友人A「どわーーっ!?」
友人B「どわーーっ!?」
友人C「どわーーっ!?」
友人D「お変ク!!!?」
感謝するよ監督!米津玄師が爆笑した理由がわかってスッキリだ!
くそっ!翌日も仕事だってのに変なものみせやがってッ!!
今回は外伝の短編で過去話です
「.....リョウガくん、無茶を言わないでくれ」
戦艦ラー・カイラムの艦内にある整備区画、その一角に設けられた簡易設計ブース。その中で、技術スタッフの肩がピクリと震えた。感情の混じった溜息を吐きながら、彼はモニターに映る設計図面を睨みつける。震える肩から伝わるのは、怒りではない。呆れと疲労、そして若干の諦観だった。
背後では、白衣姿の整備員たちが何人も作業の手を止め、顔を見合わせては困ったように眉を下げていた。誰もが心の中で「またか」と思っている。その中心に立つ青年――リョウガは、どこ吹く風といった様子で、それでも少しだけ申し訳なさそうに笑っていた。
「そこを何とか.....」
彼は軽く手を合わせ、頭を下げてみせる。冗談半分のような態度に見えながら、その目は本気だった。何かを成し遂げようとする人間の熱が、そこには確かにあった。
艦内の照明に照らされるAMボクサーユニット。補修中の巨大な腕部は、今まさにパーツの交換や内部配線のチェックが行われており、整備用のプラットフォームに横たわっている。その質量感はとても「投げる」「飛ばす」などという発想に結びつくものではなかった。
「だ・か・ら!! AMボクサーのガイストナックルをロケットパンチみたいに飛ばせるようにしてくれなんて 無茶苦茶が過ぎるってば!!!?」
ついに堪忍袋の緒が切れたのか、スタッフの怒声が艦内の鉄骨に反響し、周囲の整備員の肩がぴくりと跳ねる。別の一人は作業台に置かれたペンを投げ捨て、さらに遠くの作業員は溶接機の火を止めて頭を抱えていた。
「いくらなんでも無理なモノは無理だよ.....SRXのザインナックルができない理由と同じなんだから」
言葉を選びながらも、その声色はすでに限界を超えていた。スタッフはモニターに浮かぶ多重構造の設計図を示しながら、明らかに“何度も説明してきた”疲労の色を浮かべる。
質量バランス、反動処理、関節の耐久設計、通信と誘導の確保、回収システムの不在。彼の説明はどれも正論だった。だが、目の前の青年には、その正論すらも「何とかできそうな気がする」ロマンの前に押し負けているようだった。
「リュウセイもやれるならやってほしいって言ってましたよ?」
リョウガの無邪気な一言が場を凍らせた。技術スタッフの顔がこわばり、まるで生き霊でも見たかのような顔で固まる。
「君ね!!?」
ついに彼は机をバンと叩いて立ち上がった。その動作に合わせて、近くのホログラフ端末がぶるりと震える。怒鳴り声には、もはや諦めと困惑、そして「またか」といった職業的憐憫すら混じっていた。
「第一!AMボクサーの腕部をそのまま飛ばすなんて、質量と反動と電磁固定式の関節制御のことを何一つ考えてない発想なんだぞ!? そもそも回収手段は!?帰ってこなかったらどうする!?」
「そこは....ほらT-LINKシステムで...なんとかなりません?」
リョウガは人差し指をこめかみにあてて、いかにも「念動力でどうにか」という素振りを見せた。まるでそれが万能だと言わんばかりの態度で。
整備スタッフの片目がピクピクと痙攣するのを、誰もが見た。
▼▼▼▼▼
艦内の食堂。昼を少し過ぎた時間帯だったが、テーブルにはまだ何人かのパイロットたちが思い思いの席に座り、遅い食事や談笑をしていた。電子調理器の静かな音が背景に流れ、金属製のスプーンが器に当たる音が、どこか穏やかに響いている。
その一角、窓際の丸テーブルに腰を下ろす三人の少年――リョウガ、兜甲児、碇シンジは、それぞれ簡素なトレイを前にしながら、まるで雑誌の特集のような話題で盛り上がっていた。
「流石に無茶だぜリョウガ……パンチを撃てるようになんて、それこそ作り直すことになるだろ?」
フォークを口に運びつつ、兜甲児が少し笑いながら言った。彼の口調には呆れもあったが、それ以上にどこか親しみと共感が滲んでいた。彼自身、かつて無茶を通してきた人間だからこそ、その発想が全く理解できないわけではない。
「うーん、正直俺は遠距離から撃つよりも格闘戦の方が向いてるから、それに付随して、そういうのも出来たらなって思ってさ」
リョウガはトレイの隅に置かれた野菜を箸で突きながら言う。その表情は至って真剣だった。まるで「ロケットパンチ」は論理的な強化案であるかのように、自信を持って話す姿に、甲児は苦笑を浮かべる。
「そっ、そう考えるとマジンガーZやゲッターロボを作った十蔵博士や早乙女博士って、すごい人なんじゃ……」
シンジが小さな声で呟く。トレイの味噌汁をそっと口に運びながら、視線は二人に向けずにうつむき気味だったが、どこか尊敬の色が滲んでいた。
「なんせ兜十蔵博士は俺のお爺ちゃんだからな!!」
誇らしげな声が食堂に響いた。甲児は背筋を伸ばし、胸を軽く張ってそう言った。少年のような無邪気な笑顔で、自分のルーツを誇るその姿は、戦士というより一人の孫としての誇りに満ちていた。
「正直、エヴァも大概だと思うぞ? あのデカさだしな……いつも助かってるよ」
リョウガが茶碗の中身をすくいながら言ったその声には、素直な敬意があった。あれほどの巨体を自在に操るシンジの腕は、どれだけ過酷な戦場でも信頼に足るものだった。
「や、やめてよリョウガくん……僕だって、皆にいつも助けられっぱなしだよ」
シンジは目を泳がせながら肩をすくめた。その言葉には謙遜と、少しばかりの本音が混ざっていた。人知れず背負わされてきた重圧と、支えられてきた実感。だからこそ、こうして笑い合える時間が彼にとって何よりも貴重だった。
食堂に差し込む光が、三人の影をテーブルの上に落とす。重たい戦いの日々の中でも、こうした他愛もない会話は、確かに彼らの心を少しずつ癒やしていた。
▼▼▼▼▼
現在――地下ドック。
鈍い機械音が時折響くなか、格納庫の一角では、リョウガが作業アームを操作しながらヒュッケバインの点検と整備を進めていた。薄暗い天井の照明が、彼とヒュッケバインの機体を淡く照らしている。
機体の表面には戦闘によってついた無数の擦過痕や焦げ跡が残っていたが、それらも今や“共に生き抜いた証”に見えた。リョウガは静かにモニターを確認し、次に右膝部の関節ユニットの稼働チェックへと移る。
「……よし、問題なし」
小さく呟いたその声は、誰に聞かせるわけでもない。ただ、己と機体に向けた言葉だった。
(自分でこうやって機体の整備をするようになって……今思えば、昔、なんか無茶苦茶なことを言ってたような気がする)
工具を手にしながら、リョウガはふと苦笑した。
AMボクサーの拳をロケットパンチにしようと懇願したこと。整備班を困らせてばかりだった自分。熱に任せて突飛な改造案をぶつけては、スタッフたちのため息の渦の中に立ち尽くしたあの頃。
「無茶言ってたな……本当に」
リョウガはふと、手の中のスパナを見つめる。その金属の冷たさと重量感が、彼の今を象徴しているようだった。
(でも、あのときの“無茶”がなければ、ここまで来られなかったのかもな)
戦場で命を預け合ったこの機体――ヒュッケバイン。その一部一部に触れるたびに、彼はそれが“モノ”ではなく、“戦友”であると感じる。
点検を終え、作業アームを引かせながら、リョウガはそっと手を伸ばしてヒュッケバインの装甲に触れた。
「よし、あと少しだけ。お前にもちゃんと休んでもらわないとな」
照明がふっと揺れ、薄暗い整備区画の中に、機体と少年の静かな絆が浮かび上がる。
かつては振り回すだけだった“力”を、今では守るための“責任”として背負うようになった。リョウガはそれを、自分が少しだけ大人になった証だと信じていた。
赤いガンダムに意思があると思いきや、(恐らく)「向こう側の人物」が赤いガンダムを通してシュウジと会話してたなんて予想できるわけがねぇだろ(ゴッゴッ)