型月世界にめちゃくちゃ長生きな"龍"を生やしてみた   作:型月のネギを目指して三千里

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第5話

『お邪魔するわ』

 

 

 

 見知らぬ女がやって来た。

 容姿的には大人の女……だが、この気配が目の前の女をただの人間ではないことを示している。

 

 

 

「……Da(だぁ)、れだ」

 

『そんなに身構えないでくださるかしら、私も戦うことは好きじゃないの』

 

「しんじruと、おもうか」

 

『……その子の様子を見に来ただけなの。信じて頂戴』

 

 

 

 そう言って見つめているのは……槍を抱え、木に背を預けて寝ているフクロウだ。

 

 

 

『真面目で不器用なあの子が、人間の真似事なんてね。何があったのかしら?』

 

「……おれが、やっていることを、mあ()ね、すると」

 

『あらあら』

 

 

 

 俺が不必要な睡眠をしているのを疑問に思ったフクロウが、色々問い詰めて来てな、結果あいつが睡眠してみると言うことになった。

 静かに歩み寄り、女はフクロウの頭を……撫でた?

 

 

 

「……おまeは、そいつの、なん、だ?」

 

『そうね。……人間風に例えるならば姪にあたるのかしら、そんな関係よ』

 

「? おまえたち、が?」

 

『不思議そうじゃない』

 

「……」

 

 

 

 当然だろう、とは声にせず。

 機械に家族関係があるのかとは思うのだが、あまりずけずけと聞いていい内容でもない。

 

 

 

『この子は我ら……私達の中では"新しい船"なの』

 

「あたらし、い?」

 

『ええ。本来ならば個々で造られるはずだった二つを、創造主はたった一つの宙船として、方舟として造り、旅立たせた』

 

「……」

 

『最初はたくさんの同胞がいたわ。でも航海(たび)は過酷なものだった。一つ、また一つと権能を託し停止していった』

 

 

 

 ……相当な旅路の果てに、ここまで辿り着いたと。

 

 

 

『その時まだ、旗艦ではなかった頃のゼウスが、自身の権能の整理・効率化の為に持ちうるものや存在を分け、本来あるべきだったかもしれない姿に戻して……それを、新しい同胞としたの』

 

「それが、あいtuか」

 

『ええ』

 

 

 

 言うなれば、ゼウスの子供という立場。

 なるほど、姪というのも間違いはないわけだ。

 

 

 

『疲れ果てていた私達に比べて、あの子はとても……熱心、そう、熱心だった』

 

『星々の情報を集めて、蓄積して、条件に合う星を探し続けて……』

 

 

 

 一つ一つ、当てはまる言葉を吟味しながら口にしていっている女。

 その表情は、どこか暗い。

 

 

 

『結果として奇跡は起きた。けれど遅すぎて、ある意味では早過ぎた』

 

「?」

 

『情報の収集という立場の関係、やる気の有無……皮肉なことに、私達の中でリソースの消耗が一番激しかったのは、あの子なの』

 

『そしてあの子は、自身の、重要な権能(役割)以外の機能(もの)を、躊躇うことなく薪に焚べた』

 

「それ、は……」

 

『もう少しあの子が生まれる時が遅ければ。もう少し、見つけるのが早ければ。全て焚べ終わることはなかったでしょう』

 

「だが、そうは、ならなかった、と」

 

『ええ、結果としてあの子は……』

 

 

 

 悲しそうに目を伏せている。

 確かに、出会った当初のあいつは、今では考えられない程に機械じみていた。

 それが原因だったと。

 

 

 

『当時のあの子を思い出すのは、今の私にはつら過ぎる』

 

『胸の奥が、痛くなるわ』

 

「……ひとのような、ことをいう」

 

『そうなる様に、模倣し続けているもの。……でも、それすら当時のあの子にはできなかったのよ』

 

「そう、か」

 

『だからこそ、気になったのよ』

 

「?」

 

『あの子を変えた存在が』

 

「……そうか」

 

 

 

 それが足を運んだ理由、ね。

 

 

 

「こんかい、ha、しんらい、しよつ……u」

 

『……ふふ、ありがとう』

 

 

 

 そう言って、目の前の女は、少女のことを撫で続けていた。

 その様子はまるで……うむ、そうだな、これが正しいか。

 

 ……まるで親子みたいだった、というのが、な。

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