U.C.0111 機動戦士ガンダムχ   作:サクナ

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第二十六章「捕獲」

アスカは一人、向かってくる敵と戦っていた。確実にコックピットを狙って腕に搭載されたビームライフルを撃つ。

 

「訓練用のジェガンには似てるけど、癖が強い!可変機だからか?!」

 

そう、彼は現在宇宙空間でも使用できるようにカスタムされたアンクシャに乗っている。しかし、色は前行機のアッシマーと同一色。その上カメラアイにバイザーがついていた頭部はモノアイに変更され、外見はアッシマー、中身はアンクシャといったイメージだ。

 

「チィ...!数が多い!どういうことだ?!」

 

ビームライフルを乱れ撃ちし、飛来する高機動型ザクIIを蜂の巣にして破壊する。

 

すると、何やら遠くにドロス級がいるのが見える。

 

「あれは?!まさか、あそこから来てるんじゃあるまいな...」

 

アスカはアンクシャを可変させ、ドームの様な形になったアンクシャを動かす。

 

「やはり癖が強い...少し加速ペダルを踏んだだけで爆発的な速さだな。」

 

ドロス級に近づくと、カタパルトから赤く色が塗られたザクIIやギラ・ズールなどが飛んでいく。

 

「あれはなんだ?!」

 

その機体らが向かう先は、現在戦場になっており宙域がカオスになっている宇宙要塞ジェミニである。

 

そして、アスカは黙考する。

 

(まさか、他の機体が戦う間をかいくぐってジェミニに侵入して混乱を起こす気じゃないか?!)

 

かなりの想像力豊かな発想で危機感を覚えたアスカは、更にドロス級に近づく。

 

すると、ドロス級の甲板に立っていたバックパック直結の対艦ライフルのようなスナイパーライフルを構えたリックドムがアスカのアンクシャをモノアイで睨む。

 

(ヤバい...見つかったか?)

 

アスカは肝を冷やすが、見つかっていないようだった。

 

(セーフ....このまま見つからずに....)

 

すると突然後方からビームが飛んでくる。

 

(なっ?!)

 

そう、あのリックドムが攻撃を仕掛けていた。こちらを睨み、スナイパーライフルをこちらに向けている。アスカは咄嗟にモビルスーツ形態にアンクシャを可変させる。

 

「嘘だろ?!フェイクだったのかよ!」

 

リックドムは迷わずにこちらに向かってスナイパーライフルを撃ち出す。対してアスカはムーバブル・シールド・バインダーで防御している。しかし、スナイパーライフルの攻撃で一度は防ぐも使い物にならなくなってしまった。

 

激しい戦闘が始まり、ビームをひたすら避けながら自分の武器で攻撃を行う。アスカはビームライフルを撃つも、リックドムに簡単に攻撃が避けられてしまう。その身のこなしは軽々としていて、戦場を彷彿とさせるものではない。

 

「ニュータイプなのか?!」

 

アスカは叫ぶ。すると、リックドムはバックパックに繋がったスナイパーライフルを切り離し、スカート部分からぐねぐねと刀身が曲がったヒート兵器を取り出す。

 

そして、リックドムがバックパックのスラスター出力を最大にし、斬りかかってくる。

 

(あんなもので斬れるのか?)

 

アスカは疑問に思い、外付けのグレネードランチャーをリックドムに向かって撃つ。

 

それに反応したリックドムは、ぐねぐねとした刀身のヒート兵器でグレネードを繊細な手つきで真っ二つに切り裂く。そして避けるように横へ移動する。

 

そして、大爆発を起こした。アスカはそれを見越して、閃光が続く間に膝からビームサーベルを取り出し、リックドムに斬りかかる。

 

(思い出した...あの曲がった刀身、あれはフランベルジュだ!)

 

「そこだぁッ!」

 

アスカは完璧にコックピットを貫いたと思っていた。しかし、それはダミーバルーンで、

 

背後に忍び寄る影に隙を作る結果となった。

 

アスカが乗るアンクシャの頭部をリックドムがヒート・フランベルジュで後頭部から切り裂く。

 

「やられたっ?攻撃?!一体どこから...いや、それでも攻撃を続けないと...負ける!!」

 

メインカメラであるモノアイを失ったアスカのアンクシャは、それでももがき続ける。そして、リックドムを正確に狙う。

 

しかしそれもまた避けられ、アンクシャのビーム・サーベルを持った腕を付け根から切り裂かれた。

 

(しまった...脱出しよう!)

 

アスカは脱出装置を起動し、アンクシャの胸部が開き赤のインジェクション・ポッドが宇宙空間に放り出される。

 

(これで大丈夫なはずだ....)

 

アスカは安堵した。しかし、その安堵を打ち消す形で、さっきまで戦っていたリックドムがアスカが入ったインジェクション・ポッドをマニュピレータで捕まえる。

 

インジェクション・ポッドの中が激しく揺れる。

 

(この揺れは何だ...まさか、捕らえられた?!)

 

そのままリックドムはインジェクション・ポッドを両手で掴んだままドロス級に戻ると、MSデッキの中に入る。そして、インジェクション・ポッドを大事そうに下ろす。MSデッキの閉まる音がしたと思えば、インジェクション・ポッドを外からこじ開けられる。

 

「何だお前ら!ルシファーなら渡さない!!俺を殺すなら殺せ!」

 

アスカは叫ぶ。しかし、大柄な小洒落たジオン風の軍服を着た男二人が、アスカを拘束して何処かに連れて行く。

 

「俺を何処につれていくつもりだ!」

 

アスカは叫ぶ。ガッチリと腕を固定されているため、抵抗することが難しい。

 

「黙れ。」

 

一人の大柄な男が、口を開いた。そして、独房のような小部屋の自動ドアにパスを入力しアスカを部屋に押し込む。

無重力のためそのまま壁に背中を打ち付けてしまう。

 

そして自動ドアが閉まると、とうとうアスカは孤独になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブルーローズ隊の旗艦、ラー・カイラム級機動戦艦「ドルトン」では既に改修が済み、サラミス級やマゼラン級と共に戦場に上がっている。カタパルトデッキからジェミニからの支給品でプロペラントタンクを追加で装備した量産型νガンダムが次々飛び出していく。しかしメインデッキでは、張り詰めた空気になっていた。

 

「アンクシャ、アスカ・レイン少尉機の信号が途絶えました。」

 

「ジェガンブルーローズカスタム、マイケル・リビアン軍曹機の信号が途絶えました。」

 

あちこちのモニターから、エラーメッセージと共に信号なしの長たらしい文章が表示される。

 

ある隊員が持っているメモ帳には、「死亡者・行方不明者リスト」と書いてあり、沢山の名前が並んでいた。

 

「これは大量に人が死んでしまう...」と艦長が呟く。

 

「連邦の士官兵や元ジオン残党の撃破情報も続々と入ってきています。」とリストを持った男性隊員が伝える。

 

戦況は、次第に悪化していく。その行方は、誰も知らない。




新機体解説 アスカ専用アンクシャ&リック・ドム・シャーフシュッツェン(Scharfschützen)

まずはアンクシャから、どうぞ

アスカ専用に改造されたアンクシャ。主な改造(カスタマイズ)は先代のアッシマー風に改造されており、色も同じオレンジと深い緑。そして、ジェミニに放置されたアッシマーの予備機をアンクシャに移植している。
パワーはアンクシャの熱核融合炉を改造し、出力を上げている。

武装

ビーム・ライフル

後述のムーバブル・シールド・バインダーに取り付けられたアンクシャから流用した武器。熱核融合炉のパワーがアップしているため強力。

ビーム・サーベル

膝に搭載。少し出力が上がっている。

グレネード・ランチャー

後述のムーバブル・シールド・バインダーを展開すると出てくる後付けの装備。

ムーバブル・シールド・バインダー

アンクシャの流用。シリンダーをグレネード・ランチャーのために後付けしており、シリンダーをうまく動かすことでナックルにすることも可能。

次にリック・ドム・シャーフシュッツェンを、どうぞ。

リック・ドムをスナイパー専用に改造した機体。シャーフシュッツェンはドイツ語で狙撃手やスナイパーを意味する。背部には専用の高機動型バックパックとジェネレーターを積んでおり、バックパック直結でスナイパー・ライフルを撃てる。
また、本機はビーム兵器を採用しており、カスタムのやり方次第では、ビームサーベルやビームナギナタを使用することができる。本編ではヒート・フランベルジュ。
そして、劇中では書かれていないがビームバズーカも背部にマウントしてある。

武装

ビーム・ロングレンジ・スナイパーライフル

異様に長い砲身が背部のジェネレーターと直結してある対艦ライフルのような武器。非常に強力で、連邦のメガ・バズーカ・ランチャーよりも強力。

ヒート・フランベルジュ

西洋の両手剣をモチーフとしたヒート兵器。ぐねぐねと刀身が曲がっており、モビルスーツは斬られると一撃で爆破してしまう。

ビーム・バズーカ

背部にマウント。形状も仕組みもリックドムと同様。

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