スーパーロボット×ファンタジー 作:名無しの転生者
なので今回は無条件で続けます。
『……言語機能、現地語認識プログラムを修正。これからよろしくお願いします』
「はい、よろしくね~」
「ん、おっけー」
「よろしく〜」
“彼”の問い掛けに、ノエル、フレア、レオナは三者三様に返答を返す……この“彼”とは、目の前の無機質な人型ロボット。
『これから、私の名前は“リオン”……と認識すれば良いのですね?』
「そゆこと。“リオン・エルディアーネ”ってのが今からアンタの名前になるのさ」
リオン・エルディアーネ……本来付けられている名称を捩り、人名に近い風に仕立てただけの所謂「偽名」だが、発案者のレオナ曰く“元の名前に近く、違和感無いのが一番バレにくい”のだそうだ。
「確かに違和感無いわね」
「そーそー」
『……そうですね、確かに違和感はあまり感じません』
無機質な見た目は全身鎧、とすれば違和感は出ないだろう……とレオナは考えている。
「とりあえず、リオンはウチ等“風来坊”の新入りって事で周りには伝わる。真相を知るのはウチ等とギルド本部のお偉いさんだけさ」
レオナの書いた筋書きはこうだ……
モンスターを殲滅した“謎の存在”は「風来坊」の3人にこの世界に現状を聞き、戦う事しか出来ない“彼”を将来有望な冒険者として仲間に引き入れた……という感じだ。
「新人として始める事になるだろうから、当分はランク上げがメインだね……私達は半分休暇みたいになりそう」
「良いんじゃない? ウチ等、今回結構頑張ったし」
「ギルドマスターには真相を伝えるけど、一応は口外禁止って方向は間違いないかな……」
そんな事を話しつつ、リオンを加えた4人は王都に帰還すべく、騒動後に営業再開した乗り合い馬車の受付へと足を進めるのだった。
それから半日後、王都ギルド本部……
「……で、コイツが例の“ゴーレム擬き”なのか?」
「確かに全身鎧といえばそう見えますが……」
レオナの筋書き通り、ギルド本部に常駐するギルドマスターと副官には事情を説明し、リオンは新人冒険者としてこれから活動する旨を伝えた。
ギルドマスター等は、特記戦力クラスの実力者が増える事は歓迎した……が、如何せん彼は謎が多過ぎる存在の為、改めて能力等の試験を条件に出してきた。
『技能評価試験……という事ですね。分かりました』
「助かる。お前さんの実力がどれ程のモノか……ある程度は把握しておかんと、俺の仕事にも関わるからな」
「結果によっては、特別にCランク辺りからってのもあるかも知れんぞ」
ギルドマスターのこの言葉に、風来坊よ3人は期待の眼差しを向けるが……
『……評価は正規の基準遵守でお願いします』
リオンはあくまでも、ルール遵守でと返答したのだった。
風来坊の3人は、常連の宿へ帰り、リオンはギルド本部の貸し宿舎を利用……その翌日、評価試験の日を迎えた。
「まずは基礎体力なのですが……」
ギルド副官が用意していたのは、魔法科学によって造られた重り……抱えた人物の筋力をサーチし、瞬間的な耐荷重量を測定する物なのだが……
『……この程度なら、2〜3個同時でも可能です』
1つでもかなりの重さがあるこの重荷なのだが、リオンはそれを片手で1個ずつ掴み、ひょいひょいと上げ下げしている。
「おぉ〜、凄い凄い♪」
「………………」
「………………」
「………………」
コレにはパワー自慢のノエルがキラキラした目を向け、残る3人は愕然としていた。
「……んんッ、まだ筋力だけです。次は……」
そう言って副官が取り出したのは【疾風の円環】と呼ばれる腕輪……コレは装備者の瞬発力を数値化して記録する機能があった。
「コレを付けて、あの場所まで全力ダッシュをお願いします」
『……全力で、ですか?』
「はい」
一瞬だけリオンは疑問を浮かべたが、言われた通りに全力で目的地までダッシュした。
……その1歩目を踏み出した直後、残像が見えた。
「………………」
「………………」
「………………」
腕輪の数値はバグって計測不能になっていた……
『……申し訳ありません』
「……明らかに速いのは分かったわ……」
副官は気を取り直して次の項目を準備し始める。
「次は反応よ」
用意されたのは、数人の冒険者たち……彼らはそれぞれ武器を手にしている。
「貴方は中心の円から出ない状態で、全ての攻撃を避けるか防御して貰います。手段は任せますが、攻撃が身体に当たらないよう注意して下さいね」
中心の円は直径1メートル程度……周囲の冒険者達は様々な武器を手にしているので、近接での対処も入っている様だ……
『分かりました……いつでもどうぞ』
リオンは円の中心に立ち、合図をする。その合図を皮切りに、冒険者達は思い思いのタイミングで攻撃を仕掛けた……
まずは弓使い……左後方という半ば死角から飛んできた矢。それをリオンはノールックで避け、次に正面からの片手剣の振り下ろしを半歩ずれて躱し、驚きを隠せない持ち主から剣を奪って次に飛んできた大剣の薙ぎ払いを屈むと同時に剣を斜めに構えて軌道を逸らし、三方向からの矢を真上に飛んで躱す。
「……は……っ?!」
落下中、着地狩りの如く走り込んできた冒険者に対して、持っていた剣をルート上に割り込ませる様に投げてバランスを崩させる事で落下のタイミングと攻撃のタイミングをずらし、僅かに遅れて来た突進突きを回転して避けつつ、自らの回転に巻き込んで次に来ていた重戦士のシールドチャージに対してぶち当てる。
「ちょ……?!」
まだ来る攻撃は上から双剣を交差して落下して来たが、リオンは冷静に落ちて来た冒険者の攻撃を避け、円のギリギリまで来た所にブーメランが飛んできた。
「うっそ……アレも躱す?!」
飛んで来たブーメランは足元に落ちていた別の剣を拾って捌き、しつこく撃たれる矢も最小限の体捌きで避け、避け切れないものは剣で切り払う。
「……そこまで!! ……見事なものね、誰もマトモに当てられなかったなんて……」
『……いえ、足場の制限があったので此方も紙一重でした』
「……あの場所に留まって全部避けれるだけでも凄いわ……」
「新人……と言うにはさすがに戦い慣れ過ぎてない?」
「……ますますおもしれーな、リオン」
ノエル達も先程のリオンの動きには素直に賞賛を送る。
「……では最後に、貴方の攻撃面を見ます。此方の標的を1つずつ、可能な限り別の手段で破壊して下さい」
ずらりと並べられたシンプルなターゲット……近接武器用に接近出来るものと、空中や崖の上、建物の上など様々な場所に設置されている。
1つずつ、別の手を使えという指示なので、リオンはまず“ある近接武器”をその手に出現させる。
「……は……ぇ? 今の……」
「どっから出したのソレ?!」
「というかデカくねぇか?!」
リオンが虚空から持ち出したのは、自身の身長よりも長い金属の棒……その棒の先端近くから幅広の刃が飛び出し、瞬間的に大戦斧へと姿を変えたのである。
『……行きます!』
皆は驚きを隠せないが、リオンはそれを半ば無視して突撃……僅かな時間でターゲットに近づき、大上段からの振り下ろしで支柱ごと叩き斬る。
「……え、もうあんな所に……?!」
戦斧を割れた地面から抜き取ると、建物の屋上に設置されたターゲットを睨み、手の大戦斧を躊躇なく投げた。
「投げ飛ばすのかよ?!」
フレアの驚きを他所に、投げられた戦斧は高速回転しながらブーメランの用に屋上ターゲットを破壊してリオンの手元に戻ってくる。
『……次は……』
大戦斧を何処かへと消し、次に取り出したのは長めの鉤爪を持つ小手……装備した直後また高速移動でターゲットへ接近し、同時に2つを破壊。
さらに武器を持ち替え、次は赤く燃える投げナイフの様なモノを投擲。投げられた数と同じ5個を破壊すると、リオンは徐ろに右腕を掲げる。
「……なにする気だ……?」
掲げた右腕の拳を握り、手首を捻る……だがそこから止まらず手首から先が高速で回転を始め、更に赤熱化……
「まさか、あのまま殴る……?!」
ノエルはその次の動きを予想したが、正解は……
『ターゲット、ロック……!』
そう呟くと一歩踏み込むと同時に右腕を振り抜き、右腕から“赤い何か”が発射される。
「「「「飛ばしたぁ?!」」」」
先程まで右腕で回転していた拳、そして振り抜きからの射出……飛ばされた拳は真っ直ぐにターゲットの中心をぶち割った後、再びリオンの掲げた右腕に戻りその拳へと戻ったのだった──
『◯ロウクン◯グナムッ!!』
リオンの手持ち武器はほとんど出し入れ可能。
他の固定武装は次回にタップリと♪
取り敢えずスーパーロボット感をもっと出さなきゃ……