「なぜだ...なぜ、お前はあちら側についた」
「...」
真っ黒な部屋に赤黒い鎖に繋がれている青年とそれを見下ろす白髪の女性がいた
「奴らはこの世界に災いをもたらした存在だ。そんな奴らに制裁を加えてなんの問題がある」
「制裁?弄ぶの間違いだろ」
「なに?」
女性は青年を睨みつける
「貴方の言う制裁が不死の呪いか...ふん、悪趣味にもほどがある」
「.........」
「それに彼らのほとんどはなんの罪も犯していない。それにも関わらず貴方達は無差別に彼らに牙を向けた」
「.........」
「ふざけるな!そんなもの貴方が忌み嫌うアビスとなにが違うと...」
「黙れ」
女性は手で赤黒いキューブを作ると青年はその中に段々と吸い込まれていく
「くっ...!」
「やはりお前を下界に向かわせたのは間違いだった。奴らに絆され本来の役割を忘れるとはな」
「その点に関してだけは貴方に感謝している。彼らと出会わなければ俺は貴方の操り人形のままだった」
「使命を果たさず我々を裏切った。死ぬことも許さん。お前はここから追放だ。無論」
女性は青年の頭を掴む。すると青年の頭の中から光が漏れ出しその光は女性に吸収されていく
「この力と記憶はもらっていくがな」
「あ............」
「さらばだ。私の.....」
「天.......理........」
その言葉を最後に青年は完全にキューブに吸収されてしまった。天理とよばれた女性は黒いゲートを開き、そのゲートに浮かせたキューブ投げ入れたのだった。こうして一人の青年が天空から追放されてしまったのだ
数百年後
???side
暖かい...穏やかな風が頬をくすぐってくる。
「ここは.....」
ここはどこだ?見たことのない景色だ。いやそれより
「俺は誰だ?ッ!頭が...!」
頭が割れるように痛い。それに胸の奥も。
「わからない。全てがわからない....ん、これは」
俺は横にあるものが転がっているのに気づいた
「これは刀?なんでこんなものが」
俺はその刀を興味本位で引き抜いてみた。すると
「くっ!なんだ、頭が!さっきよりも...」
先ほどよりも激しい痛みが襲い掛かってきた。まるで記憶が無理やり頭の中に入ってくるような。10分が経った頃、やっとのことで頭痛は収まった。凄まじい痛みだったが収穫はあった。俺の名前は......
「ん、あの人たちは...襲われているのか?」
目の前には金髪の少女と白髪の小人?それと弓矢を使う少女が仮面をつけた黒い化け物に襲われていた
「助けないと...!」
俺は刀を持って彼女たちの元へ駆けていく。そして初めて持つはずの刀は不思議と自分の手に馴染んでいた
蛍side
「蛍、大丈夫か!?」
「うん。でもこの数、これも龍災の影響なのかな?」
「多分ね。ジンさんと私の友人も龍災の影響でモンド城周辺に魔物が大量に移ってきているって言ってたし」
蛍とアンバーは騎士団からの依頼で風立ちの地に新しくできたヒルチャールの集落を処理しに来ていた。だが予想よりも多いヒルチャールに二人は苦戦していた
「でもいくらなんでも多すぎるぞ!」
「うん。アンバー、一回撤退しよう」
「わかった!」
3人は一度モンド城に戻るためにヒルチャールの集落を後にしようとする。だが突如上空から暴風のコアが飛来してきた
「え、なんでここに暴風のコアが!」
「まずい、挟まれた...!」
しかも後ろからは20匹以上のヒルチャールが3人に迫ってきていた。蛍はヒルチャール軍団、アンバーは暴風のコアへの応戦を開始した。だが
「yaaaaaaaa!」
「アンバー!」
「え、きゃ!」
ヒルチャールは弓矢を使いアンバーの肩をかすめた
「っ...やっぱり数が!」
「蛍!後ろ!」
「え....」
ヒルチャール達に気を取られていた蛍は暴風のコアの接近に気づかなかった
「iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii」
「くっ!」
蛍は来るであろう痛みに備え目をつぶる。その瞬間
「はぁあああああああああ!!!」
青年が雄叫びをあげながらコアを切り裂いた。切り裂かれたコアは光を失いそのまま塵となって消滅した
「貴方は...」
「話はあとだ。まずはこっちを片付けよう」
「う、うん!」
青年の助力もあり、蛍とアンバーは無事にヒルチャールを全滅させることができた
「さっきはありがとうな!おかげで助かったぞ!」
「気にしないで。当然のことをしたまでだ」
「私からもお礼を言わせて。もし貴方が来てくれなかったらきっと無事じゃすまなかった」
「うんうん!」
3人は青年にお礼を述べていく
「わたし、アンバー!ねぇあんた名前は何て言うの?見たところモンド人じゃなさそうだけど」
「.......界」
「オイラはパイモン!こっちは」
「蛍。よろしく、界」
「ああ、よろしく」
これが蛍と界の出会い。そしてこの出会いがこのテイワット大陸の運命が変わった瞬間である
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