迷い込んだ凶鳥   作:ゲット虚無

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ワシ「いやぁ....最終回良かったのォ....」
友人達「ですねぇ....」

ガチャ

親「今からあなたを殴ります、覚悟してください」
ワシ「なっ..........何だよいきなり」
親「今は何時や?」
ワシ「な....何」
親「平日の深夜一時過ぎやないんかい(ドッ ドッ ドッ バカッッ
ワシ「はうっっ」

友人達「あわわわわ.....」


歪んだ産声

 

 高く天井の広がる格納庫に、先程の余熱がそっと滑り込んできた。帰還した二機――ヒュッケバインとジークアクスが、その余波をまだ背負いながら、ゆっくりと着地を完了する。ドック内部の照明が、装甲の一部を反射して白くきらめき、空気に焦げた匂いと油の残り香を残した。

 

 空気が落ち着くより早く、ヒュッケバインのハッチが勢いよく開く。彼は迷いもなく立ち上がり、ヘルメットを脱ぎ捨て、コクピットの縁から軽やかに飛び降りた。着地の音が重く響く。まるでその足音すら、今の彼にはどうでもいいといわんばかりだった。

 

 目の先――ジークアクスの頭部にある整備台。その中腹で、マチュのコクピットがゆっくりと開かれようとしていた。

 

 蒸気が白く霧のように立ち昇り、光の中から小柄な少女の姿が現れる。肌に汗が滲み、ニット帽からはみ出た髪は戦闘の名残で乱れていたが、それでもその姿は、リョウガの目にどこまでも鮮やかに映った。

 

 そして次の瞬間、彼は駆け出していた。

 

「わっぷ、リョウガ――っ!?」

 

 驚きに声を上げる間もなく、マチュの身体は強く――しかし確かに、温かな腕の中に包まれていた。

 

 リョウガの両腕が、胸の奥から迸るような感情のままに、彼女を抱きしめる。それはどこか衝動的で、けれど切実だった。

 

「……たっく、俺がどんだけ心配したと思って……」

 

 その声は低く、喉の奥でこぼれるようだった。

 

 目を閉じ、肩を震わせながら、リョウガは彼女の体温にすがるようにしがみつく。戦場で刻まれた緊張も、焦燥も、恐怖も、いま彼の腕の中で静かに解けていく。

 

「ご、ごめん……」

 

 マチュが小さく呟いたその声は、震えていた。

でも、その震えが彼を拒むものではないことに、リョウガはすぐに気づいた。

 

「……謝らなくていい。お前が……無事だった……それだけで、俺は……」

 

 絞り出すような声。言葉の先にある感情は多すぎて、すべてを口にすることはできなかった。

 

 リョウガはそっと、額をマチュの肩口へ預けた。そこから聞こえる心音に、ようやく現実が追いついてきた気がした。

 

 もし、この腕の中に今、彼女の命がなければ――。

 

 もし、あの宇宙の戦場でマチュを失っていたら――。

 

 想像するだけで、胃の奥が締めつけられる。彼はそれを振り払うように、もう一度だけ彼女を強く抱き寄せた。

 

「うん……リョウガ、大丈夫。私はちゃんとここにいるよ」

 

 その言葉に、リョウガの緊張がほんの僅か、ほどけた。彼の呼吸が深くなり、そして肩が、わずかに落ちた。

 

 ただ、ふたりきり。ジークアクスの影の中で、まるで時が止まったかのように時間が流れていく。

 

 やがて、マチュがそっと声を漏らした。

 

「リ、リョウガ……その……そろそろ……さ」

 

「……いや、もう少しだけ抱きしめさせてくれ……」

 

 声は甘く、けれどどこか脆いようでもあった。彼はまるで、今彼女を手放せば、またどこかへ消えてしまいそうだとでも思っているようだった。

 

「えぇ!? だ、ダメだって、アンキーたちが来るかもだし……!」

 

「構うもんか」

 

 即答だった。

 あまりにも真剣な口調に、マチュは逆に言葉を詰まらせる。

 

「そ、それに私……戦闘のあとで汗かいてるし、絶対……臭いって……」

 

 恥ずかしさをごまかすように言ったその言葉に、リョウガはふいにマチュの髪へ顔を寄せた。そのまま、静かに深く、香りを吸い込む。

 

「ぴゃっ!?」

 

「……別に臭くないぞ」

 

 事も無げに言うその一言に、マチュの顔はたちまち茹で上がったように赤く染まる。

 

「え、えぇ……? も、もう……!」

 

 その表情は呆れでも怒りでもなかった。どこかくすぐったく、そして嬉しさがにじむ――そんな微妙な乙女の感情だった。

 

「マチュ……」

 

 リョウガが再びその名を呼ぶ。その声音に、マチュは無意識に目を見上げる。そして彼の顔が、少しずつ、自分の顔に近づいてくるのに気づいた――

 

「リョ、リョウガぁ……?」

 

「…………ダメか?」

 

 ごく近い距離で、低くかすれた声が降る。

 彼の指先がマチュの顎にそっと触れ、優しく持ち上げる。

 

「うぅ……っ」

 

 マチュは視線を逸らしつつも、目を閉じる。それは拒絶ではなく、戸惑いの中での覚悟だった。

 

 だが――。

 

「お楽しみの最中に悪いけど、そろそろ状況の報告してくれないかい?」

 

 皮肉めいた、そしていかにも楽しげな声がふたりの世界を切り裂いた。

 

 見るとそこには、腕を組んで立つアンキーの姿。口元には明らかに作った笑みを浮かべ、リョウガたちをからかうような目つきで見ていた。

 

「チッ……間の悪いやつらだな……」

 

 リョウガはあからさまに舌打ちをし、顔をしかめ半目になる。

 

 後ろにはナブが呆れ顔で腕を組み、ジェジーが「ケッ」と不快そうに舌打ちし、ケーンはいつもの通り、どう反応していいか分からないといった苦笑を浮かべていた。

 

 マチュは頬をますます真っ赤にさせ、頭から湯気が立ちそうなほど。リョウガの胸元に顔を埋めるようにして、その真っ赤な顔を必死に隠した。

 

「うぅ……最っ悪のタイミング……」

 

 彼女はそう呟きながらも、その腕の中で彼の体温と匂いを密かに楽しんでいた――。

 

▼▼▼▼▼

 

 場所は移り、ひとまずの安息を求めたメンバーたちは、カネバンの応接室へと場は移っていた。

 

 リョウガはシャワーで火照った身体を冷まし、私服に着替えていた。まだ髪の先から水滴が少し残るほどだったが、そのままパイプ椅子に腰を下ろす。そして――。

 

 その腕の中には、同じく制服姿に着替えたマチュの華奢な身体が、すっぽりと収まっていた。

 

 彼女を自分の膝に座らせ、背後から抱きしめるようにして座るその姿は恋人そのもので、彼女の肩に顔を寄せるその態度に照れも遠慮も微塵もなかった。だがリョウガの表情は甘ったるいものではなく、ただひたすらに安堵しきった男のそれだった。

 

「……悪いんだが連中に関しては、いくら聞かれても分からん」

 

 沈黙を破るように、ぼやくようにリョウガが口を開いた。

 

 向かいのソファに腰掛けていたアンキーが、組んだ腕をほどきつつ、意地の悪そうな目で彼を見る。

 

「でもアンタ、なんか知ってる風じゃなかったかい?」

 

 「機体に関しては……まぁゲロると、俺のMSの量産型だよ」

 

 そう言いながら、リョウガは額のあたりを指で押さえた。肩越しのマチュの匂いが残るその手に、うっすらと疲労が滲む。

 

「でも、なんであそこにいたのか、なんでマチュたちを襲ったのか――それは分かんねぇよ」

 

 曖昧な言葉の端々には、説明しきれない違和感と恐怖、そして責任感が漂っていた。

 

 「おいおい、量産型って……やっぱりあのモビルスーツ、連邦が作ったのか?」

 

 重々しい声で口を開いたのはナブだった。彼は腕を組みながら、壁にもたれていたが、その目は細く鋭くなっている。

 

「あぁーーーー、まぁ……そうとでも思ってくれ」

 

 リョウガの語気は重く、しかしそれ以上の説明は避けるように打ち切る。

 

(実際、マトモに話せるわけがない……。別の世界から来た機体? 俺はその“別世界”のパイロット? なんて……誰が信じるんだ)

 

 リョウガは、マチュの背に軽く顎を置いたまま、心の中で深く息を吐いた。

 

 ふと、ケーンがマチュのほうに視線を向ける。

その声色は、まるで弟か妹を労わる兄のように優しく静かだった。

 

「まぁ……マチュも、辛かったね。初めての実戦で、人を殺すことになるなんて……」

 

 その言葉に、場の空気がまた一段深く沈み込む――かに思われたが、マチュはあっさりと首を傾げた。

 

「えっ? あいつら…中に人なんて入ってなかったよ?」

 

 マチュのその一言は、あまりにも自然すぎて、場の緊張を打ち壊した。

 

「「「「……はぁ?」」」」

 

 室内の空気が、一気に転調する。呆気に取られたように四人の顔が一斉にマチュへと向く。

 

「おい、つまりアレか? 無人機だったってことか?」

 

「うん。リョウガに言われたときは私も驚いたけど……戦ってるうちに、”はっきり分かった”。人がいる気配がしなかった」

 

 マチュは落ち着いた声で語りながら、リョウガの腕に手を添える。その様子を見て、ジェジーは椅子を軋ませながら立ち上がり、叫んだ。

 

「んなアホなッ!? あの動きで無人って、どうなってんだよ!?」

 

「なんだいリョウガ……また“いつもの超能力”かい? それで連中が無人機だって気づいたって?」

 

 アンキーが肘をついてにやりと笑いながらも、興味深そうに尋ねた。

 

「……正確には“念動力”だけどな」

 

 苦笑しつつ、リョウガは軽く肩をすくめて答える。

 

「……もしかして一年前、私が攫われた時に使った力のこと?」

 

 マチュが上目遣いでリョウガの顔を見上げると、彼は小さくうなずいた。

 

「へぇ……そんなことがあったのかい? あんたら」

 

 アンキーが少しだけ驚いたように眉を上げると、リョウガはため息混じりに続けた。

 

「ああ、あの日は本当に大変だったよ……。マチュはなんか、ヘソを曲げてるしさ」

 

「もうっ!! まだそれ言うわけ!?」

 

 勢いよく振り返って、マチュが彼の胸元を叩いた。

 だがその拳はどこか力が抜けていて、怒っているようで、照れているようにも見えた。

 

「だってそうだろ!? 迎えに来るのが恥ずかしかったんなら言ってくれよ! 俺だってなんか、考えただろうし!」

 

「そ、それは……恥ずかしかったってのもあるけど、嬉しかったっていうか……リョウガに対して色々ぐちゃぐちゃになってた時期だったから……」

 

 顔を背け、ぼそぼそと告白するマチュ。

 彼女の頬は桃のように色づき、声はか細く震えていた。

 

「......んまぁ...でも、あの事件があったから今の関係はある、ってことか」

 

 小さくつぶやいた言葉に、二人の目が自然と重なった。

 静かに、あたたかな時間が流れる――だがそれは、すぐに破られることとなる。

 

「だぁぁぁぁ!? うざってぇぇぇぇな!! てめぇら人の目の前でイチャついてんじゃねぇぇぇっ!!」

 

 ジェジーが大声で叫び、頭をかきむしる。

 

「……やれやれ、こっちは突然のことで飯も喉通らんってのに」

 

 ナブが疲れたように眉間を押さえた。

 

「リョウガ……あの赤い“ガンダム”だったか? あいつはどうした?」

 

 リョウガは腕の中のマチュを軽く抱き直しながら、気怠げに答える。

 

「ああ……来る途中で分かれたよ」

 

「お前なぁ……」

 

 ナブは片手で顔を覆い、深くため息をついた。

 

「もし、そいつがまたクラバに参加するってんなら、もっとちゃんと話しておく必要があるだろうが…………」

 

「うーん、あいつ……たぶん、そういうタイプじゃないしな。何だったら俺らが連絡役になるから…………まぁ安心してくれ」

 

 リョウガの言葉に誰も否定せず、ただ静かに――その“赤いガンダム”という存在が、今後の運命を左右することを、全員が本能的に悟っていた。

 

 こうして、嵐のような戦闘の夜は静かに幕を閉じる――だが、それは序章にすぎなかった。

 

 

▼▼▼▼▼

 

 宇宙の片隅、時の流れさえ淀むような領域――

 

 そこは航路にも星図にも記されない、闇の底に沈む“空白の座標”。

 光も音も届かず、ただ虚無だけが支配する空間に、異質な存在が静かに“佇んで”いた。

 

 ガンダム・フッケバイン。

……………いや ”赤いヒュッケバインMk-II”がそこにいた。

 

 かつて戦場に幾多の伝説を残した深紅の凶鳥は、その血のように紅い装甲をまるで何かの意志に染められたかのように、全身から“狂気の光”を滲ませる。

 

 金属光沢は鈍く、赤黒い艶は星々の反射すら拒むように沈み、異形の輪郭を宇宙に刻みつけていた。

 まるで宇宙そのものが、その存在を恐れ、距離を保とうとするかのように。

 

 微動だにせず漂うその姿には、命なきはずの機械に宿る獣の殺気があった。

 動かず、語らず、ただそこに在るだけで――空間そのものに緊張を走らせる“捕食者”のような気配があった。

 

 そしてその内部――

 

 暗がりの中、そこに男がいた。

 

 その姿は操縦席に溶け込むように座し、光の屈折の狭間に沈んだその顔は見えない。

 だが、その瞳だけが異様に鮮明だった。――狂気と知性が同居する、燃える紅の双眼。

 

 そして、男は呟いた。

 

「勝利? 敗北? ……そこに、意味はない」

 

 空虚な語り口だった。だが、その声には濁流のような重さがあった。

 それはまるで、すでにあらゆる結末を知っている者の“虚無”そのものだった。

 

「破壊されるか、創り出されるか――創造の破壊、破壊の創造……」

 

 彼の手が無言のまま端末を滑ると、機体が静かにうなり、全周囲のパネルに淡紅色の光が走る。

 それは制御ではない、命令でもない。あたかも生理的な動作のように、機体が“呼吸”し始めた。

 

「貴様らは、この世界で朽ちる運命にある……あの世界と同じように、この俺の手で……」

 

 呪詛に似た言葉が、コクピットの壁を這うように伝わる。

 その一言一言に、歪な信仰と執着が絡みついていた。

 

「お前達は純粋な生命体には成り得ん……お前たちにその資格はない。進化も、魂も、全て……」

 

 その時、コクピットの中心に浮かぶ複合モニターに、いくつもの暗号化された波形が表示された。

 脳波パターン、精神共振反応、次元共鳴――どれも本来の兵器にはあり得ない異常値。

 

「”俺が……そう、俺こそが”!!」

 

 声が割れるように響くと同時に奇怪な“現象”が起きた。

 

 赤いヒュッケバインMk-IIの全身から放たれた重力波動が、周囲の空間に不穏な震動をもたらす。粒子が揺れ、時間と空間の境が溶けるように歪み始める。

 

 そして――

 

 現れたのは“複製”。

 

 量産型ヒュッケバインMk-II。

 

 その機体たちは、まるで骨を軋ませるような音と共に、空間の裂け目から一体、また一体と姿を現した。

 

 工場で組み上げられたのでもなく、輸送されたものでもない。

 まるで赤い機体の“影”が独立し、肉体を得たかのような再生だった。

 

 細胞分裂のような増殖。狂気的な規則性のもと“発生”していた。それは、もはや兵器ではない――

 

 一つの意思によって統べられる“群体”だった。

 

 まるで長である鴉に付き従う群れである。

 

「ククク……ハァ、ハァッ……ヒハハハハハハハハハハハハハッ!!?」

 

 空間を裂くような咆哮――いいや、それは笑いだった。

 

 歓喜と憎悪、欲望と快楽のすべてが混ざり合い、男の喉から迸る狂気の咆哮。

 

 その瞬間、周囲の空間がわずかに凍りついたような錯覚すら走る。

 光さえ届かないこの場所に、“闇より暗い意思”が放たれた瞬間だった。

 

 真紅のヒュッケバインMk-II。

 

 それは、もはや人類の手で作られた兵器ではない。

 

 意思を持ち、群れを成し、自らを進化させる“存在”。

 

 滅びを呼ぶ使者。世界の輪郭を壊しに来る、第三の脅威。

 

――宇宙がまだ静かであるうちに。

 




魔神、皇帝
「「やっと君も、僕らのステージに来たか」」
RX-78
「いや、ちゃねんて、あのホンマ...ちゃうねんて」


ちなみにリアタイ終了時、私はキー坊みたいにボコられることありませんでしたが壁ドンはされましたね……………ごめんて、あんなん叫ぶなって言う方が難しいって


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