U.C.0111 機動戦士ガンダムχ   作:サクナ

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第十四章「破壊とリンゴ」

サイコ・ガンダムmk-+は野戦基地までゆっくりと前進していた。下には三分の一にも満たない大きさのザクIIが2機歩いている。

 

ウリエル・クレイドルは「あっるっこー!あっるーこー!わたっしはげんきー!」と歌いながらサイコ・ガンダムを操作している。

 

左を歩く緑のザクIIのパイロットが右を歩くザクIIに話しかける。

 

「こんな、でかいモビルスーツなんて建造して、なにがしたいんだろうなぁ。なぁ、マッキンリー。」

 

マッキンリーと呼ばれた男は、答える。

 

「ジャスパー、その気持ちはわかる。でも、『元の素体』がでかいから...」

 

ジャスパーと呼ばれた男は、答える。

 

「そうか...」

 

「あったよ!連邦の基地!」とウリエルが通信で答える。

 

「「本当ですか!」」二人は口を揃えて返す。

 

そこには、テントと有刺鉄線が張り巡らされた野戦特科の基地のようだった。陸戦型ガンダムが10機ほど置かれている。

 

「あれですか...連邦は警備が薄いですね。」

 

「そうだねー。でも、殺しやすいでしょ?」

 

そう言って右腕を基地の方に向け、マニュピレータの先のメガ粒子砲に光が灯る。

 

「まさか..撃つ気じゃ..?」

 

マッキンリーは青ざめて言った。

 

「うん、撃つよ!」

 

そんな青ざめた顔とは裏腹に、

 

「ちょ、待ってください..!宣戦布告ですか?!」

 

「総帥から言われたじゃない!ルシ姉を呼び寄せろって!」

 

「それもありますけど...」

 

「発射ー!」

 

そう言ってウリエルはメガ粒子砲を放つ。

 

その瞬間、金色のビームが基地を焼き尽くした。

 

テントは消し飛び、有刺鉄線はどろどろに溶ける。

 

陸戦型ガンダム数機も爆発している。しかし、爆発の仕方が不自然だ。

 

「人はいないみたいだねぇ。でも、あのモビルスーツ、なんか爆発の仕方が変だよね?」

 

「確かに、言われてみればそうですね。」

 

「あ、わかった!あれ、風船なんだよ!」

 

ウリエルは面白そうに答える。

 

「ダミーを使ったんだ!ということは....」

 

ドンという爆発音がジャングルの中から聞こえてくる。

 

「何だあの音...ぐああああ!」

 

「おい!ジャスパー!くそったれ!」

 

そう言ってザクのスカートに付いているザク・マシンガンを乱れ撃つ。

 

弾切れになったあと、マッキンリーがジャスパーに通信をつなぐ。

 

「大丈夫か!ジャスパー!」

 

「俺は大丈夫だがザクに被弾した...右腕がやられた!」

 

「今すぐ森へ!中尉!どうしますか!」

 

「今、どこから砲撃が来たかわかった。」

 

「どこですか!」

 

「三時の方向。あの背の高い木に囲まれたとこ。」

 

すると、その方向から弾が飛んでくる。実弾のようだ。

 

「シールド!」

 

そうウリエルが言うと、左腕からパカパカとシールドが現れ実弾を防ぐ。

 

「行って!腕!」

 

そう言うと、有線式のメガ粒子砲が腕から外れ、ワイヤーが出てくる。

 

そして、マニュピレータの先のメガ粒子砲が再度火を吹く。

 

撃っていた陸戦型ガンダムらは逃げる隙もなく輝き撃ちの状態のまま爆発する。

 

火の海となったジャングルは、ウリエルの目に焼き付く。

 

「これが...山火事っていうのね...」

 

ヘルメットを外し、膝においていたロシア帽をかぶる。

 

「マッキンリー、あなたは大丈夫?」

 

「ええ、大丈夫です。」

 

「それと、しばらく野営。数機と無線室のようなところは残しておいたから、きっと呼び寄せれる!」

 

「ええ、虫は嫌だなぁ...」とマッキンリー。

 

ジャスパーも不服そうな声を出していた。

 

「サイコ・ガンダム!モビルフォートレス形態に!」

 

そうウリエルが言うと、体が折りたたまれ、メガ粒子砲のシャッターが閉まる。サイコ・ガンダムMk-IIのような悪人顔が左右に分割し気持ち悪い顔があらわになる。頭も折りたたまれ、40mの巨大な箱を作り出した。

 

マッキンリーのザクIIが近づき、コックピットにマニュピレータを伸ばす。

 

ウリエルがマニュピレータの上に乗り、地上に降ろす。

 

ジャスパーは既に地上に降り、火を起こしていた。

 

マッキンリーもザクをしゃがませ、地上に降りる。

 

すると、

 

「マッキンリー!リンゴがあったぞー!リンゴ!」とジャスパーの声がする。

 

「え、本当?!」マッキンリーはジャスパーの方向へ走っていく。

 

「えー?りんご?私も食べたーい!」

 

ウリエルはジャスパーの方向へ走っていく。何人も葬り去ったとは思えない笑顔で。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、ドルトンの出港準備ができたところだった。連隊が壊滅したという報告を受け、緊急会議が連邦、ブルーローズ隊で行われた。

 

「MS連隊が壊滅?! 」

 

「一体どういうことだ!」

 

連邦軍高官はとても厳しい顔をして、

 

「え、エクソダスの民の攻撃です...」

 

「なぜそう断定できる?ティターンズかもしれないだろう?」

 

「いえ...薔薇が刺さったジオンのマークでした...エクソダスの民です。」

 

「どんな機体だ...?」

 

「はっきりとした詳細は...ただ救難信号と機体の大きさのみ..」

 

「大きさを教えろ!」

 

「はい...推定50mほどだと...」

 

会議室にざわざわと不安と驚愕の波が会議室に反響する。

 

「場所はどこだ!」

 

「それが...ジャブロー付近なんです...」

 

「ジャブローに侵入されたら元も子もない...。グリプス戦役で壊滅して以来何も触っていないからもし機密情報があったら...」

 

「それに....。もしジャブローを基地にされたら、こちらが不利になります。マスドライバーや宇宙船ドックもあります..」

 

「そうか..。よし、ブルーローズ隊総員!我らはこれから地球に向かう!場所は南米大陸アマゾン川流域!」

 

そう会議に参加していた隊員に伝える。一同が敬礼する。

 

「ドルトン出港!ここからだと地球までは近い...」

 

艦長はそう言って隊員に指示を出していた。

 

 

「ねえ、私地球に行ったことないわ..どんなとこなのかしら....」とルシファーがアスカに聞く。

 

「俺にもわからん..。ただ、いい所だとは聞いているよ。」

 

そこへハロが、

 

「チキュウ!キレイナバショ!ウミ!ウミ!」

 

「海ね...」

 

ルシファーは何かを考えた。しかし、すぐに忘れた。

 

ルシファーもアスカも知らない。エクソダスの民のモビルスーツに乗っている人物が、ルシファーに「私達、どうなるのかな」と聞いてきたもう一人の「自分」とは知らずに...

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