U.C.0111 機動戦士ガンダムχ   作:サクナ

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第三十八章「痛み」

二号機のダブルホーン・ファンネルと円筒形のファンネル、小さい薔薇の花に分裂したサイコ・キューブはネオ・アルパーへ向けてオールレンジ攻撃を仕掛ける。

 

黄色と緑のビーム光が、ネオ・アルパーを包む。

しかし、無数のネオ・アルパーとサイコ・シュルテンのファンネルがその攻撃を阻止し、ビームとビームが中和し合う。

 

二号機と一号機の位置は、サイコ・フィールド・バリアーが張っていた場所より中心...つまりネオ・アルパーの至近距離だ。

 

「チィ...当たらない....!」

 

一号機のファンネルと短機関銃のような形状に変わったサイコ・キューブも応戦するも、やはり敵のファンネルに阻止されてしまう。

 

「ルシファー・クレイドルにアスカ・レイン....役者が揃っているな。ようこそと言ったところか..。一生恐怖でドルトンに籠っていればいいものを!」

 

「黙れ偽善者!痴れ者!俗物が!さっさと堕ちろ!」

 

ルシファーは光る目を更に光らせ、罵る。

 

「何をハマーンじみたことを言っているんだ。貴様も元はキャスバル・レム・ダイクンであるシャア総帥の思想に浸かっていたではないか!」

 

「それは貴様らエクソダスの民が私達に刷り込みを行っていたからだろう!」

 

ルシファーはさらに罵る。それに合わせて、オールレンジ攻撃を仕掛けているダブル・ホーン・ファンネルと円筒形のファンネル、サイコキューブが乱暴に、そして痛みに狂うようにビームを斉射する。

そのビームが、数機のサイコ・シュルテンに当たり、幾千もの閃光に散っていく。

 

「小賢しいわ!」

 

グレイは目の前のタッチパネルとキーパッドを操作すると、残った左肩から、丸みを帯びた台形の物体が次々と射出された。

 

「そうか...刷り込みだと分かってしまったのか。だが仕方がない。死んでもらおう。そして、私達エクソダスの民が地球を寒冷化させて、スペースノイドを自由にするのだ!」

 

まるで演説をするかのようにグレイは独りごちる。

 

そう言っている間に、台形の物体の横には全体に広がるくぼみから更に小型の機械が飛び出した。

 

変則的な挙動で機械は動く。そして瞬く間に二号機の周りを囲んだ。

 

「ビット?!囲まれた!」

 

ビームライフルとファンネルを使おうとするも何故か機能しない。

そしてその小型のビットは二号機の周りで踊るように回転を始めた。

 

回避行動を二号機に取らせようとするも、機体は動かない。

 

「動け!動くのだ我が体よ!ねぇ動きなさいよ!ねぇ!」

 

しかし、二号機は答えない。ひたすら回り続けるビットは謎の光線を出し始める。

その光線は機体自体に効果を示していないようだった。

だが、パイロットであるルシファー自体に激しい痛みが襲う。

 

「っ....あああああああああああああ!!!!!!」

 

その激しい痛みは脳内で全身に棘が生えた虫が暴れ回っているようだ。

その痛みに耐えかねて、ルシファーは頸部と脊髄のプラグを思い切り引き抜く。

 

刹那、ルシファーの視界は白く染まった。

 

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一方、アスカは巧みにファンネル()を動かし、生き残っていたサイコ・シュルテンとRF TR-3を一掃していた。

 

サイコ・シュルテンは巧みにファンネルを使い、一号機の円筒形のファンネルと相打ちになるまでになっていた。

RF TR-3もMA(モビルアーマー)に可変しては至近距離まで近づき、ビームライフルを撃ち戦闘から離脱するという一撃離脱戦法を使い、アスカを混乱させていた。

 

「相手も精度を上げているのか?!エルマ・シリーズの最終ロットはここまで...!」

 

そう嘆いている時に、モニターに『V.S.B.R(ヴェスパー)』と書いてあるポップアップが出現する。

 

(もしこれが武器なら!)

 

アスカは藁にもすがる思いでそのポップアップを押した。

 

すると、背部バックパックに追加された武器基盤(ウェポンプラットホーム)の横から細長い箱のようなものが露出し、武器基盤《ウェポンプラットホーム》に取り付けられた隠し腕がその箱の様な物を支えた。

そして、脚部、肩装甲、武器基盤(ウェポンプラットホーム)から放熱用のフィンが露出する。フィンは徐々に赤熱化し、アスカは照準をサイコ・シュルテンとRF TR-3に合わせる。

 

(使い方はなんとなく理解した...!今なら行ける。エルマ技術大尉、俺は最期に遺してくれた武器を使います...。)

 

アスカの目には、エルマが高らかに笑っているように見えた。

 

照準が完璧に合わさり、ピーという軽いブザー音がコックピットにこだまする。

 

「発射ァ!!!」

 

瞬間、ピンクのビーム光が辺りを照らした。照準に合わさっていた敵は、光の(はな)になり、閃光とともに散った。




新機体解説
サイコ・シュルテン&RF TR-3

オリ機なんてつまらんからはよ終われと言われても仕方がないこのコーナー。
申し訳ないですが始まってしまいます。

サイコ・シュルテン(MS-18-P)

サイコ・シュルテンは、アナハイム・エレクトロニクス(グラナダ工場)にて組み上げられたニュータイプ専用MS(モビルスーツ)
エルマ・シリーズの専用機でもあり、搭乗者は不完全なロットである。(不完全なロットは、試験に失敗したか、精神に異常をきたしてしまったか、体が不完全に完成されてしまったロットを指す。)

ケンプファーの発展機であるブラウ・シュルテンに新生ネオ・ジオンの試作MS『サイコ・ドーガ』の技術とデザインを踏襲し、肩アーマーのスパイクをファンネルラックにするなど、様々な所にサイコ・ドーガのデザインが使われている。

本機のファンネルは、ヤクト・ドーガの予備ファンネルが使われ、バックパックから飛び出たバインダーはサイコ・ドーガの形状を模している。
また、頭部もエクソダスの民のマークが大きく書かれている。
通常時はネオ・アルパー(後に紹介します)の格納庫にバインダーを閉じて収納されている。

武装

ビーム・ライフル
色は淡いグリーン。威力はそこまで高くなく、ビーム光は黄色。
AK-12に形状が似ている。

ビーム・サーベル×2
両刃のビーム・サーベル。片方のみを展開して片刃にすることもできる。光刃は黄色。

ビーム・シールド
試験的に採用されたビーム・シールド。
高機動型ゲルググキャノンの使い切りのシールドとは違い、展開状態のまま保持もできる。

RF TR-3(NRX-044RF)

RF TR-3は、アナハイム・エレクトロニクス(グラナダ工場)とティターンズ残党、エクソダスの民が共同開発したニュータイプ専用MS。不完全なところが多く、倫理的問題がある機体でもある。

設計からリファインされており、TR-3と名前が付いているのも元ティターンズ技術者の勝手なネーミングである。そのため、プロトタイプアッシマーTR-3とは何の因果関係も存在しない。(という技術者の言い訳である。)
エルマ・シリーズ専用機であり、搭乗者はサイコ・シュルテンと同じ不完全なロットである。

脚部が廃された異様な形をしており、ドラムフレームを採用している。
外観はTR-3とよく似ているが、因果関係が存在しないため、プロトタイプアッシマーTR-3でフレームがむき出しであった箇所は装甲に包まれている。

下半身には4本のプロペラントタンクとスラスターを合わせたシュツルム・ブースターが伸びており、背部にも同様に4本伸びているが、可変時には切り離されてしまう。
それに合わせて、スタビライザーはオミットされている。
隠し腕が下面に2本生えており、ビームサーベルを持つことが可能。
装甲はダークイエローで、アッシマーを踏襲している。

MA(モビルアーマー)に可変することが可能であり、カブトガニのような形状になる。
シュツルム・ブースターのみを展開した中間形態も可能であり、可変機ということを応用して一撃離脱戦法を取ることをオススメされている。

しかし、機体にはランディングギアが搭載されておらず、シールドもなく、不完全なロットも頸部に手術で直接ケーブルが繋がれているため、軍内と技術者内では倫理的観点が問われている。

武装

ビーム・ライフル
機体本体とEパックの2WAY式で粒子と電力を供給する方式である。
爆発もしやすく、危険視されている。

ビーム・サーベル×4

隠し腕に2本、腰に2本搭載。
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