U.C.0111 機動戦士ガンダムχ   作:サクナ

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第三章「尋問ルーム」

ベルヌーイに停泊中のドルトンに帰還したアスカは尋問室の監視窓から尋問されているルシファーを見ていた。

 

彼女はだだっ広い20畳ほどの無響室で一人ぽつんと座っている。一番アスカが驚いたのは、

彼女が14歳ほどの少女で、魔法陣のような虹彩の赤い瞳と銀白の髪で真っ黒のゴスロリファッションを着ている。手首には5つほど手錠がかけられていた。

 

「あんな子供が、モビルスーツに乗っていたなんて、信じられんな...」

 

「強化人間なんでしょう。子供は、扱いやすいですから。」

 

無響室の端にあるスピーカーから尋問官に「なぜエクソダスの民に?」や「あなたの親は?」「自分がやったことはわかっているのか?」などと心無い質問を投げかけていた。

 

しかし、彼女の表情は変わることのない無表情で、質問に応じることはなく黙秘していた。

無表情と言うよりかは、死を悟った絶望の顔だ。

 

「もうこれは実力行使(自白剤投与)するしかないですね。何をやっても話しませんよ。どうしますか?アスカ少尉。」

 

「そうだな..よし、これで行くか。」

 

監視室のマイクをアスカは自分の方向に向け、こう喋りだした。

 

「お前、アニメ好きそうだな。そうだ、『時穿(とき)深淵(しんえん)ノ書 』っていうアニメ知ってるか?」

 

彼女の一瞬瞳が揺れたような気がした。

なぜアスカは知っているのか...。そう、彼は暇があったら車いじりとアニメが趣味の結構なオタクであった。

士官学校時代は寮に勝手にコンパクトテレビを持ち込み、深夜アニメを見すぎて睡眠不足になったこともあった。

 

「主人公、クロノの時を操る能力、すごいよね!僕、あのグッズ持ってるよ!」

 

すると、彼女がボソボソと喋りだした。

 

「...あなた、見る目あるじゃない...」

 

「ビンゴだな。そうだ、僕、貰い物でクロノの限定フィギュア持ってるんだよね。質問に答えてくれたら、あげるよ。」

 

「ちょっと、アスカ少尉!物で釣る気ですか?!」

 

「でもそうしないとあいついつまで経っても喋んないだろ。そうする他ないんだよ。...俺のお気に入りだけどな...

 

すると、彼女はまたもボソボソと話し始めた。

 

「..くれるなら..喋ってもいいわよ..」

 

「じゃあ、君はなんでエクソダスの民に?」

 

「........私は..フッ..そうね、5歳くらいの頃にニュータイプ研究所で過酷な実験をされていたわ。注射を打たれて、目が覚めたら激痛で昏睡するという日々を繰り返していたわ。そして、いつの間にかエクソダスの民に所属していたわ。言っておくけど、階級は少尉よ。崇めなさい。」

 

「俺も同階級なんだが...。まぁいい。親はどこにいるんだい?」

 

「父も母も見たことがないわ。ただ、わかるのは、姉はいるってことだけね。」

 

「姉がいる...わかった。次はエクソダスの民で何を見たんだい?」

 

「それは詳しく話すことはできないわ。でも、大きい『破壊神』を見たわ。」

 

「真面目に話してね?話さないとフィギュアはあげられないなぁ。」

 

「あなた..中々の鬼畜外道ね。いいわ...それは巨大で異形のMA(モビルアーマー)のようだったわね。ベージュで、内部の構造が丸見えだったわ。『Σ・アジール』とか言ってたわね。」

 

「聞いたことのないやつだな...わかった。協力ありがとう。君は連邦の『ブルーローズ隊』という隊に保護されることになった。」

 

「そんなの聞いてないわよ!」

 

「僕もその中の一人だ。よろしく同僚!部屋は隣だし、フィギュアも約束通りあげるよ。」

 

「くっ..よろしくお願いするわ...我が化身よ...」

 

そうして手錠を外され無響室を出たルシファー、それと戦闘終わりで疲れているアスカはコロニーの居住区へ向かって歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エクソダスの民が本拠地を構えているサイド3の24バンチコロニー「タイガーバウム」では、Σ・アジールの完成が間近に迫っていた。

 

観光用コロニーとして栄えているこのコロニーに来ている人は知らないだろう。

 

旧世紀の中国の町並みを模した場所から遠く離れたコロニー外壁付近。木に囲まれたその場所では、ゆっくりとベージュの巨大ななにかが動き始めていた。

 

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