U.C.0111 機動戦士ガンダムχ   作:サクナ

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第三十七章「Zの鼓動」

Z(ゼータ)ガンダム....!!」

 

そう、グレイ・オルドリンは自然と忌々しげに口にしていた。

 

青い胸部、エッジがかかったボディライン、背部のフライングアーマー。サイコ・キューブが形作ったZは、まさにグリプス戦役から第一次ネオ・ジオン抗争を駆け抜けたものにそっくりだった。

 

そして、Zが形作られた途端、サイコ・キューブが結晶化し、ビームライフルを作りネオ・アルパーに向かって斉射した。

 

勿論サイコ・フィールドバリアーによって弾かれてしまう。

 

するとZは右腕がハイパー・メガ・ランチャーに形が変わりだし、バリアに向かって撃ち込んだ。

 

「チィッ!サイコミュが怯えている!」

 

バリアが凹むと同時に、再びハイパー・メガ・ランチャーを撃ち込む。そして徐々にヒビが入っていく。

 

グレイは内心まずいと思いつつ、立て直しを図るために立ち往生しているサイコ・シュルテンとRF TR-3にZガンダムを攻撃するよう指示させる。

 

しかし、その攻撃は虚しくも鏡のように反射し、サイコ・シュルテンやRF TR-3に直撃して爆発四散する。

 

「なぜ反射する?!」

 

すると、グレイの頭に直接語りかけてくるように声が聞こえる。

 

『なぜあなたはシャアのようになりたがる?!』

 

「シャア・アズナブル総帥はもういない!私は、新たなスペースノイドの時代を築き、ルシファー・クレイドルを頂点とする新しい自治国を築きたいだけだ!」

 

『シャアは連邦に失望してアクシズを落とそうとした!お前は自治国を築きたいがために、人を弄ぶように(あや)めて、地球を破壊させようとしている!』

 

「貴様にはわかるまいッ!!Zのパイロット!」

 

ネオ・アルパーが肩の装甲を開き、拡散メガ粒子砲4門をZに向けて撃つ。

 

しかし、それも反射して防ぎ切り、形がキューブに戻って分解したと思うと、ウェイブライダーに可変し、バリアに突撃をかける。

 

『シロッコやジェリドと変わらない!貴様は命を弄ぶ男だ!』

 

「何が!」

 

ウェイブライダーはそのまま、サイコフィールドバリアーに突撃し、チリチリと双方のフィールドが干渉し合い、風船が割れるようにサイコ・フィールドが弾けた。

 

Zガンダムはそのままサイコ・キューブに戻り、アスカのχガンダム一号機の円形の装置に集まる。

 

「道を開けてくれてありがとうございます!貴方の御恩は忘れません!」

 

そのまま、一号機はフルスピードで、まるで疾風(はやて)の如くネオ・アルパーの至近距離に近づく。

 

「グレイ!貴様はッ!」

 

「ルシファー・クレイドルさえ解放していれば、こんな醜い戦争を起こすこともなかったのだ!貴様らの独断だ!」

 

すると、アスカの脳内に直接何かが伝わる。『避けて』という言葉だ。

 

アスカは咄嗟に一号機に回避行動を取らせる。アスカの目の先には、アウフ・ヌルMk-IIがハイパー・ロングレンジ・ビームキャノンを解放し、ミノフスキー粒子の臨界点に達しているところだった。

 

しかし、ネオ・アルパーの肩のメガ粒子砲6門中1門が、アウフ・ヌルMk-IIのコックピットに自動的に狙いを定める。

 

「アスカ中尉。これが私の鎮魂歌(レクイエム)です。どうかルシファー中尉とお幸せに....」

 

そう、聞こえた気がした。ハイパー・ロングレンジ・ビームキャノンは予定通り撃ち込まれる。ネオ・アルパーの右肩に直撃し、激しい損傷を受ける。

 

だが、メガ粒子砲のビームは見事というべきか、コックピットの中心を貫き、シオンは灰も残らず消滅した。

これが、遺灰の騎士王の最後だった。

 

アスカは叫ぶが、声にならない。グレイはネオ・アルパーの右肩をパージし、高笑いをする。

 

それを聴いたアスカは、今までにないほどの怒りが沸き立つ。

 

「殺して....やる....!!」

 

そう思った刹那、χガンダム二号機(カーマイン・ヴェール)がアスカの一号機の横に並び、接触回線で声が聞こえる。

 

「アスカ。怒りに任せて死を(いざな)うようなことは、しないで。私も、頑張るから。」

 

そう言い、二号機は円筒形のファンネルと二基のホーン・ファンネルを取り外して四方に散らせる。

 

そして、二号機の背部装甲が展開し、黄色に光るサイコフレームが緑色に変色する。

それに合わせてバックパックから円形のサイコ・シャード発生装置が展開し、サイコ・キューブが8つ出現した。

 

「我が名はルシファー・クレイドル!ニュータイプの加護を受けし千羽散り舞う者!貴様を今から粛清して地獄の悪魔の供物になるがいい!()け!ファンネル!」

 

ルシファーはそう高らかに名乗り、ダブル・ホーン・ファンネルと円筒状のファンネルが一斉にオールレンジ攻撃を仕掛けた。

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