型月世界にめちゃくちゃ長生きな"龍"を生やしてみた 作:型月のネギを目指して三千里
『お邪魔するわ』
見知らぬ女がやって来た。
容姿的には大人の女……だが、この気配が目の前の女をただの人間ではないことを示している。
「……
『そんなに身構えないでくださるかしら、私も戦うことは好きじゃないの』
「しんじruと、おもうか」
『……その子の様子を見に来ただけなの。信じて頂戴』
そう言って見つめているのは……槍を抱え、木に背を預けて寝ているフクロウだ。
『真面目で不器用なあの子が、人間の真似事なんてね。何があったのかしら?』
「……おれが、やっていることを、
『あらあら』
俺が不必要な睡眠をしているのを疑問に思ったフクロウが、色々問い詰めて来てな、結果あいつが睡眠してみると言うことになった。
静かに歩み寄り、女はフクロウの頭を……撫でた?
「……おまeは、そいつの、なん、だ?」
『そうね。……人間風に例えるならば姪にあたるのかしら、そんな関係よ』
「? おまえたち、が?」
『不思議そうじゃない』
「……」
当然だろう、とは声にせず。
機械に家族関係があるのかとは思うのだが、あまりずけずけと聞いていい内容でもない。
『この子は我ら……私達の中では"新しい船"なの』
「あたらし、い?」
『ええ。本来ならば個々で造られるはずだった二つを、創造主はたった一つの宙船として、方舟として造り、旅立たせた』
「……」
『最初はたくさんの同胞がいたわ。でも
……相当な旅路の果てに、ここまで辿り着いたと。
『その時まだ、旗艦ではなかった頃のゼウスが、自身の権能の整理・効率化の為に持ちうるものや存在を分け、本来あるべきだったかもしれない姿に戻して……それを、新しい同胞としたの』
「それが、あいtuか」
『ええ』
言うなれば、ゼウスの子供という立場。
なるほど、姪というのも間違いはないわけだ。
『疲れ果てていた私達に比べて、あの子はとても……熱心、そう、熱心だった』
『星々の情報を集めて、蓄積して、条件に合う星を探し続けて……』
一つ一つ、当てはまる言葉を吟味しながら口にしていっている女。
その表情は、どこか暗い。
『結果として奇跡は起きた。けれど遅すぎて、ある意味では早過ぎた』
「?」
『情報の収集という立場の関係、やる気の有無……皮肉なことに、私達の中でリソースの消耗が一番激しかったのは、あの子なの』
『そしてあの子は、自身の、重要な
「それ、は……」
『もう少しあの子が生まれる時が遅ければ。もう少し、見つけるのが早ければ。全て焚べ終わることはなかったでしょう』
「だが、そうは、ならなかった、と」
『ええ、結果としてあの子は……』
悲しそうに目を伏せている。
確かに、出会った当初のあいつは、今では考えられない程に機械じみていた。
それが原因だったと。
『当時のあの子を思い出すのは、今の私にはつら過ぎる』
『胸の奥が、痛くなるわ』
「……ひとのような、ことをいう」
『そうなる様に、模倣し続けているもの。……でも、それすら当時のあの子にはできなかったのよ』
「そう、か」
『だからこそ、気になったのよ』
「?」
『あの子を変えた存在が』
「……そうか」
それが足を運んだ理由、ね。
「こんかい、ha、しんらい、しよつ……u」
『……ふふ、ありがとう』
そう言って、目の前の女は、少女のことを撫で続けていた。
その様子はまるで……うむ、そうだな、これが正しいか。
……まるで親子みたいだった、というのが、な。