、心が痛むけど。
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