U.C.0111 機動戦士ガンダムχ   作:サクナ

35 / 43
Did I manage to become that for you?
第三十五話「ネオ・アルパ」


未だに激しい攻防戦が繰り広げられている2つの小惑星がくっついた面白い形の宇宙要塞、ジェミニではラー・カイラム級機動戦艦「ドルトン」と複数のクラップ級やサラミス級、アーガマ級、ペガサス級が一同にあるモビルアーマー(・・・・・・・)を目視で確認した。

 

「艦長!敵のレウルーラ級の付近に不明の高熱源体を確認しました!」

 

「ミサイル用意!他の艦艇にも指示を出し、攻撃するよう伝えろ!!」

 

そう、ドルトンの艦長、およびブルーローズ隊隊長が命令する。他の艦艇も続々と攻撃を行い、ドルトンもミサイル攻撃を加える。

 

しかし、モビルアーマー付近にミサイルやメガ粒子砲のビームが近付くと、ミサイルは爆発し、ビームは突然消失した。

 

「攻撃...通じません!」

 

「I・フィールドでもない...か。艦載機(モビルスーツ)はどうなっている!」

 

「改修中のジェガン数機、予備の量産型ν4機、ARX-χ01、ARX-χ02は調整中、アウフ・ヌルは補給中。コンペイトウの援軍も来ているため優勢と言えます。」

 

「そうか...。」

 

そう言ったのも束の間、艦長は我々優勢の戦況がひっくり返るのではないか、と考える。

 

なぜなら、隠し切れないほどの相手のモビルアーマーのプレッシャーが強いのだ。

 

艦長はノーマルスーツの中で脂汗をかきつつ、指示を出す。

 

「ARX-χ01のパイロットはどこにいる?」と。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ドルトンの最深部、仮眠室でルシファーは眠っていた。

 

そろりと様子を見に来たアスカは、戦闘中にも関わらずぐっすりと眠るルシファーに驚く。

 

「あんなに眠れるものなんだな...俺は頭の中が一杯で痛いくらいなのに....」

 

ルシファーが強化された人間....だからなのだろうか。とアスカは思う。

 

「でも俺の眠れる時間はたった30分だもんな。ルシファーもそろそろ起きてくる頃だろう。」

 

そう言って、男性用の仮眠室に向かおうとしたその時だった。

 

『アスカ・レイン中尉、戦闘ブリッジへ上がってください。』

 

そう、無機質な声が伝える。

 

「なんだよ...クソッ...」

 

仮眠室のドアを開けたところで、そう毒づく。アスカは仮眠室のドアをそっと閉め、身を翻してリフト・グリップを持ち、ブリッジへ向かっていった。

 

そして数分後、アスカはブリッジへ上がる。

 

「なんでしょうか、隊長。」

 

「ここまで上がってきてくれてご苦労だった。しかし、今は緊急を要している。ARX-χ-01(χガンダム一号機)で戦闘に戻ってくれないか。」

 

「ええ?!こちとらスッゴイ疲れてるんですよ?!疲労困憊っすよ!」

 

「すまない。目視で確認できるのだが、あのレウルーラ級の奥にいるモビルアーマーがわかるか?」

 

アスカは、目を凝らしてよく見る。すると、背筋にスゥーッっと悪寒を覚える。

 

そして、彼の気配がする。

 

「グレイ.....!!」

 

「どうした...?」

 

隊長はすこし不思議そうな顔をする。するとアスカは隊長の方へ向き、

 

「わかりました。出撃します。」そう言って、モビルスーツデッキへアスカは向かう。

 

非常時であるのと隊員が戦場へ出ているため、艦内はもぬけの殻のようだ。

 

最深部で怪我人と仮眠しているものがいるくらいか。

 

誰もいないドルトンの通路をリフトグリップで抜け、χガンダム一号機が置いてあるデッキへ向かう。

 

アスカは今まで非常時に艦内にいたことがないため、このようにがらんどうだと悪寒さえ感じる。

 

そしてモビルスーツデッキへたどり着き、χガンダム一号機のコックピットハッチへ近づいた。

 

するとそこに居たのは、殆ど虫の息のエルマ・クレイドルだった。

 

「大尉!」

 

急いで駆け寄るアスカ。

 

「ああ..アスカくんね....」

 

「出血がひどいです!しかも銃創だ...一体誰にやられたんですか?!」

 

「ふふ...スパイにやられたわ...。でも大丈夫。胸があったから...」

 

「スパイ?!...いや、取り敢えず医務室へ!」

 

「もう、いいのよ。私は助からない。」

 

「そんな.....」

 

「じゃあ、最後に...お願いしても...?」

 

アスカは目に涙を浮かべている。アスカは無言でその質問に対しうなずく。

 

すると突然バイザーを開けたエルマは、アスカを抱きしめて頬に口づけを交わす。

 

「さぁ、行って...!」

 

そうエルマは言うと、アスカの眼の前でゆっくりと目を閉じた。

 

「エルマ大尉....!!」

 

ゆすっても、もう動かなかった。アスカは涙する他なかった。

 

そして、遺体を通路のそばに静かに置き、χガンダム一号機改め、フルアーマーχガンダム一号機に乗りこみ、カタパルトデッキに来ると、宇宙空間と艦内を分け隔てていたシャッターが開く。

 

そして、こう管制官に伝えた。

 

「システム・オールグリーン。χガンダム一号機、アスカ・レイン。行きます!!」

 

アスカは目に涙を浮かべつつ、カタパルトで再び宇宙(そら)へと戻っていった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

グレイ・オルドリンはエクソダスの民のすべての技術を結集した巨大モビルアーマー『ネオ・アルパ』に搭乗していた。

 

『総帥、コントロール系統は大丈夫でしょうか?サイコ・シュルテンとRF(リファイン)TR-3の調子はどうですか?』

 

そう、声が聞こえる。サイコ・シュルテンとは、ネオ・アルパの背部スカートに四機搭載されているブラウ・シュルテンにサイコフレームを組み込みファンネルを追加した機体である。

 

また、RF TR-3とは、スパイであったエルマの助手が盗んできたTR-3の設計図をもとに製作された機体でもある。背部コンテナに六機が搭載されている。

 

「ああ。すべて問題ない。サイコフィールドを利用したバリアも良く出来ている。」

 

そう、褒め言葉を発した時だった。突然警告音が鳴り、AIが自動でその警告を鳴らした主を補足した。

 

フルアーマーχガンダム一号機である。

 

それを見て、グレイは不敵な笑みを浮かべ、こう言った。

 

「また敵となるか。ガンダム...!!」

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。