U.C.0111 機動戦士ガンダムχ 作:サクナ
ルシファーは激しく動揺していた。突然現れた巨大なモビルスーツ。それに、自分の妹だと名乗るパイロットに。ウリエル・クレイドルと、自分とよく似た名前ということに。
「私の...妹?」
『そうだよー。覚えてないかもしれないけど。』
「なんで....」
すると、ウリエルは嘲笑うように答える。
『なんでかって?あのあと、記憶操作されてるんだよ。『自分は沢山の過酷な実験を経て、素晴らしいエクソダスの民に入って、少尉まで成り上がりました。』ってね。』
「私は...記憶操作されていない!昔の実験の過酷さだって、エクソダスに来た日だって!」
『だぁかぁらぁ!今言ったよ!記憶操作だって!』
「私は認めない!」
そうキッパリと言うと、バーザムのような顔がガンダム顔に変わる。一本角が前側に倒れ、二本のブレードアンテナに分割する。そして、持っていたビーム・サーベルを紫の巨大なモビルスーツに向かって思いっきり振る。
「これでも食らえ!」
しかし、なぜか防がれてしまった。
「効かない?!なんで...」
『効かないよ。I・フィールドがあるからね。サイコ・ガンダム!行って!』
ウリエルがそう指示すると、サイコ・ガンダムの腕が外れ、ワイヤーが二号機を掴む。
そして、ルシファーをなだめるように
『ルシ姉は私と一緒に来て。エクソダスの民に戻ろう?』
「厭だ!モノ扱いされるくらいだったら自分を一人の人間として扱ってくれるブルーローズのほうがずっといい!」
「ルシ姉のニュータイプの素質を飛躍的に伸ばせるんだよ?それに、私はモノ扱いされていないし、幸せだよ!」
そう言って口論をしていると、横からビーム・サーベルで切りかかってくるものがいた。チョバム・アーマーを着用したχガンダム一号機だ。
「何?!I・フィールド!」
『ルシファーを解放しろ!』
それはアスカ・レインだった。
ビーム・サーベルはあっさり防がれてしまう。
『何が起こった...まさか!』
『部外者はどっかにいって!』
サイコ・ガンダムは二号機を左手で持ったまま、右手で一号機をビンタし跳ね飛ばす。チョバム・アーマーが砕ける音がする。χガンダムは数メートル吹き飛び、川岸より向こうの地面に落下した。
『がっ!』
「アスカ!...」
『あれ?そういえばあのパイロット、ルシファーのこと言ってたね』
「アスカを...よくも...」
『えー?何?聞こえないなぁ。』
「...ウリエル・クレイドル...。あなたを..許さないッ!」
『何を許さないんだよう。その気ならこっちも本気で行くよ!』
サイコ・ガンダムのマニュピレータは二号機を離す。
すると、腕が折りたたまれ、ビーム・ソードが出てくる。
『ルシ姉が可愛そうだからねぇ。ペナルティだよん』
「どこからでもかかってこい!私が相手をしてやる!アスカに手を出したこと、存分に後悔させてやる!」
ルシファーの虹彩が赤く光る。ビーム・サーベルの黄色い光の刃が、少し強くなったように見える。
『じゃあ、こっちから!』
すると、胸部のメガ粒子砲がルシファーの乗った二号機を襲った。地面が抉れ、木が蒸発し、水が蒸発する。
「ぐっ!」
『アハハハハ!私が真っ当な勝負をするとでも思った?そんなわけ無いじゃんルシ姉。』
「あなた...汚いわ!」
『さて、どんどん行っちゃうよー!ファンネル、行け!』
すると、スカートの部分から漏斗の形をした数十個ものファンネル・ビットが飛び出す。
「今度はファンネルか...」
ファンネルは様々な場所に高速移動しながらビームを撃ってくる。
万事休すと思っていたルシファーは、ファンネルが撃ち落とされるのを見た。
「誰なの?!」
『ルシファー少尉!大丈夫ですか?アスカ少尉から聞きました!』
「ありがとう...あなた本当に誰?!」
『崖を見てください!』
そこには、陸戦型ジェガンとザクIIスナイパーカスタムとザクIスナイパータイプがいた。胸には青いバラのマークが付いていた。味方のようだ。陸戦型ジェガンに至っては、親指を立ててサムズ・アップしている機体もいる。
「あなたたち....」
そのときウリエルは、無線越しでもわかるほど苛ついていた。ファンネルは攻撃しているのにそれを躱し、撃ち落とされるということに危機感と激しい侮辱を味わっていた。
『私を...コケにして...無視しないで!」
残ったファンネルで怒涛のビーム攻撃を行う。
ファンネルは敵のいた崖をマークしたが、陸戦型ジェガンやザクIIスナイパーカスタム、ザクIスナイパータイプはすでに退避していた。
『ちょこざい!私の餌食になってればいいものを!』
その崖と二号機の速さに翻弄されているウリエル。その時、ルシファーの乗った二号機が近づくのが見える。
「足がガラ空きよ!」
そして、ルシファーがビーム・サーベルでサイコ・ガンダムの足を切った。
崩れ落ちるように、サイコ・ガンダムが倒れる。
「はぁ...はぁ...はぁ...」
ルシファーは終わったと思い、二号機を立ち止まらせる。
しかし、立ち止まるだけではなかった。
二号機の背部装甲が折りたたまれ、黄色く発光したサイコフレームが露出する。バックパックからリング状のサイコ・シャード展開装置が出て、周りに黄色いサイコ・キューブが8つ浮かび上がる。
サイコ・ガンダムはそれに共鳴するように、腕だけで立ち上がる。胸部が開き、中からχガンダム二号機と同じ大きさのガンダムが射出される。
色はサイコ・ガンダムと同じ色、しかし違うのは、肩にサイコ・ガンダムmk-+の腕を背負っているということだ。まるでその姿は、ガンダムTR-1[ギガンティック・アーム装備]を思い浮かべる。
腕がなくなったサイコ・ガンダムmk-+を持ち上げ、地上に立つ。
ウリエルはいかにも面白そうな笑い声を出して、ルシファーに語りかける。
『アハハッ...私はこんなチンケな攻撃..効かないよ...。ねぇ、ルシ姉。死ぬ覚悟は、出来てる?』
「私は...あなたの姉でもないし...あなたのことなんか...知らない...はぁ...はぁ..でも..いつもいつもいつもいつも!ナメられて!したくもないことをやらされて!遂には戦争にまで巻き込まれた!でも私を人として認めない奴等には...死んで償ってほしい!」
サイコ・キューブが形を変え、薔薇の棘のような形に変化する。
一方ウリエルは、ファンネルではなく、無数の小型リフレクター・ビットを浮かばせる。
ルシファーと、その妹と名乗るウリエルは、互いに衝突するようなオーラのようなものが漂っていた。
機体解説(追記 2025 10/4)
χガンダム二号機『カーマイン・ヴェール』(ARX-χ02CV/BR)
全高18.2m
重量47.5t
装甲 ガンダリウムγ
χガンダム二号機は、アナハイムエレクトロニクスと連邦サイドについたジオン残党含めたブルーローズ隊が主導で開発したMS。
この機体は一号機とは違い、コアブロックシステムではなく第2世代モビルスーツの必須条件である球体コックピットになっている。
主な理由としては、一号機が戦闘データ収集用の試験機体であるのに対し、二号機は完全に実用化を想定された実戦用機体であるので、データ収集が必要ないため。
また、一号機と同一でフルサイコフレームを採用しているが、シンギュラリティ・ワン(ユニコーンガンダム一号機、二号機バンシィノルン)の最大稼働状態、デストロイモードのように全てが展開、伸縮されて露出されたサイコフレームではなく、背部や脚部の裏、腕部の裏のみ展開するようになっている。
なお、この場合はパイロットが強い意思を持ったときにしか発動しない。
そして特徴的なのが頭部である。
グリプス戦役時の量産機であるバーザムと瓜二つのような形状をしており、初めてこの機体を見た人は最初ガンダムとわからないほどである。
そしてこの頭部はパイロットの思念が強まったときのみ可変し、頭部の中心から開きモノアイが後頭部に移動し、外装がガンダムの形になるよう折りたたまれ、ガンダムフェイスが露出する。
そしてバーザムの特徴的な一本角が前へ倒れ、左右に分割したあとに折りたたまれブレードアンテナに可変することができる。ガンダムフェイスになるとバーニアの速度リミッターが解除され、暴力的な速さを手に入れることができる。
武装
60mm頭部バルカン
2門装備。
レールガン
二号機の専用武器。この武器のみサナリィ製で、マニピュレータに持てるように通常の大きさから対艦ライフルほどの大きさになっている。撃つときは砲身が展開する。
ビーム・ライフル
一号機の形状と何ら変わりない。また、威力も多少上がっている。
ビーム・サーベル
高威力でMSを真一文字に切り裂けるほど強力。光刃は黄色。背部に2本、腕部に2本装備。
シールド
一号機と形状も仕組みも変わってはいないが、グレネードランチャーをマウントできるようになっている
サイコ・キューブ
サイコ・キューブは、ネオ・ジオングやユニコーンガンダムが起こした光る結晶体のような擬似的なサイコフレームであるサイコシャードを一つにまとまる装置を利用してつくられたファンネル・ビットのような物である。
非常に使用は限定的で、主にパイロットの交換能力を最大限に高められたときや、パイロットが極限状態、または激しく強い思念によって形作られる。
物体はサイコシャードの塊であるため作り出す力場で重力まで歪め、制御してしまう力も発生するため、地球のような重力が働く空間でも無重力のように浮くことができる。
また、パイロットの思念で様々な形になることが可能で、例えばアイスピック、剣、棘などの攻撃的な形に変化させたり、縦方向に積み重なり平面状になることでシールドになったり、キューブが連結してビームライフルを創造することも可能ではある。
しかし、激しい憎しみ、恨み、恐怖を感じてしまうとその瞬間に暴走。外部からも遮断され、パイロットの思い通りに動かすこともできず、敵味方関係なく攻撃をしてしまうという欠点がある。
ビームライフルになることも可能である。
また、同じサイコ・キューブ発生装置が搭載された機体と共鳴することもある。
質問があったら言ってください。