雑魚妖怪に転生しました。邪見さまではないです。 作:蜥蜴の隠者
アレから数日経った。何とか生き残っている。
食料を得るのは特に苦労した。
魚を取ろうにも道具もなく、焚き火すら起こせない。
仕方ないので近場の人里に忍び入り、畑で野菜を数本失敬したり、食べれそうな雑草をもしゃもしゃ食った。
まぁ、妖怪なら好き嫌いせずに何でも食べれば良いのだろうが、俺は身体は妖怪であっても心は人間なのだ。出来れば人間の食料を食べて行きたい。
そんなわけで、失敬した大根を大事に食べていたら妙な気配を感じた。
よく目を凝らすと、空に幾重にも細い糸が張り巡らされていた。
え?あれってかごめちゃん以外も見れるの?というか、髪?髪と言えば…。
あ、思い出した。確か逆髪の由羅とかいう痴女な格好した女妖怪の仕業だ。
あれ結構な強敵だったな。動かないでおこう。サイコロミートに刻まれてしまう。
そんなこんなで数日じっとしていたある夜、瞬く閃光と共に大きな音が谷川の方から聞こえた。どうやら決着が付いたのか。逆髪の由羅は敗れたようだ。空を見るとピンと張られていた髪は緩み地に落ちていた。
よし、どうやら本当に由羅は倒されたようだな。
塒にしていた木陰の茂みから出ると、俺は谷川を目指して歩みを進みだした。
谷川に着くと、そこには無数の髑髏と髪の毛が散乱していた。
…うへ〜気持ち悪い。でも、何かしら金目になりそうな物もあるだろう。殺された落武者達の持ち物とかあるだろうし。
という訳で、色々と物色することにした。
結果からして、めぼしいものは殆どなかった。
見つかったものと言えば、由羅が使っていたと思われる小太刀と変態的な痴女くのいち服だけだった。
まあ、武器が見つかったのは有難い。小太刀と言っても、俺の体格じゃ丁度よいサイズの太刀だ。切れ味も鋭いし、暫く手入れしなくても良さそうだ。
他には朱色の髑髏の中にあった割れた櫛。由羅の本体であった櫛だ。
…何か復活してもやだったし、入念に石で砕いて捨てた。祟りもなかろう。多分。
とりあえず戦利品を手に入れて、今日のところは帰ることにした。
また数日経った。今日はやけに空が暗い。
地鳴りの様な足音を聞いて何事かと遠方を眺めたら巨大な黒鬼がのしのしと歩いていた。
目を凝らして肩の方を見ると、やけにキラキラした白い美丈夫が経っていた。
うわ〜、あれが"殺生丸"か。てことは、これから鉄砕牙入手イベントか。
大変だなぁ。近寄らないで置こう。
その日は黒鬼の足音を子守唄に寝…いや、五月蝿くて寝れなかったわ