U.C.0111 機動戦士ガンダムχ   作:サクナ

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第四章「Σ起動」

サイド3、24バンチコロニー「タイガーバウム」ではベージュの巨大なMAが動き出していた。

 

 

Σ・アジール。先代のα・アジールのカラーを踏襲したベージュ色で、全高は120mにもなる。

その大型MAが、動き出したのだ。

 

Σ・アジールのパイロットでありエクソダスの民の総帥を務めているグレイ・オルドリンはコックピットの中で推進装置を起動させていた。

 

「市街地へ向かうぞ!もうこのコロニーには用はない。証拠も残らないよう、破壊する。」

 

「了解しました!」

 

そういってΣ・アジールは市街地へ向かって動き出す。

 

旧世紀の中国のような町並みを模した市街地では、混乱が巻き起こっていた。

 

今までその存在も気づかず、平和ボケをしていたからなのだろうか。

 

その巨大な姿を見て、発狂しだす者、急いで荷造りをおこなう者、ただ驚きなのか恐怖なの

かわからない顔でただ呆然とする者。祈る者。

 

しかし、それ全てを嘲笑するかのように、口の部分についた拡散メガ粒子砲が火を吹いた。

 

それまで∑・アジールを見ていた者、急いでここから離れようとする人の未来は、一瞬にし

て蒸発した。

 

五重塔が折れる。ビルが飛ぶ。人の手や足が吹き飛ぶ。

 

そして、Σ・アジールのメガ粒子砲と付いてきたザクIIのマシンガンの攻撃により、町は壊

滅し、コロニー外壁に穴が空いた。

 

「もうこのコロニーはいい。出発するぞ。ルシファー少尉はサイド6のコロニーにいると聞

いた。」

 

「了解しました。総員!艦艇を動かせ!進路をサイド6に合わせろ!」

 

Σ・アジールは上昇し、コロニーの天井を突き破ってサイド6へ方向を合わせ、向かってい

く。

 

それに合わせ、ムサイ級艦艇とチベ級艦艇が次々と動き出し、サイド6の方向へ向かっていく。

 

そして、「タイガーバウム」に住んでいた人は全員死亡。生き残りはいなかった。

 

サイド3、24バンチコロニー「タイガーバウム」は静寂に包まれながら崩壊していった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サイド3のコロニーが破壊されたことは、アスカ・レインらブルーローズ隊の耳に入ってい

た。ブルーローズ隊と連邦軍、ベルヌーイ側の大臣で連日会議が行われた。

 

「サイド3のコロニーが破壊された。犯人はエクソダスの民だ。そして、こちらに向かって

きている。」

 

「迎撃の準備は?」

 

「一応はブルーローズ隊のギラ・ズールを出そうと思います。」

 

「χガンダムは出せるか?」

 

技術者は、「ええ、左肩の装甲を修復すれば出撃できます。」とまるでその質問がされること

をわかっていたかのように答える。

 

「アスカ少尉、あなたは大丈夫なのですね?」

 

「ええ、私はいつでも出撃できますが」

 

すると、連邦軍側の高官は「わかりました。では次に、ルシファー・クレイドル少尉のスパ

イ疑惑についてです。少尉は元々エクソダスの民というネオ・ジオン残党軍の少尉でしたよね?ですから、少尉が情報を横流しし、このコロニーにいることまで教え、このコロニーを内部破壊させようと企んでいるんでしょう?」

 

ルシファーはそれに対して、

 

「私はそんなことしていないわ。そんなことをするぐらいならこのコロニーから逃げている

もの。」

 

「それでは理由にはなりません。」

 

「あなた...五月蝿(うるさ)いわね。だから言っているでしょう。私はそんなことしていないわ。」

 

「少尉。言葉遣いに気をつけてください!」

 

「あなたはおつむがたりないのかしら?っふ、そうね、私は疑われる存在だものね。元エク

ソダスの民(ネオ・ジオン残党軍)だからこうやって言われるのね。さっきからあなたは人の話を聞いていない。意見に耳を傾けようとしない。それについてはどうなの?あなたも軍人でしょう?」

 

「っ...あなたもねぇ!」

 

高官が何かを言いかけたときに、ブルーローズ隊の隊長が声を上げた。

 

「そんなに言うなら、あなたはどうなんでしょう?いきなりこの話題をふっかけ、少尉を困

らせていますよね?ここは連邦、ベルヌーイの大臣、うちの隊員がいるんですよ。あなたは恥ずかしくないんですか?私からは以上です。」

 

高官はぐうの音も出ない様子で、下唇を噛みながら「しかし..」「でも..」などとブツブツ呟いている。

 

ルシファーは薄ら笑みを浮かべながら小声で「この暴君が」や「っふふ..いいザマね..」な

どと呟いていた。

 

その後、連邦側が解散を申したことで会議はお開きになった。

 

そして、帰り道。

 

「じゃあ、僕が君の部屋まで送るよ。」

 

「アスカ、そんなことしなくてもいいわ。」

 

「いいじゃないかルシファー。というかここに来たときも僕の車に乗ってきたよね?」

 

「くっ..あなたは悪魔なの..?我が血を分け与えたものなの...?」

 

「そんなこといいから。ハッカあめなめる?」

 

「スースーするものは嫌いよ...」

 

「子供だなぁルシファーは。」

 

五月蝿(うるさ)いわね..ロンギヌスで刺してもいいかしら..?」

 

「わかったわかった。じゃあ送っていくよ。」

 

そう言ってルシファーとアスカは駐車場に止まっているアスカの愛車であるいすゞ ピアッツァ

ネロ イルムシャーに乗り込む。

 

ピアッツァは眠たそうなライトを開き、エンジンがかかる。

 

アスカはクラッチを踏み、シフトノブを一速にいれ、ルシファーを乗せて駐車場から出ていった。

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