U.C.0111 機動戦士ガンダムχ   作:サクナ

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第二十八章「χG-0001」

青っぽい黒をしたガンダムタイプの機体は、順調に宇宙空間を進んでいく。

 

エクソダス側のモビルスーツは、逃げるように離れていく。戦闘中のためだろうか。

 

しかし、アスカが乗るモビルスーツには、何も武器を持っていないように見える。

 

(武器を持たせなかったのは、エクソダスのMSを撃墜させないためか...)

 

アスカはドロス級やムサイ級の間をすり抜け、遠くにあるジェミニを発見する。しかしその周りはとても明るい。ビーム兵器の閃光だ。

 

(一号機とほぼ同じスピードで推進するのか...。この機体は残党だけで建造したことはあり得ないな。)

 

すると、コックピットに突然警告音が流れる。

 

「どこだ?!」

 

踏んでいたペダルから足を離し、急停止する。そして前方にいたのは、赤く色が塗られたガルスJがいた。こちらに向かってヒート・フランベルジュを向けている。

 

「こっちには武器がない....どうしたものか...」

 

焦ったアスカは、攻撃を急いでかわしながら逃げ惑う。辺りには武器を奪えるモビルスーツもいない。

 

ガルスJは味をしめたようにヒート・フランベルジュを振り回して斬りかかる。

 

(このままだと.....負ける!!!)

 

アスカの思念が強くなると、自分の機体の腕についていたプレートが緑色の光を放つ。そしてふわりと浮き、ガルスJに向かってファンネルのように進んでいく。モニターの画面には『χG-0001 mode A start』と赤い文字が表示される。

 

(な、なんだこれ....ファンネルなら、なんで腕なんかに...試しに目の前の機体を撃ち落とすことを考えよう...)

 

すると、プレートがさらに分割して折れたカッターナイフの一部の様に変化し、動くスピードが早くなり、ガルスJに向かって手裏剣のように進む。

 

ガルスJのパイロットは叫ぶ。

 

「こんなの聞いてないぞ!サイコミュ兵器だと?!」

 

そして躊躇もなくプレートはガルスJのヒート・フランベルジュを持った腕を根本から切り裂く。

 

「チィッ!負けはせんぞ!ネオ・ジオンの誇りにかけて!!」

 

ガルスJはフィンガーランチャーを乱れ撃つ。プレートの一枚に穴が空き緑の光が消える。そして、プレートがつながり腕の部分に戻っていく。

 

「今だッ!!」

 

χG-0001はガルスJに殴りかかる。顔に繋がっている一本の動力パイプを引きちぎり、ガルスJの頭部を現代アートのように歪ませる。レールが折れ、だらんとモノアイが垂れ下がる。

 

「クソッタレが!!」

 

ガルスJのパイロットはχG-0001の頭部をアーム・パンチで殴る。χG-0001の頭部の四角いユニットが外れ、ツインアイがあらわになる。そして、前頭部から頭頂部のメインカメラの部分がモノアイになっている。χG-0001はガルスJをモノアイで睨み、最後の攻撃と言わんばかりにガルスJのもう一つの腕をもぎ取る。

 

「ああああああああああああああ!!!!!!ネオ・ジオンに、栄光あれぇええ!!!!!!!」

 

動力パイプと電気配線が剥き出しになった両腕があった場所にスパークが走り、推進剤に引火する。そして、爆発した。

 

「こ、こ、ここまで強い力があったなんて....」

 

アスカは絶句する。試作機であったはずのχG-0001には、こんな力があるとは思いもしなかったのだ。

 

「と、とにかく武器...武器....。」

 

遠くにはヒート・フランベルジュが浮かんでいる。それをχG-0001は掴み取る。しかしエクソダスの民にしか使えなくなっているため赤熱化ができずヒート兵器として使えない。しかしχG-0001は違った。

 

『Hacking start......10 seconds left to complete....』

 

χG-0001はハッキングを勝手に行ったのだ。そして、ヒート・フランベルジュを赤熱化させる。

 

「これで....戦える....!!!!」

 

アスカは推進ペダルを踏み、χG-0001はジェミニに向かって加速していった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃、宇宙要塞ジェミニ付近では変わらず激しい攻防戦が繰り広げられていた。

 

連邦の艦艇も物資が尽きようとしている。エクソダス側は休みなく、どこからそんな資源と物資と金銭が湧くのかというほど援軍とモビルスーツを送ってくる。

 

ブルーローズ隊の旗艦であるラー・カイラム級機動戦艦「ドルトン」は、バルーンダミーをあちこちに飛ばし、モビルスーツ型のバルーンを飛ばし警戒している。既に量産型νガンダムは全てが戦闘に出てしまい、格納庫の中にあるのはサナリィから試作武器の提供を受けたジムIIIが3機のみ。

 

「12時方向に高熱源反応確認!動きから予測するに、モビルスーツです!!」

 

「2連装対空機銃で迎撃準備!」

 

威勢のよい声で艦長が叫ぶ。

 

しかし、高速に動くそれは、到底機銃で立ち向かえるものではない。そしてスピードに機銃の攻撃が加わることで複雑で奇妙な動きをするそれは、高機動型の脚部がついたゲルググキャノンだとわかる。

 

「動きが異次元だ!!エクソダスのモビルスーツはどうやってこんな動きを!!」

 

ゲルググキャノンは迎撃を受けることなく、時には同じ形のダミーバルーンを使いながらドルトンのカタパルトデッキに着陸する。そして飛び跳ね、メインブリッジ基部を両手で掴み、ブリッジにビーム・キャノンの砲口を押し付ける。そして、砲口の中がチカチカと黄色に光りだす。

 

うわっ!!!!

 

ブリッジにいる隊員のほとんどがそう叫び、目を瞑る。

 

しかし、どがきゃん!!という金属がこすれ合うような鋭い音がしたと思えば、ブリッジの窓にはキャノンの砲口の姿はない。遅れて、ビームが放たれる音がする。

 

隊員の一人が目を恐る恐る開けると、そこにはブルーローズ隊のカスタムが加わったドーベン・ウルフがそこにいた。

 

『大丈夫ですか!?』

 

ブリッジ内に心配の声が届く。どうやらドーベン・ウルフのパイロットが言っているようだ。

 

『コイツは、こっちで片付けますから!!』

 

すると、ビーム・ナギナタの攻撃がドーベン・ウルフに向かって飛んでくる。

 

ドーベン・ウルフとゲルググキャノンはモノアイで睨みあい、ドーベン・ウルフが先手を取り掌からビームを撃つ。それをゲルググキャノンは左腕から後付の小型ジェネレーターからビーム・シールドで防ぐ。

 

「ネオ・ジオンの狗が!」

 

ゲルググキャノンはジェネレーターを切り離し、背部のビームキャノンを撃ち、ドーベン・ウルフがそれを避け、ビーム・ナギナタを回転させ、ドーベン・ウルフは両腰からビーム・サーベルを取り、鍔迫り合いになる。

 

「ぐっ...うう...ネオ・ジオンの狗ごときが...」

 

「さっさと墜ちろ...ジオンまがいの骨董品集団が!...」

 

2機のモビルスーツは膠着状態に発展する。

 

(...っ!!そうだ!!)

 

ドーベン・ウルフのパイロットは何かを思いついたように咄嗟に操縦桿のキーを押す。

 

すると、ドーベン・ウルフの有線式の両腕がワイヤー基部から切り離される。

 

「今だッ!!」

 

叫びとともに、バックパックからインコムが射出され、ゲルググキャノンを狙い撃ちにする。ゲルググキャノンは頭部とコックピットを撃ち抜かれる。

 

「クソ連邦がぁぁああああああ!!」

 

そうゲルググキャノンのパイロットは叫び時間差でゲルググキャノンは爆発四散した。

 

「はぁ....はぁ...片付けたか....」

 

そう安堵の声を漏らすと、遠くにモビルスーツと宇宙戦艦の群体が見える。

 

ソロモンの援軍が、来た。




新機体解説 高機動型ゲルググキャノン(MS-14BC/prototype)

またかよといわれても言い訳が見つからなくて悲しいこのコーナー。
解説マシーンです。

高機動型ゲルググキャノンは、バーニアを剥き出しにした高機動型ゲルググの脚部と高機動型ゲルググのバックパックにゲルググキャノンの頭部とビーム・キャノンを追加したエクソダスの民の試作機である。主に機体はエース機やニュータイプ専用機に使われており、全天周囲モニター・リニアシートを採用している。しかし、挙動がピーキーで操作性が悪いとして不評である。そして整備性も悪く、ゲルググキャノンのビームキャノンと高機動型のバックパックの相性が悪いようだ。
民間への払い下げは無し。建造コストが比較的安く、簡単に作れる。

武装

高機動型バックパック改(RA-2型ビーム・キャノン換装)

ジェネレーター直結にされたビーム・キャノン。一年戦争時のキャノンを使っているため、UC0111年では前時代的で低威力。しかし至近距離では威力が直接伝わるため、この戦法が広く使われている。セミオートマチックドライブも引き継いで使用可能。

ビーム・ナギナタ

ゲルググが標準装備していたものを流用。

ビーム・シールド

後付の小型ジェネレーターを追加することで一回きりだがビーム・シールドを展開可能。
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