スーパーロボット×ファンタジー 作:名無しの転生者
「ソレ取れたのかよ!?」
「顔キレーだねぇ」
「は? アタシらより綺麗だって?(怒)」
一応言っておくが、リオンの頭部マスクが外せる様になったのはついさっきで、機能としては最初は影も形も無い状態でした。
『……素顔を見せるのも礼儀、ならばそう出来るようにしたまでです』
そう言ったリオンの言葉に、周囲の(訳知り)者達は納得した……本当は納得せざるを得なかったのだが。
(最初は出来なかったのが出来るようになった? ゴーレムなのに成長するって事? ますます訳が分からん奴だな……)
訳知りの中で、最もリオンの存在について理解度が高いのはレオナ……しかし彼女も、リオンの正体については“ゴーレム”だと考えている。
そもそもこの世界は機械文明がほとんど未発達であり、機械と呼べるモノはロクに無い。せいぜい手回し動力で桶を上げ下げする井戸や、風車・水車で脱穀機を動かす程度だ……そんな中で、自己進化する
「……まぁ、何にせよ。お前さんがAランクモンスターを単独討伐可能な奴という事は事実だな。こんな証拠まで出されりゃ誰も疑えねぇ」
仕留められたエアドラグは、並の冒険者では到底不可能なほど綺麗な死体である……ちなみにエアドラグの死因は即死。首そのものの切断面の綺麗な火傷以外はほとんど傷らしい傷も無い。
(……首切っても数分くらい胴体動いてたもんなぁ)
レオナは当時の事を頭に浮かべ、イヤなシーンを思い出して少しだけ震えた。
「炎の魔剣でも、コレほど見事な切断面は残りません。魔剣というのはあくまでも“魔力属性を付与された武器”ですし、エアドラグの鱗は最低でも“精霊級”の武器でないと傷付かないですから」
「……マジかよ、ヤバすぎだろ武器も……」
副官の言葉に、改めてノエル達はリオンの持つ装備のヤバさを再認識する。
“精霊級”とは装備の
……なお、“精霊級”と“魔王級”の間には
「するってーと、リオンの武器は最低でも“魔王級”って事?」
「下手すりゃ“神級”かもな……エアドラグの首、ほぼ抵抗無く斬ってただろ。あんな斬れ味の武器、人間に造れるか?」
フレアはリオンの装備を“魔王級”なのかと予想するが、レオナは戦闘の流れも加味して“神級”じゃないかと推察する……確かに、リオンは彼女達の目の前で、エアドラグの首を一振りで斬り落としていた……しかもナイフで紙を切るかの如く、サクッとぶった斬たのをフレアも思い出す。
「……無理。私もコドラゴくらいなら戦ったけど、硬くて倒すのに苦労したわ」
ノエルは以前に一度、単独でコドラゴ討伐の依頼を受けた事があったが、1体倒すのにだいぶ掛かったと語った。
コドラゴはエアドラグよりもランクの低い下位竜種だが、陸棲で鱗の硬さには定評があり、生半可な攻撃……特に斬撃はほとんど効かない。
幸いな事にノエルの武器は魔法効果を持つ打撃(メイス)であったため何とか倒せたが、それでもコドラゴの硬さには手を焼いた様だ。
「……今日からリオンはAランクだ。誰も文句はねぇな?」
しばしの沈黙の後、それ破ったのはギルマスの声だった。聞けばリオンを特例で「Aランク」とする、との事。
「一気にAなの?!」
「はぁ?! アタシらより上げんの?!」
「ハハッ、手間省けたどころじゃねーや」
ノエルは単純に高ランク入りという事実に驚愕、レオナは驚きよりも可笑しさが勝ったが、フレアは少し納得がいかないようで、驚きと共にギルマスの方を向く。が、当のギルマスは……
「文句があるなら
ギルマスはにべもなくフレアの抗議を受け流す……が、当然といえば当然だ。今の時点でリオンの戦闘能力は創作上の勇者レベルに達している……そもそもが飛んでいるエアドラグを一撃で仕留める事など他の人間には無理であった。
「……トンデモナイ事になったわね」
所変わってパーティ“風来坊”の借宿……ノエルはテーブルにへばり付く様に項垂れながらそう零す。
まだリオンには個人資産が無い*1ため報酬が支払われる迄はギルドに泊まる事になった。
そんなリオンが起こした偉業の事で頭がパンクしそうな3人は、宿のテーブルに突っ伏しながらも今後の事について話し合おうとしていたーー
「……でも、考えりゃチャンスでもあるぜ? 上手く立ち回りゃ、アタシらの目的に大きく近づく」
「言われてみれば……」
レオナの言葉に、少し思案してフレアは同意する。
ノエル、フレア、レオナ……彼女達には絶対に達成したい目的があった。
それは、冒険者ランクA以上に至る事ーー
「全ての冒険者は、所属する国の有事の招集・及び国側の依頼に応じねばならない……とんだ傍迷惑な決まりだよな、全く……」
愚痴る様にレオナは冒険者の掟の一つを口にする……それは国側が冒険者ギルド設立の際に付けた条件の一つだ。国側は有事の際、自国に存在する冒険者達を戦力として数えたいという企みがあった。
「……でも、
だがギルド側はそれを良しとしなかった……そもそも冒険者は国という枠に縛られず活動を行う存在でなければ意味がない。
ギルマスを含め多くのギルド関係者等はそう考えているが、国側は頑として譲らなかった……そこでギルマスは一計を案じる。
『国軍兵よりも圧倒的に強い冒険者に言う事を聞かせるのは不可能ではないか? 彼らが本気を出せば、有事の際に不可欠な国軍兵を徒に消費するだけに終わり、その上で他の冒険者達の顰蹙を買う事になる……下手をすれば国民全てにも裏切られるかもしれんなぁ?』
国側の代表にそう零し、実力あるギルド所属者と対立した場合の可能性を示唆。その際に起こり得る国への信用が失墜する恐れや戦力の消耗を諭し、この一文を取り付けたのだった。
「……うん、だから私達は最速でAランクを目指す。他のメンバーを探すのを、誰にも邪魔されない様に……!」
実は彼女たち……この世界の生まれではなく、転移者だ。
詳細は省くが、彼女達は元々大所帯のグループで野外企画の最中であったらしく、直前の予行演習の最中に転移現象が発生……
企画の裏方以外……ほぼ主要メンバーの全員が転移現象に巻き込まれ、3人だけは至近距離だったのですぐに合流出来たが、他のメンバーとはバラバラになってしまったのだった。
「これまでの調査で、多分2人くらいは隣の国にいるって事は分かってる。あとは全然分かんねぇけどな……」
ため息混じりに判明している事を再確認するレオナ。隣国は冒険者に当たりが悪い事で有名らしく、ギルドの庇護があっても完全に自由では無いようで、Aランク以上の実力者も居らず、ギルド自体もほぼほぼ国の裁量で運営されているらしい……職員達は冒険者達と共に揃って不服を訴えてはいるが、国の裁量で据えられたギルマスが全て一蹴しているのだとか。
「そんな中で2人かぁ……大丈夫かなぁ?」
「大丈夫じゃない? スゥじゃあるまいし……アタシなら無理やりにでも国出てるけど」
「……フレアは少しくらい我慢しなよ」
レオナにそう諭されて少し赤くなるフレア。ノエルもフレアの態度に少し癒され、テーブルに置いていた木製ジョッキに残っていた飲み物を一気に呷るのだった。
……お気付きかと思いますが、彼女たち……
原案は勿論、かの有名なVTuberグループの皆さんです。
ただ権利的な諸々の都合もあり、それっぽい人物設定をして、名前を宛てがっているだけなので直接的な関係はありません。
似て非なるものとしてお考え下さい。
とりあえずファンタジー世界に合うように設定してある、口調やらを似せてある別人ですので悪しからず……