U.C.0111 機動戦士ガンダムχ   作:サクナ

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第二十五章「ジェミニ攻防戦」

2つの小惑星がくっついた面白い形の宇宙要塞「ジェミニ」にラー・カイラム級機動戦艦「ドルトン」はドッキングベイに着艦していた。

 

シーリング処理が行われ、後は内部の損傷、点検、修理を行うだけのχガンダム一号機と二号機がジェミニに運び込まれる。

 

その損傷した姿を見た直属の整備員たちは、頭を悩ませていた。

 

「このモビルスーツはワンオフな部品が多いし、整備にも手間がかかるからこれだけは直したくなかったんだよなぁ」

 

一人の整備員がそう告げた。そして他の整備員も同意するように頷く。しかし、一人のベテランの風格を持った整備員がやれやれといった様子で口を開いた。そして、「AE」と書かれたシートがかかった巨大なトロンボーンのようなものをちらりと見て言った。

 

「でも仕方ない。修理するしか方法がないんだ。俺らのグループでこの機体を修理するから...ジミーの班はダブルなんとかファンネルの最終調整をしてくれ。ピョートルの班は量産機の調整と修理だ。わかったな?」

 

了解という大声が響き、班に別れてそれぞれの指定位置に向かっていった。

 

バーザムのような頭部がパックリ2つに別れガンダム顔が飛び出した二号機「カーマイン・ヴェール」とブレードアンテナが折れあちこちがボコボコに凹んだ一号機が静かにハンガーデッキに立っていた。

 

すると、突然警報が鳴り響いた。通路、艦艇、デッキ、ドッキングベイの照明が赤色に染まる。

 

デッキで修理や調整を行っていた人々はざわめき出し、無機質な自動音声で警報の内容を淡々と喋る声が響く。

 

『特別警報 コードレッド ジオン残党軍から宣戦布告の旨の信号を受け取りました。 直ちにモビルスーツパイロットは各自のモビルスーツに乗り込め。その他は避難経路に従え。ドッキングベイは戦闘することができる艦艇以外の艦艇は保護のためエアロックとシャッターを閉じろ。繰り返す。特別警報 コードレッド ジオン残党軍から宣戦布告の旨の信号を受け取りました。直ちにモビルスーツパイロットは各自のモビルスーツに乗り込め。その他は避難経路に従え。ドッキングベイは戦闘することができる艦艇以外の艦艇は保護のためエアロックとシャッターを閉じろ。』

 

それを聞いたパイロットはベースジャバーに乗った各々のジェガンや鹵獲されたゲルググ、Zプラスに乗り込みデッキから発進する。

 

ドッキングベイのロックが開き、サラミス級やアーガマ級の艦艇が次々と出てくる。その中に、ドルトンはいなかった。

 

ジェミニの少し離れた位置には、ムサイ級やチベ級を囲んでいる宙間戦用にカスタムされたザクキャノンやガザD、ギラドーガが浮かんでいる。

 

連邦軍のがベースジャバーに乗ったブルーローズ隊のマークがついたゲルググがエクソダスのガザDにビームライフルを構える。

 

「同じ薔薇を持つものとして、粛清しなきゃなぁ!」

 

ゲルググのパイロットが叫ぶ。相手も黙ってはおらず、ナックルバスターを撃ち込む。

 

「我らの使命は鍵であるルシファー・クレイドルを奪還するためだ!お前らがさっさと引き渡しをすれば攻撃はしなかった!」

 

ガザDのパイロットが叫ぶ。

 

他の量産機体もエクソダスの量産機と張り合い、爆発で光に包まれている場所もある。ムサイ級がサラミス級と砲撃し合っている。ジェミニの周りは混沌に包まれ、戦況は泥沼化していった。

 

「コンペイトウの援軍はまだか!」とブルーローズ隊のマークがついたドライセンに搭乗した兵士が叫ぶ。

 

「ここがどこのサイドかもわからない秘匿された宇宙要塞だ。援軍が来るかもわからない!」と片手でドムを触りながら通信するジェガンに乗った兵士が答える。

 

「このまま持ち堪えろってことか...」

 

「前方に敵!」

 

「了解!」

 

ドライセンに乗った兵士は、向かってくる敵にジャイアントバズIIを撃ち込んだ。

 

そしてそのカオスと化した宇宙空間の中で、猛威を振るうモビルスーツがいた。

 

一つは脚部がなく、ロケットブースターが取り付けられた黒色のザクIIが舞う。背中のバックパックにはかなり長いプロペラントタンクが三基取り付けられていて、片腕がザクIIIの腕が使われており左右非対称な形をしている。

 

「我が腕よ!()けッ!」

 

パイロットのルシファー・クレイドルが叫ぶ。無線化された腕が宇宙(そら)を縦横無尽に動き回る。

 

そして、逃げ惑うリゲルグのコックピットをマニュピレータの指の先のメガ粒子砲で撃ち抜く。そして、爆発した。

 

「これで六機目...アスカ。そっちはどう?」

 

通信がつながっている、アスカと呼ばれた男に話しかける。

 

『こっちは大丈夫だ。昔の訓練を思い出すよ。ジェガンと操縦桿が似ているんだ。』

 

「そう。それは良かったわね。でもそのモビルスーツの色は派手ね。」

 

ルシファーは他愛も無い話をしながら迫ってきたモビルスーツをノールックで撃ち抜く。

 

「こんなかぼちゃみたいな色はよしてほしかったよ。地味な色にしてくれといったんだけどなぁ」

 

「言い訳無用。それじゃ、こっちで頑張ってるわね。」

 

「はいよ。」

 

通信が切れ、ルシファーはペダルを踏み、速度を上げた。

 

 

 

 

 

ジェミニ中心部の巨大ドッグでは、残りの避難した整備員や作業員が急ピッチでχガンダム一号機と二号機の修復を行っている。隣にはコアファイターが取り外され、点検と給油を行っているようだった。

 

急ピッチで作業が進む中、作業服に着替えたエルマ・クレイドルが指示を出していた。

 

「早く手を動かして!ARX-χ01はデリケートだから限界っぽい部品は全部取り外して新品に交換して!」

 

「了解です!エルマ大尉!」

 

「バーニアは焦げを取っておきなさい!おい!二号機の頭部は壊れやすいからもっと慎重に扱え!」

 

「すみません!」

 

(これだから男は...話を聞きやしない。)

 

そして、エルマは怒号じみた指示を飛ばしていた。




新機体解説(2025 12/31追記)

ルシファー・クレイドル専用サイコミュ高速機動ザクII(改修機)
(MSN-01rr)

アスカ・レインとの戦闘で中破したルシファー・クレイドル専用サイコミュ高速機動ザクIIをコンペイトウ(ソロモン)技術本部へ送り、改修されたのがこの機体である。
脚部の代わりについている4基1組の大推力ロケット・エンジンは8基1組に改造され、いつでも普通の脚部へと交換できるように変わっている。また、そのロケットエンジンの稼働時間をさらに伸ばすためプロペラントタンクを3本に追加している。
しかし、腕部有線式5連装メガ粒子砲は片方が激しく損傷しているため、損傷した部分はザクIIIの腕部を使っている。
また、頭部も使えないほど損傷しているため、ザクIVの流用をしている。コックピットは全天周囲モニター・リニアシートを採用。

武装

腕部有線式5連装メガ粒子砲×1
人間で言う指先の部分にメガ粒子砲がついているジオングに似たマニュピレーター兼武装。高出力でリチャージも早くなっている。有線でつながっているのが基本だが、ルシファー・クレイドルのNT能力が上がったため無線式になっている。

ヒート・ホーク

追加された武装。万が一メガ粒子砲が破損した場合のために、護身用として取り付けられている。
流用元はハイザック。
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