型月世界にめちゃくちゃ長生きな"龍"を生やしてみた   作:型月のネギを目指して三千里

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第10話

「……」

 

 

 

 目線が高いこの景色も懐かしいな、動物達が逃げている姿が小さく映っている。

 そして何より。

 

 

 

『黒き、龍……』

 

 

 

 あの近未来マンボウの実物すら懐かしいと感じる、前ほどの異物感も感じない。

 

 

 

『何故だ』

 

「?」

 

『何故、今貴様が……!』

 

「……」

 

 

 

 そりゃあ……と言いかけた口を閉ざす。

 ダメだな、話してたらこいつらにすら情が湧きそうだ、フクロウの親戚だし。

 マンボウに関しちゃあ親父に該当する訳だし。

 

 原生生物に優しい外来種は個人的にアリなんだが、上司がせっつくもんだからなぁ。

 

 

 

『……語らぬか、ならば仕方あるまい    』

 

「!」

 

 

 

 ゼウスの後ろから他の気配がする。

 上手いこと隠していたみたいだが……何のためなんだか。

 

 

 

『全機、前に出よ。奴を討ち倒す』

 

 

 

 1、2、3……

 マンボウ含めて11機か、フクロウは居ないみたいだ。

 ありがたいな、しかしあの謎の見知らぬ船は居る気配がする。

 

 

 

「グ……!」

 

 

 

 大きく息を吸い込んで。

 ……さて、あいつらはビビらせられるかね。

 

 

 

『■■■■■■■■■    ッ!!!!

 

 

 

 ……。

 ダメみたいですね、うーむ流石に傑物揃いかぁ機械の神は。

 だったら例の機体はいるのかね。

 

 

 

「……」

 

『……?』

 

 

 

 居たな、海の機神ポセイドンとやらは。

 とりあえず死ぬ前にあいつはボコボコにしよう、パラスの恨み晴らさいでか。

 

 

 

「ッ    !」

 

『来るぞ、備えよッ!』

 

 

 

 翼を大きくはためかせて空を薙ぐ。

 俺はでけえし力だけは強いからなぁ、それだけで結構なスピードは出るんだわ。

 

 

 

「!」

 

 

 

 ……当然、それを奴らが大人しく待っている訳はないのだが。

 俺が動くと同時に展開されたのは、ヤバそうな気配を放つ雷と無数の光線(や)。

 

 

 

「グ    !」

 

 

 

 回避行動を取っても避けきれないそれらは、凄まじい轟音と共に俺の身体へ容赦なく突き刺さる。

 

 ……だが、だ。

 

 

 

「構わず、進め!」

 

 

 

 それでも俺は突き進む、怯んでやる義理はない。

 鱗は焦げるし簡単に刺さるしで痛過ぎるがな!

 

 避けて受けて、焦げて刺さって。

 はは、これで挑ませるとか正気じゃねぇや上司様。

 

 

 

「グアアアッ!」

 

『止まらぬか……アレスッ!』

 

 

 

 すると矢と雷の雨の中、赤い機械がこちらへとやって来た。

 ……なんかこいつだけ出る作品間違えてないか?

 

 

 

『止まれッ! 止まらねば    』

 

「邪魔だ」

 

『んがぁっ!?』

 

 

 

 剣を振り回しているが、関係ない。

 構わず顔面を鷲掴む。

 

 

 

『離せ巨龍!』

 

「……ッ!」

 

 

 

 こいつを相手にする理由はない。

 掴んだままその手を地面へと叩き付ける。

 

 

 

『グ、ガ……!?』

 

『アレス!』

 

 

 

 機械とはいえこの衝撃は内部に響く……筈。

 響いててくれよ頼むから。

 

 狙いはマンボウとあの船っぽい奴だけなんだわ。

 

 

 

「1人目」

 

 

 

 アレスとやらに当てない為か雷と矢が止んだな。

 今のうちか?

 

 

 

「グ」

 

 

 

 腹部に鋭い痛みが走る。

 ……剣だ、苦し紛れに刺してきたかっ。

 

 

 

「ッ!」

 

 

 

 剣を半ばで叩き割って、再び奴らの元へ飛ぶ。

 後に残るダメージの残し方がお上手だなぁ戦神アレスは!

 

 

 

『ふん、ただの獣めが煩わしい』

 

『待て、ポセイドン』

 

『何を惜しむ必要があるゼウス、あんなもの蹴散らせば良いだろう!』

 

 

 

 ……ふむ。

 目的の奴は中々に傲慢な性格をしているらしい、今もマンボウの命令を無視してゆっくりと前進し始めた。

 

 丁度良い。

 地面を蹴り、翼を更に大きくはためかせる。

 

 

 

『汝、星を(トライデン)    

 

「遅、い」

 

『な    !?」

 

 

 

 何だ、そんなにゆっくりとこちらにやって来て。

 俺があれ以上の速度を出せないとでも思ったのか。

 

 

 

「死なない様に、努力しろよ」

 

『……馬鹿め、我に』

 

 

 

 俺は腕に力を込めて、思い切り振り下ろした。

 

 

 

『ガ、アアァァァァッ!?』

 

 

 

 振り下ろされた腕は、ポセイドンとやらの装甲を叩き潰す。

 ……何か壁の様なものを貫いた気がしなくもない。

 

 

 

「グオォォォッ!!!」

 

『貴様ァァァッ!』

 

 

 

 奴も奴でビームを放っている様だが関係ない、叩き潰し続けるだけだ。

 気配の大きいお前とマンボウ倒せば上司も気が済むだろうかね。

 

 

 

『それ以上はさせん』

 

「……ッ!?」

 

 

 

 お(・)ぞ(・)ま(・)し(・)い(・)気(・)配(・)を感じてポセイドンから飛び退く。

 ……先程まで俺が居た場所を見てみると。

 

 

 

「……!」

 

『避けるか、中々鋭い』

 

 

 

 攻撃に晒されて剥がれた鱗が、更に細かくなっていた。

 当たったらひとたまりもねえなぁこれっ!

 

 

 

「ッ」

 

『逃れられると思うなよ』

 

 

 

 その言葉と共に、黒い何かが俺の周りに舞い始める。

 先程と同じ嫌な気配を感じる、何かだ。

 

 バカなあいつと違ってこいつちゃんと詰めて来やがる。

 

 

 

『終わりだ、黒き龍よ』

 

 

 

 ……さて、どうしたもんかねぇ!

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