それと自分でも定期的に誤字や変な部分がないか読み直すんですけど
何話かタマキさんがマチュを「アマテ」ではなく「マチュ」と呼んでる部分があったので
修正しました。はい普通にポカやってました。
ダイニングテーブルの上に、開かれた問題集と参考書。
傍らにはマチュの解いた答案用紙と、赤ペンを手にしたリョウガの姿。
「おっ、偉いなマチュ。また正解してるぞ?」
リョウガは感心したように頷きながら、笑みを浮かべてマチュの頭に手を伸ばした。
ワシャワシャと、指の腹で遠慮なく髪を撫で回す。
「これは俺の教え方がいいからだろうな~ハハハッ」
「んも~~~」
マチュは顔をしかめるが、口調に怒気はない。
むしろ頬がじんわりと赤く染まっており、どこかくすぐったそうに眉を下げる。
(まったく……子ども扱いしてさ…)
手が頭から離れると、ふと、マチュが声をもらした。
「あっ……ちょ…………」
「ん? どうした?」
リョウガが首を傾げる。
マチュは目線をそらしたまま、もじもじと指先を組む。頬の赤みはより濃くなっていた。
「いや、その………もう少しだけ、撫でて欲しい………かな」
「……えっ?」
言われた瞬間、リョウガの動きが止まる。
素で驚いたように目を見開くが、すぐに「あっ、ああ……そういうこと」と苦笑しつつ再び手を伸ばす。
「良いけど……あんまり頭撫でられるのって、女の子的には苦手なんじゃないのか?」
髪を再び梳くように、ゆっくりと優しく撫で始める。
さっきよりも柔らかく、丁寧に。
「い、いいから……………」
マチュは目を伏せたまま、机に頬杖をついてじっとしていた。
不器用な距離感の中で、確かに近づいていく“気持ち”。
「そ、そうか……?」
リョウガは少し照れたように苦笑しつつ、指先の動きだけは止めなかった。
どこかくすぐったくて、少し切なくて、それでも心地よい静かな時間が流れていた。
二人の間に、ほのかに温かい沈黙があった。
リョウガの手はマチュの髪をゆっくりと撫でている。マチュは照れくさそうにしながらも、まんざらでもなさそうな表情で微かに目を細めていた。
その空気を切り裂くように――
「二人とも〜? 勉強の方はどうかしら〜?」
扉の奥から、聞き慣れたタマキ・ユズリハの声が響いた。
ビクン!!
二人の肩が同時に跳ね上がる。
「ほわわわっ、たたたっ!? でっっっ!!、ここはなっ!?こっ公式をこう当てはめて、えと....ほら!!!そういう風になっててだなぁ!!?」
リョウガはマチュの頭から手を離し、指差し棒よろしくペンで問題用紙をガンガン指しながら一気に早口で喋り出す。
「あっ、へっへぇ〜〜!!?そうなんだね!?」
マチュも急に椅子に正座しかける勢いで、無理やり“生徒モード”で装いながら勢いよく相槌を打つ。
扉の向こうからは返事はないがスタスタと歩く足音だけは聞こえていた。
(……いまのって……絶対、気づかれてたやつだよな……!?)
(絶っっっ対タイミング見計らってたでしょあれ!?)
リョウガとマチュは視線を合わせることができず、ひたすら問題集に向かって無言でペンを走らせることにした。
一方タマキは二人のそんな様子に微笑ましいものでも見たかのようにクスクスと笑いながらお湯を沸かし直しにキッチンへ戻っていく。
▼▼▼▼▼
カーテンの隙間からこぼれる日差しが、リビングの白い壁を淡く染めていた。風が窓から忍び込み、レースをゆらりと揺らす。まるで時間そのものが溶けるような、心地のいい静けさが室内に広がっていた。
ソファの上に寝そべっていたのは、部屋着姿の少女——マチュ。ゆるめのシャツにショートパンツ、髪は無造作に一つ結びでまとめられている。完全に気が抜けきったその姿勢で、彼女はスマホを手に持ち、SNS動画を指先でスクロールしていた。
「んくく……この動画おもしろ……」
くすくすと小さな笑い声を漏らしながら、右へ左へとゴロゴロ転がる。頭の下に敷いたクッションがくしゃりと音を立て、画面の中の喋る動物やドジな配信者の声がリビングに響く。
そんな姿を、テーブル越しに眺めるタマキは、軽く眉を上げた。置かれているカップからは湯気が立ち上り、紅茶の香りが部屋中に広がっている。湯気の向こうで、ごろりと寝返りを打つマチュの姿に、どこか愛しさと少しの心配が混じる。
ふと、思い立ったようにカップをソーサーに戻し、声をかけた。
「ねぇ〜〜アマテ?」
「ん〜〜〜? な~に〜?」
完全に気の抜けた返事。ソファの背もたれ越しに、半分だけ顔を覗かせる。頭に寝癖の名残を残し、片目はスマホから離しきれていない。
タマキは、にこりと優しい笑みを浮かべた。
それは母親の顔というよりも、“ちょっとからかってみたくなる時の女性の顔”に近いものであった。
ふわりとした声色のまま、核心に迫る。
「アマテさ――リョウガくんのこと、好きでしょ?」
「はえっっ!!?」
突如としてマチュの全身が跳ねた。スマホを手から落としそうになり、慌てて受け止める。視線が泳ぎ、口元はパクパクと空気を食む魚のようだった。
「いっ、いや、なななな、なんで!? なんでいきなりそんなこと言う訳!?」
背筋をピンと伸ばしたまま、マチュは目を白黒させながら早口で捲し立てる。その顔はあっという間に火照り、まるで茹でダコのように赤く染まっていった。
「ん〜? 誤魔化さなくてもいいのよ?」
タマキは涼しげに紅茶を口に運び、目尻を細めた。表情は穏やかで、どこか母の余裕がにじむ。
「二人の様子を見てれば、分かることだから」
「そ、そんなこと……な、な……」
目を泳がせ、肩をすぼめながら、マチュは再びソファへ崩れ落ちた。クッションを抱きしめるようにして顔を埋めるが、耳の先まで赤いのは隠しようがない。
タマキは楽しげに続ける。
「じゃあ、嫌い?」
「そ、そんなことない!!!?」
反射的に叫んでしまった。声が響いた瞬間、自分で自分の口を押さえるも、もう遅い。マチュは「うぅぅぅ……!!」と呻きながら、クッションで頭をゴンゴンと打ちつける。
「うふふ」
タマキは思わず吹き出し、少女の様な笑みを浮かべる。
「あっ……ううう……」
マチュはクッションに顔を埋めたまま、小動物のように身を縮こませる。居たたまれないその様子に、タマキは立ち上がり、ソファの傍へと歩み寄った。
そっと腰を下ろし、マチュの髪を優しく撫でる。
その手つきは、彼女が幼いころから変わらぬ、安心を与える手だった。
「ちょっともう……別に反対してるんじゃないのよ?」
静かに語りかける声。マチュの肩が、わずかに動いた。
「最初は、そうね......アマテが彼をここへ連れてきた時、そりゃもう驚いたし……警戒もしたわよ。『なにこの不審者』って」
「うぅ……それ、本人には言わないでよ……」
クッションから覗いた目で、マチュは切実に訴える。
「ふふ、分かってるわよ」
タマキは微笑みながら、ゆっくりと続けた。
「今でもね、あの子のこと、全部は分かってるつもりはないの。たぶん何か、隠してることもある。でもね――」
そこで一拍置き、タマキの表情が少しだけ引き締まる。
「“悪い人間じゃない”ってことだけは、ハッキリ分かるの。お母さん、仕事柄ね。人の目をよく見るから」
その言葉に、マチュは小さく目を見開いた。
タマキの声には確信がこもっていた。何かを見抜いた者だけが持つ、穏やかで揺るがない確信。
「だから、もし――もしも二人が付き合うようなことになっても、私は反対しないわ」
鼓動が、跳ねた。
マチュは驚きに息を呑み、クッションの端を指でぎゅっと握る。
「……でも」
タマキは表情を和らげ、優しく笑った。
「リョウガくん、来年で二十歳になるでしょ? あんまり無茶や苦労はさせちゃダメよ? 大人になるまでは、ちゃんと誠実なお付き合いをしなさい。分かった?」
マチュは、赤くなった頬を隠すようにしながら、小さくコクリと頷いた。
その頬には、ほんのりとした笑みのような照れくささが浮かんでいた。安堵と戸惑いが、せめぎ合うような表情だった。
だが、そのまま目を伏せて、小さく呟く。
「あ、あの……お母さん。その、応援してくれてるのは……ありがたいんだけどさ……」
「なぁに?」
「私、まだ……告白も何もしてない……」
沈黙が落ちた。
「え”っ」
固まるタマキ。目をぱちぱちと瞬かせ、信じられないといった顔で娘を見る。
「ご、ごめん……そ、そうだったの?」
「うぅぅ……言わないでよ……」
マチュはクッションに顔を埋めたまま、ぷるぷると震えた。
休日の午後。静かな陽だまりの中、ひとつの親子の会話が、優しく、そして少しだけ騒がしく、心を揺らしていた。
Q.ちなみにリョウガくんはマチュのことをどう思ってるの?
A.三歳差ということやマチュの小柄な見た目などもあって”可愛い妹”のように思っています.....が マチュの胸部装甲が5倍以上のエネルギーゲインであったり前の世界ではマトモに恋愛経験のない童貞野郎ということもあって割と惹かれてるし”意識”はしてます。
彼も男の子なんスよ。
だから軍警もブレイブポリスもステイ