型月世界にめちゃくちゃ長生きな"龍"を生やしてみた 作:型月のネギを目指して三千里
「……」
目線が高いこの景色も懐かしいな、動物達が逃げている姿が小さく映っている。
そして何より。
『黒き、龍……』
あの近未来マンボウの実物すら懐かしいと感じる、前ほどの異物感も感じない。
『何故だ』
「?」
『何故、今貴様が……!』
「……」
そりゃあ……と言いかけた口を閉ざす。
ダメだな、話してたらこいつらにすら情が湧きそうだ、フクロウの親戚だし。
マンボウに関しちゃあ親父に該当する訳だし。
原生生物に優しい外来種は個人的にアリなんだが、上司がせっつくもんだからなぁ。
『……語らぬか、ならば仕方あるまい 』
「!」
ゼウスの後ろから他の気配がする。
上手いこと隠していたみたいだが……何のためなんだか。
『全機、前に出よ。奴を討ち倒す』
1、2、3……
マンボウ含めて11機か、フクロウは居ないみたいだ。
ありがたいな、しかしあの謎の見知らぬ船は居る気配がする。
「グ……!」
大きく息を吸い込んで。
……さて、あいつらはビビらせられるかね。
『■■■■■■■■■ ッ!!!!
……。
ダメみたいですね、うーむ流石に傑物揃いかぁ機械の神は。
だったら例の機体はいるのかね。
「……」
『……?』
居たな、海の機神ポセイドンとやらは。
とりあえず死ぬ前にあいつはボコボコにしよう、パラスの恨み晴らさいでか。
「ッ !」
『来るぞ、備えよッ!』
翼を大きくはためかせて空を薙ぐ。
俺はでけえし力だけは強いからなぁ、それだけで結構なスピードは出るんだわ。
「!」
……当然、それを奴らが大人しく待っている訳はないのだが。
俺が動くと同時に展開されたのは、ヤバそうな気配を放つ雷と無数の
「グ !」
回避行動を取っても避けきれないそれらは、凄まじい轟音と共に俺の身体へ容赦なく突き刺さる。
……だが、だ。
「構わず、進め!」
それでも俺は突き進む、怯んでやる義理はない。
鱗は焦げるし簡単に刺さるしで痛過ぎるがな!
避けて受けて、焦げて刺さって。
はは、これで挑ませるとか正気じゃねぇや上司様。
「グアアアッ!」
『止まらぬか……アレスッ!』
すると矢と雷の雨の中、赤い機械がこちらへとやって来た。
……なんかこいつだけ出る作品間違えてないか?
『止まれッ! 止まらねば 』
「邪魔だ」
『んがぁっ!?』
剣を振り回しているが、関係ない。
構わず顔面を鷲掴む。
『離せ巨龍!』
「……ッ!」
こいつを相手にする理由はない。
掴んだままその手を地面へと叩き付ける。
『グ、ガ……!?』
『アレス!』
機械とはいえこの衝撃は内部に響く……筈。
響いててくれよ頼むから。
狙いはマンボウとあの船っぽい奴だけなんだわ。
「1人目」
アレスとやらに当てない為か雷と矢が止んだな。
今のうちか?
「グ」
腹部に鋭い痛みが走る。
……剣だ、苦し紛れに刺してきたかっ。
「ッ!」
剣を半ばで叩き割って、再び奴らの元へ飛ぶ。
後に残るダメージの残し方がお上手だなぁ戦神アレスは!
『ふん、ただの獣めが煩わしい』
『待て、ポセイドン』
『何を惜しむ必要があるゼウス、あんなもの蹴散らせば良いだろう!』
……ふむ。
目的の奴は中々に傲慢な性格をしているらしい、今もマンボウの命令を無視してゆっくりと前進し始めた。
丁度良い。
地面を蹴り、翼を更に大きくはためかせる。
『
「遅、い」
『な !?」
何だ、そんなにゆっくりとこちらにやって来て。
俺があれ以上の速度を出せないとでも思ったのか。
「死なない様に、努力しろよ」
『……馬鹿め、我に』
俺は腕に力を込めて、思い切り振り下ろした。
『ガ、アアァァァァッ!?』
振り下ろされた腕は、ポセイドンとやらの装甲を叩き潰す。
……何か壁の様なものを貫いた気がしなくもない。
「グオォォォッ!!!」
『貴様ァァァッ!』
奴も奴でビームを放っている様だが関係ない、叩き潰し続けるだけだ。
気配の大きいお前とマンボウ倒せば上司も気が済むだろうかね。
『それ以上はさせん』
「……ッ!?」
……先程まで俺が居た場所を見てみると。
「……!」
『避けるか、中々鋭い』
攻撃に晒されて剥がれた鱗が、更に細かくなっていた。
当たったらひとたまりもねえなぁこれっ!
「ッ」
『逃れられると思うなよ』
その言葉と共に、黒い何かが俺の周りに舞い始める。
先程と同じ嫌な気配を感じる、何かだ。
バカなあいつと違ってこいつちゃんと詰めて来やがる。
『終わりだ、黒き龍よ』
……さて、どうしたもんかねぇ!