U.C.0111 機動戦士ガンダムχ   作:サクナ

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第十五章「大気圏突入、そして」

大気圏外、高度220キロ、ラー・カイラム級機動戦艦「ドルトン」は進行方向を徐々に地球へと傾けていた。メインデッキでは大気圏突入をするための準備を行っている。

 

「I・フィールド、展開。ドルトン、大気圏突入開始まで、あと10。」

 

I・フィールドが展開し、カウントダウンが開始される。

 

「5。」

 

隊員や地球連邦軍の兵士が艦内の電灯が赤くなるのを見て、椅子のベルトを締める。

 

老兵やベテランは落ち着いているが、新米兵士は小刻みに震えていたり、冷や汗をかいていた。

 

アスカも例外ではなく、手に汗をかいていた。

 

「あ、あら?アスカさんはどうやら恐れているようね?」

 

ルシファーは隣で嘲笑うように話しかける。

 

「そ...そういうお前も...」

 

ルシファーは足がガックガクに震えていた。怖いくらいに。

 

「こ...これは...武者震い..というやつかしら?」

 

「ぜっ..絶対違うね...」

 

そう言い合いをしていると、低く唸るような振動が伝わる。

 

そう、カウントが0になり、大気圏突入を開始したのだ。

 

船体表面温度は徐々に上がり、一気に1000℃を超える。

 

摩擦によってI・フィールドの周りが赤くなってくる。船体も同じだ。

 

「船体表面温度3000℃まで上昇!このままだと危険です!」

 

「ええい!I・フィールドを重複できないのか!」

 

「無理です!電子制御を全てを姿勢制御スラスターに使っています!それに、現在ジェネレーターを使用すると爆発の危険性があります!」

 

「どうしようも..ないか..よし、このまま行け!」

 

「I・フィールドに負荷が...!」

 

「大気圏を抜けるまで何分かかる!」

 

「あと2分くらいです!」

 

「耐えきれるか?」

 

「まだ..何とも...ただ、I・フィールド限界まであと2分持つか持たないかです!」

 

「一か八か...」

 

終始カタカタと震え続ける船体。

 

すると突然、サイレンが鳴る。

 

「な、なんだ!」

 

「姿勢制御が困難です!姿勢制御装置が熱により壊れました!」

 

メインデッキの窓は白く曇っている。何も見えやしない。

 

「手動制御に切り替えできるか?」

 

「手動制御に切り替えます!」

 

電子制御がダウンし、手動制御用の装置が出てくる。

 

それを徐々に操作していき、水平に合わせていく。

 

「突入終了まであと1分です!」

 

「I・フィールドは?」

 

「高負荷ですが、ぎりぎり耐え抜きます!」

 

「よし!水平を保っておけ!」

 

 

 

 

 

その頃、居住区画のアスカやルシファーら隊員や地球連邦軍兵士、技術士官は流石に焦っていた。

 

「おい、なんか揺れ強くないか...?」と訝しがる兵士

 

「たしかになぁ...うおっ!」と急に少し強い揺れが来て驚く隊員

 

アスカは黙っていて冷静そうに見えるが冷や汗をかいている。ルシファーは足をガクガク震わせながら「武者震い...これは武者震い..」とずっと呟いている。

 

「地球のお酒飲みたぁい...」と揺れも気にせず酒を求めるアル中技術大尉

 

すると、段々と揺れが収まっていく。

 

「お、収まったか...」

 

『無..気圏..入に..成こ..まし..』

 

途切れ途切れの艦内放送が静かな通路や居住区画に反響する。

 

アスカは安堵し、ルシファーは気絶していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウリエルはサイコ・ガンダムのコックピットハッチを開けっ放しにしてくつろいでいた。近くの幹から直接生えている果物を頬張っていた。調べて、問題ないため食べているようだ。

 

「中尉。移動しないんですか?」

 

「総帥から命令来てないし、まだ移動できないなぁ。」

 

「そうですか...ん?なぁ、マッキンリー、変な音しないか?」

 

マッキンリーと呼ばれた男は、耳を澄ませるような動作をする。

 

「確かにな...ん?おいジャスパー!あれ見ろよ!」

 

そう言って指を指す。

 

ジャスパーと呼ばれた男は、指を差した方向を見て、驚いたような表情をする。

 

「あ、あれ...!」

 

指差す先には、ブルーローズの母艦であるラー・カイラム級機動戦艦「ドルトン」が雲から顔をのぞかせている。

 

それを見てウリエルは嬉しそうに笑う。

 

「とうとうブルーローズのお出ましか...成功したわ!」

 

デジタル双眼鏡でドルトンを確認するジャスパー。

 

「ジャブローに近いところに行きましたね。俺等の作戦が勘付かれましたか?」

 

「基地破壊してるしそりゃそうだにょ。」

 

「そ、そうですよね。」

 

すると、ウリエルは頭を上げ、空を見上げる。

 

「多分そろそろだなぁ」

 

「何がですか?」とマッキンリーが聞く。

 

「我らの友軍だよ。地球で基地を破壊したら、水陸両用のモビルスーツを送ると総帥に言われてね」

 

「そうですか。」

 

すると、空から大気圏突入用のカプセルや、コムサイ数十機が空から降ってくる。

 

「ほう、あれが...」

 

「そうそう。よし、私達も、移動するかぁ」

 

そう言ってコックピットに乗り込もうとする。

 

「えっ、中尉。命令がなくていいんですか?」

 

「別に。どうせジャブロー攻防戦だろうなぁ」

 

「はぁ...。」

 

「じゃ、ジャスパー!マッキンリー!行くよぉ!」

 

「了解しました!」

 

そう言ってしゃがんだままのザクIIに乗り込む。

 

サイコ・ガンダムmk-+はモビルフォートレス形態のまま、静かに動き出した。

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