U.C.0111 機動戦士ガンダムχ   作:サクナ

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第四十章「ドルトン特攻」

ドルトンの呼び声は、一号機と二号機に知らされていなかった。

しかし、アスカにもルシファーにもその思念は届いていた。

 

「母艦が墜ちると帰れなくなってしまう!!」

 

アスカは頭を抱え己の不甲斐なさを呪う。

 

「アスカ、どうしたの?!」

 

「全部....お前のせいだ...グレイ・オルドリン!!」

 

一号機はファンネルを斉射しつつグレイの搭乗するコアモビルスーツにビーム・トマホークを斬りつける。

 

「ビーム・ライフルも無しに突っ込むか小童め!このガイストローゼ(Geist rose)には勝てれんがなァ!!」

 

ガイストローゼと呼ばれたモビルスーツは射出されたビーム・サーベルを掴み、ビーム・トマホークと鍔迫り合いになった。

 

「貴様はァ!!」

 

「ルシファー・クレイドルを鍵として、私達人間は宇宙へ大量移住(エクソダス)するのだ!貴様ら地球連邦軍の弾圧さえなければこんなことには!!」

 

「早とちりの言い訳に過ぎない!」

 

そう言ってビーム・サーベルを振り上げ、再び斬り掛かろうとする。

しかし一コンマ、グレイに遅れを取ったアスカの一号機は、ビームサーベルを持った右腕を肩から斬られてしまう。

 

「なっ...?!」

 

「さらばだアスカ・レイン。貴様は天国に...いや、地獄だろうなッ!!」

 

グレイはこの一突きで終わらせると思念すると、操縦桿を動かさずにガイストローゼの腕は動き、一号機を突く体勢に入る。

 

アスカは謎の感覚が全身を伝わる。そして眼の前のモビルスーツが攻撃をしてくることを察知する。

 

「25番防御武器(ビーム・シールド)射出!!」

 

モニターを素早く操作し、背部の武器基盤(ウェポンプラットホーム)から小型の持ち手が付いた機械が射出される。

一号機はビームサーベルの柄を捨て、それを持つと、四角錐のビーム刃が出てくる。

そしてそのビーム刃は離散し、ビーム・シールドを形成し刺突攻撃を防いだ。

 

ミノフスキー粒子同士が反発し、ガイストローゼは後退する。

 

「ガイストローゼはこれだけではない!!」

 

グレイはそう叫ぶと、背部から4つのコンテナ状の物体が射出された。

 

「あれは...マザー・ファンネル?!逃げて、アスカ!!」

 

ルシファーが遠くで叫ぶ。

その声と思念はアスカに届き、チルド・ファンネルが射出される前にガイストローゼより上空に一号機は飛ぶ。

 

一号機の円筒形のファンネルは射出されたチルド・ファンネルと互角に戦い、相打ちを重ねる。

ダブル・ホーン・ファンネルはマザー・ファンネルを重点的に狙い、強力なビームを連続で放つ。

 

そしてビーム・シールドは中心に収束し、四角錐のビーム刃が出来上がる。

 

「卑怯な手をッ!!」

 

アスカは激昂する。

足裏からヒートナイフを出し、ビームを発射しようとしている小型のメガ粒子砲に突き刺す。

 

そのまま四角錐の光刃を左肩の大型メガ粒子砲に直撃させる。

スパークが走り、ミノフスキー粒子が砲門(ほうもん)から漏れた。

 

「ルシファー!頼む!」

 

「りょうっ!」

 

ルシファーは二号機が両手に持つダブル・ホーン・ファンネルを思い切り振り上げる。

 

「かいっ!!!」

 

振り下ろした光刃はガイストローゼの左腕と脚部を斬り裂いた。

至る所からミノフスキー粒子が漏れ出す。

 

コックピットが激しく揺れ、全天周囲モニターには一号機が映る。

 

「くっ....!!だが、ここで終わるわけには行かない!重力に束縛されたままのアースノイドとスペースノイドは全く持って違うのだ。貴様らが邪魔さえしなければ....!!」

 

グレイは恨み言を力強く喋る。あと数分もすればドルトンは二機に激突し、大爆発を起こすだろうと計算し考える。

 

「ルシファーは退避しろ!他の小隊のメンバーに救助されてもらうんだ!」

 

アスカは叫ぶ。しかしルシファーは首を横に振るように、そして泣き叫ぶように

 

「アスカはどうするのよ!私はアスカと一緒にいたいのよ!私も戦うわ!」

 

悲痛な声を出した。

 

「俺はグレイを引き付ける!お前は来ちゃだめだ!」

 

アスカはなおも必死に叫んだ。だがルシファーは諦めようとはしていない。

ドルトンは直ぐ(そば)まで近付いている。

 

「私は、貴方が居てくれたからここまで..変われたの!楽しいこともしたわ、悲しかったこともあった。人だってたくさん殺してしまった...。だから、最後まで貴方と戦いたいわ!」

 

「駄目だ!来るんじゃない!」

 

アスカは残された円筒形のファンネルを使い、二号機の四肢をビームで切断する。

そのまま二号機はガンダム顔からバーザム顔へ戻り、省電力モードへ移動した。

 

その時に、通信機器も途絶えてしまった。

 

「辞めなさいアスカ!聞こえているの?!駄目!お願いだから...死なないでよ...」

 

ルシファーはバイザー越しに涙を流す。無重力で涙は浮き、バイザーに張り付いた。

コックピットのモニターを叩いても、何も反応しない。

 

無重力空間では抵抗が発生しない。そのまま二号機は、宇宙要塞ジェミニの方角へ流されていった。

 

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アスカは通信が切れたあと、一号機を動かして接近するドルトンにメインカメラを向ける。

ドルトンは既にメインブリッジを焼かれて、破壊されている。

あちこちからは煙を出し、衝突すれば大爆発になることだろう。

 

「そろそろ終いだな...ルシファー、すまない....」

 

グレイの()るガイストローゼは一号機に掴まれているが、攻撃もせず、もがいて脱出もしようとはしない。逃げられないと分かっているからだろうか。

 

「貴様も、想うことはあるのだな....。」

 

「ああ。お前とは違って人間だからな。」

 

「まだ言うか....。だが、貴様も潮時だ。」

 

「そうだな....。新しい人生を歩めるとしたら、戦争がない、人を殺さない平和な世界だといいな...。」

 

「私もそれを望むだろう。だが、人間は残酷にしかなれない生物だ。どんな世界、時代になっても戦争は繰り返される。無知な人間が、積み上げたもの全てを壊してしまうのだ...」

 

そう言い、ドルトンの船首は一号機とガイストローゼに激突した。

そして、ドルトンはトドメの一撃と言わんばかりに大爆発を起こす。

閃光が走り、艦艇の破片が飛び散った。

 

 




こんにちは、またはこんばんは。時々おはようサクナです。

機動戦士ガンダムχ、そろそろ最終章を迎えてしまいそうです。
2025年6月から連載を始めて、40話まで行きました。長くなってしまった....(焦)

誰の目にも止められず、ちょっと寂しい終わり方をしてしまいそうです。
言葉が拙いときもありました。
けれど数人、数十人の人が見てくれるだけでも、私は嬉しかったです。

どうか、最後までお付き合いしてもらえると嬉しいです。

以上、サクナでお送り致しました。
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