U.C.0111 機動戦士ガンダムχ   作:サクナ

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第三十九章「二号機の暴走」

痛みに耐えかねたルシファーは、頸部に繋がったケーブルを引き抜いた。

その刹那、二号機の背部から露出したサイコフレームとサイコ・キューブが激しい光を発する。

 

「あなた達...みんな死んじゃいなさいよ............」

 

ルシファーの魔法陣のような虹彩が爛々と光る。しかし、それ以外の光は宿っていない。

死人のような目。

 

二号機がバーザム顔に戻り、呻くような音を発する。そして、外部装甲がパキリ、パキリと割れていく感覚が辺りを包んだ。

 

「サイコフレームの力なのか...?!」

 

グレイは絶句する。しかし内心狂気のように喜んでもいた。エルマ・タイプの初期ロットが、ここまでのニュータイプ適性を手に入れたか..と。

 

「ルシファー駄目だ!それをしたら...!!」

 

アスカはχG-0001で何があったかを覚えていない。ただ、今の二号機とルシファーの様子を見て背筋が凍る。

 

二号機は背部の露出したサイコフレームから帯状のパネルが目にも止まらぬ速さで広がっていく。それは二号機の周りにあったビットを吹き飛ばし、ネオ・アルパーの残った左肩に突き刺さる。

そして小刻みに帯が動くと、左肩が放射状に砕け散った。

 

ネオ・アルパーのコックピット内では、警報音が鳴り響く。

 

外殻ユニット装甲(アヌビスユニット)を外して中心(コアモビルスーツ)をパージする他ないか....!」

 

グレイは焦るように独りごちた。モニターを慣れた手つきで操作し、装甲をパージする。

脚部のない巨大バーニアスラスタとスカート部のみの異形な外殻装甲がバラバラに砕け四散し、α(アルパ)・アジールの様な頭部が外れ、中から22m級のモビルスーツ(第4世代モビルスーツ)が現れる。

 

その姿はまるでゲーマルクを模倣したかのようなメガ粒子砲の集合体の様だ。

そして緑色に発光し続ける一号機と二号機をモノアイで睨む。

 

「な、中からモビルスーツだって...?!畜生め...。平和のためには、やってやる他ない!」

 

残った円筒形のファンネルとダブル・ホーン・ファンネル、それにヴェスパーを武器基盤(ウェポン・プラットホーム)に格納し、ビーム・トマホークを取り出す。

 

「びっくり箱みたいなモビルスーツね....。まぁいいわ。我が使い魔(ファンネル)がさっさと駆逐してあげるのにね。」

 

ルシファーも正気に戻ったようで、既にサイコ・シャードの帯は見えない。

そして無傷のダブル・ホーン・ファンネルをマニュピレータで持つと、ハイパー・ビーム・サーベルポジションへと変えた。

 

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宇宙要塞ジェミニの周辺、ラー・カイラム級機動戦艦でありブルーローズ隊の旗艦であるドルトンでは酷く緊迫していた。

徐々に援軍である新型モビルスーツのヘビーガンも押され気味であり、疲弊が限界に達している。

 

ドルトンの周りでも、ブルーローズ隊の量産型νガンダムやジェガン、バウなどがA.N.B.Sを使用し索敵の目を光らせているが、どこか心許ない...とも言える。

 

「連装帯空機銃、どうなってる?!」

 

艦長兼隊長は向かってくるモビルスーツを迎撃しようと試みる。

 

「先程のエクソダスのモビルスーツの攻撃で破損!連装メガ粒子砲はエネルギー不足で使用できません!」

 

しかし、使用できないことを知るや否や、隊長はこう思う。

 

(潮時....か。)

 

そして、隊長は心に決めて生き残っている全隊員に伝える。

 

「本艦はARXχ-001と002が戦闘中の全隊を指揮していると思われるモビルスーツに特攻攻撃を仕掛ける!残るのは私だ!他の隊員は全員退避しろ!」

 

それを聞いて、ブリッジに居た隊員らは動揺する。それは、モビルスーツで戦闘中の隊員も同じだった。

 

「しかし...!」

 

「しかしではない!こうする他、最善の攻撃はない!」

 

「......わかりました......」

 

ブリッジにいた隊員は脱出ポッドへ向かい、ブリッジには隊長一人になる。

死亡、行方不明者リストが宙に舞い、様々なことが隊長には思い出された。

 

「ドルトン、左舷方向に移動し、ヨーソロー!本艦は、あの(・・)モビルスーツに突っ込む!」

 




機体解説

フルアーマーχガンダム一号機&二号機(ARXχ-001FA)(ARXx-002FA/BR)

χガンダム一号機と二号機を現地改修しフルアーマーに改造した機体。
フルアーマー化された増加装甲、武装部分はサナリィが受け持っている。

装甲はチョバム・アーマーと増加装甲とビームコーティングを組み合わせたものになっており、多少のビーム攻撃と実弾攻撃が防げる。

また、背部にはバックパックに追加された『武器基盤(ウェポンプラットホーム)』があり、30の武装が内部に格納されている。

ファンネルビットも搭載されており、小型のものはヤクト・ドーガのものを流用。
エルマ・クレイドルの置き土産兼サザビーのボツ案を流用した巨大ビット『ダブル・ホーン・ファンネル』を採用している。

また、ビーム・シールドを新しく採用し、防御にも転用できる一方、ブランド・マーカーとして刺突武器として使える。

武装類

60mmバルカン×2
頭部に搭載。

ビーム・ライフル
νガンダムのビームライフルの形状をしているが、照準器はレドームを兼ねたものになっている。
ゲルググの照準器から変更。

試作型可変速ビームライフル
サナリィから提供された試作品のビームライフル。
実は新型MSへの転用を目論むサナリィが絶好の機会だと考えブルーローズ隊に送ったもの。

ビーム・サーベル×6
腕に2本、バックパックに2本、武器基盤(ウェポンプラットホーム)にハイパービームサーベルが2本収納されている。

ビーム・バズーカ×2
武器基盤(ウェポンプラットホーム)に収納されている。

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