Kagi Archive!!   作:シーフード梶木

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ハーメルンにおける処女作なので、大目に見て頂けるとタスカルマス。




プロローグ
プロローグ


 

 

 

 

 

頭のイカれた(良い意味でも悪い意味でも)連中の集まり、科技連邦学園。キヴォトスに存在する数多の学校の中でもトップクラスの技術力と…頭の悪さが何故か上手いこと悪魔合体したような魔境。本来原作には存在しないはずの学園が、このキヴォトスには在った。

 

この物語は、頭のイカれた学園の頭のイカれた連中の介入による頭のイカれるほど捻じ曲がった終着点をお送りする。

 

 

 

 

 

===

 

 

 

 

 

「だァーっ!何だおメェら、やる気あんのか!?」

 

「んなこと言われてもねぇ、私ら始めたばっかだし。あ、また壁にぶつかっちった。」

 

「Right into your mind…Deja Vu!!」

 

「だから、お前はフルチューンがちゃんと出来てからマニュアルにしろって言ってんだろーが!」

 

「えー、でもロマンじゃないかね?自分でギア動かすのは。」

 

「フルチューンしてからって言ったろ!コレ何回目だ!?」

 

 

ゲームセンターの一角、レースゲームの類が置かれているコーナーにて。3人の生徒が騒がしく会話していた。躯体に座っているのが2人、その2人を後方から説教しているのが1人。

 

躯体に座っている1人は長い黒い髪に白いメッシュ、左目が黒、右目が赤で猫耳を生やしている、花の形をした赤いヘイローの少女。呑気な雰囲気を醸し出しており、猫耳も多少垂れている。

 

もう1人は黒いロングヘアにオレンジ色の瞳で、メガネを掛けており、日輪のような形の橙色のヘイローの少女。目の下に隈があり、その黒髪も多少ボサボサで、少々不摂生な印象が見て取れる。

 

2人を後ろから説教する1人は、白い髪を後ろで1つまとめにしたポニーテールで、背中からは白い翼を2対4枚生やし、丸メガネを掛けた少女。瞳は右が黒、左が白のオッドアイ。輪が縦に、不規則に何重にも重なっていて、所々に薔薇が咲いているような、奇妙な白いヘイローを持っている。

 

 

「む…お金はまだ残っているが、そろそろ私は帰るとするかな。」

 

「お、カジキ、帰るのか?」

 

「他の趣味にも使いたいのはモチロン、生活必需品の買い足しにも使うのでね、それじゃ。」

 

「おう、またな!」

 

 

ボサ髪の少女が荷物を持って帰る準備を始めた。猫耳をピンと立てて、少女はそちらを向く。

 

 

 

「あら、カジさん帰る?だったらワシも帰ろうかな。」

 

「アズサも帰るのか、だったら俺も。」

 

「なんだ、結局全員で帰るんじゃないか。」

 

 

そう言い全員帰る準備をして、店から出た。

 

 

彼女たちは科技連邦の部活「走り屋86」に所属する生徒達である。

断じて68ではない。

 

黒崎(くろさき)アズサ。猫耳の少女。科技連邦学園の3年生で、おっとりとした雰囲気を持ちながらふざける時はふざける大胆さを持っている。成績は優秀かつ運動もこなすことが出来る優等生なのだが、前述の通りの性格でシマと知り合い、誘われてこの走り屋86に入部した。

 

海幸(うみさち)カジキ。ボサ髪の少女。同じく科技連邦学園3年生。破天荒な性格で周りを困らせるような変人(自称)だが責任感は強く、生徒会に所属し清掃部長を兼任している。シマに誘われた後、「生徒会でも兼部は可能か?」と会長に問い合せたところ了承をもらい、2年から走り屋86に入部した。

 

純米(じゅんまい)シマ。白髪の少女。同じくry。カジキに「俺以上の変人」*1と言わしめるほどの破天荒。1年から「走り屋86」を創部し、メンバーを集めてレースゲームを楽しむ言わばゲームサークルのような活動をしている。これでも一応部活なので生徒会から活動費は降りている。

 

 

「さぁて2人に質問だぁ……」

 

「どしたんシマさん」

 

「どうしたんだ?シマ。」

 

「俺の目が確かならな?

 

なーんか目の前でドンパチ撃ち合ってる様子が見えるんだが。」

 

 

3人がゲームセンターを出ると、目の前で銃撃戦が繰り広げられていた。ここはD.U.地区で、普段からあまり騒ぎも起きない場所だ。フツーに帰ろうとしていた矢先、こんなものに出くわすとは不幸なものだ。

 

 

「どうする?流れ弾に注意しながら横素通りして帰るか?」

 

「いや〜、流石に無理じゃない?」

 

「車は出せるが、こんなに瓦礫があったら通りずらいしな…」

 

 

一旦ゲームセンターの自動ドアの裏に身を隠し、外の様子を伺ってみる。どうやら4名の生徒VS大勢の囚人の多勢に無勢対決が勃発しているようだ。

 

 

「なんだったか、連邦生徒会長が失踪したとか言っていなかったかな?」

 

「んあ、そういえばドミさんが言ってた気が。」

 

「ふーん。で、どーする?」

 

「少ない方に加勢すっか。」

 

「やっちゃうか〜。」

 

「やるとするか。」

 

 

3名はカバンから武器を取り出し、残弾数等を確認して準備を開始する。

 

 

 

 

 

===

 

 

 

 

 

"このままじゃ…ちょっと不味いかも。"

 

 

物陰に隠れて指揮を執っていた"彼"は思った。このままでは4人とも、物量に押し敗けてしまうかもしれないと。直感ではあるが、4人ともに軽い疲労が伺える。*2互いに違う学校の生徒だからか、ただ相性が悪いだけか。ともかく、これ以上は生徒を危険に晒しかねない。

 

 

"ここは一度撤退を..."

 

 

そう呟いた瞬間…

 

 

「行くぞオラァァアアア!!」

 

「突撃〜。」

 

「Don't you see Their、condition?」

 

 

すぐそこのゲームセンターから三名の生徒が飛び出した。猫耳の少女と白髪の少女が二丁のSGを持ち出し、ボサボサ黒ロングヘアの少女がキヴォトスでは珍しい弓を携えている。

 

 

「なっ、アンタ達は!?」

 

「科技連邦3年の海幸カジキだ!」

 

「同じく科技連邦3年の黒崎アズサです〜。」

 

「科技連邦学園3年 純米シマだシャオラァ!!」

 

二丁SGの二人が前線に出張り、後方から一人が弓で援護する。

 

 

「うぉっ!なんだコイツら!?」

 

「科技連邦のエンジニアだと!?」

 

「ゼロ距離シュ~ト。」

 

「ぐあぁ!?」

 

「な、なんて撃ち方してやがる!」

 

 

猫耳──アズサはその雰囲気に反してえげつない戦法を取る。敵に対して瞬時に距離を詰め、腹にゼロ距離で二丁SGを乱射することで確実に相手を仕留める。

 

 

「フッハッハッハッハァ!!」

 

「あ、当たんねeぐぁ!?」

 

「どうなってやがる!?」

 

 

白髪――シマは相手の銃弾を見てから回避し、カウンターでSGを撃ち込んでいる。相手からしてみれば「こちらが撃ったはずなのに撃った側が倒れている」とかいう軽い恐怖映像である。

 

 

「取った!へぶっ!?」

 

「矢!?このキヴォトスで弓使ってるやつがいるだと!?」

 

「存外、使えるものだよ?フッ!」

 

 

ボサ髪――カジキは後方から弓で援護。背中の矢筒から数本矢を取り、1本ずつ高速で番え、二人の刺客から攻め込もうとしている不良の横顔を正確に射抜いている。一応、鏃は尖ったものではなく、先を潰した流線状のものを使用している。

 

 

「あら?…これは、厄介な邪魔者が割り込んで来ましたね。」

 

 

不良達の先導…ワカモも、その異常さに目を見張った。

 

 

"っ、ユウカは前の二人に加勢して!"

 

「OK!」

 

"スズミは中距離で零れた子の撃破"

 

「行きます!」

 

"ハスミはカジキと一緒に援護!"

 

「了解。」

 

"チナツは後方支援をお願い!"

 

「分かりました!」

 

 

予想外の救援に勝機を見出した先生の指揮が入り、戦況は急変。向かってくる連中をなぎ倒しながら進む科技の二人によって進行のスピードが格段に上がっていく。

 

 

「なんdグボァ!?」

 

「喋る暇ないよ〜。」

 

「く、狂ってやがる!?」

 

「狂ってんのはオメェらだろぅがよォ!!」

 

「ガッ!?」

 

「クソッ、隙が無iゴバァッ!?」

 

「いい当たりだ、クリーンヒット。」

 

 

 

 

 

「ふむ…私はここまで。後は任せます。」

 

 

ワカモも撤退したことで戦力が多少減り、瞬く間に敵隊の数は減って行き、目的のビルが見えてくる。

 

 

"後はあそこのビルまで突っ切って!"

 

「「「了解!!」」」

 

 

その時…

 

 

ドガァァン!!!

 

 

進もうとした一同の目の前が爆ぜる。幸い全員爆発の被害範囲外に居たが、今の砲撃(・・)に気づいた事で、助かったことを安堵する時間は無いとこを悟る。

 

 

「おいおい…アレはねェだろ流石に…」

 

「な、巡航戦車です!気をつけて!」

 

 

道を阻むように、4台の戦車とそれを取り囲む陣形をとった囚人達が佇んでいた。

 

 

「ここは通さねぇからな!」

 

「野郎ども!かかれ!」

 

 

囚人達を片付けなければ戦車に攻撃を届けにくく、更に囚人達の掃討に集中すれば戦車からの砲弾を気にする暇が無くなってしまう。人数差なども考えれば、まぁ、よく考えられた陣形だ。

 

 

「そこのミレニアムオオフトモモ!相手の気を引け!こっちはこっちで動き回りながら数減らすから!」

 

「っ、分かったけどその呼び方やめなさい!やっぱりアンタこの前コユキと一緒にカジノに行ってた科技連の生徒よね!?」

 

「なんの事だ!?身に覚えがないな!!」

 

「ん〜、ゼロ距離シュートしにくくなったな〜。こういう時は〜…」

 

 

茶番を横目に前線を維持しつつ、このままではマズいと察したアズサは大きく後ろに戻り、カジキの側まで下がる。

 

 

「カジさん、出番だよ〜。」

 

「む…了解した、任せてくれ。」

 

"え?何か手立てがあるの…?"

 

 

障害物を壁にしゃがみつつ先生の声に僅か振り返り、少し口角を上げるカジキ。弓を背中に掛け、ブレザーの内ポケットから単発式の装填銃と四つの弾を取り出し、一つ装填する。通常拳銃で使うようなピストル弾ではなく、先の鋭いライフル弾に見えるが口径が明らか大きい。重機関銃や対物ライフルに使用されるような大型弾である。

 

 

アズサが再び前に出るのと同じタイミングで戦況を確認すると、静かに立ち上がって障害物から身を乗り出し、片手で拳銃を戦車に向け真っ直ぐ構え…

 

 

「Vanitas Vanitatum,Et Omnia Vanitas.」

「……フッ───!」

 

 

左人差し指が引き金を引き、拳銃から捉えた照準通りに弾丸が放たれる。目の前で戦闘を繰り広げている大群の中を、針に糸を通すように正確に撃ち抜き…弾丸は甲高い音色を奏で、戦車の装甲を貫通した。

 

 

「まぁ、こんなものだろう。」

 

ドガァアン!!!

 

「…まだ終わりでは無いがね。」

 

 

戦車の破壊を確認して障害物に隠れると、すぐに弾倉を開き、拳銃を適当に振り薬莢を放って素早く二発目を装填。今度は別の戦車に向けて弾丸を放つ。

 

 

ドガァアン!!!

 

「二つ……次。」

 

(ありえない…あの口径の弾丸を放つのにあの拳銃では反動が強すぎて姿勢を制御しきれないはず…まさか、片腕で反動を完全に抑えている…!?)

 

 

絶句するチナツを横目に再度弾丸を装填し、銃口をまた戦車に向けるが…瞬間、カジキが首を傾げると弾丸が頬を掠る。すぐさま障害物に隠れ、あちら側を確認すると、どうやらスナイパーがこちらに気付いたようだ。

 

 

(恐らく顔を出せばすぐに撃たれる…不良達の腕は多分それほどでもないだろうから…)

 

 

 

「う~ん、砲弾意識しながら数をこなすとか、結構難しいね~。」

 

「のんびりした調子で言われてもなぁ…」

 

「貴方たち集中しなさいよ!?」

 

「「はーい、ゆーかせんせー。」」

 

「先生じゃない!!」

 

 

一方、前線は科技連邦の二人とユウカが維持しつつ押し返しており、戦車もカジキが二台破壊したおかげでほとんど砲撃を気にせずとも戦闘を継続できている。

 

 

「…アレ呼ぶか。」

 

「ちょっ、貴方何やって…!?」

 

 

シマはショットガンを片方腰に掛け、携帯を取り出す。正面から迫る数々の弾幕を回避しつつ携帯を操作すると、その場にホログラムが投影される。特徴的な白い機体、横に印字された走り屋86の文字、四輪のタイヤ…ホログラムは次第に実体化していく。

 

 

「ナニ…コレ…?」

 

「ウチの部が所有してる自動車だ。スプリンタートレノKG86、キヴォトスでも有数の立派なオーパーツ(・・・・・)だよ!」

 

 

弾幕を避けるように運転席に滑り込むと、鍵を挿しエンジンをかける。何をするか…勘のいい君はもう気付いただろうか。

 

 

「片っ端から…轢き飛ばす(・・・・・)!!」

 

 

 

轢き逃げである。

 

 

 

気付いた時にはもう遅く、前線を張っていた生徒は86に轢かれて打ち上げられていく。キヴォトス人ならば車に轢かれた程度、「ちょっと打撲した」で済むだろう。もっともユウカが驚愕しているのはその奇天烈な行動だけでなく、ホログラムを実体化するその技術力にも、なのだが。

 

 

「なんで車がぁああ!!?」

 

「ぎゃあぁぁぁああああ!!?」

 

「…なんてむごい光景なんだ、すさまじい。」

 

 

のんびりした雰囲気のまま、撥ね飛ばされた生徒の着地をゼロ距離掃射で淡々と狩るアズサ。ほんわかした空気とやってる事のギャップで風邪をひいてもおかしくはない。

 

 

「流石に海星(人手)が足りない…ユウカさんユウカさん、フリーズしてないで手伝って。」

 

「ハッ!?ごめん、任せて!」

 

 

相手前線は完全に崩壊。敵スナイパーの集中も切れてしまい、シマの方に狙いを変えてしまう。その隙を突き、カジキが障害物を飛び越え前に躍り出た。

 

 

"っカジキ!今だ!!"

 

「言われなくてもっ!!」

 

 

その瞬間、最後の抵抗か、砲撃がカジキの足元目掛けて放たれ爆発する。確実に爆発に巻き込まれたであろう様子を見て「やったか!?」と声を漏らしてしまった戦車の操縦者は、それがフラグであることを思い知る。

 

「何ィッ!?」

 

巻き上がる爆煙に穴が開くような速度で跳躍し、空中で即座に照準を合わせたカジキはコンテンダーの引き金を引く。瞳に宿った灼熱と同じ色の神秘を纏った弾丸が、銃口から放たれる。装甲を貫き、戦車は機能を停止する。

 

 

ドガァアン!!!

 

「三つ。これで…」

 

 

着地と同時に薬莢を排出し、今4台目の戦車から放たれた砲弾をくるりと回りながら回避しつつ弾丸を装填。ピタリと止まった瞬間には既に、カジキはコンテンダーを構えて照準を定めていた。

 

 

「最後だ。」

 

 

 

 

 

===

 

 

 

 

 

之を以て、戦車の制圧が完了し、残党は勝ち目がないことを悟るとすぐに逃亡した。色々あったが、先生は無事シャーレのオフィスに入ることができた。そうしてビルの外で待っている間、何か思い出したのか、シマが「あっ」と声を漏らす。

 

 

「そういや、なんでお前らってあの人の護送してたんだ?」

 

「え、貴方達まさか、何も知らないまま私たちに加勢したんですか!?」

 

「いやまぁ、確実に被害を被ってるのがどちらかを見た時に、コチラが正しいと思ったから参戦しただけなんだが。」

 

「私らは基本訳の分からない行動しかとれないからねぇ〜…」

 

 

驚愕しているハスミの横で、呆れた顔のユウカが口を開く。

 

 

「あの人は“先生”。キヴォトスの外から連邦生徒会長が招いて来たっていう大人よ。」

 

「ほう、キヴォトスの外から…にしても、素晴らしい指揮だったな。」

 

「なるほど〜。指揮ばかりして戦闘に出なかったのは、キヴォトスの人間と違ってヘイローも無いし、銃弾一発で致命傷になりかねないからかぁ〜。」

 

「ふ〜ん…で、肝心の連邦生徒会長は?なんで先生だけなんだ?」

 

「「「「………」」」」

 

 

四人が黙り込む。のほほんとしているアズサは察した。

 

 

「これは〜アレだ、例の、失踪したとかいう噂はホントやったんやね。」

 

「!!」

 

「あぁ、ドミさんが言っていた、あの。」

 

 

当たってた?みたいな顔でユウカの方を見るアズサ。こう見えてこの3人で1番賢いのは、このアズサだったりする。

 

 

「…そうよ、どうやら何週間も前から失踪していたらしいわ。」

 

「ふむふむ、そんな前から…」

 

 

関心深くウンウンと頷くカジキ。そんな話をしていると、ユウカのスマホから通知音が鳴る。取り出して確認すると、連邦生徒会の権限が復帰したとのことだった。しばらくして、シャーレのビルから、先生が出てきた。

 

 

“あまり実感が湧かないけど…制御権は、やっぱり、ちゃんと連邦生徒会に渡されているよね?”

 

「ええ。サンクトゥムタワーの制御権を連邦生徒会が取り戻したことを確認したわ。」

 

「ワカモは自治区に逃げてしまったのですけど……すぐ捕まるでしょう。私たちはここまで。あとは担当者に任せます。」

 

「お疲れ様でした、先生。先生の活躍はキヴォトス全域に広がるでしょう。すぐにSNSで話題になってしまうかもしれませんね?」

 

 

冗談のようにユウカがそう言うが、あながち冗談にならない。連邦生徒会長が連れてきた外から来た大人、という文面で、十分に注目を浴びる事となるだろう。

 

 

“そ、そうかなぁ…ともかく、みんなお疲れ様。”

 

「これでお別れですが、近いうちにぜひ、トリニティ総合学園に立ち寄ってください、先生。」

 

(ぺこり)

 

 

スズミがお辞儀をする。機会があればトリニティの方に顔を出そうと思った。その時は、ハスミとスズミに案内をしてもらおう、とも。

 

 

「私も、風紀委員長に今日のことを報告しに戻ります。ゲヘナ学園にいらっしゃった時は、ぜひ訪ねてください。」

 

「ミレニアムサイエンススクールに来てくだされば、またお会いできるかも?…先生、ではまた!」

 

“うん、また!”

 

 

先生は4人を見送ると、車に乗り込んだ3人の方に向き直る。

 

 

「うし、よく分からんけど平和に貢献したってことで、まぁお疲れ様!先生。」

 

「何かの縁でまた出会うこともあるだろう。科技連邦学園に来た時は、ぜひ我ら“走り屋86”を訪問するといい、Our Teacher。」

 

「お待ちしているで〜。ほなさいなら〜。」

 

“その時はよろしく。じゃあね。”

 

 

3人を乗せた車は、戦闘も終わったばかりで障害物の多い道路を巧みに回避しながら去っていった。

 

 

“それじゃ、戻ろうか。”

 

 

そう言って、先生はシャーレのオフィスへと戻って行った。

 

 

 

 

 

===

 

 

 

 

 

星々が光る宇宙のような空間に、21枚のカードが不規則に並びながら、宙に浮いた貴方達を中心に上下左右前後と不規則に周回している。

 

深い緑色の髪を1つに纏めた、少し背の高い少女が1枚のカードを指先で遊ばせながら、語り始める。

 

 

 

あぁ、結局これはただの与太話に近いとも。

 

不要とされた歴史を無理やりツギハギにしたら、しかし成り立ってしまった世界線と言える。

 

先生。どうか飽きることなく、冷めることの無いように。

 

貴方がこれから歩む先に、生徒たちにどんな苦難と困難が待ち受けようと、諦めてはいけない。

 

希望…そう、貴方は導きの星(The Ster)でなくてはならないのだから。

 

 

…うん?あ、えーっと、ごめん。それっぽい事言おうとするとね、なんか支離滅裂な言葉になっちゃうんだ。含みを入れようとすると余計に。いやー、参ったね。

 

まぁともかく、貴方の往く道に幸運のあらんことを。

 

 

 

それだけ聞くと、意識は朧気になって霧散するように溶けていった。

 

 

 

 

 

*1
※個人の感想です

*2
"彼"からしてみればそう見えるだけで、実際は素人が見ても分からない程の差異






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